長距離走は長い距離を長時間走る過酷な運動ですが、適切な準備やコツを押さえることで楽に速く走れるようになります。
今回は長距離走を速く走るコツ10、筋トレの必要性やおすすめの3種目、食事で摂りたい栄養素4つを紹介します。
長距離走を楽に速く走るための10のコツ
長距離走を速く走るにはコツがあります。
どのように走ればいいかが分かっていれば、今まで考えていたより、長距離走は楽になるでしょう。
そして、コツをつかめさえすれば、誰でも今より速く走れるようになることでしょう。
では早速、早く楽に長距離走を走るための10のコツをご紹介していきます。
1.気合を入れない
まず、長距離走を走る前に気合を入れないようにしましょう。
短距離走の場合は気合を入れたほうが早く走れる場合もあります。
しかし、長距離走は終わりがずっと先ですから気合だけで乗り切ることはできません。
また、心理学的にも人間は気合を入れたことがやりたいことであればさらにやりたくなり、やりたくないことであれば、さらにやりたくなくなる傾向にあります。
ですから、できれば走りたくない長距離走に気合を入れてもさらに負の感情が増すだけです。
できるだけリラックスするようにしましょう。
体が力んでしまうとすぐに疲れてしまいます。
プレッシャーがかかり、あきらめやすくもなります。
ゆったりとした心構えで長距離走には臨みましょう。
2.準備体操をしっかりする
長距離走を楽に速く走るためには、準備体操は不可欠です。
体を走るために準備させておく必要があります。
アキレス腱、ふくらはぎ、もも、肩、首などをのばすことで、心もリラックスし、体も動きやすい状態になります。
ちょっとした準備体操でも、しっかり行って体の筋肉を伸ばしておきましょう。
スポーツに必要な神経が呼び覚まされるため、比較的走りやすくなることでしょう。
3.軽くジョギングする
長距離を走る前に、軽くジョギングしておくことをお勧めします。
5分ほどで良いので軽く走っておきましょう。
そうすれば本番に走り始める前に筋肉が程よく刺激され、ベストな状態を維持できるからです。
また、少し体を動かしておくことで心臓や肺などの臓器が活発になります。
ですから実際、長距離走を走り始めた時には、楽に呼吸を吸い込み、吐き出すことが出来るのです。
しかし、あくまでも軽いジョギングにとどめてください。
疲れてしまうと長距離走を疲れた状態で行うことになってしまいます。
また、50mほどの短距離を長距離走直前にダッシュするのも、心肺機能を活動的にするうえで有効です。
4.腕を振る
腕を振るのと振らないのとでは、長距離走のスピードのかなりの差が生まれます。
この腕を振るのと同時に、けり足を意識することでかなり長距離走のスピードが上がります。
腕を前に振り出すとき、腰の位置を手が通過したくらいに足を地面に接地します。
そして、腕が完全に前に振り切られたときに足で地面をけります。
このタイミングをしっかり押さえておくと良いでしょう。
長距離走の予定があるなら、今すぐにでも練習を始めましょう。
家の中でもジャンプしながら訓練することが出来ます。
5.背筋をのばす
人は疲れてくると、背中が丸まったり、逆にのけぞったりします。
または、左右に揺れ動いてしまうこともあるでしょう。
きつい長距離走の最初から最後まで同じ姿勢を保つことは本当に困難です。
しかし、姿勢が崩れてしまうことを避けるために胸を張ってみましょう。
胸を張れば自然と背筋が伸びます。
背筋が伸びると体幹が安定し、腕と足の連動がスムーズに動くようになります。
日ごろから胸を張って背筋を伸ばす習慣をつけておきましょう。
それはきっと長距離走の時に役立ちます。
6.ネガティブスプリプトを意識する
ネガティブスプリプトとは前半のスピードを抑えて、後半に挽回するという走り方です。
前半にスピードを出し過ぎると、100%の確率で中盤から疲れてきてペースダウンします。
その状態で最後まで走り切るのは、身体的にも精神的にもしんどいでしょう。
走り始めは、このくらいのスピードならどこまででも走れる、と思えるほどが良いでしょう。
腕の力のみを使って進んでいるかのようなスピードです。
最初から全速力で駆けださないでくださいね。
7.呼吸は意識しない
鼻で吸って口で呼吸する、二回吸って一回吐く。
こうした呼吸法を教えてもらった事があるでしょうか。
確かにそれは陸上競技場の基本呼吸法のようです。
しかし、それを意識しすぎるとそれだけで疲弊しきってしまいます。
ですから、できるだけ楽に速く走りたいのであれば、呼吸は意識しなくて良いです。
走っている最中に無意識でしている呼吸法で問題ありません。
一番楽に走れる呼吸で走りましょう。
8.歩幅も歩数も気にしない
呼吸もそうでしたが、歩幅も歩数も気にしないことが一番です。
