肩の筋肉を強化することで、立体的な逆三角形の男らしい上半身に近づくことができます。
今回は肩の筋肉について、4種類の筋肉の位置と役割、筋トレ時の注意点とメリット、おススメの筋トレ9選とやり方のコツをまとめました。
肩周りの筋肉とは?
肩の筋トレをしようと思うのであれば、肩にどのような筋肉が備わっているのかを最低限知っておく必要があります。
肩には4種類の筋肉が存在しています。
・三角筋前部
・三角筋中部
・三角筋後部
・僧帽筋
これらの4つの筋肉それぞれの働きによって、肩は動かすことができています。
腕を上に上げた時には三角筋の前部を見ることが出来ます。
三角筋中部は肩のサイド、盛り上がった部分を指しています。
物を引っ張るときに必要な筋肉が三角筋後部に位置している筋肉です。
そして最後に僧帽筋があり、これは首に沿って肩に広がっている筋肉です。
肩の筋肉はどこについていて、どのよう動きをする時に使われるのか、といった基本的な知識があれば、筋トレもはかどりますし効果も上がりますよ。
肩の筋トレをする時の注意点2つ!
肩の筋肉を鍛えることで男らしい首回り、肩周り、背中を手に入れることが出来ます。
しかしやみくもに筋トレをすればよい、という考えははっきり言って間違っています。
肩の筋トレを行うときはどのような点を注意すればよいのでしょうか?
①鍛え過ぎはNG
肩の筋肉は鍛え過ぎるとマイナスの効果も生まれてしまいます。
それは、腕を持ち上げにくくなるというマイナス効果です。
肩の筋肉を鍛えるともちろん筋力は強くなります。
肩の筋肉は肩の関節に覆いかぶさるようについているため、その筋肉が肥大していくと関節の動きを妨げてしまうことになるのです。
筋肉をつけたばっかりに腕の柔軟性が低下してしまった…という結果にならないように、肩の筋肉を鍛えるときはやり過ぎないようにしましょう。
もちろん鍛えること自体が悪いことではありません。
どれほどの負荷でどのようなトレーニングを行うのが自分にとって最適なのかを見極めるようにしましょう。
②インナーマッスルとのバランス
肩の関節を覆っている筋肉が肥大していくと、肩周りが筋肉によって締め付けられている状態になります。
筋肉がついて守られている状態は非常に良いことです。
肩の場合は脱臼などの障害を予防することが出来るでしょう。
しかし、外側ばかり強くなっても中身が弱ければ少し窮屈な肩になってしまいます。
肩を鍛えるときは外の筋肉だけではなく、インナーマッスルを強化する必要もあるでしょう。
骨と骨の間に筋肉が挟まれて痛みを生じる「インピンジメント症候群」にならないためにも、外側と内側の筋肉のバランスを保つよう注意してください。
肩の筋肉を鍛えるメリット5つ!
肩周りの筋肉を鍛えるために、多くの筋肉トレーニング方法が発案されています。
最近では腹筋よりも肩に筋肉をつけたい、男らしい方になりたい、華奢な肩から抜け出したい、そんな願いを持って筋トレに励んでいる男性もおられるようです。
では、肩周りの筋肉をつけることで、どんな良いことがあるというのでしょうか。
ただ筋肉がついて見栄えが良いというだけではなく、肩の筋肉をつけるメリットについてお話したいと思います。
①肩幅を広くする
男性にとって、肩幅は見た目の良しあしを大きく左右してしまう部位であるといえます。
この肩幅を大きくするためには、肩を鍛えるしか方法はありません。
肩の筋肉を鍛えて、筋肉が太く大きくなることによって、肩周りが広がり、肩幅を広くすることが出来るのです。
②逆三角形の体型を強調できる
男性が筋トレをしていて目指しているのは、逆三角形の体型ではないでしょうか。
胸の筋肉が盛り上がり、腹筋が6つに割れている。
それだけではありません。背中の大きな筋肉が広がり肩周りの筋肉も肥大している。
この状態ではじめて、どこから見ても逆三角形の体型となるのです。
見せたい部分だけ筋トレをしていても肩に筋肉がなければ寸胴に見られたり、マッチョとは見てもらえなかったりする場合があります。
肩の筋肉を発達させておくことで、より美しく自分を見せることが出来るようになるはずです。
③丸みのある肩になる
肉体美といわれるもの中に「丸みを帯びた肩」というものがあります。
筋肉が発達するとその一つ一つが丸みを帯びてきます。
つまり、肩の筋肉を鍛えることで肩に丸みを帯びさせることが出来るのです。
その結果、腕の筋肉や胸の筋肉を強調させることが出来ますので、肩の筋肉をつけることは非常におすすめです。
