単なる遊びだと思われがちな腕相撲は握力や腕の力など男らしさが試される機会です。
今回は腕相撲とアームレスリングの違い、鍛えたい筋肉7つ、筋力トレーニング10種、3つのコツ、アームレスリングのテクニックを紹介します。
目次
腕相撲とは?
「腕相撲しようよ!」という言葉を幼いころはよく聞かれたのではないでしょうか?
実際のところ腕相撲とはいったい何なのでしょうか?
腕相撲とは、相手の腕を握り合い、先にどちらの腕を押し倒すことが出来るかという遊びです。
しかし、単なる遊びにとどまらず、スポーツ競技にもなっています。
男同士の腕の力を競い合うメジャーなスポーツとなっていますね。
学生の頃はこれでよく盛り上がったのではないでしょうか。
腕相撲で負けると男らしさを否定された気分になって、情けない思いをしたことがある、という方も少なくないでしょう。
今学生であるなら、腕相撲を強くなる方法を知っておくと良いかもしれません。
また、すでに成人して腕相撲などする機会はない、と思われる方も、腕の力、手の力を強くするためのコツをアームレスリングから学んでみるのはいかがですか?
アームレスリングとは?
では、アームレスリングとは何でしょうか?
アームレスリングは、専用の競技台の上で世界共通のルールのもとに行われる腕相撲のようなスポーツです。
「卓上の格闘技」ともいわれる正真正銘のスポーツ競技です。
アームレスリングの選手はアームレスラーと呼ばれ、アームレスリング連盟というものも存在します。
腕相撲のようなお遊びとははっきり違う、しっかりとした世界規模の組織のもとに行われている競技です。
腕相撲とアームレスリングの違いとは?
腕相撲とアームレスリングは同じだ、と考えてしまいがちですが、明らかに違います。
いったいどこが違うのでしょうか。
実はそもそも全く種類が違うもので、ルールや内容なども大きく異なります。
腕相撲には厳格なルールというものは存在しません。
しかし、アームレスリングでは世界共通の厳格なルールが定められています。
また、腕相撲は腕の力、または手の力のみが競われますが、アームレスリングでは速さや技術も必要で、体全体を使った競技です。
ですから使われる、必要とされる能力が大きく違うため、腕相撲とアームレスリングは全くの別物であるといえます。
しかし、アームレスリングのために鍛えられた筋肉や、知識は腕相撲にも適用できます。
腕相撲を強くなりたい、という方にはアームレスリングのトレーニング方法が効果的でしょう。
腕相撲で強くなるために鍛えるべき筋肉7つ
腕相撲で強くなるには、以下の筋肉を鍛えることが必要です。
「握力」「前腕屈筋群」「腕橈骨筋」「広背筋」「上腕二頭筋」「上腕三頭筋」「大胸筋」の7つです。
腕相撲が弱い人は、これらの筋肉のうちどれかが欠けているということになります。
しっかり鍛えられていないのか、使い方が間違っているかによって、腕相撲の強さは変わってくるのです。
これらの多くの筋肉を鍛えるためにはジムに行ってトレーニングを行う必要があります。
では、トレーニングを始める前に、それぞれの筋肉がどのような働きをしているのか知っておくことにしましょう。
握力
まずは握力です。
握力は腕相撲をする時に最も重要な筋肉であるといえます。
この握力が鍛えられている人は、ほとんどの場合腕相撲に強いのです。
相手と握手した時にこの人は握力が強い!と感じたことがあるのではないでしょうか。