長距離走をできるだけ楽に速く走るには、無意識の状態に任せることです。
ランニングフォームは、人によって、合う・合わないがあるので、どうしてもこのフォームにしなければいけない、と考えない方が良いでしょう。
9.走る直前に口すぼめ呼吸をする
口すぼめ呼吸というものをご存知でしょうか。
息を口から大きく吸い込んでおなかから出すように肺の中の空気をすべて吐き出すという、呼吸法です。
息を吐き出すときに、口をすぼめるのです。
この口すぼめ呼吸を繰り返していると、精神状態が安定し、緊張感がなくなります。
そして集中力が高まります。
その状態になるまで何度も繰り返し行いましょう。
この呼吸法をすると酸素の摂取量が増えるため、長距離走を走りながら行うのもよいかもしれませんね。
10.良いシューズを使う
長距離がつらい、と感じるのは、もしかするとシューズのせいではないでしょうか。
学生時代には、スニーカーで体育のランニングの授業を受けている人もいたことでしょう。
しかし、長距離を楽に速く走ろうと思うのであれば、ランニング専用のシューズで走りましょう。
最近は安くて機能性のあるランニングシューズがたくさん出回っています。
1つご自分のために購入なさるのはいかがでしょうか。
長距離走を走るために筋トレは必須
49.195㎞を走るフルマラソンではないにしても、長距離を走るために筋トレは効果抜群です。
長距離を走るためになぜ筋トレが必要なのでしょうか。
長い間体を動かし続けると、疲れるのは当たり前なことです。
しかし、筋トレで体を鍛えているのといないのとではかなり差があるのです。
筋トレを取り入れるべき理由4つ
怪我の予防
走ること自体は、どんな人間でも大抵の人は行えるでしょう。
しかし、長距離走を長く続けているとひざや腰を痛める人も少なくありません。
痛みを我慢して続けていると、致命的な怪我になりかねません。
普通であれば、足を故障すると日常生活に支障をきたす結果になります。
長距離を走りたいがために、日常生活をないがしろにしたい、と思われる方はほとんどいない事でしょう。
長距離を走り続けるためには、筋トレをしてしっかり筋肉をつけることが大切です。
しっかりとした柔軟な筋肉が足についていれば、足や膝を守ってくれるので、怪我をするリスクが減少します。
基礎体力の向上
よくオリンピックなどで見かけるマラソン選手はとても細身ですよね。
確かに軽ければ走るにしても負担が少ないといえます。
しかし、それだけではありません。
マラソン選手たちの足は、かなりの筋肉質です。
長距離を走るには、太腿などの大きな筋肉を鍛えることがすすめられています。
もちろん走っていればそれなりに筋肉がつく、という考え方もあながち間違ってはいません。
しかし、早い段階で筋肉をつけて、長い距離を楽に速く走れるようになりたいですよね。
疲れにくく、長い時間動き続けることのできる大きな筋肉を鍛えることは、効率の良いトレーニング方法であるといえます。
そうすることによって、基礎体力が向上し長距離を走りきることのできる体力が身につくのです。
姿勢の保持
長距離走の場合、足の動かし方だけでなく姿勢が最も重要です。
長距離走を走っているその長い時間の間、ずっと正しい姿勢を保つためには、インナーマッスルが必要です。
骨盤を支えてくれる筋肉が発達することで、体の安定感が増します。
ですから、長距離を走っても疲れにくくなってくるのです。
走り始めたら脇腹が痛くなった、という経験をされた方はおられるでしょうか。
それは内臓を正しい位置に収める働きをする筋肉が弱いためです。
そのような現象を起こさない為にも、インナーマッスルを鍛えることは大切なポイントと言えるでしょう。
脚力を高める
人は走るときにどれほどの筋肉を使っているのでしょうか。
太腿四頭筋、腹直筋、下肢三頭筋、脊髄起立筋、大殿筋、ハムストリングス、腸腰筋などの筋肉が働いています。
ですから、長距離を楽に走るためには、これらの筋肉を鍛える必要があるのです。
足を引き上げ、前に出す力や、地面をけって前進する力、姿勢を正しい位置に保持する力などを、筋トレによって高めることが出来ます。
ただやみくもに走ればいいというのではなく、筋トレによって体を作ってから、長距離走を始めたほうが効率的ではないでしょうか。
長距離のための筋トレ3選
長距離を走るためには、筋トレによって体を鍛えると良い、ということが分かりました。
ではどのような筋トレをすればよいのでしょうか。
足全体を鍛えることのできる3つの筋トレメニューをご紹介します。
1.脚挙げ腹筋
足をできるだけ垂直に上げた状態で、腹筋をする筋トレです。
この筋トレは、腹筋の下部と腸腰筋を鍛えることが出来ます。
腸腰筋が弱いと、体を安定させることが出来ず、膝に負担がかかりやすくなります。
