相撲をしている力士は一般の人とは全く異なる特殊な形態と機能を持ち備えています。
今回はそんな力士の中でも筋肉が凄い歴代力士の秘密や筋トレについてご紹介したいと思います。
目次
筋肉が凄い相撲力士1)千代の富士
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個人的に、相撲史上最高の力士です。小柄ながら、鍛え上げられた肉体と鋭い眼光を放つシャープなマスク。それでいて、土俵を降りたときの笑顔。何もかもがステキです。
子供の頃から筋肉量が多かったようで、盲腸になった時に手術をしたら、筋肉が多すぎてメスが入らず、予定時間より長くなってしまったというエピソードがあります。
途中で麻酔が切れてしまったのに、決して痛いと言わなかったという横綱にふさわしい精神力の持ち主でもあります。千代の富士には肩を脱臼してしまってから、脱臼癖が付き、肩周りの筋肉を強化することでこれを克服しようとしていました。
相撲取りといえば、海外の人から見ると、脂肪のカタマリとかデブと言われることもありますが、千代の富士は無駄な肉を感じさせない筋肉の隆起!
体重が重い方が有利である相撲では、脂肪でもいいから体重を増やそうとします。それなのに千代の富士は体脂肪率が少なく、筋肉で他の力士を圧倒していたのですね。
筋肉が凄い相撲力士2)大鵬
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「巨人大鵬卵焼き」。昭和です。その時代の子供たちが好きなものと言えば、野球の巨人、横綱の大鵬、そして卵焼きだったと言う流行句です。大相撲で史上最多となる32回(のちに白鵬が33回で最多となる)優勝を誇った第48代の横綱です。昭和の大横綱の一人です。
大鵬は、シコ500回、テッポウ2000回を日課にしていたと言います。シコはスクワット、テッポウはプレスダウンのようなものをして考えると、とんでもないトレーニング量であることがわかります。
今でいう「イケメン」でもあり、ファンが多いことでも知られています。2017年には、大相撲名古屋場所の会場特設投票所で「最強力士総選挙」が行われました。
その時にも第2位と、引退して長いにも関わらず、多くの票を得ました。ちなみに1位は千代の富士です。力士と言えば各筋肉の美しさもありますが、全体の美しさもありますよね。個人的には雲竜型のなかでは日本一美しい土俵入りだったと思っています。
筋肉が凄い相撲力士3)霧島
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和製ヘラクレス、角界のアランドロンと言われた昭和のイケメン力士の一人です。デビュー当時の画像を見ると、肋骨が浮き出ていて、これが力士!?と思ってしまう細さ。割りばしと言われたこともあったそうです。
そのため霧島はウェイトトレーニングとタンパク質の多い食事を取り、筋肉を作り上げていきました。
あまりの過酷さに吐いてしまうほどのトレーニングだったと言いますから相当なものですね。このトレーニングにより、筋肉とパワーを身につけた霧島は、相手の力士を高く持ち上げて土俵の外まで持っていくという「吊り出し」を得意とします。
小柄に見える身体でも、筋肉の隆起がくっきりと見える筋肉質な体型。千代の富士と同様、筋肉量が多く体脂肪が少ない体型だったのかと思われます。
残念ながら横綱になることはありませんでしたが、もともと筋肉が付きにくい体質であったと思われるのに、努力で肉体改造を行い、勝負へと結び付けていった不断の努力の人だったのですね。
筋肉が凄い相撲力士4)白鵬
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大鵬が昭和の大横綱なら、平成の大横綱と言えば白鵬でしょう!優勝回数は大鵬の持つ32回を上回る史上最多の33回を達成。34回目の優勝も視野に入っています。
白鵬の強さは、地道な日頃のシコやテッポウといった基本のトレーニングにあると言われています。けいこを積んでいる力士は首から肩にかけて広がる僧帽筋が盛り上がってくると言われています。
