ファスティング(断食)は、海外セレブや芸能人が行って巷でも最近注目を集めています。
今回はファスティングの効果、3つの期間毎のやり方と正しい回復食の進め方、ファスティング中の頭痛の原因・対処法・予防策を紹介します。
目次
ファスティング(断食)は一定期間食を断つ食事法 ダイエット効果もあり
ファスティング(断食)は、一時的に一切の食事を断つことで健康になろうとする食事法です。
断食と言えば「修行」のようなイメージがあるかもしれませんが、世界的に認められている健康法です。
食事を断ち内臓を休ませることで、体の様々な不調を改善すると言われています。
もちろんダイエットにもつながるため、長期的なダイエットが苦手な人に利用される食事法でもあります。
断食は古来より一種の健康法として利用されており、現代でも様々な方面から研究されています。
治療の一環として取り入れている国もあり、「断食でほぼすべての病気が治る」という研究者もいます。
しかもファスティングは、特別な道具や方法があるわけではありません。
正しい知識があれば、誰もが安全に取り組める健康法なのです。
ファスティング(断食)の効果的なやり方は3つの期間を守ること【回復食はおかゆメイン】
ファスティング(断食)は、知識なくただ食事を断てば良いというわけではありません。
計画を立て、準備をし、断食をしたあとにまた体を食事に慣れさせる必要があります。
知識があれば簡単ですが、間違った方法で行うと体に悪い影響を及ぼすこともあります。
ここでしっかりとファスティングについて基本的な知識を付け、正しい方法で取り組みましょう。
ファスティングをするにあたっては、以下の3つの期間に分けて取り組む必要があります。
①断食をする前に体を慣れさせる「準備期間」
⓶実際に食事を断つ「断食期間」
③断食でゆるやかになった内臓を食事に慣れさせる「回復食期間」
それでは、それぞれの取り組み方をご紹介します。
準備期間
準備期間は、断食に入る前に体を慣れさせる期間です。
急に食事を断つと、逆に内臓に負担がかかり危険です。
断食をするにはまず準備期間として、断食の準備をする必要があります。
準備期間は、断食期間と同じ日数をかけて行うのが基本です。
例えば断食を3日行うのであれば準備期間も3日、もしくはそれ以上かけて行います。
気持ちの準備ができていても、体が順応するのには時間がかかります。
焦らずにきちんと計画を立てましょう。
準備期間として意識するポイントは、食事の内容と量です。
準備期間初日は普段と同じ量で結構ですが、肉や魚など高タンパクな食事は避けましょう。
なるべくカロリーの低い、和食などがおすすめです。
2日からは量も少し抑えるようにして、普段の5~7割程度にします。
豆類や海藻類を取り、塩分は控えめにしておきましょう。そうすることで、スムーズに断食に入ることができます。
断食期間
準備期間を正しく過ごすことができれば、そのまま断食に入ります。
もし準備期間中に不測の事態(急な飲み会や食べ過ぎ)が起きてしまった場合は、また計画を練り直すべきです。
調子が整っていない状態で、断食をすることのないよう注意しましょう。
断食期間は、一切の食事をとりません。
基本的には1日から3日、長くても7日程度にしましょう。
7日以上断食を続ける場合は、必ず医師に相談のうえ実行してください。
もし何か持病のある方や、薬を飲んでいる方もかかりつけの先生に相談してから行うようにしてください。
体調が悪い場合も、すぐに中止したほうが良いでしょう。
断食を始めて1日目や2日目は強い空腹感に襲われ、何か食べてしまいそうになるかもしれません。
実際にファスティングを行った人の経験談では「2日目を過ぎたあたりから空腹を楽しめるようになった」という話もあります。
簡単ではありませんが、体のためにしっかりと我慢しましょう。
もちろん、体に何か異変があったときはすぐに病院に行き、医師に相談してください。
断食中は、食事はとりませんが、水分はしっかりととる必要があります。
普段の食事からの水分補給がない分、いつもより多めに水分を補給しなければいけません。
大量の水を一気に飲むのではなく、なるべく回数を分けて飲むようにしましょう。
水分の内容に特に決まりはありませんが、水や炭酸水がおすすめです。
お酒はもちろんダメですし、カフェインの入ったお茶やコーヒーはなるべく避けるようにしましょう。
