「糖質制限」と「カロリー制限」はどちらも食事制限をする方法ですが、どちらを選ぶかでそのやり方や効果の表れ方は異なります。
今回は糖質制限ダイエットとカロリー制限ダイエットの効果、違い、どちらが効果的かを紹介します。
糖質制限とは?
糖質制限ダイエットはその名の通り、食事で摂取する栄養素のうち、糖質のみをカットすることです。
糖質は一般的に炭水化物であるといわれています。
日本人は特に炭水化物をよく摂るため、糖質を摂取しやすいといえるでしょう。
実際、日本人の摂取するカロリーのうち約60パーセントは糖質から摂取しているという調査も行われたほどです。
この一日の中で最も摂取している糖質を減らすことで、糖質制限ダイエットを行うことができます。
そして、糖質制限を行う場合は、カロリー計算を行いません。
糖質は厳密に制限しますが、その他の脂質やたんぱく質といった栄養素は一切制限しません。
糖質制限ダイエットの効果とは?
糖質制限は即時に効果が出やすいことで有名です。
糖質制限を行うと体内の水分が減少していきます。
ですから、みるみる体重が減っていくのです。
ではなぜ水分が減少するのでしょうか。
食事で摂取した糖質は体内でグルコースに変換されます。
これが血糖値になります。
この血糖値が上がると「インスリン」というホルモンが分泌されはじめます。
しかし、ここで糖質制限を行っていればどうなるでしょうか。
糖質がないということは、体内にグリコーゲンがない、ということになります。
それで、糖質を体内に蓄えるために必要だった水分は必要なくなり、排出されることになります。
しかし、この水分量による体重の減少は、ダイエット効果が出ているわけではありません。
サウナに行って汗を大量にかいた後に体重が減った時のように、一時的な減量です。
では糖質制限で脂肪を減らすことはできるのでしょうか。
確かにできます。
グリコーゲンがなくインスリンが分泌されないと、脂肪の合成を抑制し、脂肪が分解されるように働きかけることができます。
また、糖質制限は即効性だけではありません。
糖質制限をずっと続けていれば、脂肪を燃焼し代謝しやすい体へと変わっていきます。
ですから、一時的なものではなく、本当に脂肪の少ない引き締まった体になることができるのです。
カロリー制限とは?
カロリー制限とは、摂取カロリーを消費カロリーよりも抑えることです。
20代から30代の男性の場合、一日に消費するカロリーは2600カロリーであるといわれています。
そのため、それよりも少ない摂取カロリーを意識して食事を制限することで、カロリー制限ダイエットを行うことができます。
カロリー制限ダイエットの効果とは?
カロリー制限は、体に必要以上の負担をかけることなく確実に痩せることのできるダイエット法である、と言われています。
一日の消費カロリーが一日の摂取カロリーを下回ってしまうと、消費されなかったエネルギーは脂肪として蓄積されてしまいます。
逆に、カロリー制限を行い、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回ると、エネルギーが足りないため、体内に蓄積されている脂肪を燃焼してエネルギーを作り出します。
このようにカロリー制限ではダイエット効果を期待することができるのです。
カロリー制限は、効果を感じるまでのダイエットペースは比較的緩やかでですが、地道に続けることで確実な効果を時間できます。
消費カロリーが一日一日上回るようにしていけば、必ず体脂肪を落とすことができるでしょう。
糖質制限とカロリー制限の違いとは?
確かに。糖質制限もカロリー制限も食事制限ダイエットです。
しかし、制限する種類が異なり、効果を実感するペースも異なります。
例えば、バナナ、アボガド、低脂肪牛乳、無煙バターという食品があるとします。
この中で、食べてもよい物は、何を制限しているかによって違います。
糖質制限をしているのであれば、糖分の高いバナナや低脂肪牛乳はNG食品となります。
また、カロリー制限をしているのであれば、カロリーの高い脂質が多く含まれている、アボガドや無塩バターがNG食品です。
このように、糖質制限とカロリー制限は明らかにNG食品が違う制限方法ですよね。
また、糖質制限は水分が減ることにより一時的な減量を経験すると述べたように、体重の減少がすぐに表れます。
逆にカロリー制限はペースがゆっくりであるために、ダイエット効果を直ぐには感じることができません。
しかし、糖質制限のように水分の減少をダイエットの成功と、勘違いする危険はないでしょう。
糖質制限とカロリー制限は全く違う食事制限方法ですが、どちらも続けていれば確実に体脂肪を落とし、体を絞れる方法です。
糖質制限とカロリー制限のどちらが効果的?
糖質制限とカロリー制限、どちらが効果的かという答えはありません。
それはダイエットに取り組む人の好みや性格によって異なるからです。
面倒なことが嫌いなのであれば、毎日毎食カロリーを計算して記録することは大変億劫でしょう。
また、好きなものを好きなだけ食べたい、という人なら糖質制限を行うとストレスがたまり逆効果になるかもしれません。
ですから、自分の生活やライフスタイルにぴったり合った制限方法を選ぶ必要があります。
カロリー制限が向いている人
・多忙で、外食メインの生活の方
・几帳面で、なんでもきちんとこなせる方
このような方は、カロリー制限のほうが向いているといえます。
多忙であるなら体は糖を欲しますので、あまりにも糖質を制限すると、仕事などに支障をきたしかねません。
また、外食をするときに糖質が含まれていないものはまずありません。
ですから、今の生活スタイルを変えるつもりがないなら、糖質制限よりカロリー制限のほうが成功しやすいでしょう。
几帳面な性格の方であれば、カロリー制限をより効果的に行うことができるはずです。
毎食の献立をカロリー計算とともに考え、記録していく方法です。
毎日一つ一つをきちんとこなすことができれば、ダイエット効果にも気づきやすくなるでしょう。
糖質制限が向いている人
・食欲旺盛で食べることが好きな人
・面倒な計算は苦手な人
・お肉が好きな人
糖質制限の場合は、食事全体の量を制限されることはありません。
糖質でなければいくら食べてもよいのです。
ですから、間食もできますし、空腹状態になることを避けることができます。
ですから、ラーメンライスが好き!というような食欲旺盛な方は、糖質を制限して他の物を食べたいだけ食べたほうが、手っ取り早く痩せることができます。
お肉が好きな方にとって、カロリー制限ははっきり言って酷です。
お肉はカロリーが高いですからね。
しかし、糖質制限の場合は、お肉よりも主食を制限しなければなりません。
お肉は糖質ではないため食べてもよいのです。
ダイエット中なのに大好きなお肉を制限しなくてよいというのは魅力的ですよね。
ダイエットを続けやすく効果も出やすいことでしょう。
まとめ
・「糖質制限」と「カロリー制限」の違いはNGとなる食品が異なる点。
・「糖質制限」と「カロリー制限」のどちらを選ぶかは自分の生活やライフスタイルにぴったり合った方を選ぶべき。
糖質制限とカロリー制限の違いをご紹介しました。
制限するものが違うと、効果のスピードも向いている人も違うということがわかりました。
自分はどのような性格で何が好きなのかなどをよく考えて、どちらを制限したほうが効果的にダイエットができるかを考えましょう。
正しい選択ができたなら、糖質制限を選んだとしても、カロリー制限を選んだとしてもストレスを感じることなく、地道にまた確実なダイエット効果を感じることができるでしょう。