腕相撲においても相手の握力が強ければ、思うように力を発揮することが出来ず威圧されてしまうのです。
腕相撲は腕の力を発揮するものだ、とも考えられていますが、腕の力を最大限出すにはそもそも握力が必要です。
腕の筋肉だけでは腕相撲に勝つことはできないのです。
相手の手をしっかり握り、自分の握力を伝えられるように密着させることが腕相撲に勝つための一つのカギです。
前腕屈筋群
前腕屈筋群も腕相撲に勝つためには鍛えておくべき筋肉です。
手首を曲げ伸ばしするところの筋肉が弱いと、腕相撲においても弱くなります。
手首をどのように使うのか、と言うテクニックが、腕相撲に勝てるかどうかを左右するのです。
相手の手首を巻き込むようにして手首をうまく使いこなしことが出来れば、腕相撲において有利な立場になれます。
手首を曲げたり、縦に動かしたり、内側に動かすときなどは、握力でも腕の力でもなく前腕屈筋群が働いているのです。
腕橈骨筋
さらに、腕橈骨筋も重要な役割を果たしています。
ものを持ったり引き寄せたりするときにこの筋肉が普段の生活の中で使われています。
腕相撲においても、相手の腕を体に引きつけることが出来れば、力と体重を乗せて、腕相撲を行うことが出来るので非常に有利です。
自分の対戦相手の腕を引き寄せるためにこの腕橈骨筋を鍛えておくと良いでしょう。
広背筋
腕や手の筋肉だけでなく、何と背中の筋肉も腕相撲には関係しています。
腕橈骨筋と同じよういものを引き寄せる筋肉です。
腕相撲においては押す筋肉よりも引く筋肉のほうが強いと有利になります。
もちろん押し倒した方が勝ちですが、押し倒すには押したり引いたり曲げたりなどのテクニックを必要とするからです。
先ほども述べたように相手の体をこちら側に引き寄せるためにも広背筋は必要です。
上腕二頭筋と上腕三頭筋
腕相撲で最も注目される筋肉が上腕筋です。
肘関節を曲げるのが上腕二頭筋です。
相手の腕をこちら側に引き寄せるためには上腕二頭筋の筋肉が最低限必要です。
また、上腕三頭筋も鍛えておきましょう。
相手の攻撃に防御するため、耐える力をもった筋肉が必要です。
倒れないように粘るために上腕三頭筋は大きな役割を果たします。
大胸筋
腕相撲には腕や背中、手だけでなく大胸筋も関係しています。
腕相撲で力が入りやすい状態に体を置くためには、大胸筋の力を使って肘の位置を固定する必要があります。
肘が固定されないと、力が分散されてしまい弱くなってしまいます。
土台をしっかりと固めて、力を押し出すためには、大胸筋の力が不可欠です。
腕相撲が強くなる裏技を紹介
なかなか腕相撲が強くなれない、明日までに腕相撲に勝てる方法が知りたい、という方は、この裏技を使ってみてください。
それは「相手の手より上に手を持ってくる」ということです。
もちろん高い位置から攻撃すれば、より大きな力を発揮することが出来ます。
こっそりと相手の手よりも上に手のポジションを構えるようにしましょう。
もちろん、筋トレをして鍛えることが出来れば、腕相撲が弱いといわれずに済みます。
いつまでも裏技で勝つのではなく、筋肉を鍛えて男らしい体をアピールしてくださいね。
腕相撲が強くなる10のトレーニング方法 筋トレメニュー紹介
腕相撲が強くなるためには、最低でも7種類の筋肉を鍛えておく必要があるということが分かりました。
では、どんなトレーニングを行えばよいのでしょうか?
