筋肉増強やダイエット成功にはタンパク質の適切な摂取が非常に重要です。
今回はタンパク質の摂り過ぎによる危険性やデメリット、1日の摂取量の目安、筋肉量アップに効果的な摂り方、ダイエット効果が期待できる摂り方をまとめました。
目次
タンパク質は筋肉肥大に効果&ダイエットにも不可欠!
筋トレ家にとってタンパク質は、とても重要な栄養素です。
タンパク質をプロテインという形で飲み、筋肉肥大に役立てています。
しかしタンパク質はいくら筋肉に効果があると言っても摂れば摂るほど良いものなのでしょうか?
1日の摂取量の目安はあるのでしょうか?
食事制限ダイエットでもタンパク質は重要な栄養素となってきます。
タンパク質の適正な摂取量を知ることが筋トレをするにもダイエットするにもポイントになるのです。
タンパク質の取り過ぎは危険?【筋肉量アップ効果のあるプロテインで考察】
筋肉の増量にはかかせない「プロテイン」には、効果的な摂取量があるはずですよね。
たくさん飲めば飲むほど効果があるのか、それとも飲み過ぎは体に毒なのか、今回はそこから解説をしていきましょう。
プロテインとは
そもそもみなさん、プロテインってご存知ですか?
筋トレをする人なら知ってて当たり前ですが、知らない人のために簡単に解説します。
プロテインとはずばり、タンパク質のことです。
タンパク質を英語表記にすると「protein(プロテイン)」となります。
日本では、タンパク質を凝縮し、直接摂取できるようにした飲み物のことをプロテインと呼んでいます。
タンパク質は筋肉を肥大させるために、とても重要な役割を担っています。
タンパク質が不足していると、どれだけ筋トレをしても筋肉は増加しません。
他にも微量栄養素や成長ホルモンなど、筋肉肥大にはさまざまな働きが影響し合っていますが、その中でもタンパク質の影響がもっとも大きいとされています。
筋トレをして筋肉量を増やしたいのであれば、タンパク質をたくさん摂取するべきなのです。
そして、タンパク質を簡単に摂取するためのアイテムが、「プロテイン」です。
今ではいろんなタイプ、いろんな味が販売されており、スーパーやドラッグストアで簡単に手に入れることができます。
飲み方もさまざまで、水に溶かすだけでなく、牛乳に混ぜて飲んだり、調理に使ったりすることもあります。
プロテインの飲み過ぎ
気になるのは「プロテインの飲みすぎは体に悪いのか」という点ですよね。
実は、プロテインの飲みすぎが体に悪いという医学的根拠は今のところありません。
ただやはりひとつの栄養素を単純に、大量に摂取することによる体への負担はあります。
例えば、白ご飯を1日何杯も食べ、おかずは食べず、ひたすらご飯を食べ続ける。こんな生活をしていると体が悪くなるのは目に見えています。
そのために摂取目安基準なるものがあるのです。
プロテインも同じです。少し基準をオーバーしたからと言って、すぐに体に悪影響を及ぼすものではありません。
むしろタンパク質は体にとって絶対に必要な栄養素なので、少しぐらいオーバーしているほうが健康的です。
摂取目安量の倍の量を1年以上継続している、ぐらいでやっと体に危険が及ぶ可能性があると言えます。
「プロテインを1週間毎日、目安量の1.5倍飲んだ」というレベルであれば何も問題はないはずです。
万が一体に異変が起きたとすると「プロテインではなく他に問題がある」もしくは「もともと体に悪いところがあった」と考えられます。
基本的にはプロテインの摂り過ぎは、そこまで気にする必要はありません。
タンパク質の摂り過ぎによるデメリット2つ!
