腹式呼吸を意識することで身体に様々な良い効果があるだけでなく精神状態も自分でコントロールできるようになります。
今回は腹式呼吸と胸式呼吸の違い、腹式呼吸の効果5つ、できない原因2つ、正しいやり方とコツを紹介します。
目次
腹式呼吸ができない人は案外多い
腹式呼吸とは、お腹が膨らむ呼吸の仕方のことを意味しています。
肺の下の方を意識した息を入れ、横隔膜が下がり内臓が押し上げられるように呼吸をします。
けれど、やり方は頭ではわかっていても、実際やるとなると難しさを感じる方がほとんどです。
呼吸の仕方をいつも意識しておられる方は、滅多にいないことでしょう。
しかし、自然に息を吸うときにはお腹が膨らみ、息を吐くときにはお腹が凹むように呼吸しているはずです。
腹式呼吸を意識して行うと、たくさんの空気を一気に吸い込むことができます。
歌を歌う人は、腹式呼吸を特に意識しています。
お腹を広く使って呼吸することで、気持ちをリラックスさせることができます。
また、声の可動範囲を広げて、響きと厚みのある美しい声を出すことができるのです。
腹式呼吸の重要性とは?
精神的にも身体的にも効果のある呼吸法は腹式呼吸であると言われています。
しかし、なぜ呼吸の方法がそれほど重要なのでしょうか。
実は、人が自律神経をコントロールする方法が唯一呼吸の仕方のみなのです。
深く息を吸い込む呼吸を意識的に行うことで、副交感神経を優位にすることができます。
そして、腹式呼吸を続けることで、リラックスし、安眠を促したり、食欲を増進させ、胃腸の働きを正常に戻すことができるのです。
腹式呼吸を行なえば酸素を多く取り込むことができるため代謝や血流を向上します。
そうすることで姿勢も良くなり、気分も上がるのです。
身体は呼吸の仕方によって静穏状態を取り戻します。
リラックスしたくてもできないときは、腹式呼吸を行うと意図的に自分の心理をコントロールできるのです。
特にアスリートは常に緊張感にさらされていますが、腹式呼吸を身につけているため、興奮を沈めて競技に集中できるようにコントロールしています。
腹式呼吸と胸式呼吸の違いとは?
人間の呼吸は主に2つに分けられます。
「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の2つです。
胸式呼吸は胸を膨らませて息を吸い込みますが、腹式呼吸はお腹を膨らませて息をいっぱいに吸い込みます。
どちらがより良い、ということはありませんが、腹式呼吸にはたくさんの健康効果がありましたね。
ほとんどの人間は胸式呼吸をして生活しているため、腹式呼吸のメリットを感じることができずにいます。
状況に合わせて呼吸の仕方を調整することができれば、呼吸法を使いこなしていると言えますね。
腹式呼吸のダイエット効果&健康効果5つ
腹式呼吸ならではの、多くの人が感じることのできていないメリットがたくさんあります。
実は、腹式呼吸をすることによってダイエットを成功させることができるのです。
どのような作用で痩せることができるのでしょうか。
ウエストが引き締まる
腹式呼吸を行うと、腹筋の一部である腹横筋を鍛えることができます。
腹筋のインナーマッスルとも言われる重要な筋肉です。
このインナーマッスルが鍛えられていないと、内臓が正しい位置にとどまることができず、垂れ下がってしまいます。
つまり、あちこちに移動した内臓によりぽっこりお腹ができあがってしまうのです。
しかし、この緩んでいた筋肉、腹横筋を鍛えればぽっこりお腹を解消することができます。
呼吸のたびに腹横筋に刺激を与えてお腹を引き締めることができるのです。
このようにして、お腹全体のサイズダウンが生じます。
ただ、お腹全体が凹むのではなくて筋トレ効果もあるというのは、とてもお得感がある呼吸法ですよね。
代謝アップ
腹式呼吸をしていると体が温まってきます。
それもそのはず、筋トレをしているようなものだからです。
お腹の中が刺激されるため、他の呼吸法よりも体の温まりを感じることでしょう。
さらに、より多くの酸素を取り入れることができるので、血液の循環が良くなります。
