デッドリフトは効果の高い筋トレですがやり方は数種類あり、その効果も様々で自分の目的に合った種目を選ぶことが重要です。
今回はデッドリフトの種類の選び方と注意点、5種類のデッドリフトのやり方、やり方の注意点を紹介します。
目次
デッドリフトとは?
デッドリフトは「キング・オブ・エクササイズ」とか「キング・オブ・トレーニング」と言われることがあるほど、筋トレの中で最も効果のあるトレーニングの一つです。
地面に置いてあるバーベルを両手で持ち、太ももの位置まで引っ張り上げるのが基本です。
なぜ「キング・オブ・トレーニング」と呼ばれるかと言うと、数ある筋トレの中でも最も多くの筋肉を使うトレーニングだからです。
なので、マシントレーニングを除くと、扱える重量も最も重いのが特徴の一つです。
参加する筋肉も多くて、持ち上げる重量も重いのですから、当然効果も大きいですし、カロリーの消費もすごいです。
しかし、それが故に最も嫌いなトレーニングだ、という人が多いのも事実です。
なぜならカロリーの消費量が最大であるということは当然辛さもトップクラスなのです。
辛いことを好きな人はあまりいませんよね。
トレーニングが好きな人もやっぱり本能的には、辛いことは避ける傾向にあるのです。
しかし、デッドリフトは色々な種類がありますので、好きなデッドリフトをやることもできます。
今回は様々なデッドリフトを紹介しますので、是非これを機会に覚えてしまいましょう。
デッドリフトをの筋トレ効果とは?
デッドリフトを行うことでどんな効果があるのでしょうか?
先に紹介したように、デッドリフトは最も筋肉の参加率が高い種目になります。
つまり、同時に複数の筋肉を鍛えることができるのです。
床にあるものを持ち上げることで、体の裏側をほぼすべて鍛えることができるのです。
トレーニングをしている人の中には背中のトレーニングとしてやる人もいますし、脚のトレーニングとしてやる人もいます。
これはデッドリフトの種目ややり方によるのですが、それほど色々な箇所が鍛えられるということなのです。
人間は後姿から老けると言います。
みなさんも、後姿を見てかなりの年だなと判断したら、意外に若い人だった…なんて経験ありませんか?
実は、背面に筋肉がしっかりついていると後姿が若く見えるのです。
後姿を見たら老人みたい…なんて、そんな風にはなりたくありませんよね。
だったら、このデッドリフトをやることをおすすめします。
もちろん先に紹介したようにカロリーの消費量もトップクラスの種目なので、ダイエットにも良いのです。(その分辛いですが)
デッドリフトの種類の選び方&注意点
先に少し触れたようにデッドリフトには種類がたくさんあります。
バーベルで行うデッドリフトもあれば、ダンベルで行うものもあります。
また、床まで下さないデッドリフトもあります。
種類によって使う筋肉が変わってきますので、自分がどのデッドリフトをやるかは、自分の鍛えたい部位がどこかによって変える必要があります。
間違っても「このデッドリフトは楽だから」という理由で選ぶのはやめてください。
筋トレにおいて「楽だからやる」というのはサボっているだけです。
なぜなら、筋肉と言うのは辛いと感じた時に発達するからです。
鍛える部位をまず考えて、それに応じたデッドリフトをやりましょう。
ただ、楽したいという理由はダメですが、腰が悪い(痛い)から痛みの出ないデッドリフトをやるというのはアリです。
筋トレは基本的に痛みが出る種目は避けてください。
痛いのを我慢してやってもフォームが崩れたり、大して上げることができません。
怪我が更にひどくなって、筋肉も発達しない可能性が高いです。
筋トレの良いところは痛くない動きを選択できるというところにもあるのです。
スポーツだとこれができませんよね。
痛くても絶対やらないといけない動きが出てくることもありますから。
なので、痛みが出たら他の種目に変えるというのは筋トレではアリなのです。
デッドリフトのやり方:1種類目 基本のデッドリフト
それでは、実際のデッドリフトのやり方を説明していきましょう。
言葉だけではわからないと思いますので、まずは動画をご覧ください。
①床に置いてあるバーベルの前に立つ(足は肩幅程度)
