体脂肪率はダイエットだけでなく、健康を維持する上で非常に重要な指標となる値です。
今回は体脂肪率の基礎知識と役割、標準値外のデメリット、男性の平均と理想体型の値、計算式、体脂肪率が上がる原因と下げる方法を紹介します。
目次
体脂肪率とは?
最近では家庭用の体重計や体組成計でも、簡単に体脂肪が測れるようになりました。
そのため「体脂肪」という言葉は医学用語ではなくなり、一般的に使われています。
しかし、実際には体脂肪についての正確な知識を持っている人は少ないといわれています。
いったいどれほどの人が自分の体脂肪率を理解し、平均値を理解しているのでしょうか。
体脂肪について正しく理解して、健康管理に役立てましょう。
体脂肪率とは、体重の中で体脂肪が占めている割合を数値化したものです。
すなわち自分の体重の中で体脂肪がどれほどあるのか、その割合を知ることが出来るのです。
この体脂肪率を目安として、女性も男性も、肥満型か痩せ型か、標準体型なのかを判断することが出来るようになっています。
体脂肪率は簡単に家の体重計でも測ることが出来るはずです。
これを機会に一度ご自分の体脂肪率を測定してみましょう。
体脂肪率で表示される割合には内臓脂肪と皮下脂肪に分けられた脂肪の割合が出ます。
この脂肪の種類によっても、健康状態に与える影響が変わってきますので知識が必要です。
一般的に男性の肥満に多いメタボリックシンドロームでは、内臓脂肪の影響がほとんどです。
体脂肪が担う体の重要な6つの役割!【体脂肪率は悪者の面だけではない】
体脂肪はダイエットで真っ先に落としたいと思うものではないでしょうか。
その為体脂肪は悪者として一般的に認知されています。
見た目的にも脂肪はタプタプしていて不格好ですよね。おなかや腕に肉がついているとどうしても残念な体型です。
さらに、体脂肪はなかなか落ちてくれないため、ダイエットを始めたもののモチベーションが下がりやる気がなくなってしまうこともあります。
しかし、体脂肪はそれほど嫌われなければならない存在なのでしょうか。
体脂肪には以下のような体に必要な役割があります。
役割① 外部の衝撃から内臓を保護する
内臓は体脂肪によって守られています。もし脂肪がなければ内臓は丸出しになり、ちょっとした刺激ですぐに傷んでしまうことでしょう。
役割② 内臓の位置を正しい場所に保つ
さらに、内臓の位置が正しい位置にあるので、人間としてあるべき姿を保つことが出来ているのです。
また、内臓機能が正常に働くのも正常な位置にあるがゆえだと言われています。
役割③ 外からの熱を伝わりにくくする
夏には体温が上がり過ぎると熱中症になり、冬には体温が下がり過ぎると凍死してしまいます。
どちらにしても命の危険が及ぶ症状です。
役割④ 体内の熱を逃がさないようにする
体内を一定の温度に保つのは、人間が日常生活をスムーズに営む上でとても重要なことです。
役割⑤ ホルモンの分泌を正常に保つ
最近の研究から、脂肪細胞が体に良い働きをするホルモンを分泌することが分かってきました。
役割⑥ 飢餓状態に備えたエネルギーの貯蓄
万が一食糧不足になり、飢餓状態に陥ったとしても脂肪がある限り生き延びることが出来ます。
脂肪を燃焼させることでエネルギーを生み出すことが出来るからです。
体脂肪は確かにダイエットの敵であり、悪いイメージがつきやすいものですが、実際にはこんなに健康的な良い働きをしてくれているのです。
体脂肪は私たちが生きていくために必要な働きをしていることを最も実感できる働きでしょう。
標準的な体脂肪率から逸脱するデメリット!高すぎても低すぎてもダメ
体脂肪には私たちの体を守り命の危険を回避するために休みなく働いてくれています。
その脂肪がたまり過ぎるとそれは逆に不健康な体になってしまいます。
いつでも標準の状態を保つためにも体脂肪の管理を怠らないようにしましょう。
体脂肪のバランスを取らずに、少なすぎたり多すぎたりするとどのような影響が生じるというのでしょうか。
高すぎると危険
体脂肪が増えると、健康的なリスクが高まります。
肥満=不健康ですが、肥満=病気となるわけではありません。
しかし、標準体型の人より病気になる確率が高まるのです。
例えば、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの病気を発症リスクが上がります。
これらの病気は生活習慣病とも呼ばれており、肥満になっている人が将来的にはこのような病気にると予想されます。
しかし、肥満である、体脂肪率が高いという事実だけではあまり危機感を感じず、生活習慣を改善しない場合がありますので注意が必要です。
