背筋は非常に大きい筋肉で鍛えることで体も大きく変えることができたり、多くの健康効果を得られます。
今回は背筋の3種類の筋肉の鍛え方として、それぞれに最適な筋トレ方法、自宅で出来る背筋の鍛え方を紹介します。
目次
背筋を構成する3つの筋肉
「背筋を鍛える!」と一言で言っても、背中の筋肉は非常に大きなものになります。
大きく分けると、3つの筋肉にわかれており、「僧帽筋」「広背筋」「脊柱起立筋」からできているのです。
主に、よく皆さんが「背筋を鍛える」といっているときに指す筋肉は「広背筋」であることが多いでしょう。
広背筋を鍛えると逆三角形になることができますので、目立つ筋肉ともいえますね。
背筋が3つの筋肉からできているという事は、筋肉の場所や種類によってトレーニング方法も変わってきます。
となると、どの筋肉がどこの場所にあるのか?という事をわかっていないと、効率のいい筋トレができないでしょう。
また、鍛えたい場所と違うところをトレーニングしてしまう、という結果になることもあるかもしれません。
ですから、まずは3つの背筋について学んでいきます。
僧帽筋とは?
僧帽筋というのは背中の上の方の筋肉になります。
わかりやすく言うと、肩こりが起こる部位で、一般的には「肩」と呼ぶことが多いかもしれません。
なので、僧帽筋というとあまりなじみが無いかもしれませんが、肩こりなどからとても身近な筋肉といえるでしょう。
しかし、このよく私たちが肩と呼んでいる場所だけが僧帽筋ではありません。
実は、背中の方までこの僧帽筋はつながっています。
どのようにつながっているのかというと、肩甲骨の間の筋肉も僧帽筋になるのです。
僧帽筋の一番上は首まで伸びており、そして肩こりを起こす部位も僧帽筋です。
僧帽筋の下はというと、肩甲骨の間を通り、背中のちょうど真ん中あたりまで筋肉が伸びています。
僧帽筋を全体で見ると、ちょうどひし形のような形をしているのです。
広背筋とは?
出典:https://smartlog.jp/71258
背筋を鍛えるというと、主にこの「広背筋」のことを指すことが多いかと思います。
広背筋は、両脇の下の辺りから背骨にかけてある筋肉になります。
最初に紹介したように、逆三角形の体を作る時には、主に広背筋を鍛えることになるでしょう。
広背筋を鍛えることによって、脇の下からぽこっと筋肉が盛り上がるようになります。
広背筋の盛り上がりによって、身体のシルエットが逆三角形に見えるのです。
逆三角形の体系を作ることによって、副産物としてウエストも細く見えるようになります。
ウエストが細く見えると、スタイルもよく見えますので、カッコイイ体型を目指すのであれば、広背筋をしっかりと鍛えていくといいでしょう。
また、筋肉の中でも最も大きな筋肉とも言われていますので、広背筋を鍛えることによって、体つきが大きく変化することにもなります。
脊柱起立筋とは?
これまで紹介した僧帽筋や広背筋と比べると、知名度が劣ると思いますが、「脊柱起立筋」という筋肉も背筋の中で重要な筋肉になっています。
主に腰のあたりの筋肉を指します。
なぜ腰の筋肉が重要なのかというと、脊柱起立筋をしっかりと鍛えていないと、腰痛の原因になるからです。
実は脊柱起立筋は、僧帽筋や広背筋とは少し筋肉の種類が違います。
どう違うのかというと、僧帽筋や広背筋は「アウターマッスル」と呼ばれる筋肉になっています。
一方で脊柱起立筋は、「インナーマッスル」と呼ばれる筋肉になっているのです。
アウターマッスルとは、簡単に言ってしまえば外側の筋肉になります。
筋トレを行って鍛える筋肉のほとんどがアウターマッスルといってもいいでしょう。
外側の筋肉ですので、外から見える筋肉になっており、鍛えやすい筋肉になります。
インナーマッスルというのは、アウターマッスルとは対照的に内側の筋肉といえます。
要するに、外からは見えない筋肉という事です。
インナーマッスルは主に、バランスを保つ時や、骨や関節を支える役割をしていることが多いでしょう。
外から見えないからといって、あまり重要視されないことが多いですが、インナーマッスルを鍛えることによって、怪我の防止などにつながりますので、とても重要な筋肉といえます。
背筋の鍛え方① 僧帽筋に効果的な筋トレ2選
出典:http://kin.mobi/4037
僧帽筋の筋トレ方法を紹介します。
僧帽筋は細かく分けると3つに分かれます。