少しぐらい摂取量がオーバーしたところで体に問題はありませんが、やはりデメリットもあるようです。
タンパク質、プロテインの摂り過ぎによるデメリットをご紹介します。
体臭がきつくなる
医学的根拠のある論文や研究結果は見つけることができませんでしたが、タンパク質の摂り過ぎは体臭がきつくなるそうです。
これはプロテインではなく、動物性タンパク質、つまりお肉の食べ過ぎが原因とも言われています。
つまりプロテインはいくら飲んでも問題ありませんが、肉類によるタンパク質の摂取を続けていると体臭がきつくなるという可能性があります。
もちろんそれを証明する研究結果がありませんので、プロテインの飲みすぎも体臭に関係している可能性はあります。
実際、多くの口コミでこのような報告がなされているので、割と信ぴょう性は高いのではないでしょうか。
もし体臭が気になるのであれば、プロテインの中でも大豆から作られる「ソイプロテイン」を飲んでみましょう。
のちほど詳しく解説しますが、ソイプロテインは大豆からタンパク質成分を抽出していますので、体臭の原因にはならないとされています。
栄養素の偏りが起きる
タンパク質を摂取するうえで気をつけたいのが、栄養の偏りです。
例えばお肉や魚、大豆製品によってタンパク質を大量に摂取しようとすると、それだけでお腹が膨れてしまうことがあります。
すると他の栄養素を含む食事が食べられなくなり、体に必要な栄養素が不足してしまう可能性があるのです。
タンパク質の摂り過ぎが、相対的に他の栄養素の不足を招くことがある。
実はこれは危険なことで、体への影響も計り知れません。
少なくともビタミンやミネラルは、意識して摂るようにしたほうが体のためになるでしょう。
さらに、タンパク質を食事から摂取する場合、その調理法にも気を付けなければいけません。
例えばお肉に塩を振って焼くのは、ごく一般的な調理法ですよね。
しかし毎食お肉の塩焼きを食べていると、塩分の摂り過ぎになってしまいます。
特にビタミンやミネラル(塩も含む)は「微量栄養素」と言って、体には必要な栄養素ですが、摂り過ぎると体に悪影響を及ぼしてしまうのです。
タンパク質の摂り過ぎはある程度なら問題ありませんが、それによって栄養の偏りが起きてしまうことは注意しなければいけません。
筋肉肥大に効果的な1日のタンパク質摂取量の目安!
タンパク質はある程度なら多めに摂取しても問題ないというお話をしましたが、次は目安にしたい摂取量をご紹介します。
筋肉肥大を目指すなら、効果的な目安摂取量を押さえておきましょう。
そもそも摂取量は人によって違います。
年齢や運動量、体の大きさによっても異なります。
そのためどうしても最終的には自己判断となってしまいますが、基本的な目安として簡単な計算方法の解説をしますので、是非参考にしてみてください。
一般的な目安
まずは一番簡単な計算方法をご紹介します。
自分の体重kgの「kgをg」に変えるだけです。
例えば、体重が70kgであれば、タンパク質の1日の目安摂取量は70gとなります。
男性でも女性でも、実は同じ計算で問題ありません。
体重が40kgの女性であれば、「1日40gのタンパク質」を目安にしましょう。
計算方法を記すなら、体重の1/1000、つまり「体重÷1000=1日の目安摂取量」となります。
タンパク質の摂取が苦手な人でも、少なくても体重の1/1200は摂取したほうがいいでしょう。
例えば体重が60kgであれば、1日にタンパク質50gは最低でも摂取したほうが健康的です。
このときの計算を詳しくすると、60kg÷1200=0.05kg、0.05kg=50g、となります。60÷1.2で同じ答えが出るかと思います。
ややこしい計算方法の解説はしましたが、体重kg=タンパク質gと簡単に覚えておきましょう。
体重が80kgであれば、頑張って1日に80gのタンパク質をとりましょう。
運動量の多い人
基本的には「体重kg=タンパク質g」で問題ありませんが、運動量の多いアスリートや筋トレ家、体を動かす仕事をしている人などはもう少し多めに摂取したいところです。
そのような人たちは、先ほど説明した一般的な目安摂取量の1.2~2倍の量を目安にしてください。
例えば体重が70kgであれば、少なくても70×1.2=84g、たっぷり摂りたい人は70×2=140g、つまり84~140gのあいだで調節するのがベストです。
タンパク質が不足することで疲労がたまったり、筋肉量が維持できなかったりすることがあります。
運動量の多い人たちは特に、毎日のタンパク質摂取量を意識しながら食事をとりましょう。
不足しているなと感じる人は、プロテインで補給するのもひとつの手です。
プロテインについては次の章で詳しく解説しています。
筋肉肥大に効果的なプロテイン(タンパク質)の摂り方!
