肋間筋は聞き慣れない筋肉ですが、日常生活を行う上で非常に重要な役割があります。
今回は肋間筋の位置と役割、おススメの鍛え方として筋トレとストレッチ2種類ずつ、コリをほぐすマッサージ、肋間筋の痛みを伴う病気を紹介します。
目次
肋間筋とは?具体的な位置と役割
上半身にどんな筋肉があるか問われた時に、普通どのくらい思い浮かぶでしょうか。
胸筋や腹筋、上腕筋など、一般的によく聞かれる筋肉については思い浮かんでも、さすがに全種類はわかりませんよね。
しかし、実際に、上半身だけでたくさんの種類の筋肉があることから、ある程度覚えておくことに意味はあります。
そこで、ここでは上半身にある筋肉の1つである肋間筋に着目し、特徴と役割について説明していきます。
呼吸筋の1つとしての位置づけになる
肋間筋については、肋骨の辺りにある筋肉となっていて、外肋間筋と内肋間筋に分けられます。
また、この肋間筋については、いわゆる呼吸筋としての位置づけになります。
呼吸筋については、肋間筋だけでなく、前斜角筋や後斜角筋、内腹斜筋などがそれぞれ該当するため、これを機に覚えておくといいでしょう。
呼吸の際に働いてくれる筋肉
外肋間筋も内肋間筋も、呼吸の際に働いてくれる筋肉となります。
具体的に言うと、外肋間筋は吸気の際に働き、内肋間筋は呼気の際に働きます。
人は、安定的に呼吸をしなければ生きていくことができません。
このことからも、肋間筋がいかに重要な筋肉かわかるでしょう。
仮に、肋間筋を痛めてしまった場合、深呼吸をする度に胸が痛むという極めて深刻な状態に陥る可能性があります。
従って、損傷してしまうことのないように気をつけましょう。
肋間筋が衰える原因とデメリット2つ
先ほど、肋間筋が呼吸筋に含まれるという点についてご説明しましたね。
しかし、普段呼吸筋を意識して生活している人はあまり多くないと思います。
この呼吸筋が衰える原因の一つとして、加齢が挙げられます。
そのため、中高年世代以降の人々は、この筋肉の衰えについて真剣に考える必要がありますね。
では、呼吸筋としての役割がある肋間筋が衰えることによって何か問題は生じるのでしょうか。
ここではその点に迫っていきましょう。
息苦しくなってしまう?
呼吸筋が衰えていくと、頻繁に息苦しさを感じるようになってしまいます。
ちょっと動くだけですぐ息が苦しくなってしまうようでは、普段の生活そのものがしにくくなってしまいますね。
そのため、この点は非常に大きな問題と言えるでしょう。
呼吸が浅くなる?
呼吸筋が衰えた場合、呼吸が浅くなることも懸念されます。
それくらい別に問題ないのでは?と思う人もいるでしょう。
しかし、人は本来、呼吸によって十分に酸素を取り込む必要があります。
仮に、取り込む酸素の量が十分でなくなると、疲労やその他色々な問題が懸念されるのです。
肋間筋の鍛え方 おススメの筋トレ2種類
先ほど、肋間筋が衰えることの問題についてご説明しましたね。
呼吸というのはとても重要なため、その呼吸の際に働いてくれる筋肉を鍛えることは大事でしょう。
しかし、肋間筋の筋トレと言っても、全く想像がつかないと思います。
そこで、ここではその筋トレ法についてご紹介しましょう。ぜひ参考にしてくださいね!
筋トレ法(1)
ここで紹介する筋トレ法では、特に道具は必要ありません。
ただし、歩きながら行う筋トレであるため、自宅にいる場合は外に出て取り組むことをオススメします。
具体的な手順については以下の通りです。
1.歩きながら、息を吐いていく
2.一度立ち止まり、息を吸う
以下繰り返し
手順だけ見ると、非常に簡単に感じるかもしれませんが、いくつかポイントがあります。
まず、歩きながら息を吐くときは口をすぼめるようにしましょう。
また、胸を張り、腹部をへこませるようにしましょう。
当然のことですが、一気に息を吐いてしまうのは適切ではありません。歩きながら徐々に息を吐いていくようにしましょう。
筋トレ法(2)
この筋トレ法については、歩きながら行うものではありません。
そのため、自宅で気軽に取り組むことができるでしょう。
それでは、具体的に手順をご紹介します。
1.足を少し開いて立つ
2.左右の手を、胸部における上部に添える
3.口から息を吐いていく
4.鼻の方から息を吸いつつ、頭部を後方へ動かす
5.口から息を吐きつつ、頭部の位置を元に戻す
この筋トレの場合、呼吸の仕方についてきちんと意識する必要があります。
この点で間違えると、十分な効果が期待できません。
ポイントとして意識すべきは、手順4の時です。頭部を後方へ動かした時に、胸部が上がる形になるはずです。
その時に、手を使って下方向へ胸を押すようにしましょう。
この筋トレの分かりやすい動画をご用意いたしました。ぜひご覧ください。
股間筋に効くストレッチをご紹介
肋間筋を鍛える方法を知ることも大切ですが、ストレッチ法を知ることも大切です。
しかし、普段から肋間筋のストレッチを意識的に行っている人は多くないでしょう。
そこで、ここでは効果的なストレッチ法をご紹介しましょう。
1.背筋を伸ばして立つ
2.手を組む
3.上方向へ真っすぐ伸ばし、手のひらが上を向くようにする
4.ストレッチした状態をしばらくキープする
手順に沿って実践することで、肩の筋肉と肋間筋をストレッチすることができます。
手順では、立った状態で行うものとしてご紹介しましたが、イスに座ってストレッチしても構いません。
そのため、足の悪い人でも取り組むことができますね。
基本的には難しいストレッチではありませんが、筋肉の伸びを感じることができなければ、うまくストレッチできていないということになります。
そこで、具体的なイメージを掴んでいただくためにも、このストレッチの動画を見ることをオススメします!