一般に力士は上半身のトレーニングを繰り返すため、腕力が強いそうですが脚力はそれほどでもないそうです。それに対し、白鵬は下半身が強くスピードがあるのが強さの秘密と言われます。
白鵬の立ち上がりの速さは秒速4.0m。カールルイスが陸上100mで世界新記録を出した時のスタート直後の速度をさらに上回る速さだそうです。一般の力士の立ち上がりは秒速2.5~3.0m程度と言いますから、どれだけ早いかがわかります。
白鵬の下半身の筋肉の強さはシコの回数とスピードに秘密があります。長時間シコに取り組むことで回数の多さがわかるのと、1回1回のスピードがゆっくりなのが特徴です。ゆっくりと動くことで速筋と遅筋の両方をトレーニングし、持久力とパワーを生んでいるのでしょう。
筋肉が凄い相撲力士5)稀勢の里
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久しぶりの日本人横綱、稀勢の里も欠かせません。2017年場所での怪我が心配されるところですが、きちんと回復してまた土俵での姿を見せてほしいものです。
稀勢の里の怪我は左腕の上腕二頭筋だと思われていたのですが、左大胸筋も損傷していたそうです。筋肉の損傷というと、肉離れや筋膜損傷などが挙げられます。
筋肉の断裂というウワサもありましたが、大胸筋が完全断裂することは考えにくいので、上腕骨の付け根に付着している腱部分の断裂かもしれません。筋肉の断裂は激しい運動で起きますが、筋肉に負荷をかけて弱っていると危ないです。
こういった筋損傷を防ぐためには、ウォームアップが重要です。徐々に体を温めていくと、筋肉中にある硬い繊維が熱により柔らかくなり、体の柔軟性が増します。
また、毛細血管が開くことで栄養や酸素が行き渡りやすくなってパフォーマンスが上がります。
稀勢の里が取組前にウォームアップに相当する運動をしていなかったとは思えませんので、おそらく筋肉の疲労から回復していないうちに強い負荷がかかってしまったのではないでしょうか。腱の回復には時間がかかりますので、十分に養生していただきたいものです。
筋肉が凄い相撲力士6)遠藤
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イケメン力士として名高い遠藤!ストイックにトレーニングするアスリートタイプですよね。横綱などの役付ではないものの、その相撲センス、ルックス、筋肉と人気の力士の一人です。
少し前までは筋肉多めで体脂肪少な目な体型だったのが、最近では体脂肪も適度に乗って、力士らしい体型になってきました。
今まではプロテインを飲んだり、お酒を控えたり、といった身体に良い食事を中心にしていたのを、夜中にちゃんこなべやラーメンなどを食べる体重を増やす食事に代えてきているそうです。
遠藤の筋肉で注目したいのは上腕三頭筋!上腕二頭筋が表面から見えるのはそれほど珍しいことではありませんが、遠藤の場合には、リラックスして立っているだけで上腕三頭筋の盛りあがりが確認できるのです。
上腕三頭筋は、腕を使って押すときに力が入る筋肉です。ということは、テッポウを数多くこなしているのでしょう。腕全体の力が強くなりますので、これからの取り組みでの活躍が期待できますね。
筋肉が凄い相撲力士7)豪栄道
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若手力士の中でも注目されている豪栄道。2016年秋場所では全勝優勝し、その存在感をみせつけてくれました。豪栄道の稽古で驚くのが体幹を意識したトレーニングになっていることです。タイヤ押しをする豪栄道の映像もありますね。
ベンチプレスでは300kgを上げると言われる豪栄道は、全体に筋肉量が多い体型。週4回焼肉に通い、ちゃんこでは炭水化物を減らして臨んだそうです。やはり高タンパク低糖質な食事は筋肉にも有効なのかもしれません。
特に豪栄道の太ももの筋肉の張りが素晴らしく、大腿筋群がかたくひきしまっているのが見えます。
