健康的なダイエットをするには、タンパク質を積極的に摂取することが重要になります。
今回はタンパク質の役割、ダイエットに必要な理由、摂り過ぎでのデメリット、ダイエット効果以外の働き、相乗効果のある筋トレ2選を紹介します。
目次
ダイエットにはタンパク質が欠かせない
ダイエットは、食事制限をするだけと思っていませんか?
食べないだけで痩せるというのは少し古い考え方かもしれません。
今は、しっかり食べて痩せる時代です。
ただし、食べるものを選ぶ必要があります。それがタンパク質です。
ダイエット成功のカギとも言えるタンパク質のことを正しく理解し、摂取することが重要なのです。
健康的に痩せたいなら、要チェックです。
タンパク質の体内での重要な5つの働き
タンパク質は、筋肉を大きくするために必要な栄養素です。
おそらく多くの人が、タンパク質の働きは筋肉をつけるだけだと思っているのではないでしょうか。
実はタンパク質は筋肉だけでなく、私たちの体のほぼすべてを作っている栄養素なのです。
具体的にはどのような働きをするのか、詳細を見ていきましょう。
体をつくる主成分
タンパク質の重要な働きは、体をつくることです。
筋肉だけでなく、脂肪や皮膚、内臓、骨、爪や髪の毛まですべてタンパク質が原料となっています。
よってタンパク質が不足すると、皮膚や髪の毛の再生が行われず、健康的な体を維持することができなくなってしまいます。
この体を作るタンパク質のことを「構造タンパク質」と呼びます。
これ以外の体の様々な機能を司るタンパク質を「機能タンパク質」と呼んでおり、こちらも重要な働きをしています。
酵素の原料
体の中では、常に様々な化学反応が起きています。
食べ物を消化したり、栄養素を分解したり、空気から酸素を取り出し、二酸化炭素を排出したり、数えきれないほどの化学反応が人間の生命活動を支えています。
実はこれらの化学反応を手助けしているのが、「酵素」と呼ばれる物質です。
酵素は体内に数万種類存在し、それぞれが何かしらの役目を持ち、化学反応の触媒として働いています。
そしてこの酵素の原料となっているのが、「タンパク質」なのです。
酵素は「酵素学」と呼ばれる大きな学問があるほど、とても奥が深い分野です。
それだけ人にとっても重要な働きをする物質で、タンパク質の不足は健康に大きなリスクをもたらします。
免疫細胞の原料
体を外敵から守る働きをする「免疫細胞」も、タンパク質を主原料としています。
免疫細胞とはつまり、白血球のことです。
白血球は血液に存在し、私たちの体を日々外敵から守っています。
体の外から侵入したウィルスや病原菌をそのままにしておくと、私たちの体はすぐに病に蝕まれてしまいます。
免疫細胞が不足しないよう、タンパク質をしっかりと摂取しておく必要があるのです。
ヘモグロビンの原料
ヘモグロビンは、血液の中にある赤血球に存在するタンパク質です。
学校で習ったかと思いますが、ヘモグロビンが酸素を全身に運ぶ働きをしています。
ヘモグロビンが肺で酸素を受け取り、血液によって全身の細胞に運び込んでいるのです。
「貧血」とは、血液が少なくなることではありません。
血液中のヘモグロビンが少なくなることを、貧血と呼びます。
ヘモグロビンが生成されず貧血になると、酸素が全身に運ばれなくなり、頭痛や動機・息切れ、めまいなどを起こしてしまいます。
貧血を回避するには、ヘモグロビンの生成を手助けしてあげることが大切です。
ヘモグロビンを十分に生成するには、タンパク質と鉄の摂取が重要です。
無理なダイエットでタンパク質が不足してしまうと、貧血の原因になることがあるので注意しましょう。
ホルモンの原料
体内で重要な働きをする「ホルモン」も、主にタンパク質で構成されています。
ホルモンについては未だにわかっていないことが多いのですが、人体が生命を維持するために非常に重要な役割を果たしています。
有名なホルモンだと、
テストステロン(男性ホルモン)
ジヒドロテストステロン(薄毛の原因となるホルモン)
エストロゲン(女性ホルモン)
インスリン(肥満ホルモン)
成長ホルモン
アドレナリン
などが挙げられます。
一部のホルモンはコレステロールから合成されますが、ほとんどのホルモンがタンパク質やアミノ酸で生成されています。
無理なダイエットをして、ホルモンの分泌を妨げないように注意しましょう。
タンパク質を正しく摂取して健康的にダイエットをしよう
ダイエットに大切なのは、食事を制限することだけではありません。
しっかりと栄養バランスを考え、健康的に痩せる必要があります。
