誰もが一度はやった経験のある運動ブリッジには、実は体への様々な効果が期待できます。
今回はブリッジの種類と得られる3つの効果、4種類のブリッジのそれぞれの正しいやり方・コツ・注意点、できない人向けの練習法を紹介します。
目次
ブリッジとは?
ブリッジとは仰向けに寝転んで、足と手だけを地面につけて、背中を浮かすことで文字通り体を「ブリッジ=橋」のようすることで名づけられたエクササイズです。
本来は体を柔らかくするために行われる運動です。
しかし寝技系の格闘技にも使われることがよくある(抑え込まれた時に逃げるために使う)ので、柔道やレスリングをやったことがある方は練習の時に毎回練習をしていたでしょう。
小学生の頃にはほとんどの方がやったことのあるエクササイズで、日本ではかなりメジャーなものとなっています。
しかし、このブリッジがどんな効果があり、正しいブリッジがどんなものかはよくわかっていない方が多いのではないでしょうか。
今回は正しいブリッジと効果を紹介していきますので、是非ご一読ください。
ブリッジのやり方には様々な種類がある
ブリッジと一言で言っても実は様々な種類があります。
おそらくほとんどの方はブリッジと言えばスタンダードなもの(仰向けになって背中を浮かして、体全体を反らす)しか思い浮かばないと思います。
ですが、ブリッジは他にもあるのです。今回はそれらをご紹介します。
スタンダードバージョン
いわゆる一般的に言われるブリッジの形になります。
仰向けになって両手と両足を地面につけて、腰を天井へ向けて持ち上げます。
背中が反ってアーチ状になります。
ブリッジと言えばこの形を思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか。
サイドブリッジ
横向きになって片手で体を支えるブリッジになります。
アーチ状ではなく、体は真っすぐ一直線になります。
フロントブリッジ
通常のブリッジは仰向けで行いますが、フロントブリッジはうつ伏せになって行います。
うつ伏せになって両肘を床につけます。そして体は一直線にします。
スタンダードバージョンよりはかなり難易度が低いため、スタンダードバージョンができない方はこのブリッジからはじめてみると良いでしょう。
バックブリッジ
仰向けになるのはスタンダードバージョンと同じですが、両手は使わずに肩と床につけたままでお尻を浮かします。
難易度的にはブリッジの中でもっとも低いので初心者の方におすすめです。
ブリッジで期待できる3つの効果
ブリッジで期待できる効果は様々です。
まずは筋トレ効果があります。
具体的に鍛えられる筋肉はブリッジの種類にもよりますが、体幹やお尻の筋肉が鍛えられます。
お腹が引き締まったり、お尻がキュッと上がったりする効果が期待できます。
また、ブリッジは全身運動になりますので、行うことで体のゆがみが矯正される可能性があります。
体のゆがみが原因で体調が悪くなることはよくあるので、ブリッジをしていたらいつの間にか調子が良くなってくるということもよくあります。
あとは、便秘の解消効果があります。
スタンダードバージョンがもっとも効果が高いので、便秘に悩んでいる方は是非スタンダードバージョンのブリッジができるように頑張りましょう。
お通じが良くなれば、お腹の引き締め効果もより高まります。
これらの効果を見るとブリッジは女性におすすめのエクササイズと言えますが、もちろん運動不足の男性にも効果は抜群です。
家でも思い立った時に簡単にできますし、カップルで一緒にやってもいいですよね。
是非やってみてください。
4種類のブリッジの正しいやり方
それではブリッジの正しいやり方をご紹介します。
先に紹介したブリッジ4種類をすべて紹介しますので、動画を見てやれそうなものからやってみてください。
スタンダードバージョン
①まずは仰向けに床の上に寝転びます(両膝は立てておく)
②両手を床につけます(指先を自分の方に向けて床に置く)
③両手の置く位置は大体顔の横くらい
④両足を踏ん張れるように広めにする
⑤まずはお尻を持ちあげる
⑥その状態をキープしつつ頭を床につける
⑦両手と両足で床を押して頭を床から離す
⑧この状態を10秒程度キープ
⑨ゆっくりと元に戻します
以上がスタンダードバージョンのブリッジになります。
下ろす時はゆっくりと行うようにしてください。
サイドブリッジ
①床に横向きになって寝ころぶ
②床にある方の肘を立てる
