ベンチプレスは人気の筋トレですが、重さ重視だと効果が得にくい場合もあり正しいフォームで行うことが重要です。
今回はベンチプレスの効果、男性平均重量、正しいやり方とコツ、NGなやり方、記録を伸ばす筋トレ4選を紹介します。
目次
ベンチプレスとは?
ベンチプレスは、ベンチに仰向けに寝転んだ状態で、バーべルを持ち上げる筋トレ種目になります。
上半身を鍛えるもっとも効率的な種目の一つだと言われています。
筋トレと言えばこの種目を頭に思い浮かべる方も多く、筋トレの代名詞ともいえる種目で、
スクワット、デッドリフトと並び「ビッグ・スリー」とも呼ばれています。
特に男性はベンチプレスが好きな人が多く、下半身の筋トレはほとんどしないけれど、このベンチプレスだけは毎回するというような方も大勢います。
筋トレの中で最も人気がある理由は、
・ビッグ・スリーの中では比較的辛くない種目であること
・上半身の前面(胸のあたり)を鍛えるとき鏡で自分の筋肉が確認できてやる気が出ること
・どこのジムに行ってもベンチプレスだけはできる設備があること
・男性として鍛えたい筋肉を複数鍛えられる(胸以外に腕や肩)
などが挙げられます。
理由は人それぞれですが、人気の筋トレ種目であることは間違いありません。
ベンチプレスで鍛えられる部位とは?
ベンチプレスで鍛えられる筋肉は先に説明したように「胸の筋肉」です。
具体的に言うと大胸筋になります。
しかし、ベンチプレスはコンパウンド系の種目(複合関節種目)であるため、大胸筋はメインに刺激を入れることができますが、他の筋肉も同時に鍛えることができます。
よって、鍛えられる筋肉は、メインが大胸筋、サブとして上腕三頭筋、三角筋に刺激が入ります。
上腕三頭筋は二の腕の裏側の筋肉で、三角筋は肩の筋肉になります。
この他にも、バーベルを安定させるために前腕や体幹も力を入れることになりますので、上半身を全体的に鍛えることができる種目なのです。
男性であれば、今挙げた筋肉はすべて鍛えたいと思っている方も多いので、筋トレの中でもっとも人気種目となっているわけです。
ベンチプレスの筋トレ効果とは?
ベンチプレスを行うことでもっとも期待できる効果は胸板が厚くなることでしょう。
厚い胸板は男性の象徴ですし、女性も好きな人が多いですよね。
また、サブで使う上腕三頭筋や三角筋の発達も期待ができるので、二の腕が太くなったり、肩が大きくなることも期待できる効果になります。
つまり、女性にアピールできる部分が強化できるので人気が出るのは当然かもしれません。
また、ベンチプレスは筋トレの中ではもっとも効果を実感しやすい種目の一つでもあります。
なので、ベンチプレスをすることによって、筋トレ自体のやる気が出てくるという効果もあります。
やっぱり効果が目に見えてわかる方がやる気は出てきますから。
ベンチプレスをやった直後は胸がパンプアップするため、鏡を見ると別人のような自分がいます。
この自分の姿を見てやる気が出てくるわけです。
その他にはベンチプレスは人気種目なので、「ベンチプレス何キロ?」と訊かれることがあります。
その時にある程度慣れていれば「100キロ挙げられる」と言って驚いてもらえれば、優越感を感じますし、自信にもなるでしょう。
そして、さらに筋トレのやる気が出てくるというわけです。
ベンチプレスの男性平均とは?
ベンチプレスはどの程度を持ち上げられれば凄いのでしょうか?
これは人によるので一概には言えませんが、平均的には男性であれば40キロ程度と言われています。(女性は20キロ程度)
なので、40キロ以上持ち上げることができれば平均以上と言えます。
しかし、この40キロというのもきちんとしたフォームでやっているかどうかでかなり違ってきてしまうので、何とも言えないのが現実でしょう。
周りの重さが気になるのは仕方がないですが、自分がどの程度成長したかの方が重要です。
始めてすぐに100キロ上げられる人もいますが、その人が1年後にも100キロしか上げられなければ、その人はあまり頑張っていないということになるでしょう。
逆に20キロしか上げられない人でも、1年後に50キロを上げることができればその人は1年で倍以上成長したということになるわけです。
これはどちらがすごいでしょうか?
