最近よく耳にする「体幹トレーニング」は体のバランスを整えるためのインナーマッスルを鍛える効果が期待できます。
今回は体幹の基礎知識、体幹トレーニングの効果4つ&コツ3つ、鍛え方としておすすめのメニュー3選を紹介します。
体幹の定義と範囲とは?
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「体幹」の定義
体幹という言葉を聞いたことがある方は多いかと思います。
昔は体幹なんて言葉を聞くことがあまりなかったでしょう。
ましてや、「体幹トレーニング」なんて言葉はほぼほぼ聞く機会なんてなかったと思います。
しかし、最近では体幹という言葉をよく聞くようになってきましたね。
では体幹というのはいったい何なのでしょうか?
実は「体幹」という言葉についてのはっきりした定義というものは無いようです。
「体幹の定義がなければどうやって使いこなしているの?」と思うことでしょう。
明確な定義がなければ、人によって解釈が変わってくるのは当然で、やはり指導者によって体幹の説明は様々なようです。
しかし、体幹についてある程度共通して認識されていることもあるようです。
ですから、そこまで大幅にずれた解釈は無さそうですね。
体幹はいったいどこのことを指す?
体幹というものはどこを指しているのでしょうか?
体幹の定義がないことが原因なのか、これもいくつかの説があるようです。
参考までにいくつか紹介していきましょう。
■「骨盤・背骨・肋骨・肩甲骨」を基礎とした部分。
要するに、胴体の部分という事ですね。
頭と手足を除いた胴体の部分のことを体幹という事になります。
■「腹腔を囲む部分」
これが一番一般的になっているのではないでしょうか。
腹腔を囲む部分という事ですが、腹腔は4つの筋肉によって囲まれています。
その筋肉を紹介すると、
・腹横筋
・多裂筋
・横隔膜
・骨盤底筋群
の4つの筋肉になります。
上記で紹介した4つの筋肉は「インナーマッスル」と呼ばれるものになっているのです。
インナーマッスルという言葉なら聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
インナーマッスルという言葉でわかるように、今紹介している説が一般的になります。
■胸郭・背骨・骨盤とその中の臓器・筋肉・表層面
要するにこれは内臓を含めた胴体部分全部という事ではないでしょうか。
ピラティスではこのように定義をされているようです。
以上が体幹の部分の所説になります。
言葉の言い回しこそ違いますが、胴体部分のことを言っているという事では同じではないでしょうか。
体幹の役割・働きとは?
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体の胴体部分を体幹と呼ぶようですが、単に胴体部分のことなら、体幹などと呼ばずに胴体とだけ言えばいいですよね。
ですが、胴体といわず体幹と呼ぶという事は、ある役割があるという事が考えられます。
では、体幹の役割・働きにはどのようなものがあるのでしょうか?
これから体幹の働きについて紹介していきたいと思います。
生命維持
「生命維持」これは体幹の働きの中で最も重要なことと言ってもいいでしょう。
なぜ体幹が生命維持に関わってくるのでしょうか?
それは、体幹には内臓を所定の位置に置くという働きがあります。
この働きがないと、内臓はあっちこっちやたらな場所に移動してしまうことでしょう。
そうするとどうなるか?
内臓は所定の位置にある事でその能力を最大限発揮しますので、それが定位置にないと十分な働きができないということになります。
これは生命維持に大きく関わってくるでしょう。
うまく機能できないことから、生命を維持できなく、死んでしまうことも考えられます。
姿勢維持
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体幹は姿勢を維持するための働きもしています。
体幹はインナーマッスルと呼ばれる筋肉のことでもあります。
インナーマッスルは体のバランスを保つ役割があるので、体幹にも同じ機能があるとしてもおかしくないでしょう。
運動
姿勢を維持するという事は、運動にもつながることでしょう。
例えば、立つという動作は、インナーマッスルで体のバランスが保たてていなければできません。
走ることも歩くことも、ジャンプすることも一緒です。
体のバランスが保たれているためにこのような動きができます。
ですから、運動することも体幹の大きな働きの一つという事が言えるでしょう。
体幹トレーニングの効果4つ
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体幹を鍛えるというのはインナーマッスルを鍛える事と同じことと考えられます。
となると、身体の奥にある筋肉になりますので、体幹を鍛えても筋トレのように目に見えるような変化はないように思えます。
では、体幹トレーニングをするとどんな効果が得られるのでしょうか?
