ダイエットや健康維持に有酸素運動は効果的な上、自宅周辺でもできてお手軽です。
今回は有酸素運動の種類と効果、正しいやり方とメニューの組み方、ダイエット効果を高める方法、自分に合った有酸素運動の選び方を紹介します。
目次
有酸素運動とは?
有酸素運動ってどんな運動か知ってますか?
恐らくほとんどの人は「有酸素運動」という言葉は聞いたことがあると思いますが、厳密に何が有酸素運動で、何がそうでないか(無酸素運動)かわかっていないかもしれません。
これを機会にきちんと説明できるようになってくださいね。
有酸素運動とは簡単に言うと「呼吸をしながら行う運動」のことを言います。
呼吸をすることで脂肪を燃焼させて、それをエネルギーとして動く状態を有酸素運動と言うのです。
脂肪をエネルギーに変えるのは時間がかかります。
なので、基本的には「長時間行う運動=有酸素運動」と言ってもまったくの間違いではありません。
逆に短時間で終わる運動というのは脂肪を分解している時間がありませんので、筋肉中のグリコーゲンをエネルギーとします。
酸素を取り込んでもほとんど意味がないので、呼吸を止めてやることが多いです。
この運動のことを「無酸素運動」というのです。
無酸素運動は基本的に呼吸を止めてやる運動なので、短時間のうちに終わる運動です。
有酸素運動の種類!
有酸素運動の種類はどのようなものがあるでしょうか。
先ほど「長時間行う運動=有酸素運動」も間違いではないと言ったように、
・長時間行う「マラソンなどの長距離走」
・「水泳(短距離ではなく、ある程度の距離を泳ぐ水泳)」
・「エアロビクス」「自転車(これもある程度の時間漕ぎ続けるもの」
などある程度時間をかけて行う運動がたいてい有酸素運動の種類に当たります。。
これらの運動をやっている間ずっと呼吸を止めるわけにはいきませんよね。
なのでこれらを「有酸素運動」と言うわけです。
逆に「無酸素運動」の種類は「100m走などの短距離」「重量挙げ」などの瞬発的な力が要るものです。
また、運動の中には複合的なものもあります。
例えば柔道の試合でお互いが長い間組み合っている時は有酸素運動になりますが、投げ技に入る一瞬は瞬発的な力が必要なので、無酸素運動になるわけです。
スポーツではこのように有酸素運動と無酸素運動を交互に繰り返しをしていることもよくあります。
有酸素運動の効果
有酸素運動にはどのような効果があるのでしょうか。
脂肪を燃焼する効果
一般的に言われているのは「脂肪を燃焼する効果」でしょう。
痩せたいと思ったら「まずは有酸素運動をしなきゃ!」というのが今の日本の常識のようになっています。
確かに有酸素運動は先に紹介したように酸素を取り込むことで脂肪を分解し、その分解した時に作ったエネルギーで体を動かしています。
なので、もちろん脂肪を分解する効果があることは間違いありません。
マラソン選手などを見るとよくわかるようにすごくほっそりとしていますよね。
あれだけ見てもマラソンなどの有酸素運動が痩せるのに効果的なのはわかるでしょう。
(と言っても一流アスリートの人は食事制限も一緒にやっているので、有酸素運動だけで痩せているわけではありませんが)
心肺機能の向上
また、有酸素運動はその他にもたくさんの効果があります。
次にあげられるのが「心肺機能の向上」です。
運動をずっとしていないと、ちょっとしたことで息がゼイゼイと切れてしまったりすると思います。
有酸素運動をすることによって心肺機能が高まるので、ちょっとしたことでは息があがらずに疲れにくい体になるのです。
骨粗鬆症の予防
また、骨に適度な負荷をかけることで骨粗鬆症の予防にもなります。
最近では過度な食事制限をするようなダイエットのし過ぎで若い頃から骨粗鬆症になる女性が増えています。
骨粗鬆症になると、くしゃみをするだけで簡単に骨折してしまうこともあります。そ
れを防ぐのが適度な有酸素運動なのです。
ストレス軽減や睡眠の質を向上させる働き
この他にも適度な有酸素運動はストレス軽減や睡眠の質を向上させる働きもあります。
これだけメリットがあるのですから、やって損はない運動だと言えるでしょう。
有酸素運動の正しい方法 最低10分程度は継続しよう
有酸素運動はただやればいいというものでもありません。
正しいやり方があるので、ご紹介しましょう。
まずは運動の強度ですが、あまりにも自分にとって辛い運動をやると長く続けることはできません。
この「長く続けることができないレベルの運動」では有酸素運動としてあまり効果はないのです。