体脂肪率が高いということは病気になりやすいのだ、という自覚を持ちましょう。
見た目にはそれほど肥満体型ではないとしても体脂肪率が高いということは内臓脂肪が増えている可能性もあります。
内臓脂肪は気づきにくいうえに、死に至るほど危険な状態を招きかねない重大な状況です。
内臓脂肪が増えすぎると、動脈硬化を引き起こし心臓病や脳卒中などの死亡率の高い病気につながります。
体重や見た目ばかりに気を使うのではなく、定期的に体脂肪率を測定し、記録して、あらゆる病気のリスクを減らせるように注意しましょう。
少なすぎても危険
体脂肪率は低ければよいということではありません。
体脂肪が少なすぎることも危険な状態を招きます。
体脂肪の働きを先ほど考えましたが、体脂肪があまりにも少なすぎるとエネルギーを作り出すことが出来ません。
そのため脂肪を分解してエネルギーを生み出さなければならなくなり、筋力の低下や体温の低下、基礎代謝の低下などにつながります。
また、体脂肪はタンパク質の節約をしてくれているものです。
タンパク質は臓器や血液、皮膚や免疫など体にとってい欠かせないものを構成しています。
このたんぱく質が減少すると免疫力が低下し病気になりやすくなります。
体脂肪が少なすぎるとタンパク質を維持することが出来なくなり、タンパク質は無駄に消費されていきます。
この体脂肪とタンパク質の関係を理解しておくことは非常に大切です。
脂肪が多ければいいということではありませんが、脂肪が少なすぎる人より脂肪がある程度ついている方が病気にかかりにくいことにはこのような理由があったのです。
男性の体脂肪率の平均を知ろう!
日本男性は、いったいどれほどの体脂肪率なのでしょうか。平均ですから、標準体型であるという訳ではありません。
ですが、どのような体型の人が多く、年齢によって体脂肪率がどのように変わっていくのかを知ることは、自分の体脂肪率を吟味するよい機会となることでしょう。
痩せ | 標準- | 標準+ | 軽肥満 | 肥満 | |
~14歳 | ~6% | 7~15% | 16~24% | 25~29% | 30%~ |
15~17歳 | ~7% | 8~15% | 16~23% | 24~27% | 28%~ |
18~39歳 | ~10% | 11~16% | 17~21% | 22~26% | 27%~ |
40~59歳 | ~11% | 12~17% | 18~22% | 23~27% | 28%~ |
60歳 | ~13% | 14~19% | 20~24% | 25~29% | 30%~ |
男性の平均体脂肪率をご覧になっていかがでしたか?
年齢を重ねれば重ねるほど体脂肪率は上がる傾向にあります。
これには食事の量は変わらずとも、運動量が少なくなり加齢によって基礎代謝が低下するため、どうしても脂肪がつきやすくなるのです。
理想の体脂肪率は細マッチョ体型!標準・平均よりもさらに低め
体脂肪率は平均的な数値を維持していればそれほど健康に悪影響を与えることはありません。
しかし、それ以上になり体脂肪率が高い状況が続くと健康的にも見た目的にもよくありませんね。
それでは体脂肪率はどれほどを理想値とすればよいのでしょうか。
体脂肪率をダイエットの目標とする時の考え方についても知っておきましょう。
男性の理想的な体脂肪率は11~15%です。
これくらいの体脂肪率であれば、筋肉がうっすら見える程度で一般的にかっこいい、理想的な細マッチョ体型であるといえますね。
体脂肪率が低くなり筋肉率が上がれば、それだけ引き締まった体型になれるということですから、理想的な体脂肪率になるには運動が不可欠です。
有名なアスリートたちの体脂肪率は大体10%をきっています。
ですから、筋肉質で運動選手ともなれば、スリムな体型を維持するために体脂肪をコントロールしている、その努力の大きさがうかがえしれますね。
ちなみに有名な力士の一人は体脂肪率が29%です。
体脂肪率が29%以上になれば力士よりも肥満であるということを覚えておいてくださいね。
きっとすぐに痩せたい!という気持ちになることでしょう。
体脂肪率の計算式をご紹介!
体脂肪率はどのように計算するのでしょうか?
体重計や体組成計で測ればすぐにわかることですが、自分で計算してみるのもいいですね。
果たして計算機で計算できるようなものなのでしょうか。
体脂肪率(%)÷体脂肪の重さ(kg)÷体重(kg)×100
これが体脂肪率を求める方法です。
しかし、自分の体脂肪の重さは自分で求めるのが不可能に近いですね。
つまり自力で体脂肪率を計算することは難しいのです。
体重計や体組成計のお世話になりましょう。
体脂肪率を平均・標準・理想値に近づけるダイエットをしよう!
