握力を鍛えることは日常生活で役立つ上に他の筋トレのパフォーマンス向上も期待できます。
今回は握力について、正しい測り方、男性の平均値、鍛えるべき筋肉、握力の鍛え方としておススメの筋トレ4選・ストレッチ2選を紹介します。
目次
握力の測り方とは
皆さんは、握力測定をしたことがありますか?
基本的に、学校の体力テストでは握力測定が取り入れられていることから、多くの人が一度は経験しているでしょう。
しかし、握力計を使って握力を測るにあたっての正確なやり方については、把握していない人も多いでしょう。
また、当時は覚えていても、今はすっかり忘れてしまったという人もいるでしょう。
そこで、おさらいの意味も兼ねて、握力の測り方をご説明します。
1.真っすぐ立つ
2.握力計を持つ(腕は伸ばしたまま)
3.力を込めて握り、握力を測定する(腕は伸ばしたまま)
左右の手で2回ずつ測定しましょう
握力を測定するときに、腕を曲げてしまったりする人がいますが、これでは正確とは言えません。
握力を測定している間も、腕は下へ伸ばしたままにしましょう。
また、握力計の握り方についてですが、握力計を持つ方の中指が、直角に曲がるよう意識しましょう。
説明だとわかりにくい部分もあるかと思いますので、動画をご用意しました。
ぜひご覧ください。
動画では女性が実際に握力を測定している様子を見てとれますね。
無駄な動きが一切ないことがわかるでしょう。
男性の握力の平均値を紹介
これから握力を鍛えようという人にとっては、握力の平均値を知りたいところでしょう。
平均と比較して、現時点での自分の握力がどの程度なのかを知ることができた場合、筋トレメニューの組み立て方も自ずと変わってくるのではないでしょうか。
ここでは、男性の握力の平均を、年齢別にみていきましょう。
データ:2013年度
・20歳から24歳 47.31
・25歳から29歳 47.50
・30歳から34歳 48.00
・35歳から39歳 47.86
・40歳から44歳 47.31
・45歳から49歳 47.12
・50歳から54歳 46.57
(単位:kg)
このデータを見ると、とても興味深いですよね。
20歳から24歳辺りが握力のピークかと思いきや、何と30歳から34歳までがピークというデータになっています。
しかし、それ以降は緩やかに数値が下がっていることがわかります。
もちろん、示したデータはあくまでも平均です。
人によって個人差はあるでしょう。
また、高齢化による筋肉の衰えというのは確かにありますが、適切に筋トレを行えば、年をとっても握力を強化することは可能です。
握力アップのために筋トレで鍛えるべき筋肉とは
握力を強化するにあたっては、どの筋肉を鍛えればいいのでしょうか。
腕の筋肉を鍛えるということはわかっていても、具体的にどの部分を鍛えるかという点については、意外に知らない人も多いでしょう。
そこで、握力と関係のある筋肉と、その筋肉の役割についてご説明します。
ズバリ!前腕筋
握力強化のカギを握る筋肉は、前腕筋です。
前腕筋というのは、手首の辺りからヒジの辺りまでにかけてついている筋肉です。
そのため、面積は割と大きいですね。
「前腕筋に分類される筋肉」という視点で見ていくと、長掌筋や深指屈筋など、色々あります。
では、この前腕筋は日常生活の中でどのような役割を果たしてくれるのでしょうか。
次で詳しくご説明しましょう。
手を動かす時は必ずと言っていいほど働く
前腕筋については、手を動かす際には基本的に働くことになります。
ペンを握る際や、ボールを投げる際などにも働くのです。
したがって、前腕筋がどれだけ重要な筋肉かがわかりますね!
手を動かす競技を行うスポーツ選手においては、この筋肉をしっかりと鍛える人が多いです。
パフォーマンスの向上につながることから、当然ですね!