それでも100キロ上げられる人の方がすごいと思う方もいるかもしれませんが、ウェイトトレーニングは常に自分との戦いです。
自分に打ち勝ち、徐々にでも成長していればそれは素晴らしいことではないでしょうか。
これは一人でやるウェイトトレーニングの良いところでもあるわけです。
他人との競争ではありませんから自分の成長を喜びに変えられるわけです。
競技としてやるようになるとそうではないですが、基本的にはウェイトトレーニングは競技にしている人はあまりいないでしょう。
そう考えれば少しの進歩が非常に嬉しくなり、トレーニングを続けるモチュベーションになるはずです。
ベンチプレスの正しいやり方【フォーム重視】
それでは、ベンチプレスの正しいやり方を紹介します。
人気種目ゆえに意外に間違ったやり方をしている方も多いのでチェックをしてみてください。
①バーベルの重量を調整する
②ベンチ台に仰向けで寝ころぶ(頭の位置は目の上にバーがあるくらい)
③肩甲骨を寄せて胸を張る
④ラックからバーを外す(スタートポジション)
⑤ゆっくりとバーを下す
⑥胸につくくらいまで下したらスタートポジションまで上げる
以上を繰り返すのがベンチプレスになります。
ベンチプレスの効果を最大限に引き出すフォームのコツ6つ
ベンチプレスを行う際は以下のポイントに気を付けてやるようにしてください。
①肩甲骨
肩甲骨は寄せて下に下げるようにすることを心がけてください。
できない方は胸を張るイメージを持ってやってください。
胸を張れば、自然と肩甲骨はある程度寄って下げることができます。
②バーの下ろす位置
バーは乳首の辺りに下ろすようにしましょう。
③バーの下ろす高さ
体に触れるくらいまで下ろすのがベストです。
よくほとんど下ろさない人がいますが、それだと大胸筋に刺激があまり入りません。
ほとんど三角筋と上腕三頭筋に刺激が入って終わりになります。
ただし、下ろすと関節が固くて痛い人は下せる位置まででOKです。
④上げ切ったときの肩のフォーム
上げきった時に肩を一緒に上げてしまう方もよくいらっしゃいます。
こうすると肩甲骨が寄らなくなって、大胸筋から負荷が逃げますのでフィニッシュの肩の位置には注意してください。
⑤呼吸のタイミング
下ろす時に息を吸って、上げる時に息を吐くようにしましょう。
⑥バーベルの向き
バーベルを上げ下げするときにはできるだけ真っすぐ上げて、真っすぐ下ろすようにしましょう。
斜め上や斜め下に向かって上げる方が多く、効果が半減してしまいます。
以上6点を気を付けてやってください。
きちんとやれば、やっている最中も大胸筋に効いている感覚があるはずです。
重さを大胸筋に感じながら行うようにしてください。
ベンチプレスで重量重視のやり方はNG
ベンチプレスはパワーリフティングの種目の1つとなっていることから、重い重量を持ち上げるテクニックがいくつかあります。
しかし、筋肉をつけるためにやる筋トレでは、このテクニックを使ってしまうと大胸筋から負荷が逃げてしまいます。
そのため基本的にはテクニックを使わないようにやる方がトレーニングの質が上がります。
筋トレに向かないテクニック① 背中を浮かせる
よくやってしまうテクニックとしては、背中をアーチ状にしてバーと胸の距離をできるだけ縮めるというものです。
当然移動距離が短くなるので、重い重量も持ち上げやすくなります。
しかし、筋肉を鍛えるという観点からするとこのやり方はあまり良くないと言えます。
筋トレはあくまでも筋肉を疲労させることが目的で、重いものを持ち上げることが目的ではないからです。
筋トレに向かないテクニック⓶ 背中+お尻を浮かせる
また、パワーリフティングのテクニックではありませんが、背中をアーチ状にして、さらにお尻まで浮かすとさらなる高重量を持ち上げることができます。
ここまで来るともうほとんど大胸筋に刺激が入りません。
筋トレに向かないテクニック③ スピードをつけて反動を利用する
あとよくやってしまうテクニックとしては、スピードをつけて下ろして胸でバウンドさせてしまうやり方です。
勢いよく下ろして胸でバウンドすると、力を使わなくてもある程度上に持ち上がります。
当然、力を使わずにある程度持ち上げているので、上げきるのは楽になります。
テクニックを使って上げて良い時もある
どうしても重量をアップさせたい場合は、たまにはテクニックを使ってやってみても良いでしょう。
