筋肉肥大や筋トレ効果アップのために、BCAAを含むサプリメントを活用することは非常に有効です。
今回はBCAAの基礎知識、5つの効果、BCAAを多く含む食品、飲む4つタイミング、適切な摂取量と副作用2つを紹介します。
目次
BCAAとは?
良くサプリメントの名前などで耳にすることの多い、「BCAA」とはいったい何でしょうか?
これは Branched Chain Amino Acids の頭文字を取った名称です。
分岐鎖アミノ酸と呼ばれるものです。
もっと詳しく言うと、体内で合成されない必須アミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンの事を指しています。
BCAAはサプリメントの名前にもなっているように、フィットネスや筋トレをしている方、プロアスリートたちにとっては、プロテインの次に重要な栄養素と言えるかもしれません。
BCAAはタンパク質のほとんどを占めているからです。
食物中の必須アミノ酸のうち50%はBCAAです。
また、人の筋タンパク質中のBCAAは35%といわれています。
ですから、筋肉を作るうえでタンパク質の中でもBCAAの働きは非常に大きいということが分かります。
BCAAはタンパク質を合成し筋肉を作るだけではなく、筋肉が破壊されてしまうのを防ぐ効果もあります。
ですから、タンパク質の代謝を一定にし、筋肉がつきやすい体作りに役立つのです。
BCAAとグルタミンやプロテインとの違い
BCAAと同じように、サプリメントの成分としてよく耳にするのが、「グルタミン」や「プロテイン」です。
どの成分も筋肉疲労をやわらげて、回復力を高めてくれます。
また筋肉の合成を促進させるという点では、同じ働きをする成分であると言えるでしょう。
では違いはあるのでしょうか?
まず、「プロテイン」はタンパク質そのものを指しています。
プロテインは体内に摂取されるとアミノ酸に分解されます。
この後に出てくる成分がBCAAです。
ですからプロテインを飲むよりもBCAAを直接摂取したほうが、筋トレ効果をもっと引き出して筋肉合成への働きを強めることが出来る、ということになります。
では、「グルタミン」はどうでしょうか?
グルタミンもタンパク質を構成しているアミノ酸の種類です。
しかし、グルタミンは体内で合成することのできるアミノ酸です。
BCAAは体内で合成が出来ない必須アミノ酸ですから、食事やサプリから摂取しなければなりません。
このようなはっきりとした違いがあります。
ですから、それぞれの成分をよく知って、自分の目的にあった摂取をするようにおすすめいたします。
BCAAの5つの効果
BCAAにはどのような効果があるのでしょうか?
ここでは大きく分けて5つの効果をご紹介します。
なぜ筋トレをする人たちやアスリートたちがこのBCAAを高く評価しているのでしょうか?
①筋肉の合成を促進させる
BCAAには筋肉の同化や合成を促進させるという効果があります。
BCAAのうちのロイシンというアミノ酸は、タンパク質が合成される最終的な部分で働き、その合成を促してくれます。
またイソロイシンはロイシンと共にグルコースの取り組みを促進します。
ですからインスリンと同じ作用をする成分であるともいえるでしょう。
筋トレをすると筋タンパク質が分解されます。
このときに生成されたBCAAはより多くのグルコースを取り組むように訴えかけます。
これにより確かなエネルギー源を確保し、筋タンパク質の合成がストップしないよう保護することが出来ているのです。
②筋肉の分解を抑制する
さらに、BCAAいは筋肉の分解や異化を抑制する、という働きがあります。
筋トレをしている方や筋肉に何かしらの関心を持っている方は既にご存知のことと思いますが、運動しているとタンパク質の分解が行われるためBCAAも分解されてしまいます。
