バーベルを使った筋トレは効率的に筋肉を発達させられるのでおススメです。
今回はバーベルでの筋トレの種類やメリット、初心者もできるメニュー3種類のやり方と注意点、バーベル購入の是非と注意点、ダンベルとの比較を紹介します。
目次
バーベルとは
この記事を読んでいるということは「バーベルって何?」と言う方はほとんどいないとは思いますが、念のためバーベルとはどのようなものかと言う説明をしておきます。
バーベルとは筋トレに用いられるシャフト(棒)の両端にプレート(重り)を付けて重さを変えることができるトレーニング器具のことを言います。
オリンピックで重量挙げという競技をやっていますが、重量挙げの選手が持ち上げているのがまさしくバーベルになります。
見たことがあるという人がほとんどではないでしょうか。
片手で持つことのできるダンベルと混同してしまう方がいますが、両手で持つ長い棒のトレーニング器具がバーベルになります。
語源は「バー=棒」「ベル=鐘」から来ています。
バーはもちろんシャフトのことですが、ベルは昔は鐘を持ち上げてトレーニングしていたからだとも言われています。
なので、ダンベルにも「ベル」が付いていますよね。面白いですね。
バーベルが筋トレメニューで重宝されるわけ
バーベルでなぜウエイトトレーニングをやるようになったのでしょうか。
まず第一にバーベルは左右に同じ重さのプレートを付ければ左右が均等の重さになります。
これはトレーニングにとっては重要なことで、左右が少しでも重さが違えばバランスが崩れて、うまく持ち上げることができないでしょう。
当然左右の重さが違えば「正しいフォーム」というのも存在しなくなります。
バランスが異なる状態ではいつも同じフォームで動くことができないからです。
このバーベルができるまでは左右均等に力を入れるなんてことができなかったので、バランスの取れた体を作ることも難しかったのです。
また、バーベルは重量を簡単に変えられる上に、シャフトとプレートが別々にすることができるので、場所を取りません。
重い重量のトレーニング器具が場所を取らないなんて凄い画期的だとは思いませんか?
恐らく今の人はバーベルがあるのが当たり前なので、画期的とは思わないかもしれませんが、バーベルができた時は画期的なものだったのです。
バーベルができたことによってウエイトトレーニングが発達したと言っても過言ではありません。
将来的にもっと画期的なトレーニング器具が生まれるかもしれませんが、現在ではウエイトトレーニングでもっとも使える器具と言っても良いでしょう。
バーベルでの筋トレはどのくらいの種類ある?
バーベルでの筋トレは知られているだけでも20種類以上はあります。
全部でいくつあるかは正確にはわからないくらいです。
バーベルを使う筋トレの一つ、インクラインベンチプレス(ベンチ台を斜めにして行うベンチプレス)でも、角度によって刺激の入る部位が変わってきます。
同じ種目でもやり方を少し変えれば異なる部位への刺激を入れることが可能なので、筋トレ種目は無限大にあると言った方が良いかもしれません。
これはインクラインベンチ以外の筋トレ以外でも同じで、持ち上げる角度や可動域を変化させることで刺激が入る部位が異なってきます。
同じ部位へ刺激を入れる種目が色々とあるため何をやっていいのか迷うという方もいると思います。
しっくりくる種目をメインに行って、たまに種目を変えると新鮮な刺激が筋肉に入って更に筋肉の発達が期待されます。
そのため種目がどんどん増えていったのです。
すべての種目がどんなものかを覚える必要はありませんが、ずっと同じ種目をやっていると筋肉が慣れてしまって効果が薄れます。
筋肉もマンネリするのですね。
効果が薄くなってきたなと感じた時には新しい種目にチャレンジするいい機会です。
その時は同じ部位に刺激が入る種目を調べて、チャレンジしてみると良いでしょう。
初心者におススメ バーベルを使った筋トレメニュー3種類
今まで筋トレをダンベルやマシン、または腕立て伏せなどの自重でしかやったことがない方もいるでしょう。
バーベルを使った筋トレにはじめてチャレンジするときは一体何からやったらいいか迷うところですね。
本来は何からやっても良いのですが、それでは回答になりませんので、一つの参考として筋トレをいくつかご紹介します。
やはり最初は大きい筋肉から鍛えたいので、以下の種目をやることをおすすめします。
①ベンチプレス 大胸筋(胸の筋肉)の強化
②デッドリフト 広背筋や起立筋群、ハムストリング(背中や脚の裏側の筋肉)の強化
③スクワット 大腿四頭筋や大臀筋(太ももやお尻の筋肉)の強化
この3種目さえやっておけばとりあえず大きい筋肉を鍛えることができます。
この3種目は「ビッグスリー」と言われていて、まずはこの3種目を鍛えるべきと昔から言われているのです。
このビッグスリーで大きい筋肉をまずは鍛えることで、体のアウトラインを整えることができます。