分かれていると言っても、違う筋肉というわけでは無く、同じ僧帽筋の中で筋肉の繊維が違うのです。
説明すると、「上部繊維」「中部繊維」「下部繊維」と分かれているのです。
分かれているからどうなの?と思うかもしれませんが、このことによって筋トレの方法が変わってきます。
上部繊維は肩こりになる肩のあたりから頭のほうにかけての首の後ろ部分です。
この部分の僧帽筋は、中部繊維・下部繊維とは違う動きをする役割をしていますので、筋トレの方法も違います。
僧帽筋上部の上部繊維の鍛え方から順に紹介していきましょう。
肩こりも解消?!僧帽筋上部のトレーニング「シュラッグ」
こんなところ鍛える人いるの?と思うかもしれませんが、鍛える人はいます。
なぜなら、肩こりも解消できる可能性があるからなのです。
鍛えすぎて、プロレスラーのように首から肩にかけてもっこり、とまではなかなかなりませんのでご安心ください。
それでは、僧帽筋上部のトレーニング、「シュラッグ」のやり方を紹介していきましょう。
シュラッグのやり方
①:バーベルの前に足を肩幅程度に開いて立ちます。
②:バーベルに手をかけるとき、手の幅も肩幅くらいにし、順手でバーベルを持ちます。
③:バーベルを持ち上げたら、猫背にならないように気を付けながら手を伸ばしたまま腰の前にバーベルをぶら下げた状態を保ちます。
④:バーベルを持った状態で、首をすくめます。この時に耳のほうへまっすぐに肩をすくめるように意識して行います。
⑤:肩をすくめたら、少しの時間キープします。時間にして2~3秒ほどすくめた状態をキープするといいでしょう。
⑥:肩をもとに戻します。
⑦:④~⑥の繰り返しです。
動画での説明のほうがわかりやすいかと思いますので、動画をのせておきます。
フォームなどをしっかりとみて、正しいシュラッグのやり方を真似していきましょう。
シュラッグをやるうえでのポイント・注意
■重量は無理せずに10回できるくらいの重さから始めましょう。
■絶対に猫背にはならないことです!腰を痛めてしまう恐れがあります。
■高重量を扱うのであれば、腰にベルトをまいて行うようにしましょう。
■バーベルではキツイという方は、両手にダンベルを持って、軽い重量から始めましょう。やり方は紹介したように、バーベルでの方法と一緒になります。
■10~12回できるくらいの重さで3セット行いましょう。
ダンベルを使った僧帽筋中部・下部の筋トレ「ローイング」
僧帽筋の上部はシュレッグという筋トレ方法でしたが、中部と下部は同じような筋肉の動き方をしますので、トレーニング方法も同じ方法で鍛えることができます。
ですから、シュレッグとこれから紹介する「ローイング」という筋トレで、僧帽筋全体を鍛えることができるでしょう。
それでは僧帽筋中部・下部の筋トレ「ローイング」の紹介をしていきましょう。
ダンベルローイングのやり方
①:まずベンチ(長椅子)か、それに代わるようなものとダンベルを用意します。
②:ベンチに片方の足を乗せます。ちょうど片足だけ正座をしているような感じになります。
③:ベンチに乗せていないほうの足と同じ側の手でダンベルを持ちます。
④:正座をしている方の手をベンチに付き、前かがみになり、持っているダンベルを宙に浮かせます。
⑤:前かがみですが、背中はまっすぐ保ちます。その状態で肘を真っすぐに上にあげる感じでダンベルを引き上げます。
⑥:引き上げたら一呼吸の時間止めてからおろします。
⑦:⑤と⑥の繰り返しになります。
⑧:片方終わったら、もう片方を行います。順序は一緒です。
こちらも動画をのせておくので参考にしてください。
フォームなどをよく観察しましょう。
背筋の鍛え方⓶ 広背筋の効果的な筋トレ「チンニング」
出典:https://smartlog.jp/
逆三角形の体を作るためには必要不可欠の「広背筋」になります。
広背筋のトレーニングは非常に様々です。
先ほど僧帽筋のトレーニングとして紹介した「ローイング」も広背筋にも効果があるトレーニングの一つです。
ローイング以外で、広背筋に効果的なトレーニングの中でも、一番身近で効果の高いトレーニング方法をこれから紹介します。
その効果のあるトレーニング方法とは「チンニング」です。
チンニングと聞くと、わからない方もいるかと思いますが、実はこれ「懸垂」のことなんです。
懸垂なら、やったことがある人、すでにやっている人も多いことでしょう。
ですが、正しく効果的に懸垂ができていますか?