あくまでもやるのは「長く続けられるレベルの運動」にしてください。
時間で言えば最低10分程度は継続して続けられる運動です。(10分の間休憩なしでやれるという意味です)
10分以上できる運動なのですから、かなり強度は弱いはずです。
ランニングなら隣の人とギリギリ話せる程度の強度がちょうどいいでしょう。
ちなみにこの話を聞いて「え?10分じゃなくて20分なのでは?」と思った人も多いと思います。
なぜなら日本では随分と長い間「有酸素運動は20分以上やらないと意味がない」と言われてきたからです。
おそらくジムに通っている人もインストラクターに言われたことがあるのではないでしょうか。
しかし、今では研究の結果、有酸素運動は10分以上でも効果は出ますし、10分を2回にわけて合計20分やっても、20分連続で行ったのと同程度の効果を得ることができます。
1日10分なら時間がない人でもできないことはないでしょう。
今まで「時間がないから有酸素運動なんてできない」と思っていた人には朗報ですね。
逆にやらない言い訳がなくなってしまったのではないでしょうか。
自宅でやれる有酸素運動は意外と多い
有酸素運動はジムに行かないとできないものばかりではありません。
むしろ自宅でやれる有酸素運動の方が多いと言えます。
もちろん自宅で水泳はできませんが、それ以外の有酸素運動はほとんどできます。
有酸素運動の多くは器具も要りませんし、自宅でやるなら無酸素運動よりやりやすいかもしれません。
例を挙げると「ランニング」「ウォーキング」「エアロビクス」「自転車」などになります。
自転車以外は特に器具も必要ないですし、ランニングやウォーキングは思い立ったら、すぐに外に出て行うことができるので、始めるのに時間もかかりません。
特にウォーキングはそれほど準備体操も要らないため、やりやすい有酸素運動の代表といえるでしょう。
ただし、炎天下でのウォーキングは熱中症にならないため、水分を小まめに摂ったり、汗を大量にかいてもすぐに乾燥する速乾性のTシャツを着て行うことをおすすめします。
基本的には夏であれば、朝や夕方などにやることをおすすめします。
直射日光を避けるために帽子もかぶった方が良いでしょう。
有酸素運動のメニューを組む方法
有酸素運動のメニューですが、まったく最近運動をしていないという人はいきなり走るのはよくありません。
まずはウォーキングから始めましょう。
そもそも有酸素運動は無酸素運動と違って、毎日行っても問題がないエクササイズです。
なので、できることなら毎日行いたいので、前日の疲れが次の日に残ってできないくらいの強度でやるのはおすすめできません。
ウォーキングからはじめて、毎日続くようならジョギングへ移行していき、さらに毎日続くようならランニングにステップアップしていくと良いでしょう。
最初から強度の高い運動をするとよほど日ごろ運動をしている人でないと途中で挫折してしまいます。
ダイエットが目的にしても、健康維持が目的にしても、運動そのものが苦痛になってしまうと仕事ではないので、続けられなくなってしまいます。
続ければどんな目的の達成もできません。
まずは続けることを目的として、有酸素運動自体を楽しみましょう。
そうすれば、結果は後からついてくるはずです。
有酸素運動しかダイエット効果がない?
ダイエットのための運動と言えば、有酸素運動をすることと思っている人も非常に多いと思います。
もちろん前述のように有酸素運動をして脂肪を分解することができますので、有酸素運動をすれば痩せることはできます。
しかし、有酸素運動をせずに無酸素運動だけでは痩せないのでしょうか?
実は無酸素運動をしても痩せることは可能です。
無酸素運動で痩せる理由でもっとも大きい理由は「基礎代謝の増加」です。
筋肉の量が増えると何もしなくてもカロリーを勝手に消費してくれる「基礎代謝」が高くなります。
これは聞いたことがあると思いますが、その他にも最近の研究では、無酸素運動をすると運動後も体脂肪が燃えやすい状態が続くことがわかっています。
要するに無酸素運動は運動している時にもカロリーを消費するのですが、終わった後にも脂肪を分解する可能性があるわけです。
有酸素運動と無酸素運動の優先順位 ダイエット効果を高める方法
前述したように無酸素運動でも有酸素運動でもどちらでも脂肪を落とすことが可能だということはわかっていただけたと思います。
では、ジムに行った時などはどちらを先にやればいいのでしょうか?