ダイエットにタンパク質が必要な理由
栄養バランスが大切と言いましたが、中でもタンパク質が一番重要な栄養素です。
食事制限をしていても、タンパク質だけはしっかりと食べておく必要があるのです。
そもそも人が太る原因は、糖質の摂り過ぎです。
糖質の摂り過ぎだけが、唯一人が太る原因だということは覚えておきましょう。
つまり、痩せるためには食事中の糖質を減らす必要があります。
しかし糖質を減らしてしまうと、活動するためのエネルギーが不足してしまいます。
そこで、エネルギー源として糖質の代わりとなる「タンパク質」が重要となるのです。
3つの栄養バランスが重要
ダイエットには、3つの栄養バランスがとても大切です。
その3つの栄養素とは、ずばり「炭水化物」「タンパク質」「脂質」です。
この3つの栄養素は「三大栄養素」と呼ばれるほど重要な栄養素だということはご存知だと思います。
しかし、食べれば食べるほど体に良いというわけではありません。
まずダイエットをする場合、炭水化物は極力減らしてください。
そして体を健康に保つために、タンパク質をたくさん食べます。
さらにエネルギーの補助として脂質を摂ります。
この3つの栄養素のバランスが、ダイエット中は最重要となります。
あくまでダイエット中の主要栄養素は、炭水化物ではなくタンパク質だということを覚えておきましょう。
これに加えて不足しがちなビタミンやミネラルを摂取していれば、健康維持に関してはほぼ完ぺきと言えるでしょう。
そしてさらに、ミネラルの中でも特に、鉄を多めに摂取するように心がけましょう。
鉄は体内でヘモグロビンになり、酸素を全身に運ぶ働きをします。
酸素は人間にとって大切なエネルギーです。
鉄が不足することで酸素不足になることもあり得るのです。
しっかりと意識して鉄を補充しておきましょう。
タンパク質の食べ過ぎで起こるデメリット2つ
ひと昔前までは、タンパク質を食べ過ぎると体に様々な不調が起こるとされていました。
しかし今では、タンパク質の摂り過ぎは体になんら悪影響を与えないとされています。
もちろん何らかの持病がある人は、そのような栄養の偏りは注意すべきです。
しかし健康的な人であれば、タンパク質はなるべくたくさん摂取すべき、大切な栄養素なのです。
とはいえやはり、タンパク質の食べ過ぎによるデメリットもあります。
以下のことに注意して、タンパク質を積極的に摂っていきましょう。
タンパク質に付随する栄養素の取りすぎ
ダイエット中にタンパク質を摂ることはとても大事なことなのですが、別の栄養素を摂り過ぎてしまう可能性があります。
具体的に言うと、微量栄養素と呼ばれるビタミンやミネラルの摂り過ぎです。
特に塩分の摂り過ぎには注意したほうが良いでしょう。
例えば、タンパク質を摂るためにお肉をたっぷり食べることはとても良いことです。
しかし、お肉を焼くときは塩コショウを振るのが一般的ですよね。
塩をしっかり振ったお肉をたくさん食べていると、どうしても塩の摂り過ぎとなってしまいます。
他にも魚を食べるときに煮つけにして糖質が多くなったり、塩焼きにして塩を摂り過ぎたり、ということが起こってしまいます。
タンパク質はたくさん摂るべきですが、それ以外の栄養素にもしっかりと気を配りましょう。
体臭がきつくなる
タンパク質を摂り過ぎると体臭がきつくなると言われています。
特にお肉やレバーなどの動物性タンパク質を頻繁に摂ることで、臭いが発生するそうです。
なるべく動物性タンパク質だけに偏らないよう、大豆製品などの植物性タンパク質も摂るように心がけておきましょう。
ダイエット以外にも役に立つ、タンパク質の働き
ダイエットの強い味方「タンパク質」は、人にとって欠かせない重要な栄養素です。
特にダイエットをするなら、タンパク質は欠かせません。
さらに筋力トレーニングや美容効果もありますので、タンパク質について知っておいて損はないでしょう。
タンパク質を豊富に含む食材
タンパク質は、肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品に多く含まれています。
その中でも特に注目したいのが、「大豆製品」です。
大豆製品は納豆、きな粉、ゆば、油揚げなど様々な加工がなされていますが、どれも豊富なタンパク質が含まれています。
大豆には「大豆イソフラボン」と呼ばれる女性に嬉しい成分が入っています。
イソフラボンは、女性ホルモンである「エストロゲン」と似た化学構造を持ち、同じような働きをします。