標準体重に近づけるためにダイエットを行う方法はもちろん正しいことです。
しかし、標準体重になったところで体脂肪率が25パーセント以上であるなら、それは相変わらず肥満体型です。
ですから、体重よりも体脂肪率の面でも理想値、平均値を目指すようにしてください。
理想的な体脂肪とは先ほどもご紹介したように10パーセント台に乗る数字です。
筋肉質でもありながら細身な理想的な体型になるには、脂肪を減らし筋肉をつけることが必要なのです。
体重を落とす事だけで満足しないでくださいね。
体脂肪率が上がってしまう3つの生活習慣はコレ!
なぜ、体脂肪率がこんなにも高くなってしまったのか、なぜ下がらないのか…と言ったことでお悩みでしょうか。
あなたの生活習慣そのものが体脂肪率を上げている可能性があります。
これから体脂肪率が上がる原因をいくつか挙げるので、自分に当てはまる部分がないか見てみましょう。
夜遅くの食事
夜遅くの食事は不健康な習慣そのものです。
夜遅くに食べる、つまり睡眠前に食事をとることは睡眠の質を悪化させます。
そのため質の良い睡眠であれば多く分泌されるはずの成長ホルモンが妨げられ、脂肪の分解がうまくできません。
さらに夜にはあまり運動をしない為、消費カロリーはとても低くなります。
それなのに食事をとるということはその時間帯に食べたものはすべて消費されずに脂肪として蓄えられるということなのです。
こうした食事の時間帯を選んで食べている限り、体脂肪は下がらないでしょう。
早食い
早食いも体脂肪を増やす原因となります。
早食いすると血糖値が一気に上昇します。
血糖値が高いと糖分を分解して脂肪として蓄えようとする働きが普段よりも強く働きます。
そして食欲が抑制される時間までに食べ終えてしまうため、食べ過ぎを防止することが不可能なのです。
早食いできるものはどんぶり物が多いでしょう。
またパスタなど炭水化物は速く食べれるため、忙しいとついつい食べたくなりますが、体脂肪率のことを考えると控えたほうがいいですね。
飲酒
飲酒は体脂肪率を上げる習慣の一つです。
アルコールを摂取すると、脂肪を分解する働きを弱めて、脂肪を蓄積しようとする働きが強まります。その為体脂肪はどんどんたまっていくのです。
さらにお酒の中には糖分がたくさん含まれているものも多くあります。
糖分を摂取すると糖分を分解するときに脂肪がたまります。
脂質ではないからと安心していると知らず知らずのうちに体脂肪率を上げる習慣をしているかもしれません。
体脂肪率を下げる3つの方法!
体脂肪率が上がる習慣をやめる以外に、理想的な体脂肪率にするためにはどのようなことを心がければよいのでしょうか。
今の習慣から改善出来ることを一つづつ見ていきましょう。
基礎代謝アップ
まず、基礎代謝を上げましょう。
基礎代謝とは人間が生きていくうえで消費しているエネルギーのことです。
この基礎代謝は筋肉によって消費されています。
つまり筋肉が増えれば増えるほど基礎代謝は上がるのです。
代謝が良くなればエネルギーを必要とするため蓄積された脂肪が燃焼されやすくなります。
筋トレなど筋肉をつける運動を行って脂肪を燃焼しやすい体を作りましょう。
食事をバランスよく
食事バランスを整えましょう。
偏った食事をしていると体脂肪は付きやすくなります。
脂肪を燃焼するために働くビタミンやミネラルなどの栄養素もたっぷり補充するようにしましょう。
脂質や糖質ばかり取っていると体脂肪率は高くなります。
自分が食べるものがどちらに影響するのかをよく考えてくださいね。
有酸素運動
さらに、有酸素運動をすることは脂肪燃焼効果を高めます。
食事制限だけではなかなか脂肪を燃焼することまではできませんが、運動をすることで効率よく脂肪を無くしていくことが出来るでしょう。
まとめ
・体脂肪は高すぎても低すぎても病気になる可能性が高くなる。
・体脂肪の平均的な数値は年齢によって異なるが、理想的な体脂肪は11~15%程度。
・体脂肪は筋肉をつけて基礎代謝をアップさせ、有酸素運動や食事の改善をすることで落とすことができる。
体脂肪率の低さ高さは、健康に大きな影響を及ぼします。
体重は変わりなくても体脂肪率が変わると体型も変化します。
さらに気づきにくい内臓脂肪は怖い生活習慣病を誘発します。
こうしたことを覚えておいて、できるだけ体脂肪を平均値や標準値にとどめるためにできることをしましょう。
今の体脂肪率を測定して、平均値に近づけるために生活習慣を改善していきましょう。