デッドリフトより手軽で背中にも効果的なハーフデッドリフトはやり方やフォームを正しく行うことで高い効果が期待できます。
今回はハーフデッドリフトの効果、やり方やフォーム、ポイントや注意点、平均重量&最適回数を紹介します。
目次
ハーフデッドリフトとは?
ハーフデッドリフトとは、文字通りデッドリフトのハーフ(半分)という意味です。
デッドリフトというのは本来、床に置いてあるバーベルを腰の高さまで持ち上げて、それをまた床に下ろして、また持ち上げる動作を繰り返す筋トレ種目になります。
要するに、デッドリフトの一連の動作の半分だけをやるのがハーフデッドリフトなのです。
半分というと具体的にどこからどこまででしょうか?
答えは膝から腰の高さまでのことです。
通常は床まで下ろすのを膝のあたりで止めて、また腰の高さまで持ち上げるのです。
なので、フィニッシュは通常のデッドリフトと同じということになります。
このハーフデッドリフトを通常のデッドリフトと勘違いしてやっている人も多くいるのも事実です。
また、デッドリフトは床から膝くらいまで持ち上げるのが一番きついです。
ハーフデッドリフトはこの一番きつい部分をやらない、ということになりますので、意味がないという人もいますが、そんなことはありません。
デッドリフトと違った効果がハーフデッドリフトにはあるのです。
それを次に見ていきましょう。
ハーフデッドリフトの筋トレ効果2つ
ハーフデッドリフトは先に説明したように、膝くらいまで下げたら持ち上げてしまいます。
デッドリフトは床から持ち上げる時が一番きついので、この部分をやらないことになりますが、実は床から膝くらいの位置まで持ち上げるためには足の筋肉を大きく使っているのです。
そして、膝より上は主に背中の筋肉を使います。
なので、デッドリフトは背中のトレーニングとしてやっている人もいますが、脚のトレーニングとしてやっている人もいるくらいです。
脚の筋肉を使う初動が一番きつくて、膝より上に持ち上げるのはやや楽になるのはデッドリフトをやったことのある人なら誰でも納得いくでしょう。
と言うことは逆に言えば、床まで下ろす通常のデッドリフトの場合、まず持ちあがらなくなるのは床に下した時です。
この部分が一番つらいのですから、限界まで追い込むと床から1センチすら持ちあがらなくなります。
しかし、この時背中にはまだ余裕があるのです。
要するに背中はまだ限界まで達していないのに、トレーニングをやめなければいけなくなってしまうのです。
背中のトレーニングとしてやりたいなら、床まで下ろす必要がないわけです。
背中に刺激が大きく入る膝から上の動作さえ繰り返せばいいわけです。
そうすることによってデッドリフトが背中を鍛える種目になるのです。
また、ハーフデッドリフトは通常のデッドリフトと比べるとすぐに高重量を扱えるようになります。
通常のデッドリフトで200キロを持ち上げることができる人はほとんどいませんが、ハーフデッドリフトの場合は結構います。
それくらい持ち上げることのできる重さが異なるので、ハーフデッドリフトをやると、力がどんどんついている気になるので、トレーニング自体が面白くなるという効果もあるのです。
ハーフデッドリフトの正しいやり方&フォーム
それではハーフデッドリフトの正しいやり方、フォームをここで解説していきましょう。
もちろん文字だけで解説してもわからないと思うので、動画を紹介いたします。
まずは以下の動画を確認してみてください。
①パワーラックなどで膝くらいの位置にバーベルを合わせて重量をセットする
②肩幅よりやや広めで両手でバーベルをしっかりと持つ
③足の幅は大体肩幅くらいでOK
④バーベルを持ち上げて腰の位置まで持ってくる
⑤姿勢が真っすぐになるまで持ち上げたら今度は徐々に下ろしていく
⑥膝の位置まで下ろしたら再度持ち上げる
以上を繰り返していくのがハーフデッドリフトです。
最後はまた元の位置にバーベルを戻しましょう。(床に下ろす必要はありません)
ハーフデッドリフトのポイント&注意点5つ【フォームや重量】
バーベル用のラックが必要
まず第一にハーフデッドリフトは膝の位置でバーベルをセットするラックが必要なので、家ではできません。(家にパワーラックのようなものがあれば別ですが)
