ダイエットは停滞期で挫折する人が多いですが、実はダイエットが成功するかの重要なターニングポイントでもあります。
今回はダイエット中に停滞期が起こるメカニズムと期間、乗り越え方とおススメのダイエット法や運動を紹介します。
目次
停滞期を乗り越え方を知ることがダイエット成功の秘訣
ダイエットをしていると、必ずぶつかる壁があります。
みなさん良くご存知の「停滞期」です。
壁とは言いながらも、実はダイエットの成功している証とかダイエット法が自分に合っている証拠、とも言われます。
健康的で理想の体型に近づくために、ダイエットの停滞期をうまく乗り切っていくコツを知ることが重要なのです。
ダイエットの停滞期とは?
ダイエットには停滞期がつきものです。
ダイエットを始めて順調に体重が落ちていたのに、急に体重が落ちなくなる時期が来ます。
ダイエット法が間違っているのか、体が慣れてしまったのか、もしダイエットをやめたらリバウンドしてしまうのか、など不安が募りますよね。
実は停滞期とは、体の防衛本能の一種なのです。
体重が落ちると、体内では体を守るための働きが始まります。
生きるための本能、生存本能と言うとわかりやすいでしょうか。
その本能のことを、ホメオスタシスと言います。
ホメオスタシスのおかげで人は体を常に正常に保ち、外的環境の変化や体調の変化に耐えることができるようになっています。
ダイエットをすると防衛本能が働き、体重が一時的に減りにくくなります。
エネルギー消費をせず、摂取したエネルギーを吸収し、蓄えようとするからです。
これは健康的な人間であれば必ず備わっている機能なので、避けて通ることはできません。
これがダイエット停滞期の仕組みなのです。
次の章から、ホメオスタシスの働きや、停滞期の期間、その乗り越え方をご紹介します。
人間の防衛機能「ホメオスタシス」が停滞期を発生させる
ダイエットをしていると、停滞期が必ず訪れます。
人によって期間は違いますが、長期的にダイエットをしている人にとって避けて通ることはできません。
その停滞期の原因は、人が本来備えている防衛本能「ホメオスタシス」であることがわかっています。
ホメオスタシスとは何か、どのような働きをするのか、ひとつずつ確認していきましょう。
ホメオスタシスとは
人は様々な環境に合わせて、生き残るための本能が備わっています。
防衛本能である「ホメオスタシス」は日本語で「恒常性」と呼ばれており、体の状態を常に一定に保とうとする働きをします。
生体恒常性とも呼ばれ、この働きのおかげで生き物は健康に生きることができるのです。
ホメオスタシスの主な働き
気温が上がったり、運動をしたりすると体が熱くなりますよね。
そのまま体温が上がり続けてしまうと、大変苦しい思いをすることになります。
場合によっては簡単に死に至ることもあるでしょう。
そこでホメオスタシスが働き、発汗や皮膚血管の拡張により体温が一定に保たれるのです。
反対に寒いときには体が一定温度を下回らないよう、筋肉の収縮や「ふるえ」によって体温を上げる働きをします。
他にも血圧の調整や、血糖値の調整、そして傷の修復まで、生体機能のすべてに及びます。
ホメオスタシスとは特定の物質の名前ではなく、これらすべてにおける「性質」のことだと考えておきましょう。
停滞期とリバウンドの関係
人は体重が約5%減少すると、ホメオスタシスが働くと言われています。
体重が減り続けると、体が「飢餓状態である」「危険な状態である」と判断します。
そこで体はエネルギーの消費を極力抑えるようになり、摂取したエネルギーを蓄えようとします。
つまり、これがダイエットにおける停滞期の始まりです。
ここでダイエットを諦めて通常の食事に戻したらどうなるでしょうか。
摂取したエネルギーは消費されず、どんどん体に吸収され、蓄えられてしまいます。
以前と同じ量しか食べていないのに、体重が増えてしまうのです。
これがいわゆる「リバウンド」と呼ばれる現象です。
ダイエットをしていると停滞期が訪れ、その停滞期間中にダイエットをやめてしまうとリバウンドしてしまうということです。
つまり、停滞期は一番ダイエットをやめてはいけない時期なのです。
停滞期に入る前にダイエットをやめれば、リバウンドは起こりません。
もちろんストレスなどで以前の食事量‟以上”に食べてしまうと、当たり前ですが太ります。
停滞期はどれぐらいの期間続くのか?
