「低GI値ダイエット」は食事を我慢しなくていい、ストレスフリーで健康的なダイエット方法として話題です。
今回はGI値の基礎知識、選ぶメリット3つ、GI値が低い食品一覧、低GI値ダイエット方法のポイント7つを紹介します。
GI値とは?
最近、低GI値食品という言葉よく耳にしませんか?
いったいGIとは何なのでしょうか?
このGI値というのは、食事をした後の血糖値の上がりやすさの指標です。
GI値を意識することで、血糖値の上昇が急激に起こらないように調整することが出来るのです。
美容や健康に気を配る人たちは既に、このGI値を念頭に入れた食生活を心がけているようです。
食品業界の中でもすでにキーワードとして商品が製造されるほどです。
ダイエットや美容、生活習慣病の予防効果にGI値が関係しているともいわれています。
この点は後程さらに詳しく取り上げます。
血糖値の上昇スピード
GI値が高いと吸収のスピードが速くなります。
その結果、血糖値の上昇が急激に早くなります。
その反対にGI値が低いと吸収のスピードは遅くなり、同時に血糖値の上昇も緩やかになります。
GI値の低い食品を食べることで血糖値の上昇が緩やかに行われると、腹持ちが良い状態になります。
長時間かけて栄養素を吸収していくからです。
その結果、必要以上に食べるということを防ぐことが出来ます。
これはダイエットに効果がありますよね。
インシュリンの分泌量
インシュリンの分泌量とGI値は深い関係にあります。
食事を摂った後に、体内で糖質が作られます。
その糖は体を動かすために必要なものです。
しかし、その糖があまりにも急激に大量生産されてしまうと、インシュリンというホルモンが働き始めます。
その結果、血糖値を下げようとする運動が始まり、脂肪が分解されなくなり、増えすぎた糖を脂肪として蓄積してしまうのです。
そのためGI値の高い食品を食べて血糖値が急上昇すると、肥満になりやすいのです。
GI値が低い食品を選ぶメリット3つ
GI値についていくつか考えてみましたが、低GI値食品を選ぶことによってどんなメリットが生まれるのでしょうか?
低GI値食品をすでに意識的に摂取しておられる方は、その効果を実感しておられることでしょう。
非常に喜ばしい効果が3種類あります。
GI値をコントロールすることによってこれほど良いことが起こるのです。
①ダイエット効果
まず一つ目のメリットは、ダイエット効果があるというものです。
GI値が低い食品は、血糖値の上昇スピードが非常にゆっくりとしています。
脂肪を生成する働きをするインシュリンが過剰に分泌されることを防ぐことができます。
そのため、肥満になりにくくなりますし、新たな脂肪を蓄積する心配もありません。
また、GI値が低い食品は、栄養素がゆっくりと吸収されていくので、すぐにお腹いっぱいになります。
また、腹持ちがいいので、カロリー過多、食べ過ぎを防ぐことができるでしょう。
②美容効果
2つ目のメリットは、美容効果です。
食事で過剰に糖を取ってしまうと、体内のタンパク質と結びついてしまいます。
このタンパク質と糖が結びつく「糖化」という現象が進むと「終末糖化産物」ができあがります。
これは肌のたるみを招くため、老けた印象を与えてしまいます。
肌のたるみを招くこうした現象を防ぐために、低GI値食品をお勧めいたします。
血糖値が急に上昇したり、血糖値が高い状態が続くとそれだけタンパク質と結びつきやすくなります。
そうではなく、低GI値食品を選ぶことによって、肌のたるみを予防することが出来るのです。
老化をできるだけ阻止するための美容対策として、低GI値食品を使用することが出来ます。
③生活習慣病予防
低GI値食品を選ぶようにすれば、生活習慣病を予防することが出来ます。
なぜなら生活習慣病にインシュリンの働きが大きくかかわっているからです。
例えば、糖尿病は肥満や運動不足、暴飲暴食、ストレスなどの悪い生活習慣が原因で、インシュリンの分泌が足りなくなることによって起こります。
糖分を過剰に摂る生活をしていると、常に血糖値が上昇している状態です。
ですからインシュリンも常に分泌されていることになり、必要なときに足りなくなる状況が生じてしまうのです。
低GI値食品で、食べ過ぎを防ぎ、インスリン過剰分泌を防ぐことによって、生活習慣病も予防できるのです。
GI値ダイエットとは?
このGI値を利用したダイエットが「GI値ダイエット」と呼ばれているものです。
ダイエットといえば、カロリーカットが主流となっていますが、最近では体に負担をかけることなく健康的にダイエットできる方法として、GI値が注目されています。
血糖値を上げやすい食べ物は控えて、低GI値食品を積極的に食べるダイエットです。
低GI値の食品を選ぶことによって、食事の際のインスリン分泌量を抑えることが出来ます。
そうすれば、余計な脂肪が蓄積されるのを防ぎます。
GI値が低い食品一覧
GI値が低い食品にはどのようなものがあるのでしょうか?