では実際に、プロテインの摂取について見ていきましょう。
プロテインにはどんな種類があるのか、そして筋肉を増量させたいときはどのプロテインを飲むべきなのか、ご紹介しておきます。
プロテインの種類
プロテインは大きく「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」「ソイプロテイン」に分けることができます。
主に牛乳から得られるタンパク質から作られているのが、「ホエイプロテイン」と「カゼインプロテイン」、大豆から作られているのが「ソイプロテイン」です。
そして牛乳の上澄み部分から摂れるのがホエイプロテイン、牛乳の約8割を占めているのがカゼインプロテインです。
他にも製造法の違いで分類することもできますが、「完璧にこだわりたい」という方でなければ覚える必要はないでしょう。
今は「WPC製法」と「WPI製法」が主流です。
こだわりのある方は少し高級なWPI製法を選んでいますが、基本的には、値段の安いWPC製法のプロテインで問題ありません。
たまにWPC製法のプロテインはお腹に合わないという方がいますが、そういうときはWPI製法のプロテインにするという選び方でいいでしょう。
オススメのプロテイン
筋肉を増量させたいのであれば、オススメは「ホエイプロテイン」です。
なぜならホエイプロテインは吸収率が高く、筋トレの効果を大きく上げてくれるからです。
ホエイプロテインは吸収率が高く瞬発力があり、カゼインプロテインやソイプロテインは吸収率が低いため持久力があります。
筋トレをした前後にホエイプロテインを飲むと、ただちに体に吸収されるのでその効果が期待できます。
製法に関してはどの製法でも問題ありませんが、基本的には比較的安めのWPC製法のプロテインを選ぶと良いでしょう
ダイエット効果が高いおススメのプロテイン(タンパク質)と摂り方!
筋肉肥大をさせたいのであればホエイプロテインがオススメだと言いましたが、ダイエットをしたい場合はどのプロテインが良いのでしょうか。
オススメのプロテイン
ダイエット中にプロテインを飲みたいのであれば、間違いなく「ソイプロテイン」をオススメします。
ソイプロテインは先ほども言ったように、吸収率が低く持久力があります。
他のプロテインと比べて腹持ちも良いので、食事量を減らしたり、間食の代わりに飲むことができます。
ソイプロテインは大豆からできているので、美容にも良い効果があります。
大豆にはあの有名な美容成分イソフラボンが含まれており、美肌効果などのアンチエイジングも期待できます。
イソフラボンと言えば、女性ホルモンである「エストロゲン」と同じ働きをすることで有名です。
女性ホルモンは美容を意識するうえでは欠かせないですよね。
肌の潤いを保つ、髪のツヤを保つ、代謝を促す、気持ちを明るくする、そして女性であれば月経前症候群の緩和にもつながるとされています。
そんな女性ホルモンと似た構造を持つイソフラボンが含まれた「ソイプロテイン」。
ダイエットだけでなく、美容にも気を使っているという方に特にオススメです。
ソイプロテインは少し粉っぽくて飲みにくいという方は、カゼインプロテインでもいいでしょう。
ダイエットにはホエイプロテインよりも、カゼインプロテイン、ソイプロテインがオススメと覚えておきましょう。
オススメは置き換えダイエット
ソイプロテインを使いダイエットをする場合、置き換えダイエットがオススメです。
置き換えダイエットとは、普段の食事の一部を別の食品に置き換えるダイエット法です。
主に体重増加の原因となる食品(ご飯やパスタなどの糖質)を、ソイプロテインなどの健康食品に置き換えます。
置き換えダイエットは、食べて痩せるダイエット法の代表格です。
食事の一部を抜くだけだと、どうしてもかなりの空腹を我慢しなければなりません。
ストレスもたまりますし、リバウンドの可能性もあります。
しかし置き換えダイエットは食事を抜くだけでなく、代わりになるものを食べることができます。
食事を抜いたときよりもダイエット効果は薄いですが、長期的にに継続することができる優れたダイエット法なのです。
置き換えダイエットのやり方
初めて置き換えダイエットを行う方は、まずは朝食の主食を置き換えてみましょう。
和食であればご飯をソイプロテインなどに置き換え、パン派であればパンを置き換えます。
それ以外は普段通り食べていいので、卵焼きやみそ汁、サラダなどはしっかりと食べましょう。
慣れてきたら夕食のご飯を置き換えてみます。
ご飯よりも腹持ちは悪いので、人によってはお腹がすいてしまうかもしれません。
我慢できないようであれば「週3日置き換える」などのルールを決めてじっくり取り組んでみましょう。
置き換えダイエットは最低でも1か月、できれば3~6か月は継続してみましょう。
栄養が不足しないように、肉類や魚、大豆製品、そして野菜などもまんべんなく食べることがポイントです。
まとめ
・タンパク質を摂りすぎると体に悪いという医学的根拠は今のところない。
・タンパク質ばかり摂っていないで、他の栄養素もバランスよく摂るのが重要。
タンパク質は健康維持に欠かせない栄養素です。
筋力トレーニングやダイエット、そして健康のために、常日頃からタンパク質の摂取を心がけておきましょう。
「タンパク質をたくさん摂り過ぎると体に悪そう」という心配もあるかもしれませんが、あまり気にしなくても大丈夫です。
毎日大量のタンパク質を摂取する、もしくは栄養の偏りが出ている、ということであれば注意が必要ですが、そうでなければ問題ありません。
不足しないよう、目安の摂取量を意識してタンパク質をとりましょう。