懸垂をやっている人も確認のために、正しく効果のあるやり方を学んでいきましょう。
器具なしでOK!チンニングの効果的なやり方
①:チンニングを行うには、ぶら下がれる場所が必要になります。
チンニングバーと呼ばれるものがあればいいのですが、なければ鉄棒などを利用しましょう。
②:鉄棒を利用すると仮定して、まず鉄棒にぶら下がるのですが、ぶら下がる時には順手でぶら下がるようにします。
③:ぶら下がる際の手の幅は肩幅よりも拳一つから二つ分広くしましょう。
④:鉄棒にぶら下がった時に、足が地面に着かないように足を軽く曲げます。
⑤:反動を使わないように気を付けながら、真っすぐに体を引き上げます。
⑥:体を引き上げたときに、できれば胸が鉄棒につくくらいまで引き上げましょう。
⑦:体を引き上げたらおろしていくのですが、一気に力を抜いておろすのではなく、ゆっくりと体をおろしていきます。
⑧:⑥と⑦の繰り返しになります。
まずは10回を目標に行いましょう。
チンニングのポイント・注意点
■反動を使わないように気を付けましょう
体を振って反動をつければ体は楽に引き上げることができます。
しかし、トレーニングとしての効果は薄くなるので、反動を使わずに真っすぐ上げるようにしましょう。
■できれば胸がつく位まで引き上げるのが理想
そこまで引き上げることができない場合は、初めは顎がつく位まででも構いません。
慣れてきたら胸がつくまで引き上げるように頑張りましょう。
■体をおろす際にはゆっくりと、腕は伸ばし切らない
腕はゆっくりと伸ばし切らないことが大切です。
しかし下ろさな過ぎもダメです。
しっかりと背筋を伸ばし、なおかつ力が抜けきらないように気を付けましょう。
背筋の鍛え方③ 脊柱起立筋の効果的な筋トレ「デッドリフト」
出典:https://smartlog.jp/
「脊柱起立筋」という筋肉の名前を聞いたことがある方はあまり多くはないかもしれません。
これまで紹介した、「僧帽筋」や「広背筋」といった筋肉のようにメジャーな筋肉ではありませんからね。
しかし、脊柱起立筋は私たちが生活をするうえで非常に重要な役割を果たしてくれています。
最初に紹介しましたように、脊柱起立筋はインナーマッスルで、バランスをとったりなど重要な役割を果たしてくれています。
その中でも、脊柱起立筋は主に「背筋をまっすぐに保つ役割」を果たしてくれているのです。
さらに、背中を後ろに反らすという動作も脊柱起立筋の働きによって行う事ができています。
大げさな話、脊柱起立筋がなければ背筋を真っすぐにする事もできませんので、座ることも立っていることもできないという事になってしまうでしょう。
この脊柱起立筋を酷使している体勢を知っていますか?
それは「座りっぱなし」という状態です。
特にデスクワークは非常に脊柱起立筋を使っています。
その証拠に、パソコンなどを長時間座っ行っていると、背中に痛みが走りませんか?
これは、脊柱起立筋が疲れている証拠なのです。
デスクワークでは、前かがみになり猫背になりがちで、これが脊柱起立筋を疲れさせる原因になっています。
前かがみでデスクワークを行っていると、姿勢が悪くなり、視力も衰える可能性もあります。
肩こりにもつながりますし、いいことはありません。
ですが、脊柱起立筋を鍛えることによって、これらの問題を解決することができます。
それでは、脊柱起立筋を鍛えるメリットから見ていきましょう。
脊柱起立筋を鍛えるメリットとは?
出典:https://highfive-aloha.com/hawaiian-airlines/
・ダイエットしやすい体に
脊柱起立筋はインナーマッスルですが、小さい筋肉ではありません。
実はとても大きな筋肉なのです。
ではどのくらい大きな筋肉なのか?というと、長さにすると自分の身長と同じくらいといわれています。
これほど大きな筋肉という事は、鍛えると代謝が上がりやすいという事が言えるでしょう。
筋肉というものは、鍛えて筋肉の量が増えるほどに代謝がアップします。
つまり、何もしなくても筋肉の多い人はカロリーの消費が多いと言えるのです。
ですから、脊柱起立筋という大きな筋肉を鍛えることによって、太りづらく痩せやすい体を作ることができるのです。
これはダイエットしやすい体になることができる、と言えるのではないでしょうか。
・姿勢正しく、スタイルがよく見える
脊柱起立筋は先ほど紹介しましたように、「背筋を真っすぐに保つ役割」を果たしています。
脊柱起立筋が発達している人ほど、背筋をピンと張ることが出来ているのではないでしょうか。
反対に筋力不足であったりすると、背筋を真っすぐに保つことができなく、すぐに猫背などになってしまうことでしょう。
猫背など姿勢が悪い人はなんだかカッコよく見えませんよね。
しかし、姿勢がいい人はそれだけでスタイルがよく、カッコよく見えるのではないでしょうか。