上半身は比較的脂肪大目に見えますが、下半身は筋肉の隆起がくっきりしていますね。筋肉量が増えて怪我しにくくなったそうですので、これからも肉体改造が続いたら、もっと活躍してくれそう!注目の力士です。
筋肉が凄い相撲力士8)琴奨菊
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愛らしい顔立ちなのに、2016年初場所で白鵬、日馬富士、鶴竜と横綱を次々に倒し、優勝を果たした琴奨菊。怪我に悩まされていた時期もあったのに、この快進撃を見せた裏には、ストイックなまでに自分を追い込む筋力トレーニングがありました。
30kgはありそうなダンベルを100回上げ、続けてケトルベルを使った筋力と体幹のトレーニング。
意外なのが、反動を使った大きな動きでトレーニングしていました。通常の筋トレだと反動を使わずにゆっくりと~というのが基本ですよね。反動を使うと、遠心力などの力が加わることで、怪我をしやすくなってしまうからなのです。
琴奨菊は、あえて反動も取り入れた動きで、実戦さながらの瞬間的な強い力に耐えるような筋肉を作っているのかもしれません。それにしてもトレーニングの激しさには脱帽です。
筋肉が凄い相撲力士9)高安
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筋肉もさることながら、目を引くのが体毛。という珍しい力士です。見慣れてくるとあのもじゃもじゃした毛がたまらない気がしてくるから不思議です。
高安の筋肉はそれほど大きいように見えないんですが、柔軟性があり、ゴムのように伸びる筋肉なのだそうです。そんな高安関の体幹を作ったトレーニングというのが「ウォーターバッグ」トレーニングと言うもの。
見た目は透明なダッフルバッグのようで、中に水が入っています。水の量にもよりますが、満タンにして12kg程度になるものが多いようです。重さだけならバーベルでも良い気がしますが、水は動かすと揺れてしまうため、意外と難しいトレーニングになるそうです。
相撲の難しさは、相手の動きによって負荷が変化すること。ウォーターバッグのように、予想外の力が入るものを相手にすることで、実戦に備えるトレーニングができるのでしょう。
筋肉が凄い相撲力士10)日馬富士
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幕内で一番体脂肪が少ない力士。実は横綱日馬富士なのです。カプセル型の全身体組成測定装置で計測したところ、日馬富士の体脂肪は23%!これは一般男性の体脂肪率とそう変わりませんので、いかに筋肉が多いのかがわかりますね。
入門時からの除脂肪体重が35~45kgも増加しているということですから、いかに入門後の筋肉が増えたかがわかります。日馬富士といえば、盛り上がった僧帽筋が見事です。おそらく見えない部分での筋肉も相当ついていることでしょう。
筋肉が凄い相撲力士11)鶴竜
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そして欠かせない横綱、鶴竜です。2016年の優勝から一気に横綱昇進までのぼりつめた鶴竜です。肩のけがが心配ですが、なんと怪我をしている間にも下半身を中心にトレーニングを続けていたそうです!
その後も頸椎斜角筋の損傷などもありましたが、下半身のトレーニングをしているようですよ。確かに鶴竜の下半身の筋肉は引き締まっていて、特にお尻の筋肉がすごいんです!早く復帰して、元気な取り組みを見せてほしいものです。
相撲力士の筋肉はすごい!
・筋肉が凄い相撲力士でもっとも有名なのは元横綱の千代の富士。
・大鵬、霧島、白鳳、稀勢の里など筋肉が凄い相撲力士は実力も伴っている。
いかがでしょうか?横綱に限らず、若手力士でも強い美しい相撲を取る人が増えてきたように思います。トレーニングや食事など、相撲の伝統の中にも、現代のトレーニングに関する科学がうまく取り入れられているようですね。
同時に筋トレやボディビルなどから入った若手も、ちゃんこの良さやテッポウと言った伝統による相撲の強さの秘密に気づいたりしているようです。これからの相撲に期待したいですね。