しかし、運動前にBCAAを摂取していれば、血液中にBCAA濃度が高くなり、筋肉から必須アミノ酸が出ていきにくくなります。
そして、摂取したことで通常より増えているBCAAが分解されるため、タンパク質の分解を抑制できます。
運動開始の20分前にBCAAを摂取すれば、効率よい筋トレを行うことが出来るといわれています。
このタイミングを生かすには、消化吸収の速いサプリメントがおすすめです。
③筋トレ時のエネルギーとなり乳酸を抑える
BCAAを摂取することで、筋トレ時のエネルギーへと変えることが出来ます。
私たちの体は普段運動するとき、食事から摂取したものや、体内に蓄積されている糖質や脂肪がエネルギーへと変換され利用されています。
それらのエネルギー源が尽きると、タンパク質を分解してエネルギーにしようという働きが起きます。
ですから糖質制限などのダイエットは、筋肉分解を引き起こしやすい、といわれています。
つまり、筋トレ前にBCAAを摂取しておけば、トレーニング中のエネルギー切れを防ぐことが出来ます。
このBCAAをエネルギーとして使うことが出来るでしょう。
また糖質が代謝されてエネルギーへと変わるときにできる乳酸の精製が抑えられるため、筋肉の疲労回復効果が高まります。
その結果、筋肉痛の軽減も期待できます。
④体脂肪を減らす
BCAAは筋トレをしている人だけに効果的な成分ではありません。
脂肪減少効果もあるため、ダイエット目的で運動している人たちにとって非常に効果的な成分であるといえます。
とくにお腹周りの脂肪を減らし、減量する上で役立つというデータが出ています。
年配の方を対象に調査すると、BCAAを多く摂取していた方は、メタボや肥満になりにくいという結果も出ており、BCAAと脂肪の関係は深いことが分かります。
BCAAを摂取するとレプチンの働きが強まります。
このレプチンは満腹ホルモンといわれており、食欲を減らす効果があります。
定期的にBCAAを摂取すれば自然とダイエットに有利な体質へと変わっていくことでしょう。
⑤持久力UP
BCAAを摂取することで持久力UPという効果があります。
運動をしながらBCAAを摂取すると、運動後の筋肉ダメージが少ないという研究結果が発表されています。
運動後の体内は、糖質であるグリコーゲンが不足、枯渇している状態です。
この状態でBCAAを摂取すると、エネルギー源として使われると同時にタンパク質の合成が可能になるので疲労が軽減されます。
こうした効果を考えると、糖質制限ダイエットなどでは、BCAAを摂取して健康状態を保つことが出来る、ということになりますね。
BCAAを多く含む食品とは?
BCAAを多く含む食品とはあるのでしょうか?
BCAAは必須アミノ酸ですから体内で合成することが出来ません。
そのため食品やサプリメントを活用して、不足しないように捕球し続ける必要があります。
BCAAはタンパク質に含まれているアミノ酸ですから、タンパク質を豊富に含む食品を摂ることで自然とBCAAを摂取することが出来ます。
例えば、牛・豚・鶏肉やマグロなどの赤身の魚、牛乳やチーズなどの乳製品がタンパク質を豊富に含んでいます。
こうした食品を日ごろから積極的に食べてタンパク質を摂取していれば、簡単にBCAAが不足してしまうことはないでしょう。
しかし、ダイエットをしていて食事が制限されたり、筋トレをしていて栄養の消費スピードが上がっているときには、より多くのBCAAを必要とします。
食品から摂るだけでは間に合わないのでサプリメントを活用することがおすすめです。
BCAAの効果を最大限活かす飲むタイミングとは?
BCAAはいつ飲むと効果的なのでしょうか?