腕相撲が強くなるための効果抜群な筋トレメニューを10種類ご紹介します。
①リストカール
リストカールとは、腕を太くするために役立つ筋トレ種目です。
特に前面部分を鍛えていくことができる筋トレなので、腕相撲の際は相手の攻撃を防御するときに役立ちます。
勝つためには手の関節だけ動かすことが必要です。
そうすることで、腕相撲の時に腕を動かすのではなく手の関節で、テクニックをうまく使って勝てるようになるでしょう。
1.両手にダンベルを握り椅子に座る
2.手のひらを上に向け、腕を太ももの上に固定する
3.手首を丸めるように手のひら側へカールしてダンベルを持ち上げていく
4.ゆっくりと最初のポジションへ戻す
②ハンマーカール
ハンマーカールという筋トレによって、上腕二頭筋と前腕屈筋群を鍛えることが出来ます。
これは、腕相撲で鍛えるべき筋肉の2つですね。
1.手のひらを内向きにして、ダンベルを軽く握る
2.肘を固定させてダンベルを前に向けてあげていく
3.重さに逆らってゆっくり下げていく
1~3を15~20回おこないましょう。
③ハンドグリップ
握力を鍛える方法の一つがハンドグリップというトレーニング器具を使った筋トレです。
だいたいの筋トレは握るという動作がついているので、わざわざ握力を鍛えようとはしないかもしれませんが、腕相撲で強くなりたいのであれば、ハンドグリップが必要です。
1.片手では握れない強さのハンドグリップを片手にセットする
2.もう一つの手の力も利用してハンドグリップを握る
3.片手を離してハンドグリップの力に耐えながらゆっくりと手を開く
この1~3を繰り返していきます。
このような動作の繰り返しで、本来なら片手では扱えない力をネガティブ動作を利用して扱えるように鍛えることが出来るのです。
④アームカール
アームカールは腕全体を太く鍛えるための筋トレ種目です。
1.両手にダンベルを持ち軽く肘を曲げる
2.両肘をわき腹に密着させる
3.ダンベルを巻き上げるように持ち上げる
4.巻き上げたら手を内側に旋回させる
5.ゆっくりとダンベルを下げる
6.ダンベルを巻き上げるときに息を吐き、下げるときに吸う
10回上がるか上がらないかの重量に設定し、10回×3~5セットを目安に行いましょう。
⑤ライイングトライセプスエクステンション
上腕三頭筋を鍛えることのできる効果抜群の筋トレ種目が、ライイングトライセプスエクステンションです。
ベンチなどにあおむけになって上腕三頭筋を伸長していきます。
1.ベンチにあおむけになる
2.バーベルを額の上で持つ
3.肘の位置を変えないように額に落としていく
4.ゆっくりと元の位置に戻す
肘が開きすぎると上腕三頭筋への刺激は逃げてしまいます。
手の幅を広く取り過ぎないように注意し、バーベルを上げ下げするときは肘の位置を変えないようにしましょう。
⑥ワンハンドローイング
ワンハンドローイングは広背筋を鍛えることのできる筋トレ種目です。
一般的に8~10回持ち上げるのが限界な重量を選んで、ダンベルを使って行います。
1.足を肩幅に広げる
2.片手片足をベンチに乗せる
3.軽く胸を張って肩を下げる
4.ダンベルを横腹まで引き上げる
5.ゆっくりとダンベルを下していく
8~10回ほど繰り返しましょう。
ダンベルを強く握り過ぎないように注意し、しっかり引き上げるように意識しましょう。
そうすることで広背筋を効果的に鍛えることが出来ます。
⑦ショルダーシュラッグ
ショルダーシュラッグは僧帽筋を鍛えることが出来ます。
あまり注目されることのない筋肉ですが、この部分を鍛えることで筋肉質な背中になることが出来ます。
1.肩幅と同じほど足を広げる
2.ダンベルを腕の力を抜いて手で支える
3.ダンベルは体にくっつけないように注意し、まっすぐ下ろす
4.背筋をしっかりと伸ばす
5.ダンベルを横にずらす
6.息を吐きながらダンベルを持ち上げる
7.息を吸いながらダンベルをゆっくりと下げる
猫背にならないように注意しましょう。
この筋トレで鍛えることのできる背筋の動きを意識してください。
余裕が出てきたらダンベルの重量を上げるとより効果的です。
背中の筋肉を鍛えて、腕相撲に有利になりましょう。
⑧EZバーカール
上腕二頭筋を鍛えることが出来る筋トレ種目です。
ストレートのバーベルカールよりも怪我のリスクを抑えて、上腕二頭筋を追い込むことが出来るのでお勧めです。
1.EZバーの外側の持ち手を逆手で握ってまっすぐ立つ
2.両手を同時にカールさせ、上腕二頭筋が完全に収縮するまでバーを上げる