④スポーツ能力の向上
肩の筋肉は、なかなか鍛える対象とされることがありませんが、実際は肩の筋肉は非常に頻繁に使われています。
特に腕を動かすことのあるスポーツでは、肩の筋肉がどれほどあるかによってスポーツ能力も変わってくることでしょう。
自分の行っているスポーツはどこの筋肉を主に用いているのかを考えてみると良いかもしれませんね。
肩を鍛えることであらゆる動きがスムーズになったり、パワーアップできるかもしれません。
⑤肩の怪我が減る
肩を鍛えることによって、怪我を減らし肩こりを解消することが出来ます。
肩こりが起こる原因は血液の循環が滞り老廃物が排出できないことです。
肩に筋肉をつけると自然と血行が良くなりリンパの流れも良くなります。
むくみが起きにくくなります。
さらに、筋肉によって骨や関節が守られるので肩の怪我をすることも少なくなるでしょう。
骨折や脱臼といった、日常生活に支障をきたしてしまう恐ろしい障害とは無縁になれます。
肩の筋トレ9選
肩の筋トレをすれば様々なメリットが生まれることを知ることが出来ました。
今すぐにでも肩周りの筋肉を鍛えたい!と思われたことでしょう。
この記事では基本的な肩の筋トレを9つご紹介します。
自分の家でできるものもたくさんありますので、ぜひ日ごろの筋トレメニューに加えてくださいね。
①パイクプレス
①四つん這い状態になる
②両足と両手で体を支える
③膝を床につけないようにし、お尻を高く突き上げる
④足と手の幅を挟める
⑤体を斜め前に倒す
⑥①~⑤を10回繰り返す
1分間の休憩を取り、2セット行う
パイクプレスは10回×3セット行うことをお勧めします。
一つ一つの動作を念入りにゆっくり行いましょう。
また、背中を丸めたり、呼吸を止めたりするやり方は正しくありません。
パイクプレスを行っている間は、肘を外に広げないように意識しましょう。
肩の筋肉を刺激するためです。
さらにお尻からつま先までを1直線に保つことにより効果を上げることが出来ます。
②ショルダープレス
①ベンチに座る
②両手にダンベルを持ち、耳のあたりに持つ
③肘が伸び切るまでダンベルを持ち上げて静止する
④その後ゆっくりと元に戻す
①~④を10回繰り返す
1分間休憩し、残り2セット行う
ショルダープレスは10回×3セットがおすすめです。
ショルダープレスを行うときのウエイトの大きさは自分の力に合わせたものを使うようにしましょう。
思わぬ怪我に至る可能性があるからです。
また、ダンベルの持ち上げをするときに手首に力を入れ過ぎると上腕筋が鍛えられてしまいます。
肩の筋肉の収縮を意識して呼吸をしっかりしながら持ち上げたりおろしたりの動作をゆっくりと行いましょう。
③スナッチ
①肩幅に足を開く
②バーベルのバーの部分が足の甲に位置するように置く
③肩幅より広く両手の幅を取り、純手でバーを握る
④ひざを曲げていき、お尻も下げる
⑤バーを足に近づけたまま引き上げる
⑥脛の真ん中から膝のあたりにきたら、一気に肩を上方に動かしてバーを引き上げる
⑦バーが太ももを通過するタイミングで膝を曲げる
⑧バーベルの下に体が来るようにする
⑨腕をまっすぐに固めてバーをつかむ
⑩膝をゆっくり伸ばしていく
バーベルスナッチは肩の柔軟性を求める方の筋トレ種目です。
バーの最終位置は耳の後ろになるようにします。
動きが複雑なトレーニングであるため初級者にはあまり向いていないといえるでしょう。
はじめはインストラクターと一緒に行うと良いかもしれません。
④サイドレイズ
①両手にダンベルを持つ
②肘を軽く曲げて、足は肩幅に開く
③上半身を前傾姿勢にする
④肘を曲げたままゆっくりと上に持ちあげる
⑤肩と同じくらいの高さまで持ち上げて静止する
⑥重さに耐えながらゆっくりと元に戻す
①~⑥を15回繰り返す。
1分間休憩し、残り2セット行う
サイドレイズ15回×3セット行うことがおすすめです。
インターバルを挟むことで肩の筋肉への刺激を最大限引き上げることが出来ます。
この筋トレを行うときも背中を丸めないようにすること、呼吸を止めないことなどは重要なポイントです。
ダンベルを下ろすときも緊張を解かずにゆっくりと下すようにしましょう。
⑤ベントオーバーラテラルレイズ
①膝を少し曲げて上体を前方へ倒す
②両手にダンベルを持つ
③体の真下にダンベルを持ち、背筋を伸ばして胸を張る
④姿勢を維持して、両手を真横に広げながらダンベルを持ち上げる
⑤ゆっくりと元に戻す
⑥10回×3セット