③足と体を一直線に伸ばして体を持ち上げる
④支えるのは足の先と一つの肘になります
⑤この状態を10秒程度キープします
⑥ゆっくりと腰を下ろします
以上がサイドブリッジになります。
体が一つの棒になった気持ちになって完全に真っすぐな状態を保つようにしてください。
フロントブリッジ
①両肘をついて、つま先も立ててうつ伏せになって寝ころぶ
②肘とつま先は肩幅程度に開いておく
③腰を持ち上げて体を一直線にする
④この状態で10秒程度キープします
⑤ゆっくりと腰を下ろします
以上がフロントブリッジになります。
秒数は10秒程度と紹介しましたが、もっとできる人は長い時間やっても構いません。
かなり腹筋に効きます。
バックブリッジ
①仰向けに寝転びます
②足は両膝を立てておきます
③両手は体の横に脱力して置いておきます
④腰を浮かして膝から肩までを一直線にします
⑤この状態を10秒程度キープします
⑥ゆっくりと腰を下ろします
以上がバックブリッジになります。
スタンダードバージョンのブリッジができない方はこちらをやってみてください。
もちろんスタンダードバージョンのブリッジができる人もすべてのブリッジをやってもOKです。
すべてのブリッジをやった方が、より効果が出ます。
4種類のブリッジのそれぞれのやり方のコツ
ブリッジのコツをブリッジの種類それぞれについて解説をいたします。
よく読んで理解してから行うようにしてください。
理屈でやり方がわかっていると非常に効果的にエクササイズができます。
スタンダードバージョンのコツ
スタンダードなブリッジは力はそれほど要りません。
けれど、初めての時にはコツを知らないためある程度の腕力に頼ってやることになりますし、最初に体を持ち上げる時には少し力が要るので、できない方もかなりいるでしょう。
何度も挑戦することで腕力も強くなっていって、できることもありますので諦めないでやることも大切です。
ブリッジの形さえ作ることができれば力はそれほど要らないことは、一度できるようになればわかるはずです。
また、ある程度の腕力があっても背中や腰の柔軟性がないとできないこともあります。
なのでやる前にはストレッチなどで柔軟性を高めておくのもコツの一つになります。
意外なところで肩の柔軟性も必要です。
なので、肩も十分ストレッチをしておきましょう。
まずは誰かにサポートをしてもらうと非常にやりやすいです。
サポートしてもらっている方に、背中と床の間に手を入れてもらって押し上げてもらいましょう。
形がきちんとできたことを確認して手を離してもらいます。
この状態だとバランスを取るだけで力はそれほど要らないことがわかるはずです。
そして、それを踏まえて今度は自分だけでやってみるのです。
サイドブリッジのコツ
サイドブリッジは横になって体を肘とつま先で支える形になりますが、この時に必ず身体は一直線にしてください。
よく腰が下がってしまっている方がいますが、これではエクササイズの効果が半減してしまいます。
また、肩が前にいったり、腰が前後に出てしまうのもダメです。
体幹に刺激がいかなくなってしまいます。
サイドブリッジをしながら、ドローインを一緒にやると体幹への効果が倍増するのでおすすめです。
ドローインとは息を思いっきり吸ってお腹を膨らませた後に、息を吐いてお腹をへこませることです。
このへこんだ状態でサイドブリッジを行うと効果アップします。
フロントブリッジのコツ
フロントブリッジは両肘とつま先で体を支える形になります。
フロントブリッジもサイドブリッジと同じく身体を完全に一直線にしてください。
サイドブリッジよりも少し辛いかもしれませんが、腰が上になったり、逆に下に落ちてしまったりする方がよくいますので、ここはお腹に力を入れて真っすぐに保ってください。
辛いとどんどんと腰が動いてくる方がいますが、そこで耐えると効果が高まります。
頑張ってください。
また、サイドブリッジと同じくドローインをすると体幹への効果が高まります。
バックブリッジのコツ
バックブリッジは上半身と足の裏で浮かした体幹を支える形になるので、かなり支えるのは楽でしょう。
しかし、この時も浮かした体幹は曲げたりしないで一直線が基本です。
辛くなっても背中を反りすぎたり、腰を落としたりはしないように注意してください。
4種類のブリッジのそれぞれのやり方の注意点
スタンダードバージョンの注意点
スタンダードバージョンのブリッジで気を付けたいのは体の反らしすぎでしょう。