性ホルモンのバランスを整え、美肌効果や月経前症候群の症状緩和、ダイエット効果などがあると言われています。
肉類であれば牛肉、豚肉、鶏肉、どれも豊富なタンパク質が含まれています。
特に生ハム、カモ肉、豚ヒレ肉、鶏ささみ、鶏むねは上質なタンパク質の宝庫です。
牛、豚、鶏、それぞれのレバーもタンパク質が多く含まれています。
レバーには貧血を防ぐ「鉄」も多く含まれているのでオススメです。
タンパク質とプロテインの違い
筋肉をつけるためにプロテインを飲む人はたくさんいます。
タンパク質も同じように、筋肉を成長させるための栄養素です。
実は、タンパク質とプロテインはまったく同じなのです。
タンパク質を英語表記にするとprotein(プロテイン)となります。
プロテインは食材からタンパク質を抽出し、粉状にしたものが販売されています。
日本では純粋なタンパク質の、栄養補助サプリメントとして売られているのがプロテインと呼ばれています。
そう呼ばれているだけで、プロテインとタンパク質はまったく同じ意味なのです。
隠れた美容効果
タンパク質は、人の体を構成する栄養素です。
髪の毛から、肌、爪など、体のあらゆる組織を作る成分なのです。
「美容効果がある」というよりも、タンパク質が不足することで「美容が損なわれる」と言ったほうが正しいかもしれません。
人の体はすべて細胞でできており、その細胞はどんどん劣化していきます。
しかし劣化するだけではなく、常に新しい細胞が生まれ成長しています。
そのおかげで傷が治ったり、綺麗な肌を維持できたりします。
その細胞の成長を支えているのが、タンパク質なのです。
「コラーゲン」や「ヒアルロン酸」など、美容に良いとされる成分はたくさんあります。
しかし本当に大事なのはそれらの成分ではなく、タンパク質だったのです。
タンパク質がすべての細胞の元となりますので、コラーゲンやヒアルロン酸もタンパク質が不足していると力を発揮できません。
美容に気を付けているなら、様々な美容成分も大事ですが、まずはタンパク質をしっかりと摂るように心がけましょう。
高タンパク質ダイエットにおすすめの筋トレ2選
糖質を制限しタンパク質を主要栄養素として行うダイエットでは、体を動かすトレーニングを平行して行いましょう。
上質なタンパク質は、体を鍛えるのに最適な栄養素です。
体全体量の筋肉量が増えれば、基礎代謝が上がり、痩せやすい体になります。
体を鍛えるトレーニングの中から、ダイエットにオススメのトレーニングをご紹介します。
スクワット
スクワットは数ある筋力トレーニングの中でも、特にダイエットに適しています。
スクワットは主に下半身を鍛える種目のトレーニングですが、同時に全身を鍛えることができる複合種目となっています。
スクワットは、膝に負担がかかるトレーニングなので決して無理をしないようにしましょう。
特に普段あまり運動をしていない人は、なるべく膝に負担がかからないように気を付けましょう。
ポイントは、無理して深く腰を降ろさないこと。
そして、つま先よりも前に膝が出ないようにすることです。
腰を降ろしたときに膝がつま先よりも前に出てしまうと、膝に大きな負荷がかかってしまうので気をつけましょう。
プッシュアップ
プッシュアップとは、腕立て伏せのことです。
ワイドプッシュアップ(手の幅広め)や、ナロープッシュアップ(手の幅狭め)などがあります。
ダイエットにオススメなのは、手の幅を広めにして行うワイドプッシュアップです。
ワイドプッシュアップは大胸筋に一番効くトレーニング方法です。
大胸筋は体の中で、とても大きな割合を占める筋肉です。ここを鍛えることで効率よくダイエットにつなげることができるでしょう。
女性なら大胸筋を鍛えることで、バストアップにもつながります。
腕の幅を狭めてしまうと腕に効いてしまうので、しっかりと手の幅を広くとることがポイントです。
まとめ
・タンパク質が不足すると、皮膚や髪の毛の再生が行われず、健康的な体を維持することができなくなる。
・タンパク質摂取にデメリットはほとんどないが、動物性タンパク質を摂りすぎると体臭がきつくなることがある。
今までのダイエット法は「カロリー」の調節が中心の食事法でした。
しかし人が太る原因はカロリーの摂り過ぎではなく、「糖質」の摂り過ぎだということが研究で明らかになっています。
そして、健康維持には「タンパク質」が非常に重要な栄養素なのです。
カロリーはタンパク質と脂質から補充し、糖質を抑える食事法がダイエットの基本となります。
どんなダイエットをするにしても、タンパク質はしっかりとって、健康的にダイエットを行いましょう!