種類ごとに一覧にしてみましたので、参考になさってください。
①穀物・パン・麺類
食品 | GI値 |
おかゆ | 57 |
玄米 | 55 |
ライムギパン | 55 |
オートミール | 55 |
そば | 54 |
中華麺 | 50 |
麦 | 50 |
全粒粉パン | 50 |
パスタ(全粒粉) | 50 |
おかゆ(玄米) | 47 |
春雨 | 32 |
②野菜・イモ類
食品 | GI値 |
さつまいも | 55 |
れんこん | 38 |
松茸 | 29 |
えのき | 29 |
エリンギ | 28 |
しいたけ | 28 |
長ネギ | 28 |
しめじ | 27 |
なめこ | 26 |
くらげ | 26 |
キャベツ | 26 |
ピーマン | 26 |
③肉・魚介類
食品 | GI値 |
ちくわ | 55 |
かまぼこ | 51 |
焼き豚 | 51 |
ツナ缶 | 50 |
ベーコン | 49 |
サラミ | 48 |
つみれ | 47 |
ハム | 46 |
牛肉 | 46 |
豚肉 | 46 |
ソーセージ | 46 |
④乳製品・卵
食品 | GI値 |
クリームチーズ | 39 |
ドリンクヨーグルト | 33 |
マーガリン | 33 |
スキムミルク | 31 |
バター | 30 |
卵 | 30 |
低脂肪乳 | 30 |
牛乳 | 25 |
プレーンヨーグルト | 25 |
⑤豆・海藻類
食品 | GI値 |
カシューナッツ | 29 |
アーモンド | 25 |
豆乳 | 23 |
ピスタチオ | 23 |
ピーナッツ | 20 |
ひじき | 19 |
昆布 | 17 |
あおのり | 16 |
寒天 | 12 |
もずく | 12 |
⑥果物
食品 | GI値 |
キウイ | 35 |
ブルーベリー | 34 |
プルーン | 34 |
レモン | 34 |
梨 | 32 |
おれんじ | 31 |
グレープフルーツ | 31 |
パパイヤ | 30 |
あんず | 29 |
苺 | 29 |
アボガド | 27 |
⑦酒・飲料水
食品 | GI値 |
ワイン | 40 |
カフェオレ | 39 |
サワー | 38 |
日本酒 | 35 |
コーヒー(ミルク入り) | 35 |
ビール | 34 |
ヨーグルトドリンク | 33 |
ブラックコーヒー | 16 |
ストレートティー | 10 |
緑茶 | 10 |
GI値ダイエットと糖質制限の違い
低GI値ダイエットと糖質制限は同じでしょうか?
メカニズムを知ると、どちらも糖が関係しているから一緒じゃないか、と勘違いしてしまう人もいます。
しかし、低GI値ダイエットはインシュリンの分泌を抑えることを目的としたダイエットです。
反対に糖質制限ダイエットは、食事を完全に制限する必要があります。
糖質が含まれていてもGI値が低い食品はたくさんあります。
低GI値ダイエットの場合は食べることが出来ますが、糖質制限ダイエットの場合は制限しなければなりません。
糖質制限よりも、低GI値ダイエットの方が緩いと言えるでしょう。
糖質制限は厳しい、もっと簡単にストレスをためずにダイエットをしたい!という方には、低GI値ダイエットがお勧めです。
GI値ダイエット方法のポイント7つ
低GI値食品を賢く選ぶことによって、インシュリンの分泌を抑えてダイエットにつなげることが出来るのです。
しかし、低GI値ダイエットを行う際の注意するべきポイントもいくつかあります。
がむしゃらに低GI値食品だから!と考えて食べていてはダイエットにならないのです。
では、どうすれば正しい低GI値ダイエットをすることが出来るのでしょうか?