初心者はこの3つの種目を徹底的にやることをおすすめします。
3か月も一生懸命やっていれば、体の形がかなり変わってきたことがわかるはずです。
筋トレと言うのは目に見えて効果が表れてくると一気に面白くなってきます。
まずは3ヶ月頑張りましょう。
そうすると後は面白いのでずっと続けられる可能性が高くなってきます。
バーベルを使った筋トレメニュー3種類のやり方をご紹介
では、具体的に先に紹介した3つの種目(ビッグスリー)のやり方をご紹介しましょう。
どれもきちんとしたフォームでやることが非常に大切になってきますので、よく動画を見てきちんとしたフォームで行うようにしてください。
初心者のうちに変なフォームで行ってしまうと後になってフォームを直すのは非常に困難ですので、最初が肝心です。
ベンチプレス
①ベンチ台に仰向けに寝転ぶ
②シャフトを両手で持つ(幅は肩幅より少し広めくらい)
③胸を張ってラックから外す
④ゆっくりと胸に下ろす(位置は乳首のあたりがベスト)
⑤体に触れるくらいまで下ろしたら再度持ち上げる
以上を繰り返します。
ポイントとしてはラックから外した時にシャフトを胸の位置にポジショニングすることです。
よくある間違いが、首の上や顔の上などかなり上にポジショニングしてしまうことです。
これだと斜めになるため、大胸筋に刺激が入りづらい上に、力が抜けた時に首や顔に落ちて大けがをしてしまう可能性もあります。
必ずスタートのポジションは胸のあたりにしてください。
また、上下させる時はこの位置で上下をさせます。
辛くなってくると斜め上に持ち上げたりする人が多いですが、注意してください。
そして、もう一つのポイントは胸を張ることです。
胸を張ることで大胸筋に刺激が入りやすくなります。
胸を張らないとフィニッシュの時(持ち上げきる時)に肩で持ち上げてしまう可能性が高いため、その時に刺激が肩に抜けてしまうのです。
辛くなってくると胸を張るのをやめてしまう方がいますが、辛い時こそ胸を張って行うようにしてください。
もし、胸を張っているともう持ち上がらないという場合は、それはもう限界の証拠です。
そこでやめても問題ありません。
下手にフォームが崩れてもやってしまうと疲れてきたらフォームが崩れるというのが癖になってしまいます。
筋トレと言うのは最後の1回がもっとも重要なので、その時にフォームが崩れてしまっては意味がありません。
フォームが崩れるくらいならストップするというのは意識してください。
デッドリフト
①バーベルの前に肩幅程度足を開いて立ちます
②バーベルを両手で持ちます(手幅は足の幅より少し広め)
③バーの握り方は両手とも順手か、片手は順手でもう一つの手は逆手の2通りありますが、基本的には最初は両手とも順手で握ってください
④腰を落としてお尻を突き出して、肩をバーベルの前に出します
⑤膝を伸ばしつつ徐々に腰も真っすぐにしていきます
⑥完全に立ち上がったらここでフィニッシュです
⑦フィニッシュ後にゆっくりとバーベルを下ろします
⑧完全に床まで戻すのではなく、床の手前で再度引き上げます
以上を繰り返すのがデッドリフトになります。
ポイントとしてはきちんとお尻を突き出して、肩をバーベルの前に出すことです。
ここをいい加減にしてしまうと腰や背中を痛める原因となってしまいますので、初心者のうちからきちんとやるようにしてください。
また、持ち上げる際は体にバーベルを沿わす感じで行ってください。
バーベルが体から離れてしまうと余分な負荷が腰や背中にかかってしまい、これも腰や背中を痛める原因になります。
最初のうちは良いですが、ある程度重い重量を扱うようになったら、トレーニングベルトやストラップを使うと更に効率よくトレーニングができるので、購入することをおすすめします。
特にデッドリフトは背中やハムストリングより先に握力の方がダメになって握っていられなくなってしまいます。
ストラップは早めに購入することをおすすめします。
安い物であれば1,000円程度で買うことができます。
ストラップは高くても安くてもあまり効果に差はありません。
デザインや材質が違うだけなので、あまりお金を出したくない方はネットでもっとも安いストラップを買っておけば、それで十分です。
スクワット
①スクワットラックにあるバーベルを肩で担いでラックを外します
②足の幅は肩幅より少し広めにします
③膝を曲げてゆっくりとしゃがみます
④膝がおおよそ90度程度になったら再度立ち上がります
以上を繰り返すのがスクワットになります。
上半身の角度ですが、自分がどこでバーべルを担いでいるかによって変わってきます。
高めに担いでいる方は上半身は倒さないように行ってください。
低めに担いでいる方は若干前に倒すように行うようにしてください。
また、持ち上げる時に足を内側に入れてしまう人がいますが、あまり良くありません。
テクニックの一つとして内側に入れるというものもありますが、基本的には足を内側に入れないように行ってください。
バーベルは購入すべき?