バランスの良い体作りができる
体幹を鍛えることによって、身体のバランスがよくなります。
なぜバランスが良くなるのか?というと、インナーマッスルというものは、関節とつながっているものが多いからです。
例えば、まっすぐに立つとしましょう。
真っすぐに立つには背筋が伸びなくてはいけませんね。
背筋を真っすぐにするという事は、背骨を真っすぐにするという事です。
となると、背骨などもそうですが、関節が適正な位置にないとアンバランスになってしまい、真っすぐに立つことはできません。
関節などの骨を適正な位置で保つ筋肉がインナーマッスルになるのです。
また、バランスの良い体を作るという事は、同時に怪我をしにくい体を作るという事になります。
わかりやすい例をだすと、転びそうになった時など、体のバランスが悪いとそのまま転倒してしまうでしょう。
しかし、バランスが良ければ転倒せずに、転びそうでも態勢を立て直すことができるかもしれません。
バランスがいい状態というのは、アンバランスな状態に比べ、どんな状況にも対応できるようになっているのです。
姿勢が良くなり、同時に血行促進
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先ほどのバランスについての話でも出ましたが、体幹を鍛えることによって背筋を伸ばしたりするのに必要なインナーマッスルが鍛えられます。
ですから、体幹トレーニングを行う事によって、姿勢が良くなるという事が言えるでしょう。
さらに、姿勢が良くなるという事は変に血管を圧迫したりという事がなくなることでしょう。
つまり、血行が良くなるという事です。
姿勢が悪いと肩こりなどの原因になります。
肩こりの原因は血行不良といわれることが多いでしょう。
血行が促進することで、肩こりなどのトラブルも解決できるかもしれません。
基礎代謝増加 ダイエット効果が期待できる
体幹を鍛えることで、内臓の位置も正常な位置を保つことができます。
内臓がしっかりと働くためには、定位置にあるという事が必要になってくるでしょう。
ベストなポジションに内臓があれば、それだけ内臓のパフォーマンスも向上するというものです。
内臓のパフォーマンスが向上すれば、動きが活発になりますので、その分消費するエネルギーも多くなることでしょう。
すなわち、基礎代謝が増加するという事が言えます。
基礎代謝が増加すれば、消費カロリー量も増えます。
特別な運動や食事制限をせずとも、消費するカロリー量が増えていますので、以前よりも痩せやすい体になっていることでしょう。
つまり、体幹トレーニングを行う事によって基礎代謝が増加し、ダイエット効果を期待できるという事が言えます。
アウターマッスルの動きも良くなり、身体機能が向上する
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体幹を鍛えることで、インナーマッスルも一緒に鍛えることができますね。
これによって、通常の筋トレなどで鍛えたアウターマッスルの動きも良くなります。
なぜインナーマッスルを鍛えると、アウターマッスルの動きも良くなるのでしょうか?
それは、インナーマッスルはアウターマッスルのサポート役としての働きもあるからです。
先ほども少し紹介しましたように、インナーマッスルは関節などにもくっついており、バランスとの関係性も深くなっています。
筋肉を使う際に関節も必ず動くことでしょう。
関節を動かすということはインナーマッスルを使うという事です。
すると自然にアウターマッスルのサポートをしているという事になっていくわけです。
体幹トレーニングのコツ3つ
出典:https://smartlog.jp/55970
体幹トレーニングは、通常の筋トレとは違って、あるコツがあります。
要するに、筋トレと体幹トレーニングは別物という事になるのです。
同じものと考えてトレーニングをしていると、上手く体幹を鍛えることができないでしょう。
では、体幹トレーニングにはどのようなコツがあるのでしょうか?
