棘下筋(きょくかきん)は肩周りの動きに密接な関係があり、鍛えることが大切な部位です。
今回は棘下筋の基礎知識と効果的な筋トレやエクササイズ、コリや痛み緩和に効くストレッチ、棘下筋が原因の痛みと肩の病気をまとめました。
目次
棘下筋とは?
人々が何不自由なく生活を送れている理由の一つは、筋肉がしっかりと働いてくれるからです。
仮に、全身の筋肉が極端に低下してしまえば、スムーズな行動というのが難しくなってしまうでしょう。
重要なことは、筋肉の種類について踏まえた上で、普段なかなか鍛えることがないような箇所を積極的に鍛えていくということだと思います。
そこで、数ある筋肉の中でも、ここでは「棘下筋(きょくかきん)」について取り上げ、具体的に説明していきましょう。
肩にある筋肉
棘下筋については、肩の筋肉という見方ができます。
具体的には、肩甲骨から上腕骨の辺りについている筋肉となります。
この棘下筋の近くには、肩甲下筋や大結筋など、人体にとって大切な筋肉が多くあるため、その点も踏まえておきましょう。
棘下筋とだけ聞くと、全くピンとこないかもしれませんが、肩の筋肉と聞けばだいたい見当がつきますよね。
肩というのは、日常生活の中で非常に頻繁に使う部位です。
従って、棘下筋がどれだけ人々の生活に深く関わっているかということがわかりますね。
肩関節が安定的に動くにあたって必要不可欠な筋肉
肩関節の安定は、筋肉が働いてくれることによってもたらされています。
その肩関節の安定に寄与している筋肉の1つが、棘下筋なのです。
肩関節というのは、生活する中で良く動く部位です。
従って、棘下筋が担っている役割というのはとても大きいことがわかるでしょう。
仮に、棘下筋の機能が失われ、肩関節の安定が損なわれるということになると、様々な問題が生じる可能性があります。
その点からも、棘下筋は重要な筋肉ということですね。
また、棘下筋だけでなく、肩甲下筋や小円筋などの筋肉も、肩関節の安定に寄与していることから、その点も踏まえておきましょう。
棘下筋の筋トレ法&エクササイズ法をご紹介!
スムーズな日常生活を送るために、棘下筋を鍛えることに意味はあります。
そのため、色々な方法を実践する中で、棘下筋の強化を図る人は多いです。
しかし、筋トレの経験や知識が浅い方が取り組む場合、間違ったやり方で実践してしまうことのないように注意しなくてはなりませんね。
そこで、ここでは棘下筋に効く筋トレ法と、エクササイズ法についてご紹介しましょう。
エクスターナル・ローテーション
ご紹介する筋トレは、「エクスターナル・ローテーション」です。
この筋トレの場合、ダンベルを使用することになりますが、それ以外は特段必要ありません。
そのため、家にいても気軽に取り組むことが可能です。具体的な手順については、以下の通りです。
1.床に横向きに寝る
2.上になっている腕でダンベルを持つ
3.ヒジは横腹のあたりにつけたまま、ダンベルを上げる
4.ダンベルをおろす
以下、ダンベルを上下させる動作を繰り返す
エクスターナル・ローテーションと聞くと、難しくてややこしい筋トレという印象を受けるかもしれません。
けれど、手順を見ると至って簡単な筋トレであることがわかると思います。
動作の最中は背筋を伸ばすなど、ポイントはいくつかありますが、初心者の方でも取り組める筋トレだと思います。
細かなポイントについては、手順からはなかなか読み取れないと思いますので、動画を用意しました。ぜひご覧ください。
動画を見ると、手首の辺りを意識して筋トレをしていることがわかりますね。
あまり手首をグラグラと動かしてしまうのは適切ではありませんので、ポイントをしっかり押さえられるよう努力しましょう。
エンプティカン・エクササイズ
ご紹介するエクササイズは、「エンプティカン・エクササイズ」です。
エクササイズというと、映像を見ながら長い時間をかけて段階的に覚えていくというイメージがあるかもしれません。
しかし、ここでご紹介するものについては、至って簡単ですので、その点の心配は要らないでしょう。
それでは、具体的な手順についてご紹介します。
1.片手で1つダンベルを持ち、少し足を開いて立つ
2.手のひらが内側を向くようにする
3.ダンベルを斜め前に向かって上げる
4.ダンベルをおろす
この動作を、反対側の腕でも同様に行いましょう。
エンプティカン・エクササイズの場合、ダンベルを上げる方向が1つのポイントになります。
細かいポイントについては、下の動画で覚えていきましょう。
棘下筋のストレッチのやり方をご紹介!【コリ・痛み緩和にも効果的】
棘下筋に効く筋トレだけでなく、棘下筋に効くストレッチについても、覚えることが大事です。
筋肉のコリや痛みをそのまま放置するというのは良くないため、適度にほぐしたり、伸ばしたりしなくてはなりませんね。
そこで、ここでは棘下筋に効くストレッチのやり方をご紹介しましょう。
1.足を伸ばして床に座る
2.右ヒザを少し曲げる
3.左手で右足を掴む
4.肩のあたりの伸びを感じたら、そのままキープする
この動作を反対側でも同様に行いましょう。
手順を実践する中で、何か道具が必要になるわけではありません。
そのため、自宅で積極的に取り組んでみるといいでしょう。
また、このストレッチについての動画を用意しましたので、参考にするといいでしょう。
棘下筋が原因で肩に痛みが生じる2つの可能性!