自宅トレーニーの方は凝ってくるとバーベルを欲しくなる場合があるでしょう。
もちろん自宅でもバーベルはあった方が効率よく筋トレができるので、買った方がいいかどうかと言えば、買った方が良いと言えます。
しかし、バーベルはダンベルと違ってかなり重い重量を扱うので(だからこそ効果があるのですが)落とした時の床へのダメージが非常に大きいです。
そのあたりを考えずに買うと床に落とした時に非常に後悔をするので、購入する前によく考えて買うようにしましょう。
アパートやマンションなどで下の階に部屋がある場合はやめた方が無難と言えます。
どうしても、購入した場合は床にラバーマットを敷くくらいの配慮は必要でしょう。
ただし、あまりにも重い重量を扱う場合にはラバーマットを敷いても下に振動は響きます。
重い重量を扱うのはやめた方が良いでしょう。
持ち家であれば、床の補強工事をすれば、大丈夫でしょう。
そのあたりは業者に相談してみてください。それほど料金がかからない可能性もあります。
バーベルとダンベル、どちらの筋トレメニューが良い?初心者にありがちな悩み
よく初心者の方に訊かれる質問として「ダンベルだけでトレーニングしていてはいけないの?」というもの。
もちろんダンベルだけでトレーニングしても悪いわけではありません。
ある程度はダンベルだけでも体は作ることができます。
しかし、ダンベルは片手ずつ持つので、どうしても同じようなトレーニングをしてもバランスを取らなければいけない分、重量はバーベルよりもかなり落ちることが多いです。
重い重量を扱った方が筋肉は発達するので、やはり筋肉の発達の面から見るとバーベルの方が有利と言えます。
もちろんダンベルの良いところもあります。
片手ずつで持っているので、強い方の腕を頼らないで弱い腕の強化ができます。
また、バランスを取るためにメインの筋肉以外が働いているので、参加している筋肉は多いのです。
また、シャフトがない分、可動域いっぱいに動かすことができるので、ダンベルの方が強い刺激が入ることもあります。
要するにダンベルとバーベルはどちらも良いところがあるので、どちらもやる方が良いという結論になります。
どちらか一方ではなく、合わせて使うことでより効率的に筋肉に負荷を与えることができますので、体作りには有効なのです。
時間の許す方は是非両方とも使って鍛えるようにしてください。
もし、時間がないからどちらかしかできないというのであれば、どちらかと言えばバーベルの方をおすすめします。
やはり高重量を扱うバーベルの方が筋肉発達の面から言えば優れているからです。
バーベルを使った筋トレをやる時の注意点
バーベルは特にベンチプレスなどを行う時に注意が必要です。
ダンベルで行うベンチプレスならばシャフトがないので、限界がきても床に落とせば済むのですが、バーベルの場合は、落としてしまうとそこには自分の体があるわけです。
なので、バーベルでベンチプレスを行う際は必ず補助を付けるか、セーフティーバーを使って安全を確保してからやってください。
よほどのことが無ければ死ぬことはありませんが、胸に落とせば骨折などの大けがをする可能性が大です。
十分気を付けてやるようにしてください。
バーベルがない場合の筋トレメニューの組み方2種類
トレーニングをしたいけど、バーベルがないという場合はどうしたら良いでしょうか?