気になるのが、停滞期の期間ですよね。
ダイエットを始めていつぐらいから始まるのか、そしていつまで続くのか。それがわかっていれば、ダイエットのモチベーションにもつながりますよね。
停滞期が始まる時期、そしてそれが終わる時期を確認しましょう。
停滞期が訪れる期間
停滞期が訪れるのは、元の体重より5%減ったぐらいからだと言われています。
例えば元の体重が60kgの場合、5%減って57kgになったあたりで停滞期がくる計算になります。
または約1ヶ月ほどで停滞期がくるという説もあります。
これらは体質やダイエット法、そしてどれだけの期間に何kg体重を落としたかにもよりますので一概には言えません。
体重の5%が減ったとき、もしくはダイエット後1ヶ月程度経過したときは「そろそろ停滞期がくるかな」と心構えをしておきましょう。
停滞期が終わる期間
停滞期は、2週間~1ヶ月ほどで終わるという人が多いようです。
もちろんこちらも個人差がありますので、1週間で終わる場合や、2ヶ月以上続く場合もあることを知っておきましょう。
2ヶ月と聞くととても長く感じますが、いつかは停滞期が終わるとわかっていれば、それがモチベーションにもつながりますよね。
体重が減っていなくても、体の中で次に痩せるための準備をしているんだと考えておきましょう。
ダイエット停滞期のおススメの乗り越え方4つ
停滞期が訪れると、とても不安になりますよね。
このまま続けていいのか、ダイエットのやり方が間違っているのか、そんなことも考えてしまいます。
でもその停滞期を乗り越えることができたら、さらに体重が減り、理想の体型に近づくことができるはずです。
停滞期は人によっては、意外と簡単に乗り越えることができます。
メンタルの部分が大きいので、乗り越え方を知っているか知らないかというだけでも大きく変わってきます。
停滞期が来ても焦らず、以下のポイントを押さえておきましょう。
① 停滞期があることを知る
一番重要なのは「ダイエットには停滞期が必ずある」と認識することです。
停滞期について知っているだけで、気持ちがとても楽になります。
今までのやり方は間違っていなかった、これは体の防衛本能なんだ、という気持ちでいることが大切です。
⓶ 同じ方法を継続する
停滞期が来ても、それまでと同じダイエット法を継続してください。
停滞期が来たからと言ってそこでダイエットをやめてしまうと、リバウンドする可能性が非常に高くなります。
他のダイエット法に変えたとしても、体の防衛本能に打ち勝つことはできません。
結局効果が現れず、諦めてしまうことにもなりかねません。
もしかなりきつめのダイエットをしているなら、少しゆるくしてもいいので継続しましょう。
そして栄養バランスがなるべく偏らないよう、特にタンパク質やビタミンに気を付けて食事をするように心がけましょう。
③ ダイエット法を変える
基本的にはこれまでと同じダイエット法で、継続することが適切な対応です。
しかし間違ったダイエット法を取り入れている場合は、そのやり方を変える必要があります。
特に一つの食品を食べ続けるダイエットは、間違ったダイエット法の代表です。
納豆ダイエット、牛乳ダイエット、ガムダイエットなどがその例です。
栄養素をバランス良く摂取したうえで、特定の食品を食べるという方法なら問題ありません。
おすすめのダイエット法を後ほど紹介しますので、参考にしてみてください。
④ 運動を取り入れる
食事制限だけしていた人は、軽い運動を取り入れてみることをオススメします。
運動による消費エネルギーは微々たるものですが、今まで運動をしていなかったのであれば効果があるかもしれません。
有酸素運動も効果的ですが、どうせ体重が減らないのであれば、筋力トレーニングがオススメです。
筋トレをすると筋肉量が増え、逆に体重が増えてしまう可能性はあります。
しかし筋肉量増加による体重増加は、全く気にする必要はありません。
むしろ体重が増えても、体系はスリムになることもあるのです。
筋トレによって筋肉量が増えれば、基礎代謝も上がります。
基礎代謝があがると消費エネルギーが増え、痩せやすい体になります。
停滞期は積極的に、筋力トレーニングを取り入れてみましょう。
他のダイエット法を試すことは停滞期の乗り越え方の一つ
停滞期には、一度今までのダイエット法を見直してみることも大切です。
今まで正しいやり方でダイエットをしていたのであれば、停滞期がきてもそのまま継続することで状況を打開できます。
しかし間違った方法でダイエットをしていると、停滞期のまま体重が止まってしまうこともあります。
それだけでなく、偏った栄養バランスにより体を壊してしまう可能性もあるのです。
