懸垂は誰しも小学生の体力測定などで経験したことがある運動ですが、腕を逞しくするためにとても効果的な筋トレです。
今回は懸垂の逆手・順手の持ち方による鍛えられる筋肉の違い、効果、正しいやり方、最適回数と頻度を紹介します。
逆手懸垂とは?
「逆手懸垂」とは文字通り逆手でバーを持って行う懸垂のことを指します。
逆手とは鉄棒で逆上がりする時にする持ち方の事を言います。
つまり、手の甲を正面に向けて持つ持ち方のことです。
その逆で手の甲を自分の方に向けて持つ持ち方を「順手」と言います。
通常懸垂をする場合はこの順手で持って行うことが多いですが、逆手で持つことで刺激の入る部位が変わってきます。
特にどちらが良いというわけではありません。
どちらの持ち方をしたらどこに刺激が入るのかを覚えておくことが大切です。
刺激の入れたい部位によって、「ここなら持ち方を変えよう」とトレーニングにバリエーションが出てくるのです。
なので、持ち方を変えることで刺激が入る部位が変わることをまず覚えておきましょう。
そして、その次に逆手で持つとどこに刺激が入るのかを覚えましょう。
逆手懸垂で効果のある筋肉!順手との違いも解説
通常、懸垂と言うと背中を鍛える筋トレ種目と言うイメージがあると思いますが、逆手で持って懸垂をやることで背中以外にも刺激が入ることになります。
逆手と一言で言っても持つ幅にもよりますが、順手と比べると持つ幅に関わらず逆手で持つと上腕二頭筋に刺激が強く入ることになります。
持ち幅が狭くなればなるほど上腕二頭筋への刺激は強くなります。
その他にも僧帽筋や上腕筋、もちろん広背筋にも多少刺激が入りますが、上腕二頭筋の種目として行っている人が多いです。
ほとんど同じ動きに見えるのに順手で持つ懸垂は「背中(広背筋)」を鍛える種目になり、逆手で持つ懸垂は「腕(上腕二頭筋)」を鍛える種目になるわけです。
非常に面白いですよね。
これをきちんと理解していないと背中のトレーニングをしているつもりなのに逆手懸垂をやってしまったり、順手の懸垂で腕を鍛えているつもりになってしまうこともあり得るわけです。
このあたりは注意しておきたいところです。
順手の懸垂をやっていて疲れてきたから逆手にする、なんて言うのはまったくダメです。
意味がないとまでは言いませんが、背中の筋肉で上げきれなくなったから、上腕二頭筋を使って上げようということになってしまいます。
つまりトレーニングとしては異なることをやってしまっているのです。
わかっていてやっているなら仕方がありませんが、知らないでやっていると意図しない部位を鍛えることになってしまいますので、これを機会に覚えておきましょう。
逆手懸垂で期待できる効果!
逆手懸垂は上腕二頭筋に主に刺激が入る筋トレ種目なので、期待される効果としては、力こぶが大きくなることで逞しい腕が手に入ることでしょう。
しかし、逆手懸垂はメインで刺激が入るのは上腕二頭筋ですが、背中(広背筋)にも刺激は入るので、背中も一緒に鍛えることができます。
上腕二頭筋と背中を鍛えることで引っ張る力が強くなり、引っ張る力が必要なスポーツのパフォーマンスがアップするでしょう。
例として挙げるなら、柔道やレスリングなどの組技系格闘技、ボート競技などは引く力を非常に必要とするので逆手懸垂をやると良いでしょう。
なお、逆手懸垂ではなく、順手の懸垂でも効果はありますが、両方やると更に効果があります。
逆手懸垂の正しいやり方!
それでは逆手懸垂の正しいやり方をご紹介しましょう。
通常の懸垂をできる人ならそれほど難しくはありませんが、通常の懸垂は背中に刺激を入れるために肩甲骨を動かす意識が必要です。
しかし、逆手懸垂の場合は肩甲骨の寄せをそれほど意識する必要がないため通常の懸垂より簡単です。
①両手でバーにぶら下がります(手幅は肩幅くらいかそれより狭くてOK)
②腕を曲げることによって体を持ち上げるイメージで上に上がっていく
③これ以上上げられないくらいまで上げたらゆっくりと下げる
④下げきったら再度上げる
以上を繰り返していきます。
前述したように手の幅は狭くすればするほど上腕二頭筋への刺激が強くなります。
上腕二頭筋をメインで鍛えたい人(背中にはあまり刺激を入れたくない人)は狭く持つようにしましょう。
また、下ろす時ですが、最後まで下ろすとかなり辛いです。
最後まで下ろして持ち上げる自信がない人は途中で止めて持ち上げても構いません。
慣れてきたらできるだけ腕を伸ばすようにしましょう。
ただし、腕を伸ばしきって休憩することになってしまってはいけません。
逆手懸垂の最適回数や効果的な頻度!
逆手懸垂は負荷が自分の体重なので、人によっては筋力に対して重すぎたり、逆に軽すぎたりするので回数でどのくらいが適切というのはありません。
「できるだけの回数」でOKです。
ただし、数回しかできないようなら負荷が重すぎるので、ダンベルなどを使って上腕二頭筋をまず鍛えることから始めた方がよいでしょう。
逆に重さが足りない人はプレートを付けることのできるベルトが売っていますので、そちらで負荷を足してやってみてください。
頻度に関してはこちらも体重によって負荷がかなり変わってきますので、何日とはハッキリとは言えません。
基本的な考え方としては、上腕二頭筋の発達を早くさせたいなら頻度は高めにした方がいいでしょう。
腕は比較的疲れが早くとれる筋肉なので週に2、3回やっても問題ない場合が多いです。
大きい筋肉の場合は週に1回(多くても2回)しかやりませんが、それ以上にやっても問題ないことを覚えておきましょう。
ただし、人にもよりますので、自分の体の疲れ具合を見てあまりに疲れているようならその日の逆手懸垂はやめるなどの対応は必要です。
まとめ
・逆手懸垂は上腕二頭筋に刺激が強く入る効果がある。
・逆手懸垂の最適な回数や頻度は「できるだけの回数」を「週に2,3回」。
・逆手懸垂のみではなく、順手懸垂も合わせて行うと効果が高い。
いかがでしたでしょうか。
逆手懸垂はスタンダードな順手の懸垂と比べても非常にやりやすい種目です。
また、腕を鍛える種目になりますので1週間に2,3回やっても問題ありません。
家の近くに公園などあれば鉄棒でできる種目なので自宅トレーニーの方にも是非やっていただきたい種目になります。
逆手懸垂をトレーニングに取り入れて是非逞しい腕を手に入れてください。