また、胸式呼吸よりも効率よく酸素を取り込める腹式呼吸では、より多くのエネルギー消費することができます。
腹式呼吸によって、太りにくい代謝のいい体になることができます。
有酸素運動の効率がアップ
腹式呼吸を行なっていると、運動の効率も上がります。特に有酸素運動はそうです。
酸素を取り入れながら脂肪を燃焼する運動方法ですから、より多くの酸素を取り入れられるということは大きな強みになります。
ウォーキングやジョギングなど、有酸素運動を行うときは腹式呼吸をするように意識しましょう。
そうすることで同じ運動でも、胸式呼吸をしているときより効率よく体脂肪を燃焼させ、ダイエット効果を高めることができます。
自律神経を整える
腹式呼吸を行うことによって、自律神経を整えることができます。
反対に胸式呼吸は交感神経を刺激するものになります。
ですから呼吸法をコントロールすることによって心理状態を維持することができるのです。
副交感神経を刺激すると、血行が促進され内臓の働きが活発になります。
また、リラックスするように促してくれます。ストレスを強く感じたときは腹式呼吸を行うと緩和されることでしょう。
精神的にも身体的にも体調を整えることができます。
自分に落ち着け!と言い聞かせてもなかなか落ち着くことはできません。
呼吸法が交感神経を刺激しているからです。
そのようなときは心を安定させ落ち着きを取り戻すために、意識的に腹式呼吸することは役に立つことでしょう。
腰痛をやわらげる
腹式呼吸は、腰痛を和らげる効果もあります。
腹式呼吸は腹横筋鍛えられるため、腹筋の力が強まり背中側にかかる負担を和らげることができます。
また、腹筋だけではなく、背筋を刺激する呼吸法でもありますから、腰を前後で守る筋肉が増強されることによって、腰を痛めることがないようにしてくれます。
例えば、腹式呼吸をしながら歩くことは腰痛予防につながります。
体の芯となるインナーマッスルが鍛えられますので体の歪みを解消し、一部分に負担がかかりすぎることを避けられるのです。
腹式呼吸ができない原因2つ
腹式呼吸と聞くと、歌う時の息の吸い方を思い出されるかもしれません。
誰もが一度は腹式呼吸の練習をしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、誰もが完璧な腹式呼吸をしている、とは言い切れません。
よくある腹式呼吸の勘違いについてここで簡単にまとめておきたいと思います。
せっかくメリットの多い腹式呼吸ですから、正しく実践して効果を実感しましょう。
お腹に力を入れておけばよい、これは間違い
腹式呼吸はお腹いっぱいに息を吸い込む方法ですが、お腹に力を入れていれば腹式呼吸が出来ている、ということにはなりません。
腹式呼吸はお腹で支えるものではありません。
力が入りすぎると、せっかくリラックスするために腹式呼吸をしても、なかなか交感神経の刺激を抑えることはできません。
腹式呼吸をするときは、お腹の中にたっぷり吸い込むことも大事ですが、常にリラックスできているかを確認してください。
穏やかな気分になりつつあるのであれば、それは腹式呼吸ができている、ということになります。
しかし、逆に腹式呼吸をしているつもりなのに、なかなか心が落ち着かないようであれば、それはお腹に力を入れすぎているのかもしれません。
大きな声が出ればよい、これは間違い
歌を歌うときに腹式呼吸を強調されるケースが多いためか、腹式呼吸は大きな声が出せたら成功!と思っている方がいます。
それは、確かにそうですが大きい声=腹式呼吸ではありません。
大きな声を出すには声帯をコントロールする必要があります。
それは、腹式呼吸では行うことができません。
つまりやみくもに大声を出しても、腹式呼吸の効果は得られないのです。
腹式呼吸の正しいやり方とコツ できない人向けのは簡単な方法も紹介
腹式呼吸を正しい方法で行うと、必ず体調に良い変化が現れます。
腹式呼吸ができているかできていないかは、簡単に見分けることができます。
まず姿勢を正しましょう。その状態でお腹に手を当ててみてください。
鼻から息を吸い込んだときにお腹はどうなりましたか?
