上級者向けの筋トレ「ハイクリーン(パワークリーン)」は全身の筋肉に効果抜群の種目で非常におすすめです。
今回はハイクリーン(パワークリーン)で鍛えられる部位、効果、やり方とコツ5つ、重量設定、最適頻度を紹介します。
目次
ハイクリーン(パワークリーン)とは?
ハイクリーン(パワークリーン)とは全身を使った筋トレ種目で、動作としては床に置いてあるバーベルを肩に担ぐまで持ち上げる運動です。
イメージとしては重量挙げを途中まで行う感じです。
筋トレの中ではバーベルを移動する距離がかなり長いので、負荷が高くテクニックも必要なので上級者向けのトレーニングと言えます。
瞬間的に一気に力を出すので、瞬発力を高めるトレーニングとしても取り入れられています。
広い場所が必要なので、あまりジムでもやっている方はいないですが、やれる場所があればおすすめの種目です。
ハイクリーン(パワークリーン)さえやればほとんど全身が鍛えられるので、この種目以外あまりやらないトレーニーもいるくらい、効果的な種目です。
ハイクリーン(パワークリーン)で鍛えられる部位とは?
ハイクリーン(パワークリーン)は先に紹介したように全身を鍛えられる種目です。
具体的に言うと大腿四頭筋、ハムストリング、脊柱起立筋、僧帽筋、三角筋、大臀筋など様々な筋肉が鍛えられます。
腹筋にも刺激が入ります。
簡単に言うと背中と下半身はすべて鍛えられると言って良いでしょう。
唯一、胸にあまり刺激が入らないので、胸の厚みを出したい人は他の種目(ベンチプレスやインクラインベンチプレスなど)を並行して行う必要があります。
しかしそれ以外の部分は、ハイクリーン(パワークリーン)をやっていれば、他の種目をやらなくて済むかもしれない、というくらい効果がある種目です。
ハイクリーン(パワークリーン)の効果とは?
ハイクリーン(パワークリーン)は全身を鍛える以外にも瞬発力を鍛えるという側面があります。
ですので、瞬発系のスポーツ種目をやっている方には大変人気があります。
例えば陸上の短距離選手などは、ほとんどハイクリーン(パワークリーン)をやったことがあるはずです。
もちろん短距離選手以外でも、瞬発力はほとんどのスポーツで必要ですので、どのスポーツをやっている方にもパフォーマンスアップのためにおすすめと言えます。
事実アメリカでは、ほとんどのスポーツのトレーニングで取り入れられており、すでにかなりの成果を上げています。
また、統計でもハイクリーン(パワークリーン)のトレーニング強度を高くした選手が、良いパフォーマンスを発揮していることは明らかになりつつあります。
日本ではアメリカなどに比べると、スポーツのパフォーマンスを上げるのにウェイトトレーニングはあまり積極的に取り入れられていないのが現状です。
これは指導者不足が関係しているようです。
アメリカなどの統計を参考に、トレーニングに的確な知識を持つ指導者が増えれば、このハイクリーン(パワークリーン)が筋トレ種目に入る可能性は必然と高くなるでしょう。
また、ハイクリーン(パワークリーン)は全身の筋肉を使っての運動になるため、カロリーの消費も激しいのでダイエット効果も期待できます。
全身の筋肉を鍛えることができて、スポーツのパフォーマンスの向上も期待でき、さらに脂肪燃焼までできるなんて最強の筋トレ種目ですね。
これはやるしかないでしょう!
ハイクリーン(パワークリーン)の正しいやり方!【軽めの重量でスタート】
効果抜群のハイクリーン(パワークリーン)について、その正しいやり方を紹介します。
全身を鍛えるということで鍛えられる筋肉の多いトレーニングなので、その分動きも複雑になっています。
理想を言えば、指導者にフォームを見てもらいながら行う方が良いでしょう。
①床に置いたバーベルの前に立ちます
②腰を落として両手でバーベルを持ちます(この時の握り幅は肩幅よりやや広め)
③バーベルを膝まで持ち上げたら一気に立ち姿勢になり、同時に肘を上げてバーベルを一気に肩の位置まで持ち上げます
④肩の位置まで持ち上がっているバーベルを中心に回転するようにして肘をバーベルの下に潜り込ませます
(この時若干膝を曲げて体全体でバーベルの下に潜り込むようなイメージで行います)
以上を一瞬で行うのがハイクリーン(パワークリーン)になります。
最初はなかなかうまくいかないと思いますので、軽い重量からスタートしてフォームをきちんと確認しつつ行うようにしてください。
ハイクリーン(パワークリーン)のやり方のコツ5つ!