ノンカフェインのお茶やデカフェなら問題ありませんが、それでもやはりメインの水分補給には水や炭酸水が良いでしょう。
回復食期間
断食期間が終わったら、次は回復食期間(復食期間)です。
この期間中に、少しずつ食事を食べられる体に戻していきます。
回復食期間を怠るとリバウンドしてしまったり、急激な食事に体がついていけず、体を壊してしまう可能性もあります。
回復食期間では「おかゆ」を主に食事のメニューとして取り入れます。
特に断食明け1日目の朝の食事は、重湯だけで十分です。
味付けをしなくても、お米の甘味をしっかりと味わうことができるはずです。
人によっては感動で涙してしまう人もいるのだとか。
その日はお昼や夜になってもまだ固形物は食べないようにしましょう。
おかゆと具なしの味噌汁や、形がなくなるまで煮込んだ野菜スープなどが良いでしょう。
そして次の日からは少しずつ固形物も食べられるようになりますが、まだ無理はしないでください。
朝はやはりおかゆと味噌汁やスープで、具はなるべく柔らかいものを選びます。
味噌汁なら豆腐などが良いかもしれません。
3日目あたりからはある程度固形のものも食べることができるので、今まで我慢していた食事を食べましょう。
ただやはりお肉や魚など高タンパクの食事はなるべく避け、量も以前の5~7割程度にしておきましょう。
ファスティング(断食)中の頭痛の原因4つ 準備期間なしのやり方は起こりがち
ファスティング(断食)をしていると、頭痛が発生することがあります。
頭痛はいろいろな病気と関係しており、ファスティングとは関係ない可能性もあります。
いろいろな原因が考えられますので、継続してひどい痛みがあるようなら病院に行きましょう。
ファスティング中に起こる軽い頭痛なら、好転反応や水分不足などの原因が考えられますので、その場合は自分でも対処することが可能です。
それでは、ファスティング中に頭痛がする場合の原因を見ていきましょう。
水分不足
ファスティングをしていると、水分不足に陥ることがあります。
人は普段食事の中で、食材からも大量の水分を得ています。
それが断食によってなくなるので、いつも通り水分補給をしているだけではどうしても水分は不足してしまいます。
水分が不足し脱水症状が起こると、頭痛が発生することがあります。
「体に力が入らない」「頭痛がする」というのは脱水症状のひとつです。
人の体は約6割が水分でできていますので、断食中もしっかりと水分をとる必要があるのです。
脱水症状は、フラつきやめまいなどが初期症状として挙げられます。
体は元気なのに頭痛だけするという場合は脱水症状が原因ではない可能性があります。
フラつき、めまい、吐き気、口の中の強い乾きがあれば、脱水症状の可能性が高いと言えるでしょう。
エネルギー不足
人の体は、豊富な栄養からエネルギーを得ています。
ファスティングによる栄養不足によってエネルギーが不足し、倦怠感や頭痛が発生することがあります。
特に準備期間に体を慣れさせず、急に断食を始めてしまうことで起きるようです。
エネルギー不足による頭痛には、いろいろな原因があります。
ホルモンバランスの乱れや血行不良、血糖値の調節障害などです。
基本的には準備期間でしっかりと体を慣らしておけば起こらないことで、急な断食をするとこのような原因から頭痛が起こる可能性があります。
血糖値の変化
人は食事によって栄養を摂取し、血液によって栄養を全身に運び、それぞれの役割をもって体に還元します。
体にとって重要なエネルギーとなる「糖」も、同じように血液によって運ばれます。
「血糖値」というのはこの血液中に含まれる糖の濃度のことです。
血糖値は人が生きるために、なるべく一定でなければなりません。
血糖値が高い場合はインスリンというホルモンが分泌され、血糖値の上昇を抑えます。
血糖値が低いとエネルギー不足として体が様々な防御反応を起こします。
人は食事をすると血糖値が上がり、インスリンという物質が分泌され、インスリンの働きによってまた元に戻るという仕組みになっています。
食事をしない場合は血糖値にそれほど変化はありませんが、急に断食をすることでインスリンの過剰分泌が起きてしまい、低血糖になることがあります。
このような血糖値の変化で頭痛が起きる可能性は高く、ファスティング中は特に注意しなければいけません。
低血糖による頭痛の場合、手足のふるえや発汗、動悸などを伴うことが多いようです。