これから、そのコツを紹介していきます。
高重量のトレーニングは行わない、無理な負荷はかけない
通常の筋トレというと、「重たいおもりを持って限界まで追い込む!」と、このようなイメージをすることでしょう。
確かに、筋トレを行ってアウターマッスルを鍛えるのであれば、これでいいかと思います。
しかし、インナーマッスルや体幹のトレーニングでは、高重量のトレーニングは行いません。
無理な負荷をかけるということもないでしょう。
ではどのようにしてトレーニングをしていくのか?というと、ゆっくりと時間をかけてトレーニングをしていきます。
アウターマッスルの筋トレしかしたことのない人は、「そんなんでほんとに鍛えられるの?」と思うかもしれません。
しかし、そうでなければインナーマッスルは鍛えることができないのです。
もし、高重量の負荷をかけてトレーニングをやろうものなら、それはインナーマッスルには効かず、アウターマッスルのみに効いてしまうことでしょう。
インナーマッスルはあくまでもアウターマッスルをサポートする筋肉です。
サポートする筋肉、インナーマッスルに効果がなければ意味がありませんので、アウターマッスルに効く筋トレは行ってはいけないことになります。
息切れするようなトレーニングは無い
出典:http://jogport.com/2015/10/5503/
先ほども紹介しましたが、アウターマッスルとは違って、体幹トレーニングでは追い込むようなトレーニングはしません。
無理にそのようなトレーニングを行うと、インナーマッスルに効かずにアウターマッスルに効いてしまうトレーニングになってしまいます。
さらに、インナーマッスルには身体のバランスを保ったり、アウターマッスルのサポートをしたりと、生活には欠かせない機能になっています。
アウターマッスルのトレーニングの場合、限界まで追い込んでもそれほど生活に支障はないでしょう。
力が入らず物が持てないなどということはあるかもしれませんが、そこまで困ることもないと思います。
なぜ困らないのか?というと、インナーマッスルがアウターマッスルのサポートをしてくれているからです。
アウターマッスルが使えなくても、インナーマッスルがカバーしてくれて、最低限のことはできてしまいます。
ですが、インナーマッスルの場合はそうもいきません。
追い込んでキッチリ効かせてしまうと、日常生活にも支障をきたす結果になってしまいます。
体のバランスをとっていますので、インナーマッスルが機能しなくなると、バランスもとれなくなってしまいます。
要するに、立ったり座ったりしているときに、背筋を伸ばしたりという事ができないという事です。
もちろん背筋だけではありません。
関節にインナーマッスルはついていますので、肩のインナーマッスルを鍛えるとすると、完全に効かせてしまうと腕が上がらなくなるでしょう。
このように、インナーマッスルを追い込んでしまうと、とても普通に生活はできませんので、アウターマッスルのように追い込んだトレーニングは行わないということもいえます。
筋トレとは違い毎日行う
インナーマッスルや体幹というものは、アウターマッスルと違い、筋肉痛がないと言われています。
超回復もないと言われているようです。
筋肉痛や超回復がないという事は、アウターマッスルのように休息をとらなければいけない!という事は無いと言えるでしょう。
「トレーニングのやりすぎでオーバーワークに…。ということもないの?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、安心してください。
インナーマッスルは、ダメージが溜まりにくい筋肉の上に、体幹トレーニング自体がオーバートレーニングになりにくいトレーニング方法になります。
ですから、アウターマッスルのように完全な休息をキッチリととらなければいけない!という事はありません。
短い間隔でどんどん鍛えていっても大丈夫でしょう。
インナーマッスルを効果的に鍛える 体幹トレーニングメニュー3選
出典:http://yourbestsolution.jp/qa-21/
体幹を鍛えるためには、通常の筋トレしか行ったことのない人からしたら、特殊なトレーニング方法になるかもしれません。
ですので、しっかりと紹介いたしますので参考にしていきましょう。
体幹をまんべんなく鍛えることができる「プランク」
①:まず、うつ伏せになって寝転がります。
②:次に、両肘と両つま先で体を支える姿勢を作ります。
このときに、両肘の幅は肩幅くらいにしましょう。
つま先も同じくらいの広さに広げます。
③:猫背になったり、反対に腰の部分が下がっていたりしないように気を付けます。
頭から足までが一直線になるようにしましょう。
④:体を浮かせ、一直線にした状態を作ったらそのままの状態を約1分ほど保ちます。
⑤:インターバルをはさみ、再び同じ体勢を作ります。