②バーベルのシャフトを両手で持つ(足幅より少し広め)
③足の裏の真ん中くらいにバーベルのシャフトが来るように前に足を移動させます
④背中を真っすぐにしてお尻を後ろに突き出すようにします
⑤膝を徐々に伸ばしてバーベルを持ち上げます(体も同時に若干起こしていく)
⑥シャフトが膝くらいまで来たら膝はもうほとんど曲がっていないはずなので、ここからは上体を起こすことでバーベルを腰のあたりまで持ち上げます
⑦体が真っすぐになったら、逆再生をするような感じで下ろしていきます
以上を繰り返すのが基本のデッドリフトになります。
注意点としては、常に足の真ん中をシャフトが上下すること。
それと背中や腰を曲げないことです。
これらを注意して行わないと腰を痛めることになりますので、最初にやる時にはあまり重い重量でやらない方が良いでしょう。
フォームが固まってから重い重量でやるようにしてください。
デッドリフトのやり方:2種類目 ダンベル・デッドリフト
次はデッドリフトをダンベルで行うバージョンを紹介します。
デッドリフトは基本的にかなり重い重量を扱うことができるので、バーベルで行うのが普通です。
けれど、家でやる場合や背中に効かせる感覚がよくわからないという人はこのダンベル・デッドリフトがおすすめです。
では、動画を紹介しましょう。
①ダンベルを両手で持って立ち姿勢をとります
②背中を真っすぐでお尻を後ろに突き出した状態でダンベルを体の前に下ろします
③脛辺りまで下ろしたら持ち上げます(お尻を突き出して背中は真っすぐ)
④持ち上げきったら最後はダンベルを横まで持ってきます
こちらを繰り返すのがダンベル・デッドリフトになります。
基本のデッドリフトとやり方は変わりませんが、ダンベルだと床まで下ろすと完全にしゃがんでしまうので、下ろすのは脛辺りまでで良いでしょう。
また、バーベルと違って自由に両手が動くので、持ち上げきった時にダンベルを横まで持ってきて、背中の筋肉を強く収縮させてください。
デッドリフトのやり方:3種類目 ルーマニアン・デッドリフト
次にルーマニアン・デッドリフトを紹介します。
なぜ「ルーマニア」が名前に付くかと言うと、文字通りルーマニアの重量挙げチャンピオンがやっていたからと言われています。
要するに、その人がすごい人だったからトレーニングの真似をしたわけですね。
それでは動画を見てみましょう。
①まずは基本のデッドリフトの要領で持ち上げます(基本のデッドリフト参照)
②若干膝を曲げながら背中をまったく曲げずに下ろしていきます
③これ以上曲げたら背中が曲がるというところまで来たら持ち上げます
以上を繰り返すのがルーマニアンデッドリフトです。
基本のデッドリフトと比べるとほとんど膝を使いません。
若干曲げたり、伸ばしたりする程度です。
基本のデッドリフトと何が違うのかというと、鍛える筋肉が主にハムストリングになるということです。
ハムストリングは太ももの裏側の筋肉です。
やってみるとわかりますが、このルーマニアン・デッドリフトはかなり強くハムストリングに刺激が入ります。
当然、膝の曲げ伸ばしがほとんどできないためそれほど重い重量では行うことができません。
ハムストリングを効率的に鍛えたい場合に行うと良いでしょう。
ちなみにハムストリングは走ったり、跳んだりするときによく使う筋肉なので、ここを鍛えるとあらゆるスポーツのパフォーマンスアップが期待できます。
デッドリフトのやり方:4種類目 スモウ・デッドリフト
次にスモウ・デッドリフトを紹介しましょう。
このデッドリフトは「ワイドスタンス・デッドリフト」とも言われていて、要するに大きく足を広げて行うデッドリフトのことです。
まずは動画を見てください。
①バーベルの前に立って足を広げてつま先を外に向けます
②両手でバーベルを持ちます(足の内側で持ちます)
③四股を踏んでいるような形になるので、その状態で膝を伸ばしてバーベルを持ち上げます
④背中は曲げずに主に膝を使って上下させます
これを繰り返すのがスモウ・デッドリフトです。
足を広げることで、スタートポジションとフィニッシュの距離が非常に短いため、かなり重い重量を扱うことができます。