その分怪我につながるリスクも大きいことでしょう。
しかし、この筋トレで鍛えていけば、筋力アップが出来ます。
長い距離を走るときでも、姿勢がぶれずに楽に安定した状態で行うことが出来るのです。
筋トレした後は、しっかり腸腰筋をのばすストレッチをすることでより高い効果を狙えますよ。
2.片足上げ
両肘をついた状態で、片足ずつ上げていきましょう。
決して背中を反らせないように注意してください。
長距離のために鍛えているのに、逆に腰を痛めてしまっては元も子もありません。
この筋トレは、体幹を鍛えることが出来ます。
ですから、疲れてきても重心をブラさずに、正しい姿勢を保持できるように体を鍛えることが出来ます。
膝の怪我を防止するためにも、体幹を鍛えることは大切です。
さらに、太腿の筋力アップにもなります。
太ももなどの大きい筋肉は大きければ大きいほど疲れにくいものとなります。
この筋トレによって元々筋肉が大きい部位をさらに肥大させて、長距離を楽に早く走れるようにすることが出来ます。
3.横向きで脚を上下
この筋トレは横を向いた状態で片足を上げて、下げてを繰り返します。
足を上下に動かすことで太ももの外側の筋肉を鍛えることが出来ます。
太ももの外側の筋肉が弱いと、直接膝に負担がかかります。
そのため、ひざを痛めやすい状態になります。
ですから、この筋トレでしっかり太ももを鍛えておきましょう。
体のバランスを整えるためにもこの筋トレはとても効果的ですよ。
長距離走を走りぬくために食事で摂りたい栄養素4つ
長距離を走ると、体が非常に疲れます。
走り終わった直後はそれほど空腹感はないかもしれませんが、体は栄養を必要としています。
きっと数分経つと猛烈な空腹感に襲われることでしょう。
カロリーを消耗した体を回復させるためには、長距離走ならではの食事バランスを考えなければなりません。
空腹を満たすためだけに、好きなものを好きなように食べるのは間違いです。
どんな栄養素が必要なのでしょうか。
長距離走を走るためにサポートしてくれる食事とはどんなものでしょうか。
長距離走を走るために必要な栄養素4つ
長距離走を走る体をサポートするために必要な栄養素は4つあります。一つずつご紹介します。
糖質
糖質は、走るときに消費されるエネルギーとなります。
ですから、ごはんやパン、麺類などの炭水化物をしっかり摂って、走っている途中でエネルギー切れにならないようにしましょう。
長時間体を動かし続ける長距離走に、エネルギーである糖質は不可欠です。
タンパク質
タンパク質は筋肉を修復し、体を作る役割があります。
長距離走のために筋トレを行えば、筋肉は破壊されます。
その回復力を高め、超回復を早いスパンで行うことが出来ます。
また、長距離走後の疲労しきった筋肉にも、栄養がいきわたり再び元気になることでしょう。
内臓や皮膚、髪の毛など、タンパク質でできているものばかりですから、特に長距離走をする人はタンパク質を積極的に摂る必要があります。
タンパク質は肉や魚、豆に多く含まれているので食事に組み込むようにしましょう。
ビタミン
ビタミンは、糖質やタンパク質のサポートをしてくれる栄養素です。
糖質やタンパク質だけが単独で存在していても、なかなか体で働いてはくれません。
ビタミンがあるおかげで糖質をエネルギーへと変換し、タンパク質を筋肉を作るために動かすのです。
また、ビタミンは疲労回復や風邪の予防にもなります。
長距離走をしていると体は疲れ気味になり、病気になりやすくなりますので、ビタミンをしっかり摂取するように心がけましょう。
ミネラル
ミネラルの中でも、鉄分やカルシウムは非常に大切です。
長距離を走ると多くの汗が流れてくるはずですが、その汗の中には鉄分が含まれています。
ですから、長距離走後に貧血で倒れる方も少なくありません。
そのような状態にならない為に、鉄分が多く含まれるレバーやひじきなどの食品を積極的に食べましょう。
また、カルシウムは骨の原料となります。
長時間走り続けると衝撃が積み重なり、骨に負担がかかります。
ですから、カルシウムをしっかり摂って、衝撃に負けない、強い骨を育成するようにしましょう。
まとめ
・長距離走を走るために筋トレは必須。
・長距離走を走りぬくためにはきっちりとバランスの良い食事を摂る必要がある。
長距離走はかなりきつい運動です。
しかしコツをつかむことさえできれば、今までとは比べ物にならないほど楽に走れるようになるでしょう。
しかし、実際走るときだけでなく、日ごろからの筋トレや、食事管理は大切です。
健康的な体で運動を続けていくために、必要な栄養素をしっかりと摂りましょう。
また、体に負担がかかり過ぎないように、体そのものを強くすることは大切です。
ぜひ、この記事の中で挙げたコツや筋トレメニューを参考になさってください。