そういう場合はダンベルがあるならダンベルでメニューを組むようにしましょう。
バーベルでできる種目はほとんどダンベルで行うこともできます。
やり方は少し異なりますが、いつも行っているジムが休みで違うジム行ってみたらダンベルしかなかったということもよくあります。
バーベルでいつも自分が行う種目くらいはダンベルでもできるようにしておきましょう。
また、ダンベルもないという場合は、自重で行うしかありません。
その場合は大胸筋は腕立て伏せで、背中は懸垂で、脚はスクワットで鍛えるようにしましょう。
自重で行う筋トレはどうしても自分の体重によって負荷が変わってきてしまいます。
できればバーベルやダンベルを使いたいところです。
ですが、どうしてもないのであれば自重トレーニングを行いましょう。
バーベルやダンベルがないから筋トレができない。だから、何もやらない。
という考えではいつまで経ってもカッコイイ体になれません。
できる範囲でやるようにするという考え方でトレーニングを行いましょう。
まったくやらないよりは絶対に良いのですから。
バーベルでの筋トレメニューで鍛えた筋肉は応用力が無い?
筋トレをやらない人の間ではいまだに「バーベルで鍛えると応用力のない筋肉がつくんでしょ?」なんていう方がいらっしゃいます。
これはまったくの間違いと言って良いでしょう。
なぜなら筋肉は何で鍛えようとまったく同じだからです。
なぜ腕立て伏せで鍛えると良い筋肉になり、バーベルを使って鍛えると「使えない筋肉」になるのでしょうか?
おそらく明確に答えられる人はいないはずです。なぜなら理由なんてないからです。
腕立て伏せだろうが、バーベルでのベンチプレスだろうが、結局は地球の重力を利用して鍛えるのには変わりはありません。
重りがバーベルか自分の体重かの違いだけです。
筋肉としてはそれがどっちかなんてまったく関係がありません。
どちらも単なる「負荷」なのです。
「でも、バーベルで筋肉つけても野球は上達しないけど?」なんて言う方は完全に勘違いをしていると言って良いでしょう。
バーベルで行う筋トレでも、腕立てで行う筋トレでも、どちらにしても筋トレで競技力がそのままアップすることは考えられないのです。
筋トレの他に当然競技ごとに「技術練習」をする必要があります。
筋トレはあくまで力を出すベースを作っているだけで、競技の技術がアップするわけではありません。
技術が伴ってはじめて競技力が上がるわけです。
このあたりを混同すると先ほどのような勘違いが生まれてしまうのです。
現在のアスリートでウエイトトレーニングをしない人はほとんどいません。
なぜなら筋力アップでもっとも効率的なのがウエイトトレーニングであることを知っているからです。
ウエイトトレーニングで効率的に筋力をつけて、その後競技の練習で技術を身に付ける。
これが現代ではもっとも効率的と言われているのです。
競技力が下がるからバーベルは使わない、というのはもはや完全に間違いと言っても良いでしょう。
もちろんマラソンなどの長時間運動する競技の方は筋肉の付け過ぎはよくありませんが、適度なウエイトトレーニングは競技力をアップさせる可能性もあります。
否定する前にウエイトトレーニングがどんなものかをきちんと理解しておくことが大切です。
自宅での筋トレ用にバーベル購入する場合の注意点
もし、バーベルをどうしても購入したくなったらどのような基準で選べば良いでしょうか。
もちろん料金はもっとも重要な要素の一つですが、それ以外には何があるでしょうか。
もっとも確認して欲しいのがシャフトの長さでしょう。
シャフトは長い物から短いものまでありますので、自分がどの種目をやりたいかによって選んでください。
ベンチプレスはラックがないとできないので、ベンチ台も購入する必要があります。
セーフティーバーが付いていないものであれば、セーフティーバーも必ず一緒に買うようにしましょう。
セーフティーバーがない状態での自宅でのベンチプレスは自殺行為に等しいです。
また、スクワットを行いたい場合はこちらも肩の位置くらいにバーベルが置けるラックが必要となります。
しかし、ここまで本格的にそろえるとなるとかなりの出費となってしまいます。
スクワットだけはジムでやるなどの工夫も必要になってくるでしょう。
いずれにしてもあまり重い重量のトレーニングは自宅でやるのは難しいので、どの種目も重い重量を扱うようになってきたらジムに通うことをおすすめします。
昨今24時間営業のジムも増えてきていますので、時間がない人でも通いやすくなっています。
一度そういうジムを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
・バーベルの筋トレは無数の種類が存在する。
・初心者のためのバーベルメニューは「ベンチプレス」「デッドリフト」「スクワット」の3つ。
いかがでしたでしょうか。
バーベルは筋トレの基本です。
今までバーベルでウエイトトレーニングをやったことがなかった方も是非一度試しにやってみてください。
恐らく今までにないくらいの効果を感じるはずです。
まずは今回紹介した3種目をやっていただければ、効果的に筋肉をつけることができるでしょう。
自宅でも良いですが、できればジムに通ってやるといいですよ。