3.EZバーを肩のあたりまで上げきったらゆっくりと下ろして繰り返す
10回×3セット行いましょう。
基本的に反動をつけないようにして、上腕二頭筋がしっかり収縮していることを意識しながら行いましょう。
⑨ディップス
ディップスは筋トレの上級者が最も重点的に行うビックスリーの筋トレに続くメジャーな筋トレです。
方法は様々ですが基本的に大胸筋をターゲットとして筋トレを行うことができます。
同時に上腕三頭筋や肩の筋肉を鍛えることもできます。
これらは腕相撲に強くなるために必要な筋肉ですね。
筋トレ初心者でも比較的簡単に始めることができるトレーニングですが、徐々に効果をより高めるやり方を掴んでいくことができるでしょう。
1.平行棒に腕を経て体を支え腕を伸ばす
2.足をクロスさせ臀部の方に曲げ上半身を前のめりにさせる
3.肘をゆっくりと曲げながら体を深く下ろしていく
4.肘を伸ばしながら元の位置に戻す
ディップスは6から12回× 3セット行うと良いでしょう。
⑩ウルナ・フレクション
ウルナ・フレクションは前腕屈筋群を鍛えることのできる筋トレメニューです。
1.まっすぐの状態で姿勢を正して立つ
2.片手でダンベルの先端を持つ(バッドでもよし)
3.逆の先端を後ろに向けて、手首の力を使ってダンベルを上下させる
1~3を15~20回行う
肘から下、手首にかけての前腕屈筋群を鍛えることのできるウルナ・フレクションは細い筋肉の集まりを刺激することが出来ます。
腕相撲で最も使われる部分の筋肉を強化することが出来るでしょう。
腕相撲が強くなる3つのコツ
腕相撲が強くなるための3つのコツがあります。
これらのコツは相手よりもパワーや体重が有利な場合、より一層効果を発揮します。
ですからまずは筋肉をつけてからこのコツをつかむようにしましょう。
①かみ手
まずは「フック」と呼ばれる上手の方法です。
これは筋肉や体重によってかなり有効な業となります。
手首を内側に曲げて、フックの用に巻き込む形で、腕を倒します。
手首を曲げた形で行う腕相撲ということです。
②つり手
つぎは「トップロール」といわれる方法です。
これは体格が相手と違っても有効な業です。
腕を固定した状態で肩を下げると、相手の腕を伸ばすことが出来ます。
中指を支点に手首を回転させると相手は力が入りづらくなります。
相手の手のひらをめくるイメージで手首を回転させてみましょう。
③全身を使う
全身を使って、できるだけ腕相撲に有利な格好をしましょう。
おなかを机やテーブルにつけて、引く力を強めます。
さらに、脇を締め肘を体の中心に置くことで体が安定します。
肘の角度はあまり狭くなりすぎないようにし、組んだ指や腕はできるだけ高い位置にするようにしましょう。
アームレスリングのテクニックを紹介
腕相撲に強くなるコツの一つに「トップロール」というものがありましたが、アームレスリングの世界でもこれは非常に有効な戦術として使われています。
いったいどのような技なのでしょうか?
構え方と「てこ」の原理
脇を締め、肘が肩よりも内側になるようにし、大胸筋や背筋に力を入れることで肘を体の中心に据えます。
この肘を支点として、肩の後ろから力を入れて、相手の指先に力が働くようにします。
このような支点、力点、作用点がしっかりある、てこの原理を利用しておこなうのが「トップロール」です。
最後まで肘の角度や脇の締め方を変えないことで成功させることが出来ます。
ストローク
ほとんど知識がない素人が腕相撲に勝とうとすると、指先に力を入れて手首を巻き付けて倒そうとします。
ですから、てこの原理を用いて合う手の指先を後ろに釣り上げるように手首を動かします。
その後、肩を下に落とし肘を支点に、指先へと一気に力を入れると同時に手首をストロークすれば、相手の手のひらは上に向かいます。
こうすれば力が入らなくなるので一気に押し倒すことが出来ます。
まとめ
・アームレスリングは腕の力の他にも握力も必要なので、グリップで握力を鍛えるのも有効なトレーニングの一つ。
・腕相撲、アームレスリングともに勝つためのテクニックやコツがあるので、覚えておくと非常に有利。
腕相撲など子供のお遊びだ、と考えられていたものですが、実際は男らしさが明らかになる競技でもあったのです。
アームレスリングというスポーツもあるように、握力や腕の筋肉などは非常に重要です。
ここでご紹介したトレーニング方法やコツを生かして、次こそ腕相撲に勝ちましょう。
男らしさをアピールする良い機会になるかもしれませんよ。