ストレス
「ストレスは万病の元」と言いますが、食事をしないことによってストレスを感じ、頭痛を引き起こすこともあります。
慢性的に頭痛がする人や、日々何か強いストレスを感じている人は、ファスティング中のストレスにより頭痛が起こりやすいと言えるでしょう。
ファスティング(断食)中の頭痛の対処法【脱水症状を見分けるやり方】
先ほども述べましたが、頭痛がしてもファスティングとは関係ない可能性もあります。
ファスティングによる頭痛の場合、軽い頭痛ですぐに治まることが多いようです。
もしファスティング中に頭痛が起きてしまった場合、どのように対処すればいいのか確認しておきましょう。
症状の確認と水分補給
まずは症状の確認をして、何か体に異変がないか調べます。
頭痛以外にも吐き気やフラつき、手足の震えなどがないか確認しましょう。
もし何か他の症状が出ている場合は、すぐに病院で診てもらいましょう。
軽い症状だけの場合は、水分を補給して少し様子を見ましょう。
準備期間をしっかりと過ごせていたのであれば大きな問題は起きないはずなので、水分不足による脱水症状が原因の可能性があります。
病院で診てもらう
準備期間を計画的に過ごし、断食期間もしっかりと水分補給をしていたにもかかわらず頭痛が続く場合は、病院で診てもらうことも視野に入れなければいけません。
ファスティング(断食)中の頭痛予防に効果のあるやり方【適切な準備期間&水分補給】
ファスティング中、軽い頭痛が発生することは多々あります。
それは準備不足であったり軽い低血糖の症状なので、少し様子を見ていれば治る可能性が高い症状です。
では、ファスティング中に頭痛を起こさないためにはどうすればよいか、ひとつずつ見ていきましょう。
準備期間を怠らない
ファスティングでとても大切なのが、準備期間です。
準備期間を正しく過ごせていないと、頭痛やその他様々な体の異変を引き起こしてしまいます。
断食を3日程度するなら、最低でも3日の準備期間が必要です。
食事の内容を考え、量を減らし、体の準備を整えます。
この期間中に何か異変があったり、急な飲み会が入ってアルコールを飲んでしまったり、我慢できず大量の食事をとってしまった場合は、すぐにファスティングを中止しましょう。
また改めて計画を練り直し、じっくりと時間をかけて準備期間を過ごし、健康的に断食を行いましょう。
準備期間を正しく過ごすことで、ファスティング中に起きる不調のほとんどは未然に防ぐことができます。
水分をこまめに補給する
脱水症状による頭痛は、水分をこまめに補給することで防ぐことができます。
最低でも1日2リットル、季節や体調(発汗など)、運動量によってはもっとたくさんの水分をとることも必要です。
一気に大量の水を飲むのではなく、少しの量をこまめに取るのがコツです。
一気に水分をとっても、すべて体に吸収することはできません。
吸収しきれなかった余分な水分は尿となって排出されてしまいます。
なので細胞にしっかりと水分が補給されるように、1日に何度もこまめに水分の補給を行いましょう。
仕事やでかけるときは、常にペットボトルを持ち歩く癖をつけておくと良いかもしれません。
病院の先生に相談しながら行う
ファスティングを行う際、専門の先生に相談しながら行うのが一番の成功への近道かもしれません。
今では断食療法を専門にしているクリニックやファスティングの指導を行うクリニックが増えています。
もし本気でファスティングを成功させたいのであれば、そのような専門のクリニックへ行って相談してみましょう。
指導法はクリニックによって様々ですが、やり方や今後の方針など、個人に合ったプランを提供しれくれるはずです。
まとめ
・ファスティングをすることで体の様々な不調が改善し、ダイエットにもなる。
・ファスティングは「準備期間」「断食期間」「回復食期間」の3つの期間をしっかり分けて行うことが重要。
ファスティングは正しい方法で行うことにこそ、意味があります。
間違った方法で「修行」のように断食しても、なんら効果は得られません。
精神的には強くなるかもしれませんが、体に悪い影響を及ぼす可能性もあります。
ファスティングは正しい知識さえあれば、誰でも簡単に取り組むことができる素晴らしい健康療法です。
準備期間、断食期間、回復食期間の計画をしっかりと立て、間違いのないように取り組みましょう。