インターバルはアウターマッスルのトレーニングよりも短くしましょう。
約30秒ほどがちょうどいいかと思います。
⑥:合計で3セット行います。
以上が体幹をまんべんなく鍛えることができる体幹トレーニングメニュー「プランク」のやり方になります。
紹介では1分間同じ体勢を維持するといいましたが、慣れないうちは30秒から始めてもいいでしょう。
プランクを行うにあたって気をつけるポイントとしては、腰を下げないという事でしょう。
腰を下げずに、頭からつま先までを一直線にすることで効率よく体幹を鍛えることができます。
もう一つ、腰を下げないように気をつける理由として、腰を痛めないようにするため、という事が言えます。
腰が下がってしまうと、そこに負担がかかるため、痛める原因となりやすくなります。
この2つのポイントがあるために、頭からつま先までは一直線にしなければならないのです。
体幹、特にお腹周りを鍛えるならば「ドローイング」
①:まず、背筋を真っすぐに伸ばします。
この時に立った状態でも座った状態でも構いません。
背筋を伸ばしていることに意味があるのです。
②:背筋を伸ばしたら、次は鼻からゆっくりと息を吸い込みます。
③:腹式呼吸をするように、息を吸い込んだらお腹を膨らませます。
④:息を吸い込んだら一旦息を止めます。
息を止めたときにおしりに力を入れます。
⑤:息を止めた後は息を吐くのですが、ここも腹式呼吸と同じように、息を吐くときにお腹をへっこませます。
⑥:②~⑤の繰り返しになります。
以上がドローイングのやり方になります。
ドローイングは、腹筋のインナーマッスルを鍛える方法として最も簡単な方法になります。
特に何回行わなければいけないという事もありません。
なぜなら、ドローイングはできるときにできるだけの回数を行う、というものだからです。
ですから、できるだけ回数は多くこなしていった方がいいという事になるでしょう。
言ってみればドローイングは、呼吸を行う事でインナーマッスルを鍛えるものになります。
ですから、どんな時にでも行う事ができます。
例えば、電車に乗っての通勤時にも行う事ができますし、料理を作っている最中にでも行う事ができます。
ただ、注意点もあります。
それは、お腹がいっぱいの時満腹時は行わないという事です。
ドローイングは腹式呼吸を強くしたものになります。
お腹を膨らましたりへこましたりという事からもわかると思います。
空腹時なら問題ありませんが、満腹の時にこれを行うとお腹が痛くなったり気持ち悪くなったりすることもあるでしょう。
ですから、ドローイングを行う時には満腹時を避け、リラックスして行うと効果的になります。
全身のバランス感覚を鍛えることのできる「ニートゥ・エルボー」
①:まず、四つん這いの姿勢をとります。
この時に、猫背にならないように注意しましょう。
背筋を真っすぐにするよう意識して行うと良いですね。
②:四つん這いの姿勢を作ったら、手と足を浮かせるのですが、右手を上げたら左足を同時に上げるといったように、対角の手と足を一直線になるように上げます。
③:対角の手足は真っすぐに伸ばすようにして持ち上げましょう。
④:手足を伸ばしきったら、肘と膝を体の中心に寄せていきます。
お腹の下で肘と膝をくっつけるようにします。
⑤:肘と膝をくっつけたら、もう一度手足を伸ばしていきます。
⑥:伸ばしきったら、再びお腹の下で肘と膝をくっつけます。
伸ばしてくっつけの繰り返しです。
⑦:③~⑥を繰り返していきます。
10回を目安に行っていくといいでしょう。
⑧:行った手足を反対にして同じことを繰り返します。
以上がニートゥ・エルボーのやり方になります。
体幹を鍛えるには非常に効果的な方法として、筋トレマニアからも人気のトレーニング方法となっているようです。
しかし、ニートゥ・エルボーはとても難易度の高いトレーニングになっています。
マスターするにためにはやりこむしかないでしょう。
とりあえずの目標としては、10回を3セット行うといいでしょう。
注意点としては、お腹と腰を下げないという事です。
体幹を鍛えるトレーニングですので、お腹や腰は下げないようにします。
下げてしまうと、体幹が鍛えられる効果が薄れるほか、腰を痛めるような結果になってしまうかもしれません。
まとめ
・インナーマッスルを鍛えるにはゆっくりと時間をかけてトレーニングをする。
・体幹をまんべんなく鍛えることができる「プランク」をやることでインナーマッスルも鍛えることができる。
出典:http://www.fitnessjunkie.jp/archives/2231
いかがでしたか?
体幹トレーニングについてはわかっていただけたかと思います。
体幹トレーニングは通常の筋トレとは異なります。
特殊な鍛え方といってもいいかもしれません。
ですので、今回紹介したものを参考に、正しい方法で体幹を鍛えていきましょう。