体がそれほど柔らかくもないのに柔らかい人の真似をして体を反らせすぎると怪我をする可能性もありますので、無理は禁物です。
サイドブリッジの注意点
サイドブリッジはそれほど負荷の高いエクササイズではありませんが、体幹が弱い方はそれでも辛いという人もいるでしょう。
その場合は無理をせずに肘とつま先で支えるのではなく、肘と膝で支えるようにしてください。
きちんと体が真っすぐな状態になっていれば体幹には刺激が入りますので大丈夫です。
フロントブリッジの注意点
フロントブリッジは長くやると腰が上に上がったり、下に下がってきたりするので、あまりにそうなってしまう方は膝をついてやるのも一つの手です。
基本的には「鍛える=辛い」のは当たり前なので、辛いからと言ってすぐに膝をつくのは良くないですが、筋力が足りなくてどうしても正しい姿勢をとれないなら仕方がありません。
無理せずに膝をついてください。
ただし、その際においても体は真っすぐにすることを守るようにしてください。
膝がついている上に腰が下がっている(または上がっている)では効果がほとんどないので、そこは頑張ってください。
バックブリッジの注意点
バックブリッジはブリッジと名の付くエクササイズの中ではもっとも負荷が低いので、おそらくほとんどの方はできるでしょう。
ただし、このバックブリッジも背中を反らしすぎて腰を痛めることもあるので、背中の反らせすぎは要注意です。
基本的には背中を反らすのではなく、骨盤さえ上に上げれば効果はありますので、背中を反らせてやっている方はすぐにフォームの改善をするようにしましょう。
ブリッジを無理なやり方でやるのはNG 思わぬ怪我の可能性も
ブリッジで怪我をする可能性があることを前述しました。
無理をすると腰だけではなく、手首や足の付け根、首なども怪我をする可能性があります。
無理に背中を反らせるのは予想外の部位を痛めることもありますので、絶対にやめましょう。
昔は体が柔らかかったなんて人が無理をしがちです。
体の柔軟性は何もしていなければ失われていきますので、久しぶりに運動をするという人は特に気を付けてください。
怪我をしてしまうとせっかく運動をしようと思い立ったのに、次の日からまたできなくなってしまいます。
ブリッジは他の筋トレ種目の効果を上げるテクニックでもある
ブリッジと言うと基本的には前述した4種類のものになります。
しかし実は他の筋トレにおいて、同じような態勢をとる場合があります。
例えばベンチプレスと言う筋トレ種目です。
ベンチプレスを行う時にブリッジをすると背中の筋肉が固定され、肩を使わずに胸の筋肉だけを使ってベンチプレスが行いやすくなるのです。
ベンチプレスは胸に効かせるための筋トレ種目です。
ブリッジをすることでベンチプレスを効率よく行うために非常に重要なテクニックの一つとなっています。
ただし、お尻まで上げてしまうブリッジをすると逆に胸に効かなくなってしまいます。
ベンチプレスで行うブリッジの理想はお尻を浮かさないで背中だけをアーチ状にするブリッジになります。
このあたりの興味がある方はベンチプレスの記事をご覧ください。
ブリッジができない人のための練習のやり方
スタンダードバージョンのブリッジができない人でも練習でできるようになる可能性は十分あります。
おすすめの練習法は、少しでもできそうな感じがあるのであれば、パートナーに背中を下から押してもらって疑似的にブリッジを行うのを何度も繰り返すことでしょう。
また、まったくできそうにない場合は毎回パートナーの手を煩わせるよりも、バランスボールの上で背中を反らすことにまず慣れるようにしましょう。
バランスボールがなければクッションなどで代用しても問題ありません。
そして、慣れてきたら壁に向かって後ろ向きで立ち、上体を後ろに反らして壁に手を置きます。
これで反らす練習ができます。
まとめ
・ブリッジのやり方は仰向け、横向き、うつ伏せなど様々な種類がある。
・ブリッジは無理をして行うと怪我をする可能性があるので、気を付けて行うこと。
いかがでしたでしょうか。
ブリッジは最初はなかなかできないかもしれませんが、練習したらできるようになる場合が多いです。
色々なメリットがあるので、是非やれるようになって毎日少しでもやってみてください。
場所も自宅でできるので、忙しい方にもぴったりのエクササイズと言えます。
ただし、無理は禁物です。
自分の体の柔軟性を考えてやってくださいね。