7つのポイントを押さえておくことをお勧めいたします。
①特徴を知る
まず一つ目のポイントは、特徴を知る、というものです。
GI値はその食品単品であるときは変わりありませんが、他の食品と組み合わせたり、調味料を使用することで変わってくることがあります。
ですから、低GI値食品だ!と思って食べていたものが調理方法次第で実は、血糖値が急上昇していた、ということもあるのです。
ですから、その食品一つ一つの特徴を知ることをお勧めいたします。
例えば、食物繊維が豊富な食品を組み合わせれば、血糖値の上昇を抑えることが出来ます。
お酢、納豆、乳製品なども組み合わせることで、GI値ダイエットの効率を上げることが出来るでしょう。
組み合わせ次第でGI値が高い食品でもストレスなく食べることが出来るのです。
②食べ過ぎはNG
2番目のポイントは食べ過ぎないということです。
いくらカロリーは気にしなくてもよい、と言っても、カロリーオーバーしている食事を毎日とっていたら痩せることは不可能です。
低GI値の食品を食べていれば必ず痩せる、なんてことはありえません。
低GI値食品は痩せられる食品ではありません。
太りにくくするため、血糖値を急上昇させないため、低GI値食品を選んでいるということ忘れないようにしましょう。
がっつり食べると摂取カロリーが増えてしまいます。
摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、ダイエットの基本が出来ていないということになるのです。
③よく噛む
3つ目のポイントは、よく噛んで食べるということです。
すでに低GI値食品なので血糖値は上がりにくいのですが、よく噛んで食べることで、さらに血糖値の上昇を緩やかにすることが出来ます。
吸収するスピードも緩やかになるため、満腹感を早い段階で感じることが出来るでしょう。
ですから、食べ過ぎを防ぐことが出来、ダイエットに効果的です。
また、よく噛むことで消化を助けることが出来ます。
胃腸への負担を極力かけないことも、ダイエットでは大切なことです。
食べるときはできるだけゆっくり、を心がけるようにしましょう。
④3食しっかり食べる
ダイエットでは、食事制限が最も効果的な方法であると考えられています。
しかし、制限できるだけすれば痩せられるというものでもありません。
もちろん体重は落ちるでしょうが、その後にリバウンドすることが目に見えています。
3食しっかり食べるようにしましょう。
1日3食しっかり食べることで血糖値の上昇を緩やかにする効果があるのです。
そうすることで低GI値ダイエットの効率を高めることが出来ます。
また基礎代謝が向上し、太りにくくなるというデータもあります。
仕事の関係で食事を1食抜く習慣のある方は是非改めてください。
朝食を摂る人は、仕事のパフォーマンスも向上しますし、体温を上げて血行を促進することにもつながりますからね。
⑤食べる順番を意識する
低Gi値ダイエットをするのであれば、食事の仕方も変えていきましょう。
食べる順番を意識することが必要です。
血糖値の上昇を緩やかにするために、まずは野菜から食べ始めましょう。
食物繊維を一番初めに摂取するよう勧められているからです。
その次にタンパク質を食べ、最後に炭水化物を食べましょう。
タンパク質は最も血糖値を上げにくい栄養素ですから、低GI値ダイエット中はタンパク質中心の食事を用意すると良いかもしれません。
カロリーオーバーが気になるときは、脂肪が出来るだけ少ないモモ肉やひれ肉がおすすめです。
タンパク質としておすすめな食材は大豆製品です。
納豆や豆腐、豆乳や油揚げ、黄な粉などを食べるようにしましょう。
⑥飲み物も油断大敵
食べ物だけがGI値が定められているわけではありません。
飲み物の種類によっては血糖値を急上昇させるものも、反対に、血糖値の上昇を抑える効果を持つものもあります。
ですから、できるだけ飲み物も注意して選ぶようにしましょう。
緑茶やカフェインは特に、血糖値の上昇を抑える効果があるといわれています。
カフェインが気になる方はノンカフェインのお茶やトマトジュースがおすすめです。
カフェインが含まれているかいないかチェックしておきましょう。
反対に糖分がたくさん含まれている清涼飲料水を避けるようにしましょう。
特に甘味料として使用されている「加糖ブドウ糖液」は吸収率が高いため、血糖値が急上昇してしまいます。
⑦運動の習慣をつけよう
ただ食べない、食べるのダイエットでは健康的な体を手に入れることはできません。
食後に血糖値が急上昇することを抑えるためには、運動を食後に行うと良いという情報もあります。
例えば、ウォーキング・ランニング・水泳・自転車などの有酸素運動が良いでしょう。
しかし、消化中の運動は消化を妨げてしまいます。
食後最低でも1時間たってから行うようにしましょう。
運動をすることで筋肉をつけて基礎代謝を上げることが出来るため。ダイエットの効果をさらに高めることが出来るでしょう。
まとめ
・GI値の低い食品は血糖値の上昇が緩やかなので腹持ちが良い状態が続く。
・低GI値の食品は食事の際のインスリン分泌量を抑えることが出来るのでダイエット効果がある。
GI値の低い食品をたくさん紹介いたしました。
この中から毎日選び、調味料や組み合わせに注意しながら食事をすれば、低GI値ダイエットを行うことが出来るでしょう。
食べられないストレスがないため、エネルギーが必要な仕事をしている男性におすすめのダイエットとなっています。
GI値が低い食品を積極的に取り入れていきましょう。
将来の生活習慣病の予防もしながら引き締まった体を手に入れられますよ!