重い重量にチャレンジしたい時にはこのスモウ・デッドリフトが良いでしょう。
また、大きく足を広げると刺激が内ももに強く入ります。
また、大臀筋(お尻)にも強く入りますので、内ももやお尻を鍛えたい女性にもおすすめのデッドリフトとも言えます。
デッドリフトのやり方:5種類目 ハーフ・デッドリフト
最後に紹介するのはハーフ・デッドリフトになります。
ハーフ・デッドリフトは文字通り「半分」だけデッドリフトをやるということです。
ちょっとこれだけ聞いても意味がわからないと思いますので、動画を見てください。
動画を見ればすぐにわかると思います。
①スタートは床からではなく、膝程度の高さにバーベルを設置します
②基本のデッドリフトと同じやり方ですが、床まで下ろさずに膝の少し下くらいで止めます
③そこまで下ろしたら、持ち上げます
④フィニッシュは基本のデッドリフトと同じです。
以上がハーフ・デッドリフトのやり方です。
要するに基本のデッドリフトの下半分くらいをやらずに、上の方だけでやるデッドリフトになります。
移動距離が基本のデッドリフトと比べて非常に短いので、どのデッドリフトよりも重い重量を扱うことができます。
男性ならすぐに150キロ程度なら持ち上げることができるようになるでしょう。
ただし、このデッドリフトは筋肉への刺激は弱いので、基本的には基本のデッドリフトをやることをおすすめします。
自己満足のためだけにハーフ・デッドリフトをやる人がいますが、それはおすすめできません。
このデッドリフトをおすすめできる人は腰が悪い人です。
腰が悪いと最後まで下ろしきるのがかなりきついので、こちらのハーフ・デッドリフトが良いでしょう。
ただし、このデッドリフトもできないような、腰痛がひどい人は、デッドリフト自体を止めた方が良いでしょう。
ある意味、ハーフデッドリフトは腰痛持ちができる最後のデッドリフトと言えます。
ちなみに効果としては足にはほぼ効きませんが、背中の方には刺激は入るので、背中の筋トレ(特に広背筋)にはなるでしょう。
デッドリフトのやり方の注意点3つ
どのデッドリフトにも共通して言える注意点は「背中を曲げないこと」「肩で持ち上げない」こと。
特に背中を曲げるのは絶対にやってはいけません。
背中を曲げると腰に非常に負担をかけてしまうので、一気に腰痛になってしまいます。
また、自分に合った負荷を設定することも大切です。
デッドリフトは他の種目に比べると圧倒的に重い重量を持ち上げることができます。
しかし自分に合わない重量でやってしまうと、基本のデッドリフトをやっているつもりで、実はハーフ・デッドリフトになってしまう可能性もあります。
腰痛持ちで、意識的にハーフ・デッドリフトをやっているのであれば、もちろん良いのです。
しかし、ただ重いものを持ち上げて自己満足のために徐々に下げる位置が上になっているのでは、トレーニングの効果が半減してしまいます。
このことは他の筋トレ種目にも言えることですが、筋トレと言うのはあくまでも体を鍛えたり、筋肉をつけるための「手段」です。
その手段が「目的」になっては意味がないのです。
例え軽い重量しか持ち上げられなくても、効果のある筋トレをしていれば、体は変わっていきます。
どうせ時間をかけてやるのですから、効果のある筋トレをしたいものです。
常にそのことは心に留めておきましょう。
まとめ
・デッドリフトは筋トレの中でもっとも多くの筋肉を使うため「キング・オブ・トレーニング」と呼ばれる。
・デッドリフトで背中を曲げると腰に非常に負担をかけて一気に腰痛になる。
いかがでしたでしょうか。
デッドリフトは様々な種類がありますが、自分の目的に合ったデッドリフトをやりましょう。
ただ単に、「重いものを持ち上げられるから」では効果の薄い筋トレになってしまいます。
また、デッドリフトは腰痛になりやすい種目でもあります。
きちんとしたフォームで自分に合った重量を選択するように心がけましょう。
腰が痛くなるとデッドリフトだけではなく、他の種目にも響きますし、日常生活のクオリティも下がってしまいます。
気を付けてやればデッドリフトほど効果の高い筋トレ種目は他にありません。
体の裏面を鍛えてカッコいい後姿になってください。