答えは簡単ですね。
先ほど「無酸素運動をすると、その後脂肪が燃えやすい状態が続く」と説明したと思います。
この「脂肪が燃えやすい状態」で有酸素運動をするのがもっとも良いでしょう。
どうせやるなら燃えやすい状態で有酸素運動をした方が効率的です。
今までウォーミングアップのつもりでやっていた有酸素運動は無酸素運動の後にやるようにしましょう。
ただし、少しくらい体を温めないと無酸素運動のような強度の高い運動はできないという人もいるでしょう。
そういう方は先に10分程度有酸素運動をやって、無酸素運動をやった後に10分程度有酸素運動を再度やる方法がおススメです。
これならウォーミングアップも脂肪燃焼も両方できます。
しかも、有酸素運動は10分を2回やっても20分の効果と同じくらいの効果があるということなので、20分連続で有酸素運動をやったのと同じになります。
有酸素運動は筋肉がつかない運動方法
有酸素運動をやり過ぎると筋肉がついちゃう…なんて言っている女性がよくいますが、これは本当でしょうか?
ウォーキングをずっとしていると筋肉がつく?
実はまったくそんなことはありません。
有酸素運動をしても筋肉はほとんどつかないのです。
なぜなら有酸素運動をすると体の中では、「エネルギーがどんどん使われるので、効率よくエネルギーを使わないといけない」という反応が起こるのです。
なぜなら、このままエネルギーがどんどん使われていけば、最終的にはエネルギー不足が起こり、餓死してしまう可能性があるからです。
人間の長い歴史の中で今のような飽食の時代はほとんどありませんでした。
なので、体というのは基本的に飢餓に対して非常に敏感なのです。
とにかくエネルギーがどんどん消費する状態になったら、省エネのためにできるだけ「燃費のいい体」にしようとするのです。
この「燃費のいい体」と言うのは、筋肉が少ない体なのです。
先に筋肉がつくと「基礎代謝が高い体になる」と説明しましたが、基礎代謝が高いとは何もしなくてもカロリーを消費することです。
何もしなくてもカロリーが消費されてしまう体は非常に燃費の悪い体なのです。
有酸素運動を多くやると体は燃費のいい体にしようとするので、当然筋肉は落とそうとします。
必要最小限まで筋肉を落とそうとするのです。
従って、有酸素運動を一生懸命やっても筋肉はほとんどつきません。
有酸素運動をすごくやっているマラソン選手などが筋肉がついているように見えるのは脂肪が落ちて、その下の筋が見えてきているからです。
実際の筋肉量は有酸素運動では落ちてしまうのが普通です。
有酸素運動は無意味な方法?
筋肉が落ちてしまっては、基礎代謝が落ちてしまいます。
では、有酸素運動と言うのは無意味なのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。
先に説明したように有酸素運動をすることでのメリットも数え切れないくらいありますので、やる意味はあるのです。
ただし、有酸素運動をやるなら筋肉が落ちないようにやった方が良いでしょう。
では、どうしたら筋肉を落とさないように有酸素運動をできるのでしょうか。
答えは有酸素運動だけをするのではなく、無酸素運動も同時にやることです。
日本人の女性のはダイエットには有酸素運動が良くて、無酸素運動はムキムキになるからやらないという人が非常に多いですが、この考えは間違っていると言って良いでしょう。
有酸素運動だけをやってしまうと脂肪は当然落ちますが、筋肉も同時に落ちていきます。
そうすると当然基礎代謝は落ちます。
その時に有酸素運動をやめてしまうとリバウンドしてしまうのです。
頑張ったにもかかわらず逆に太ってしまうというひどい結果が待っています。
無酸素運動で筋肉を維持しつつ、有酸素運動で脂肪を落とす。
そうした正しい運動方法で運動を習慣づければ、カッコイイ体が手に入るのです。
有酸素運動を行うときの適切な服装
有酸素運動をする時にどのような服装でやればいいでしょうか。
基本的にはどんな格好でやっても良いのですが、ジムでやるならやはり人の目があるので、どうせならカッコイイ姿でやりたいものです。
ジムで他の人が見てもスタイリッシュでカッコイイウェアと言えば、今流行りのコンプレッションウェアと言われるシャツでしょう。
コンプレッションウェアは体から出た汗をすぐに吸収してくれます。
また、速乾性もあるので、吸収した汗をすぐに蒸発させてくれますので、汗を大量にかいても常に快適に有酸素運動を続けられるわけです。
ただ、コンプレッションウェアは体のラインがしっかりと出てしまいますので、体のラインを隠したい人には向きません。
隠さずに行った方が「体のラインを早く綺麗にするぞ」と言う気持ちでやれるので良いと思います。