皆さんも、これを機に前腕筋を鍛えてみてはいかがでしょうか。
握力の鍛え方① おススメの筋トレ4選
握力と前腕筋の関係を理解しただけでは、握力は強化されませんね。
大事なことは、前腕筋に効く筋トレを行うことです。
二の腕辺りに効く筋トレ法は多くの人が知っていると思いますが、前腕筋に効く筋トレについては、知らない人が多いのではないでしょうか。
そこで、ここではオススメの筋トレ法をご紹介しましょう。
筋トレ法①
まずは、筋トレ法①についてです。
この筋トレは「ダンベルリストカール」と呼ばれており、ダンベルを使用します。
また、ベンチや台のようなものも必要になりますので、事前に用意しておきましょう。
それでは、具体的な手順についてご説明します。
1.ベンチの前に座る
2.右手でダンベルを持つ
3.ベンチの上に右ヒジをつける
4.手首の力のみでダンベルを上げる
5.ダンベルをおろす
以下、手順4と手順5の繰り返し
これを、反対側の腕でも同様に行いましょう。
この筋トレでは、ダンベルを大きく持ち上げるようなことはしません。
手首の力でクイっと上げるのみとなります。
そのため、動作としては非常に小さいです。
また、動作中も、ヒジはベンチにつけたまま動かさないようにしましょう。
ダンベルの持ち方など、他の細かいポイントについては、下の動画でご確認ください。
動画を見ると、本当に小さな動きであることがわかるでしょう。
ダンベルを持った状態で行いますので、この程度の動作でも前腕筋に効かせることが可能です。
また、繰り返しの動作になることから、ダンベルは重すぎない方が良いでしょう。
筋トレ法②
次に、筋トレ法②についてです。
この筋トレは「リバースリストカール」と呼ばれており、先ほどの筋トレ法①とやり方が似ていますが、動作中の手の向き等が違います。
具体的な手順については以下の通りです。
1.ベンチの前に座る
2.右手でダンベルを持つ
3.ベンチの上に右ヒジをつける
4.手の甲が上向きになるようにする
5.手首の力を使ってダンベルを上げる
6.ダンベルをおろす
以下、手順5と手順6の繰り返し
これを、反対側の腕でも同様に行いましょう。
筋トレ法②では、手首の甲が上向きのまま動作をすることになります。
そのため、筋トレ法①とは、鍛えられる部位が少し違うのです。
したがって、前腕筋をバランス良く鍛えていく意味でも、筋トレ法①と筋トレ法②の両方をメニューに取り入れた方がいでしょう。
また、筋トレ法②の細かなポイントについては、下の動画でご確認ください。
この動画では、筋トレをするにあたっての注意点も解説されているため、とても良いですよね!
ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
筋トレ法③
次は、筋トレ法③についてです。
この筋トレは「ラジアル・フリクション」と呼ばれ、ダンベルを使用します。
ただ立った状態で行うため、ベンチ等は必要ありません。
それでは、具体的な手順についてご説明しましょう。
1.右手でダンベルを持ち、床の上に立つ
2.腕は自然に下へ伸ばした状態で、ダンベルを手首の力のみで上げる
3.ダンベルをおろす
以下、手順2と手順3を繰り返す
これを、反対側の腕でも同様に行いましょう。
これを行うことによって前腕屈筋群が鍛えられます。
ダンベルの持ち方や動作の仕方については、動画を見た方がより理解できると思いますので、ご用意しました。ぜひご覧ください。
一般的なダンベルを使った筋トレと比べると、ダンベルの持ち方が全然違うことがわかるかと思います。
最初は戸惑うかもしれませんが、動作そのものは簡単ですので、すぐに慣れるでしょう。
この筋トレについても、繰り返し行うことが大事です。
筋トレ法④
次に、筋トレ法④についてです。
この筋トレについては、ダンベルは使用しません。
しかし、イスは必要になりますので、事前に用意しておきましょう。
それでは、具体的に手順についてご説明します。
1.イスを背にして立つ
2.イスを背にしたまま、両手を椅子の上に置く
3.ヒザが直角に曲がるところまで上体を下げる
4.ヒジを曲げ、床につかない程度まで腰を落とす
5.そのまま数秒間キープする
6.手順3の体勢へ戻る
以下、手順4~手順6を繰り返す
この筋トレにおいて重要なポイントは、手順5の時です。この時に、筋肉が鍛えられます。
キープしている間は少々キツイと感じるかもしれませんが、できる限り頑張りましょう。
より具体的に動作のイメージを掴んでいただきたいので、動画をご用意しました。ぜひご覧ください。
少々負担のかかる筋トレではありますが、女性でも簡単にこなすことができるレベルですので、男性なら楽勝でしょう。
ぜひ、動画も参考にしつつ取り組みましょう。
握力の鍛え方② おススメのストレッチ2選 筋肉をほぐすのも大切
前腕筋に効く筋トレ法とセットで覚えたいのが、同じく前腕筋に効くストレッチ法ではないでしょうか。
筋肉に対しては、鍛えて負荷をかけるだけでなく、ほぐすという働きかけをすることも重要です。
ストレッチを怠った場合のデメリットについては、多くの人が知るところでしょう。
そこで、おすすめのストレッチ法を2種類ご紹介します!