重さを体に慣らして徐々に正しいフォームでも上げられるようにすればいいわけです。
例えば正しいフォームで100キロがどうしても上げられない場合は、何度かテクニックを使って100キロを上げてみましょう。
そうすると「自分は100キロを上げることができる」と思い込むことができますし、100キロの重さの感覚がわかるようになります。
そうするとそのうち100キロが正しいフォームでも上がるようになることがあるのです。
しかし、これはあくまでも正しいフォームをきちんとできることが前提です。
最終的には正しいフォームでできるようになるために一時的にやるものなので、テクニックのみを使ってどんどん重量をアップさせていくのはやめましょう。
単なる重さが上げられるという自己満足に終わって、筋肉の発達が期待できません。
そうなるとそのうち筋トレがつまらなくなって、筋トレ自体をやめてしまうことになります。
ベンチプレスのNGなやり方2選
NGなやり方① 筋トレペースを守らない
ベンチプレスを非常に頻繁にやる方がいます。
しかし筋トレはやりすぎると逆に過労になってしまって、筋肉は発達しなくなってしまいます。
逆に小さくなってしまう可能性すらあります。
これは大胸筋に限ったことではありませんが、ベンチプレスは特に好きでやる人が多いためやり過ぎてしまう方も多いので注意しましょう。
どれくらいの頻度でやるかは人それぞれなので、最終的には自己判断ということになるのですが、大抵の場合は週に1日か2日で十分です。
逆にそれ以上できるのであれば、きちんと追い込めていないと考えた方が良いかもしれません。
1回1回のトレーニングの負荷をもっと増やしてみましょう。
NGなやり方⓶ 限界重量にトライし過ぎる
「限界重量」と言って1回しかできない重量があります。
この限界重量に毎回のように挑戦する方も多いです。
筋トレを始めたばかりなら記録もどんどん伸びるかもしれませんが、ある程度すると毎回限界重量に挑戦してもほとんど無意味です。
なぜなら、中級者くらいになれば、そんな簡単に重量は伸びません。
また、限界重量に挑戦すると筋肉が疲労してしまい、回数があまりできなくなってしまいます。
ですので、逆にトレーニングの質が落ちてしまう可能性もあります。
できれば限界重量に挑戦するのは月に1、2回くらいにした方が良いでしょう。
その他の日はきちんと筋肉を追い込むということに意識を置いてやった方が筋肉の発達が良いはずです。
ベンチプレスの記録が伸びない時におすすめの筋トレ4選
ベンチプレスは最初はどんどんと記録が伸びて楽しいと感じるでしょうが、ある程度やっていると全然記録が伸びない時期が来るでしょう。
そうなるとやる気もなくなってきてしまうので、できたら記録を伸ばし続けたいものです。
そういう時はベンチプレスだけをやるのではなく、他の種目もやってみましょう。
先の説明でベンチプレスで使う筋肉は大胸筋だけではなく、上腕三頭筋や三角筋も使うと書きました。
これらの補助筋を鍛えることでベンチプレスの記録が伸びる可能性があります。
大胸筋にまだ余裕があったとしても、他の筋肉に余裕がなければ持ち上げられないわけです。
要するに総合力を上げることで重い重量に対抗するのです。
具体的には上腕三頭筋を鍛えるために「ケーブルプレスダウン」や「フレンチプレス」をやると良いでしょう。
また、三角筋を鍛えるために「ショルダープレス」や「サイドレイズ」などがおすすめです。
それぞれの動画を載せておきますので、是非ご覧ください。
ケーブルプレスダウン
フレンチプレス
ショルダープレス
サイドレイズ
まとめ
・ベンチプレスの効果を最大限に出すやり方のコツは正しいフォームで行うこと。
・ベンチプレスは男性であれば40キロ程度が平均(女性は20キロ程度)。
・ベンチプレスはあまりに重さにこだわってテクニックを使って挙げてしまうと、大胸筋を鍛える効果が半減してしまう。
以上がベンチプレスのまとめになります。
ベンチプレスは人気種目ですが、間違ってやっている方もかなり多いのできちんと自分のフォームをチェックしてこれからやってみましょう。
間違ったフォームでやっていた方はきちんとしたフォームにすることで劇的に効果が出る可能性があります。
そうすればまたやる気になって頑張れるので更にカッコイイ体になる可能性も高いです。
まずは自分のフォームのチェックから始めてみましょう。