ですが、どうしても隠したいという人は、コンプレッションウェアではなく、速乾性のTシャツなどで代用すると良いでしょう。
Tシャツの下にコンプレッションウェアを着るというのも一つの手です。
また、下半身は今はハーフパンツが主流になっていますので、速乾性のハーフパンツで行うと良いでしょう。
ただし、自宅の周りで走ったり、ウォーキングをする場合は、日中だと日差しを浴びてしまうため日焼けをしてしまいます。
日焼けをしたくない人は長袖長ズボンで行っても良いでしょう。
ただし、その場合は、水分補給を小まめにすることを絶対に忘れないようにしてください。
運動中に水分を摂らないようにするというのは今は昔の話です。
熱中症対策のために水分は必ず摂りましょう。
有酸素運動をやるときの注意点
有酸素運動を行う際にもっとも重要なのは先に少し紹介したように水分を小まめに摂るということです。
有酸素運動をすると水分が一気に体外に排出されますので、体重がその分落ちます。
有酸素運動をやった後に体重が減るのが嬉しいからと言って、あまり水分を摂らないという人がいますが、それは非常に危険な行為です。
おまけに水分が出て減った体重なんて何の意味もありません。
それはあくまでも水分であって、脂肪ではないのです。
有酸素運動で減らしたいのはあくまでも脂肪のはずです。
水分が減って体重が減っても体は何の変化もありませんので、体重計の数字だけを見て喜ぶのはやめましょう。
むしろ水分をきちんと摂りながら運動をした方が便秘などが解消して体重が減ることが多いです。
もちろん、便秘の解消で体重が落ちるのも脂肪が落ちたわけではないのですが、単に水分が出て体重が減るより体にいいことは間違いないでしょう。
自分に合った有酸素運動を選ぶ方法
有酸素運動の王様は水泳と言う言葉はよく聞きますが、一番行うのに適しているのでしょうか?
確かに水泳は熱中症になる可能性もなく、全身運動にもなりますし、腰や膝に負荷がかからないため、お年寄りにもいい運動です。
しかし、水泳は決定的な欠点があります。
それはプールがないとできないことです。
当たり前ですが、要するに自宅で手軽に行うことが不可能なのです。
水泳を行うためには必ずプールのあるジムや体育館に行かなければいけないので、行くこと自体が面倒でやめてしまう人も多いのです。
有酸素運動でもっとも重要なのは毎日のようにやることです。(毎日ではなくても良いですが、週に1回では少なすぎます)
そういう意味では水泳はもっとも続けるのに向いていない運動と言うことにもなります。
プールがすぐ近くにある、泳ぐのが一番好き、と言うのでなければ、特に水泳にこだわる必要はありません。
もっとも自分が続けられる可能性が高いものをやるのが有酸素運動を行う上では重量だと言えます。
有酸素運動のメリット
有酸素運動は強度をそれほど強くする必要がありません。
強度をあげると無酸素運動になってしまいます。
なので、カップルや友達とワイワイとできるというメリットがあります。
有酸素運動を自宅でやりたいという人は一人でやるのは結構辛いでしょう。
そういう場合は、恋人や奥さん、近所の友達などを誘って一緒にやると良いでしょう。
有酸素運動で効果があるのは「隣の人とおしゃべりができる程度の強度」なので、一緒にやる人がいても何の問題もありません。
と言うより一緒にやる人がいた方が楽しいので、是非パートナーを探して誘ってみましょう。
お互いに健康になって体のラインも美しくなるので、一石二鳥でしょう。
多人数でやると自分がサボろうかなと思ってやる気が出ない時にも、やる気がある人が一人でもいるとサボれないので、続けられる可能性が非常に高くなります。
前述したように有酸素運動は続けることが非常に重要なので、多人数でやるほど良い運動なのです。
是非みんなで行って、みんなで健康とカッコイイ体を手に入れてください。
一緒にやる人がいれば、自宅の周りでやるのも良いですが、一緒にジムやプールに行くのも良いかもしれません。
まとめ
・有酸素運動の正しい方法は10分程度は続けられる種類の運動を行う。
・有酸素運動は自宅や自宅周辺でもできるメニューも多いので、ジムには必ずしも行く必要はない。
いかがでしたでしょうか。
有酸素運動は単なる脂肪を燃焼させるためだけの運動ではありません。
心肺機能の強化や骨の強化にも役に立ちますので、是非やってみてください。
ただし、ウェイトトレーニングのような無酸素運動と組み合わせてやると更に効果的なので、無酸素運動と一緒にやることをおすすめします。
また、有酸素運動を行う時は、誰か一緒に行うパートナーを作って行うと良いでしょう。
有酸素運動は続けることに意義がありますので、自分がどういうやり方でやれば続けられるか考えてやってみてください。
続ければ健康と格好いい体の両方が手に入りますよ。