ベントオーバーラテラルレイズは息を止めて行うという珍しい筋トレです。
そうしなければ体幹がぶれてしまい、肩の筋肉に刺激を与えにくくなるからです。
肩甲骨を寄せるのではなく胸を開くことによって、三角筋の後部を集中的に鍛えることが出来ます。
⑥シュラッグ
①足を肩幅に開く
②肩幅分でダンベルかバーベルをぶら下げるように持つ
③呼吸をしながら肩で持ち上げる
④上げるときは速く持ち上げる
⑤下ろすときはゆっくりと下す
①~⑤を10回繰り返す
1分間休憩し、2セット行う
シュラッグを行うときはやや斜め後ろに肩を持ち上げているかのような要領でバーベルやダンベルを扱ってみましょう。
真上にしてしまうと肩を痛めてしまう可能性があります。
肩甲骨を合わせているイメージで肩の筋肉を動かします。
⑦ランジショルダープレス
①右手でダンベルを持つ
②左足を前に出す
③ダンベルを頭上に持ち上げる
④5秒静止し、ダンベルを肩の位置に戻す
8~12回左右それぞれ行う
脚をしっかり固定し、体のバランスを維持したまま①~④をこなせるようになりましょう。
⑧プッシュプレス
①肩幅よりも少し狭い幅でバーベルを握る
②ラックポジションに握ったバーを固定する
③胸を垂直に保ちながらハーフスクワットの姿勢にする
④かかとで押すように勢いをつけて膝をのばし立ち上がり、バーベルを頭上に押し上げる
⑤膝をのばし切るまでバーベルを上げる
⑥速過ぎずゆっくり過ぎないスピードでストンとバーベルを下げる
10回×3セット行う
プッシュアップは主に肩の筋肉を鍛えながらも全身の筋肉を刺激することのできる筋トレ種目です。
バーベルを持ち上げるときには爆発的な力を用いるようにすることで、より効果的なトレーニングを行うことが出来ます。
肩の筋トレのコツ4つ!
肩の筋肉をきれいにつけて、肩周りの筋肉があるからこそのメリットをすべて実感するためには、正しいやり方を習得する必要があります。
筋トレを行うときのコツをいくつかご紹介しましょう。
①均等に!
肩周りには4つの筋肉があることをご紹介しましたね。
それぞれを均等にトレーニングしていきましょう。
もちろんすべてが同じように働いているわけではありませんからトレーニング種目も変わってきます。
しかし、ベンチプレスだけ、などど一つの種目のみを偏って行ってしまうと、これまた偏った筋肉になってしまうのです。
一部だけ付いた筋肉というのは外から見るととても不格好です。
また、関節を支えている、肩の細かい筋肉たちが悲鳴を上げ始める可能性も考えられます。
②フリーからマシンに
もし、肩の筋トレを行うときに、フリーウエイトとマシンを使い分けて同じトレーニングを行っているのであれば、一つの流れの中で、フリーウエイト→マシンの順番で組み込むとより効果的です。
マシンを使わなければ、体を安定させるために自分の力を用いなくてはなりません。
その為鍛えたい筋肉だけではなく、周りの細かい筋肉も鍛えられることになります。
疲労がたまっていない、まだ元気な段階でフリーウエイトで筋肉を鍛えることにより、肩周りの筋肉の肥大を促すことが出来るでしょう。
③アイソレーション
肩の筋肉を鍛えるための筋トレトレーニングを行った後に、個々の関節を鍛えるためのアイソレーションを行うことが出来ます。
そうすることで肩の筋肉一つ一つを集中して鍛えることが出来るでしょう。
アイソレーション種目では、一つの関節動作を行うことによって、その関節周辺の筋肉のみを刺激し鍛えることが出来ます。
④肘をのばさない
肩の筋トレを行うときに非常に重要なのは「肘をのばさない」ということです。
肘を完全に伸ばした状態でレイズ系種目を行ってしまうと、効果は半減してしまいます。
肘関節を動かしている肩以外の筋肉にも負荷が分散されてしまい、効率よく肩の筋肉を鍛えることができなくなってしまいます。
さらに、肘関節を使いすぎて関節を痛めてしまう恐れもないとは言えません。
安全な状態で効率よく肩の筋肉を鍛えていくためにも、筋トレトレーニング中の姿勢や肘の位置などは注意しましょう。
まとめ
・肩の筋トレをする場合は、鍛えすぎとインナーマッスルとのバランスに注意して行う。
・肩の筋トレをすることによってカッコいい体になる上に肩の怪我も減る。
肩の筋肉を鍛えることで、男らしいまるみのあるがっちりとした肩をゲットすることが出来ます。
自分の筋肉の度合いや生活スタイルに合わせたトレーニング方法を組み込んで、今よりもっとかっこいい肉体美を作り上げていきましょう。