トレーニング中
トレーニングをしているときは、カタボリックになりがちです。
筋肉を大きくしていきたい方にとって、カタボリックは思わず耳をふさぎたくなるような恐ろしいワードですね。
ですからこうした状態を避けるためにBCAAを摂取しましょう。
トレーニング中にスポーツドリンクやジュースに溶かして飲むのがおすすめです。
糖質をふくんだドリンクと共にBCAAを摂取することで、筋肉分解の抑制を効率よく行えます。
トレーニング中は筋肉の合成が活発化しているタイミングです。
まずは吸収の速いBCAAサプリメントを摂取し、その後にプロテインを飲んでタンパク質捕球を持続的に行うと、筋トレの効果を最大限引き上げることが出来るでしょう。
トレーニング後
トレーニング後はBCAAを摂取するまさにベストなタイミングであるといえます。
特に運動直後から30分間はゴールデンタイムとも呼ばれており、最も体が栄養を必要としています。
このタイミングでタンパク質を摂取すれば筋肉づくりが効率よく行えるのです。
さらにプロテインよりもさらに吸収しやすいBCAAを摂取することで、体内に吸収され筋肉の合成を促進させることが出来ます。
先ほども述べましたが、トレーニング中や直後にBCAAを摂取し、その後食事やプロテインでタンパク質を補給すると、より効率よく筋肉を作ることが出来ます。
起床直後
起床直後は、血中アミノ酸濃度が低下しており、筋肉中のアミノ酸がエネルギーへと使われてしまいやすくなっています。
ですから起床後に運動して筋肉が分解されてしまわないように、起床直後に、起きてすぐ、BCAAを摂取することをお勧めします。
仕事中
なにも、BCAAは筋肉のためだけの成分ではありません。
筋トレをしている人やアスリート以外にも、BCAAを日常的に摂取することはお勧めです。
実は、BCAAを摂取することで集中力を上げることが出来るからです。
そのため、仕事中や勉強中にもBCAAを飲む効果的なタイミングであるといえます。
仕事の合間にBCAAを飲むことで仕事の効率を上げましょう。
BCAAの正しい摂取量 計算式も紹介
BCAAの適切な摂取量とはどれほどでしょうか?
1回の摂取量は5~10gが適切です。
それほど重度なトレーニングを行っていない方や、体重が軽い方は5gが適当といえます。
トレーニングを日常的に行っておられる方や、アスリートなら10gを必要とするでしょう。
1日の摂取量は「体重1kgあたりロイシン39mg+イソロイシン20mg+バリン26mg」
といわれています。
この計算式に自分の体を当てはめて、必要なBCAAの摂取量を計算してみるのもよいでしょう。
BCAAのおすすめの飲み方とは?
BCAAの飲み方は様々です。
ほとんどの場合サプリメントで摂取するでしょう。
コップにBCAAを適量入れて水やジュースに溶かして飲みましょう。
また、粉薬のように口にBCAAを入れて水やジュースで飲み込むという方法でもよいでしょう。
プロテインのように牛乳で溶かしてBCAAを飲むのはお勧めできません。
できるだけ水やジュースでBCAAを飲むようにしましょう。
BCAAの副作用とは?
BCAAには副作用があります。
飲むことによって得られる効果がたくさんあるのですが、適正量を誤って飲んだりすると副作用が生じることを覚えておきましょう。
①肝臓機能の低下
BCAAは筋肉で代謝されますが、摂取しすぎると筋肉だけでは代謝できないようになります。
その結果肝臓に運ばれます。
しかし本来の働きではないので、肝臓を酷使してしまう結果になります。
つまり肝機能が低下してしまうのです。
肝機能が低下すると栄養が作り出されなくなります。
アルコールの解毒やタンパク質の分解といった基本的な機能が正常に出来なくなる可能性があります。
②腎臓機能の低下
さらに、腎臓機能低下を招いてしまう危険性もあります。
腎臓は血液の中で必要なものを体内に残し、不要なものは排出するという働きをしています。
しかし、血液中のBCAA濃度があまりにも高まると、腎臓もオーバーワークとなってしまいます。
使い切れなかったBCAAは老廃物となります。
老廃物を分解するために腎臓は大変な作業をしなければなりません。
一度低下してしまった腎臓機能は回復することがないため、過剰摂取には注意するようにしましょう。
BCAAのおすすめサプリメント3選
BCAAのおすすめサプリメントをご紹介します。
①エクステンド
②ハイパー
③BCAA+G1000
ネットショップでよくランキング上位に挙がっている商品です。
フレーバーがおいしかったり、安心して使えるメーカーであったり、価格が安いなどいろいろなメリットがあります。
自分に合った目的に沿ったBCAAサプリをぜひ見つけてくださいね。
まとめ
・BCAAの1回の摂取量は5~10gが適切。
・BCAAを過剰に摂取すると肝臓や腎臓に負担をかけて機能低下の副作用が出ることがある。
BCAAは多くの効果がある成分です。
体内では合成できない為、食事かサプリメントで摂取するしか方法はありません。
しかし、あまりにも摂取量が多いと副作用の危険性があります。
飲むタイミングと摂取量を守って、BCAAの恩恵にあずかりましょう。