なので、ハーフデッドリフトはジムで行うことになるでしょう。
背中は反らさない
また、デッドリフトとフィニッシュは同じですが、よくフィニッシュの時に背中を反らす人がいますが、これは間違いです。
背中を反らせると何となく背中に効かせることができるような気がしますが、背中を反らしても背中の筋肉を使うわけではありません。
これは股関節の伸展を使っているだけなので、背中を痛めてしまう可能性すらありますので、やめてください。
あくまでも背中は常に一直線です。
重量設定は適切に
あまりに自分に合っていない重量(要するに重すぎる場合)でハーフデッドリフトを行うと、太ももを補助するように使ってずり上げていく人もいます。
これも当然ですが、意味のない行為なのでやめてください。
背中の筋肉が全然使われていません。
適切な重量でやることで目的の筋肉にしっかり効かせることができるのです。
背筋を伸ばすコツ
基本的にはバーを両手で持った時に肩甲骨を寄せておくと良いでしょう。
その姿勢を保ったまま上下すれば背中に刺激が強く入るので、効率的にトレーニングをすることができます。
下ろす位置の目安
ちなみに疲れてくると段々と下ろす位置が浅くなってきます。
厳密にここまで下ろさないといけない、というのはありませんが、どんどん浅くなってしまうと以前より力がついたのかの判断ができなくなってしまうのです。
ですので、自分の中でここまで下ろすというラインを決めておいた方が良いでしょう。
ジムでデッドリフトをやるラックは目の前に鏡があるはずなので、鏡を見ながら最低ここまでは下ろすという位置を決めて毎回その位置まで下ろすようにしましょう。
ハーフデッドリフトの平均重量は?
ハーフデッドリフトの平均的な重量はデータがありませんが、男性なら平均的に100キロ以上は持ちあがるはずです。
実際にジムでハーフデッドリフトをやっている人を見ても、100キロ以下でやっている人の方が少ないと感じます。
先に言った方に男性なら200キロを挙げる人もざらにいますし、中には300キロ近く持ち上げる人すらいます。
これが通常のデッドリフトなら化け物クラスですが、ハーフデッドリフトならそれほど珍しいことでもないのです。
まずは体重の3倍を目標にしてやってみましょう。
そして、それがクリアできれば、4倍程度まで目標をアップしてもいいかもしれません。
どちらにしても先に言ったように、ウエイトトレーニングは重い重量を扱えた方がテンションが上がりますので、やる気も出ます。
ベンチプレスでどんどん重量をアップするのは難しいですが、このハーフスクワットならいけるのでどんどん行ってしまいましょう。
知らない人なら、200キロ持ち上げると聞けば絶対に「すごい!」と言ってくれるはずですよ。
ハーフデッドリフトの適正回数は? 【目的別に紹介】
ちなみにハーフデッドリフトの適正回数って何回なのでしょうか。
これは目的に応じて異なります。
■筋肉をつけたい…8回~12回程度。この回数が一番筋肥大には効果があると言われているからです。
■パワーだけをつけたい…ものすごい高重量を3回以下程度。
■筋持久力をつけたい…15回~20回程度。筋持久力を必要とする競技をしている人は回数もこだわりましょう。
ここで言う回数というのはあくまでも「その回数しかできない。それ以上は何があってもできない」回数のことを指します。
20回できるのに10回しかやらないというのは筋トレで言えば「サボっている」だけです。
もし、筋肥大を狙っているのに14回できた…というのであれば、即重量をアップしてください。
重量をアップさせれば当然回数は減るはずです。
もちろん回数を多くやっても筋肥大はします。
100回やったからと言って筋肥大をまったくしないかと言えば、そんなことはありません。
しかし、人間の集中力というのはそれほど長く続くものではありませんし、筋トレなんてできる限り短く済ませたいですよね?
だったら、最短の時間で最高の結果を目指すべきでしょう。
それが今回紹介した回数なのです。覚えておきましょう。
ちなみにセット数は3セット~4セットをやってください。それ以上は必要ありません。
というよりそれ以上のセット数ができないくらいに追い込みましょう。
ハーフデッドリフトとデッドリフトはどちらが効果的?