お腹が膨らんでいれば、正しい方法で腹式呼吸ができていることになります。
ですから、思い込みや勘違いをそのままにせず、正しい実践方法を身につけましょう。
簡単なやり方
日ごろは胸式呼吸ばかり行っているため、急に腹式呼吸に変更するというのは少し難しく感じるかもしれません。
では、どうすれば良いのでしょうか?実は腹式呼吸を簡単にする方法があります。
次の順番で行いましょう。
1 呼吸前にお腹を凹ます
2 鼻で息を吸う
3 お腹を膨らます
4 息を吐く
5 思い切りお腹を凹ます
この方法を自分が納得いくまで、繰り返し行いましょう。
これまで行ってきた呼吸を脳は記憶しているため、凝り固まった習慣をだんだんとなくなるまで続けましょう。
息を吸ったらお腹が膨らむことと、息を吐くとお腹が凹むことをずっと意識して行いましょう。
こうすることで、簡単に腹式呼吸をマスターすることができるはずです。
なかなかできない時のやり方
簡単な方法でも、なかなか腹式呼吸のコツがつかめず、悩んでいる方には、寝ながら行う方法を紹介したいと思います。
立った状態や座った状態での腹式呼吸よりも、寝て行った方がお腹の状態がわかりやすいので、初めは寝た状態で始めましょう。
1 仰向けに寝そべる
2 お腹に両手を当てる
3 腹式呼吸をする
この方法ですると、立っていた時よりお腹の膨らみやへこみ方を感じやすく、腹式呼吸ができているかできていないのかが、よくわかります。
実際のところ、人は寝ている時、腹式呼吸になっています。
ですから、寝た状態にすることで脳に腹式呼吸を思い出してもらえるでしょう。
寝た状態で何度か練習しておけば、どんなところでも立っていても座っていても腹式呼吸が出来るように、マスターできるはずです。
家事や仕事中、大事なイベント前や運動中などにも精神を落ち着かせるために腹式呼吸ができます。
普段から意識して行えば、インナーマッスルが鍛えられて体が強くなりますよ。
腹式呼吸のやり方はこちらの動画が分かりやすいのでぜひ一度ご覧ください。
腹式呼吸の呼吸以外のコツ3つ
頭の中を空っぽにする
頭の中を空っぽにする、というと少し怖い気がしますが、腹式呼吸のリラックス効果を高めるためには必要です。
何も考えないようにしましょう。
今降りかかっている問題は少しの間忘れてみましょう。
お金や人間関係や家族の問題などが山積みかもしれません。
ですが、そんなことは考えずに、腹式呼吸ができているかどうかを考えるのです。
お腹のヘッコミや膨らみに意識を集中させると雑念がなくなります。
ですから、最初はいろんな悩みが呼吸を邪魔するかもしれませんが、集中すると大丈夫です。
イメージする
次はイメージします。
なにを?と思われるかもしれませんが、腹式呼吸による交感神経の動きをイメージするのです。
息を吐いたり吸ったりすることに集中しながら、体の中の悪いものが出て行って、良いものを取り込む!と考えましょう。
ストレスやイライラが溜まっているかもしれませんが、そうした緊張感が高まるような感情はロングプレスをするときに一緒に吐き出してしまいましょう。
そうイメージすると吐く息をできるだけ多くすることができます。
長い時間をかけてゆっくりと息を吐き出してください。
反対に息を吸い込む時は、美しい空気を吸い込むことができる、とイメージしてお腹の中いっぱいに良い空気を取り込みましょう。
こんなに?というほど吸い込むとよいです。
手のひらに意識を集中する
最後のステップは、手のひらに意識を集中させることです。
腹式呼吸をしながら、手のひらを上に向けて太ももに置きましょう。
腹式呼吸によって内臓の働きが活発になることをイメージしましょう。
実際、腹圧がかかり消化器官は活発に動くようになります。
インナーマッスルが鍛えられるため体がポカポカしてくるはずです。
手のひらがだんだん温かくなることに、集中しましょう。
手があたたまると、不安な思いもどんどんなくなっていきます。
副交感神経が活発になるからでしょう。
まとめ
・腹式呼吸のやり方は息を吸ったらお腹が膨らむことと、息を吐くとお腹が凹むことをずっと意識して行うこと。
・腹式呼吸の呼吸以外のコツは「頭の中を空っぽにする」「イメージする」「手のひらに意識を集中する」。
腹式呼吸は、ダイエット効果や精神安定の効果があります。
普段は意識しておらず使うこともあまりない呼吸法かもしれませんが、習得してみるのはいかがでしょうか?
大事な会議の前や、プレゼンなどの直前、ストレスが溜まった時などにすぐに腹式呼吸を行えたら便利です。
自分の緊張をコントロールできるからです。
さらに、インナーマッスルを鍛えてお腹周りを引き締め、サイズダウンを狙ってみるのもいいですね。
腹式呼吸と胸式呼吸のどちらも使いこなして、いつでも爽やかな男性になれたらいいですね。