ダイエット法を見直すにあたり、当サイトでオススメしているダイエット法をご紹介します。
糖質制限ダイエット
一番にオススメしたいのが、糖質制限ダイエットです。
糖質をなるべく取らないように意識し、その代わりタンパク質をしっかりと摂取します。
ご飯やパンは食べられませんが、お肉や魚、納豆や豆腐などの大豆製品はお腹いっぱい食べることができます。
糖質を抜くだけで、他の栄養はバランス良く摂りましょう。
糖質量の目安は1日150gです。
白ご飯を軽く一杯(約150g)で糖質は55gです。
1日の糖質量をしっかりと管理できていれば、ご飯やパンも食べることができます。
無理をせず、ゆっくり楽しみながら取り組みましょう。
置き換えダイエット
置き換えダイエットは太る原因のご飯やパンを抜いて、健康的な食品に置き換えるダイエット法です。
糖質を計算しながら行う糖質制限ダイエットよりも簡単で、楽に取り組むことができます。
その点長期的に行わなければ効果は実感できませんが、停滞期にはもってこいのダイエット法ではないでしょうか。
糖質を細かく計算していくのではなく、主食の炭水化物(ご飯など)を置き換えるようにします。
始めは朝食の炭水化物、慣れてきたら夕食を置き換えてみましょう。
置き換える食品は、糖質が少なく、栄養価の高いものがオススメです。
市販の青汁や酵素ドリンクでもいいですし、自家製のグリーンスムージーも健康的でオススメです。
筋トレダイエット
長期的に見れば、筋力トレーニングもダイエットに繋がります。
トレーニングで消費するエネルギーは微々たるものですが、筋肉が増えてくると基礎代謝が上がってきます。
すると何もせずともエネルギーを消費していき、痩せやすい体になるのです。
ただそれだけではあまり効果が見込めませんので、軽い食事制限と平行して行うと良いでしょう。
炭水化物を少し減らすようにし、タンパク質をどんどん食べてください。
筋肉量が増えることで体重は増えてしまう可能性がありますが、その場合スタイルは良くなっているので心配いりません。
しっかりとダイエットを行いたいなら、糖質制限や置き換えダイエットと平行して取り組んでみましょう。
ダイエット停滞期におすすめの運動3選
停滞期には今までと同じ正しい食事法を継続し、運動を取り入れると効果的だと言いました。
具体的にどんな運動をすればいいのか、当サイトでオススメの運動をご紹介します。
ランニング
ダイエット中の王道トレーニングと言えば、「ランニング」です。
特殊な機械や道具を必要とせず、誰でも気軽に取り組むことができます。
無理なくおしゃべりできるぐらいのスピードで、20~30分程度走るだけです。
膝に負担がかからないよう、性能の良いランニングシューズがあればベストです。
水泳
水泳もランニングと同じく、優れた有酸素運動です。
早いスピードでタイムを計るのではなく、なるべくゆっくり、普通に呼吸をするように泳ぐのが効果的です。
水泳はランニングと違って、場所を選びますし、場合によってはお金もかかります。
道具も必要なので、人によっては少しハードルがあがるかもしれません。
メリットとして、ランニングよりも膝に負担がかからないということが挙げられます。
体重が増えすぎて走れない人、膝が弱い人などは、ランニングよりも水泳がオススメです。
スクワット
自宅で気軽に筋トレをしたいなら、スクワットがオススメです。
女性はもちろん、高齢者でもできる優れたトレーニングです。
スクワットは主に、下半身の筋肉を鍛えることができます。
大腿四頭筋やハムストリングスなど大きい筋肉群を鍛えることができるので、筋肉肥大しやすいトレーニングです。
筋肉量が増えるとそれだけ基礎代謝が上がるので、長期的に見て痩せやすい体になります。
他のトレーニングよりも筋肉量が増えやすいので、スクワットは停滞期にはぴったりのトレーニングなのです。
まとめ
・停滞期とは体の防衛本能の一種で「ホメオスタシス」と言う。
・人は体重が約5%減少すると、ホメオスタシスが働くと言われている。
・停滞期の期間は個人差があるので、1週間で終わる場合や2ヶ月以上続く場合もある。
・停滞期を乗り越えるために他のダイエット方法を試したり、運動を取り入れたりすると良い。
停滞期は、ダイエットをしていれば誰でも訪れます。
その時期に「ダイエット法が間違っていた」「これ以上頑張っても意味がない」と思わずに、しっかりと正しいやり方で継続することが大切です。
停滞期という時期があることを知っていれば、少しぐらい苦しくても乗り越えられるはずです。
栄養バランスをしっかりと意識し、健康的に、長い目でダイエットに取り組みましょう。