ハーフデッドリフトと通常のデッドリフトどちらが良いかと質問する人がいますが、これはメインに鍛える部位が異なるので、どちらが良いかというのはまったく言えません。
自分が脚を鍛えたいのであれば、通常のデッドリフトの方が良いですし、背中をメインに鍛えたいならハーフデッドリフトでいいわけです。
また、例えばパワーリフティングのような競技をやっている人は当然デッドリフトが種目としてあるわけですから、通常のデッドリフトをやらないといけないでしょう。
しかし、ハーフデッドリフトをやると高重量に体が慣れてくれます。
その意味では、通常のデッドリフトをやっている人もたまにはハーフデッドリフトをやる意味はあるのです。
ハーフデットリフトで300キロ持ち上げたら、通常のデッドリフトに戻った時に何となく200キロくらいなら持ち上げられそうな気もしますよね。
高重量を持ち上げる時って気持ちも大事なのです。
なので、基本的にはどちらもやるというのが正しいのです。
一つの種目さえやっていたら、他はやらなくても良いというなら、こんなに多くのウエイトトレーニングの種目は生まれていませんよね。
ハーフデッドリフトを自宅でやるやり方とは?
ハーフデッドリフトをどうしても家でやりたい、という人は、ダンベルを使えば自宅でも可能ですので、ダンベルでやることを考えてもいいかもしれません。
中には、ダンベルで行うハーフデッドリフトの方が肩甲骨の収縮が簡単にできるから背中に効かせやすい、なんて言う人もいます。
このあたりは好みですが、確かに両手が自由に動くので、フィニッシュの時に腕を体の真横まで持って行けば背中に刺激が入りやすいことは確かでしょう。
以下に動画を載せておきますので、バーベルで行うハーフデッドリフトと比べてみてください。
どちらをやるのかはあなた次第です。
バランスはとりにくいのは間違いありません。
人間は同じように使っていてもほぼ利き手の方がだいぶ強いので、同じ重量のバーベルを持つとバランスが取れない人も多いのです。
ただし、バランスの取り方は徐々にわかってきますので、家でやる場合は選択の余地がなく、このダンベルハーフデッドリフトになるでしょう。
ハーフデッドリフトの効果を高めるおすすめの筋トレ種目
ちなみにハーフデッドリフトと一緒の日にやると良い種目ってあるのでしょうか。
ハーフデッドリフトは背中の種目なので、背中を鍛える種目を一緒の日にやると良いでしょう。
例えばラットマシンプルダウン、ワンハンドダンベルロウ、ロープーリーロウなどです。
また、背中の種目は大抵の場合、上腕二頭筋も使うので、そちらの種目も一緒にやってもいいでしょう。
例を挙げるとプリチャーカール、バーベルカール、コンセントレーションカールなどです。
腕の日を分けていない人は、この上腕二頭筋の種目も一緒にやってしまいましょう。
ちなみに筋トレは重い重量を扱う種目を先にやるのが基本なので、ハーフデッドリフトは一番最初にやりましょう。
これは重い重量を扱う種目は疲れていない状態でやらないと記録が狙えませんし、そもそも一番集中力がいるので、疲れてからやると怪我をしやすいからです。
このあたりはすべてのウエイトトレーニングの基本なので覚えておきましょう。
まとめ
・ハーフデッドリフトの効果は背中を鍛えることができる。
・ハーフデッドリフトのやり方は膝のあたりまでバーベルを下ろして、持ち上げる。
・ハーフデッドリフトは非常に重い重量を扱えるので、怪我をしないように正しいフォームで行うことが大事。
・ハーフデッドリフトはもっとも高重量を扱える種目の一つで、成人男性なら平均的に100キロ以上を持ち上げることが可能。
今回はハーフデッドリフトについて解説をしていきましたが、いかがでしたでしょうか。
通常のデッドリフトとの違いは理解していただけましたでしょうか。
それぞれ違った効果があるので、どちらもトレーニングに取り入れると良いでしょう。
また、きちんとしたフォームでやらないと効果がないどころか、怪我をすることにもなるので、動画を見てフォームを覚えてから重量をアップするようにしてくださいね。