ストレッチ法①
まずは、ストレッチ法①についてです。
このストレッチは、立った状態でも座った状態でもできますので、その点がメリットと言えるでしょう。
それでは、具体的な手順についてご説明します。
1.右手を伸ばし、手のひらを上に向ける
2.左手で、右手の4本指(親指を除く)を持つ
3.そのまま左手で右手の4本指を手前に押す
4.そのまましばらくキープする
5.ストレッチを緩める
以下、手順3~手順5を繰り返す
これを、反対側の手でも同様に行いましょう。
このストレッチについては、前腕屈折筋群などの筋肉に効きます。
そのため、積極的に行いましょう。
より具体的なイメージを掴むにあたっては、動画を見た方が手っ取り早いですよね。
そこで、ご用意しましたのでぜひご覧ください。
ストレッチ法②
次に、ストレッチ法②についてです。
このストレッチについては、特に道具は必要ありません。
ただ、床に手をつけて行うストレッチになるため、何か敷物があるといいかもしれません。
それでは、具体的な手順についてご説明します。
1.床の上に正座する
2.腕を伸ばし、手の甲を床につける
3.手の甲を床につけたまま、後方へ動く
4.そのまま少しの間キープする
5.ストレッチを緩める
以下、手順3~手順5を繰り返す
このストレッチにおけるポイントは、手の甲を床につけた時です。
この時に、手に体重をかけてしまうと、手を痛めてしまう可能性があります。
そのため、手は軽く床につける程度にしておきましょう。
他の細かなポイントについては、下の動画でご確認ください。
ストレッチの際に、体を後ろへ動かしすぎると、筋肉を痛める可能性がありますので、その点に気をつけましょう。
動画の男性も、それほど後ろへ動いていないことがわかりますね。
握力を鍛える筋トレをし過ぎると痛みが出ることも
腱鞘炎については、誰でもなる可能性のある病気です。
なぜなら、手を使いすぎること等が、腱鞘炎の原因になるからです。
そのため、なるべく手をいたわってあげなければなりません。
仮に、腱鞘炎を患うと、部分的に腫れが見られたり、痛みを感じるようになります。
また、痺れなどの症状が起こるケースもあるため、やや深刻な病気と捉えた方がいいかもしれません。
特に、手作業を主な仕事内容にする人の場合、腱鞘炎を患うと大変ですね。
また、腱鞘炎の治療についてですが、いくつかあります。
その1つは、保存療法です。
負担をかけないように安静にすることや、シップを貼ること等が挙げられます。
仮に、こういった保存療法でもなかなか問題が解決しない場合、手術をするケースもあります。
手術というと少し戸惑う人もいるかもしれませんが、腱鞘炎の手術というのはそれほど負担の大きいものではありません。
まとめ
・握力の平均値は30歳から34歳で48.00㎏で一番高い。
・握力強化のカギを握る筋肉は前腕筋。
これまで、握力測定のやり方や、前腕筋の特徴、前腕筋の鍛え方やストレッチ法などについてご説明してきました。
握力を強化する方法はないと考えている人もいますが、それは大きな誤解です。
前腕筋を鍛えることで、握力はアップするのです。
前腕筋を鍛える筋トレは複数あるため、気に入ったものを選んで継続していくといいでしょう。
また、手というのはとても大事な部位ですから、負担のかけ方には注意しましょう。
腱鞘炎を患った場合は、少々厄介です。
ケースによっては、普段の仕事にマイナスの影響がもたらされてしまうため、十分に気をつけましょう。