肩の痛みというのは、人々にとって切実な問題だと思います。
職場でパソコンを操作したり、外回りに出かけている間もずっと肩の痛みが続くということになると、精神的にも大きな負担になってしまいますね。
そのため、痛みを取り除くことができるよう適切に対処することが大事でしょう。
また、肩の痛みの原因を探ることも重要です。
では、棘下筋の問題で、肩が痛くなるという可能性はあるのでしょうか。
肩の筋肉=棘下筋というイメージを持っていない人が多い中で、この点は気になるポイントと言えると思います。
棘下筋に過度の負担がかかった場合
棘下筋については、肩甲骨を覆うような形になっています。
従って、棘下筋の異常により、肩が痛くなるというケースは非常に多いのです。
そのため、棘下筋への負担に対して十分に配慮しながら、生活していく必要があるということですね。
肩甲下筋との相互の動きが影響している場合
また、棘下筋と肩甲下筋というのは深く関連しています。
従って、棘下筋と肩甲下筋の双方の筋肉の影響により、肩の痛みが発生する可能性も十分にあるわけですね。
肩の痛みの原因として、棘下筋が関係している可能性は十分にあります。
しかし、必ずしもそうとは限りませんね。
全く別の原因で、肩に痛みが生じている可能性もあります。
そのため、棘下筋の問題だと決めつけるのではなく、幅広い可能性について考慮して、症状を分析していくことが大事です。
痛みの原因ごとに、解決策が異なってくる場合もあるため、慎重な見方をするよう意識しましょう。
病気の可能性も含めて、次の項目で詳しく見ていきましょう。
棘下筋以外の原因で肩に痛みが生じる可能性は3つ!
先ほど述べたように、肩の痛みと言っても色々な原因が考えられます。
肩というのは生活上とても大切な部位であるため、肩関連の病気について知っておくことに意味はあるでしょう。
そこで、ここではその病気についていくつか取り上げ、ご説明しましょう。
上腕二頭筋長頭炎
上腕二頭筋長頭炎の症状としては、肩関節や腕の辺りに痛みが生じるということが挙げられます。
また、水泳や野球などのスポーツに取り組んでいる人々の場合は、この症状が現れるリスクが高いです。
従って、やや身近な病気の1つとして挙げられるでしょう。
しかし、上腕二頭筋長頭炎については、それほど深刻な病気ということではありません。
アイシングなどによって炎症の症状が早い段階でおさまっていく可能性もあります。
変形性頚椎症
変形性頚椎症については、頚椎の変形によって引き起こされるものです。
頚椎が変形することなんて基本的にないのでは?と思っている人もいるかもしれません。
しかし、高齢化などの理由で変形する可能性があることから、この病気について軽視してしまうのは問題でしょう。
また、症状の程度が重いという場合、手術が必要になるケースもあるのです。
頚肩腕症候群
頚肩腕症候群の症状としては、程度の大きい肩こりや、頭痛などが挙げられます。
病名を聞くと、非常に深刻な症状だと感じる人もいるかもしれませんが、肩が機能不全に陥るほど深刻なものではありません。
長い時間パソコンを操作していることが原因で発症することもあり、現に多くの人がこの病気になっているのです。
日常生活の中で自分で改善を図れる病気でもあるため、それほどマイナス思考になる必要はありませんね。
まとめ
・棘下筋は肩関節の安定に寄与している筋肉の1つ。
・棘下筋と肩甲下筋の双方の筋肉の影響により、肩の痛みが発生する可能性もある。
これまで、棘下筋という筋肉の特徴や、筋トレ法及びエクササイズ法、そしてストレッチ法などについて具体的に説明してきました。
棘下筋というのは、肩の筋肉として大変重要な役割を担っています。
そのため、筋トレによって強化を図るとともに、適度に気遣ってあげるようにしましょう。
筋トレによって肩をケガしてしまうということでは問題ですね。
また、肩の異常の原因については、様々なものが考えられます。
従って、場合によっては医療機関を訪れて適切な処置を受けてくださいね。