脊柱起立筋を鍛えることによって姿勢がよくなり、スタイルがよく見え、カッコよくみられる男性になれる、いうメリットがありますね。
・肩こりや腰痛の緩和・予防に効果的
脊柱起立筋を鍛えることによって、肩こりや腰痛の緩和・予防に効果があります。
姿勢が悪いと肩こりや腰痛になりやすいのはお分かりかと思います。
わかりやすいのがデスクワークでしょう。
長時間座りっぱなしで仕事を行っていると、非常に肩がこりますし、腰も痛くなります。
猫背などの方は特にそうでしょう。
しかし、姿勢がいい人というのは肩こりや腰痛になりにくいようです。
姿勢が悪いというのは、体のバランスが悪い状態です。
アンバランスな状態が体にいいわけないですよね。
ですから、それが原因で腰痛や肩こりといったものが起きてしまうのです。
となると、姿勢をよくすれば悪い原因が無くなり、腰痛や肩こりの改善が期待できますので、脊柱起立筋を鍛えて姿勢をただすのが効果的といえるでしょう。
脊柱起立筋のトレーニング方法
脊柱起立筋を鍛えるなら「デッドリフト」がお勧めです。
デッドリフトは、「ベンチプレス」「スクワット」に並んで、筋トレのBIG3といわれているトレーニングになります。
デッドリフトのやり方
①:まずバーベルの前に立ちます。その際に、足の幅は肩幅よりも少し広いくらいに開きましょう。
②:次に腰を曲げ、膝も軽く曲げてバーベルを掴みます。バーベルを掴む際の手の幅は、足の幅と同じように肩幅よりも少し広いくらいにします。
③:背筋を真っすぐに保ったまま、背筋の力で腰を起こしてバーベルを持ち上げます。腰を丸くしてしまいがちですが、背筋を真っすぐに保つように気を付けましょう。
④:背筋を伸ばしてバーベルを持った状態になったら、肩甲骨を真ん中に寄せる意識で胸を張ります。この状態を少し維持します。
⑤:バーベルを持ち上げるときと逆の動作でバーバルをおろします。この時もやはり、腰を丸く曲げてしまわないように気を付けましょう。
⑥:③~⑤の繰り返しになります。
⑦:10回~12回を目安に3セット行いましょう。
以上がデッドリフトのやり方になります。
初めは軽い重量から徐々に重くしていきましょう。
軽い重量でしっかりとしたフォームを体にしみこませましょう。
デッドリフトを行うときのポイント・注意
■腰を曲げる際に丸くしてはいけません。腰を痛める原因になります。
■背筋を伸ばしたまま曲げます。
■高重量を扱う時に、間違ったフォームで行うと怪我の素になります。まずは、重量を意識せずしっかりとしたフォームを意識していきましょう。
背筋の鍛え方④ チューブを使った効果的な筋トレ
出典:http://kintorecamp.com/
背筋を鍛える際には、バーベルやダンベルといった筋トレ道具を使うことも多くなるかと思います。
しかし、そのようなものを皆が持っているとは限らないでしょう。
ダンベルならまだしも、バーベルが自宅にあるという方は少ないのではないでしょうか。
ですから、バーベルを使ったトレーニングを行う際には、ジムなどに行く必要があります。
そこで、自宅でも簡単に背筋を鍛えられる方法を紹介します。
それは「チューブトレーニング」です。
実は、チューブを使えば自宅でも簡単に背筋のトレーニングを行う事ができるのです。
チューブでの筋トレのほうが、怪我の危険性も少なくなります。
正しいフォームをしっかりと守ることで、筋トレを効率の良いものにできるでしょう。
以下に、チューブを使った筋トレ方法の動画を載せておきますので、正しいフォームを学んでいきましょう。
このように、チューブを使えばバーベルがなくても自宅で背鍛えることができます。
バーベルを買うとなると、場所もある程度広くなくてはいけませんし、コスト的な問題もあることでしょう。
しかし、チューブであれば安価で済みますし、保管場所も考える必要がありません。どこにでもおけることでしょう。
もし出張などがあるときでも、チューブを一本鞄に忍び込ませておけば、出張先でもどこでも筋トレを行うことができます。
安くて使い勝手がいいチューブは、自宅でトレーニングを行う人にとっても、非常に重宝されることでしょう。
まとめ
・背筋は大きく分けると「僧帽筋」「広背筋」「脊柱起立筋」の3つからできている。
・背筋のトレーニングは部位によって種目も異なる。
出典:https://smartlog.jp/
いかがでしたか?
背筋を鍛えるといっても、背筋には多くの筋肉があり、その部分部分で筋トレの方法が違うことがわかったかと思います。
今回紹介したトレーニング方法を参考に、それぞれの背筋の筋肉に合った、それぞれの筋トレを行っていきましょう。
また、チューブトレーニングを上手く取り入れていくことで、さらに効率よく筋肉をつけることができるでしょう。
高重量を扱うことばかりが筋トレではありません。
チューブのように軽い負荷でもしっかりと筋肉に効かすことができます。
その為のフォームなどもしっかりと学んでいくといいですね。