動画を見ると、繰り返しストレッチしていることがわかりますよね。
基本的に、1度のストレッチでもある程度の効果が見込めますが、より大きなストレッチ効果を見込むためにも、繰り返し行うことをオススメします。
肋間筋をほぐすマッサージをご紹介
筋肉の場合、痛みが発生することもあると思いますが、コリが発生することもあるでしょう。
筋肉のコリによって感じる違和感については、決して気持ちの良いものではありませんね。
そのため、ほぐすことによって解消することをオススメします。
ほぐす方法として挙げられるのがマッサージです。
それならマッサージ店に行けば良いのでは?と思う人もいるでしょう。
しかし、マッサージ店でサービスを受けるとなるとそれなりのお金がかかりますし、家の近くにマッサージ店がない場合は往復の交通費も懸念されますよね。
従って、簡単なマッサージであれば、自分で取り組んだ方が良いのではないでしょうか。
そこで、ここでは肋骨周辺の筋肉をほぐすマッサージについてご説明します。
具体的なマッサージ手順は以下の通りです。
1.右手を胸部の中心辺りに添える
2.肋骨をなぞるようにして左ワキの方へ手を動かしていく
3.左手を胸部の中心辺りに添える
4.肋骨をなぞるようにして右ワキの方へ手を動かしていく
とても簡単なマッサージ法ですが、手順に沿って実践することにより、肋骨周辺の筋肉が徐々にほぐれていくため、ぜひやってみましょう!
肋間筋の痛みを伴う2つの疾患とは
筋肉の問題というのは、時として人々を悩ませます。
スポーツ選手であっても、筋肉の問題で引退を余儀なくされるケースがありますね。
社会人の場合、生活していて筋肉に違和感を感じても、放置してしまうケースが多いです。
しかし、その違和感が、実は深刻な病気の症状だという可能性もあるのです。
そこで、ここでは肋間筋に痛みを感じる原因についていくつか取り上げ、ご説明しましょう。
肉離れの影響で痛みが生じている可能性
肉離れというと、脚の筋肉がなるものだというイメージを持つ人もいるでしょう。
しかし、肋間筋であっても、肉離れになる可能性はあります。
肉離れというのは筋肉の断裂を意味するため、仮に肋間筋が肉離れを起こした場合、深呼吸の際などに強い痛みを感じることになります。
そのため、肉離れに気づかないということはないでしょう。
肋間神経痛の影響で痛みが生じている可能性
肋間神経痛の場合、肉離れほど強い痛みがあるわけではありません。
また、痛みが一時的に治まることもあります。
従って、肋間神経痛だとわからず、放置してしまう人も多いということですね。
この病気を発症しても、日常生活に支障をきたすことはないかもしれませんが、早い段階で治療して症状を緩和させるに越したことはありませんね。
まとめ
・肋間筋は呼吸する際に使う筋肉で衰えると呼吸が浅くなり、頻繁に息苦しさを感じる。
・肋間筋を鍛えるには器具は必要なく、意識的に呼吸をするだけ。
・肋間筋に痛みを感じた場合は「肉離れ」「肋間神経痛」の可能性がある。
これまで、肋間筋の特徴や、筋トレ法及びストレッチ法、そしてマッサージ法などについて説明してきました。
肋間筋という筋肉について普段から意識する人はあまりいないかもしれませんが、とても重要な筋肉だという点は押さえておきましょう。
今回ご紹介した筋トレは、ダンベルやバーベルを使用して行うものではありませんが、呼吸筋を着実に鍛えられるものとなっています。
従って、意識的に取り組んでみるといいでしょう。
また、筋トレ法に限らず、ストレッチ法やマッサージ法に対しても関心を持っていただき、日々の生活に取り入れてみてくださいね。