パワークリーンは動作が多いためポイントや注意点がたくさんあります。
以下をポイントや注意点を意識して行うようにしてください。
①バーの握り方
標準的な握り方は順手のオーバーグリップ(親指を他の指の上に出して握る)です。
上級者の方はフックグリップ(親指を他の指の下にして握る)でやっている方も多いですが、最初は標準的な握り方の方が良いでしょう。
⓶背中
バーベルを持つ時は背中を丸めないようにします。
丸めた状態でバーベルを一気に持ち上げようとすると、腰を痛める危険が非常に高いのです。
背中は常に一直線を保つように心がけましょう。
③全身のばねを使う
バーベルを膝まで上げた状態から、一気に立ち姿勢になって肩の位置まで持ち上げます。
この時、全身のばねを使って上げるようにしてください。
思いっきり瞬発力を使って上に上げるので、少しジャンプしてしまうくらいの感じでやると丁度いいでしょう。
④フィニッシュ時のバーの握り方
最後のフィニッシュの時は、手はバーを握らずに指の先に乗せるだけにしておきましょう。
握っているとうまく手首が返らないので手首を痛めてしまいます。
親指は完全にバーから離しても落ちませんので離して大丈夫です。
⑤一連の動作をスムーズに行う
ハイクリーン(パワークリーン)は瞬発力を鍛えることを第一の目的としていますので、他のウェイトトレーニグ種目のようにゆっくりやることはしません。
ゆっくりやったら絶対に出来ないという重さでやることが大切です。
(初心者のうちは逆に軽めでやらないといけませんが)
体全体で一気に力を爆発させるイメージでやるようにしましょう。
なので、一連の動作は淀みなくスムーズにやる必要があります。
ハイクリーン(パワークリーン)の重量設定のやり方!
ハイクリーン(パワークリーン)の重量設定を詳しく見ていきましょう。
上級者になれば、瞬発力を鍛えるためにゆっくりやっていてはとてもできないような重量でやる必要があります。
しかし、最初のうちはまったく逆でゆっくりやっても余裕でできる重さでやってください。
これはハイクリーン(パワークリーン)がかなり難しく上級者向けの筋トレ種目なので、フォームをきちんと作ってからやらないと怪我の恐れがあるからです。
最初はバーベルの重りをつける必要はありませんので、バーのみで行うようにしてください。
特にバーベルを肩の位置まで上げる感覚というのは慣れるまで時間がかかります。
この感覚を掴むまではバーのみでやるようにしましょう。
以下にハイクリーン(パワークリーン)のフォームの作り方の動画を紹介しておくので、ぜひ参考にしてください。
フォームを作ってから徐々に重くしていってくださいね。
ハイクリーン(パワークリーン)の最適な頻度とは?
ハイクリーン(パワークリーン)はどの程度の頻度でやればいいのでしょうか。
瞬発力を高める筋トレなので、他のウェイトトレーニングの種目とは違って毎日のようにやっても良いという方もいます。
しかし、筋肉は疲労しすぎると発達しなくなってしまうので、自分が「疲労がたまってきたな」と思うのであれば休んだ方が良いでしょう。
人にもよりますが、1週間に2,3日で十分でしょう。
強度によってはそれもやり過ぎになる場合もありますので、自分の体の調子を常に確認しましょう。
ハイクリーン(パワークリーン)で刺激の入る筋肉は大きい筋肉ばかりです。
腹筋のように小さい筋肉であれば、疲労も溜まりにくいので毎日やるのもありです。
しかし、大きい筋肉はエネルギーの消耗も激しい上に疲労が溜まりやすいので、疲れたら休んだ方が効果も大きいでしょう。
これらはあくまでも個人差があるので、毎日やっても大丈夫の人もいるかもしれませんが、疲れたら休むのも筋トレでは重要です。
毎日同じ強度のトレーニングができる方は、逆に言えば、毎日できる程度の効果が低い強度でしかやっていない場合があります。
筋肉は強くなったら、負荷を強くしていかないと更に強くはならないのが基本です。
毎日やっていることに満足するのではなく、「毎日とてもできない強度でやる」という考え方も必要かもしれません。
まとめ
・ハイクリーン(パワークリーン)のやり方は軽い重量からスタートしてフォームをきちんと確認しつつ行うようにする。
・ハイクリーン(パワークリーン)の重量は最初はゆっくりとやっても余裕でできる重量で行う。
・ハイクリーン(パワークリーン)の頻度は強度が高いため週に1,2回で十分。
以上がハイクリーン(パワークリーン)のまとめになります。
いかがでしたでしょうか。
一石二鳥どころか三鳥以上のトレーニングなので、恐らく筋トレを今現在行っている方であれば、興味が湧いてメニューに取り入れてみたくなったのではないでしょうか。
しかし、なかなかハイクリーン(パワークリーン)ができる場所がないのも事実です。
もし、通っているジムでできるようであれば、あなたはかなりラッキーです。
やらない手はありません。
ただし、できたら上級者の方にフォームを見てもらいながらやってください。
いくら優れたトレーニングとは言え、間違ったフォームでやれば効果がないどころか怪我の原因になります。
気を付けてやるようにしてくださいね。