効率的に筋肉をつけることができると評判の「加圧トレーニング」には多くの効果がある反面、危険性も指摘されています。
今回は加圧トレーニングのメリット3つと効果5つ、危険性やデメリット、安全に行う方法を紹介します。
加圧トレーニングとは?
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加圧トレーニング正しい方法を知るためには、まず「加圧トレーニングとは何なのか?」という事を知る必要があるでしょう。
もしかしたら、名前を聞いたことしかないという方もいるかもしれません。
ですから、最初に加圧トレーニングの基礎知識を紹介をしていきます。
加圧トレーニングというのは、「血液の流れを制限して行うトレーニング」になります。
どういうことか?というと、例えば腕のトレーニングを行うとします。
その際に、「加圧器具」と呼ばれるものを使用し、腕を圧迫して血液の流れを制限した状態でトレーニングを行うのです。
つまり、トレーニングを行いたい部分に圧を加えてトレーニングを行うので、加圧トレーニングという事になります。
筋肉に勘違いを起こさせるトレーニング方法
血液の流れを制限するという事は、血液が通常よりも流れが悪くなるという事ですね。
血液の働きには、体中に酸素を運ぶという役割もあります。
という事は、血液の流れを制限されると、酸素の供給も制限されるという事になるのです。
つまり、加圧されている部分は通常よりも酸素が不足している状態になります。
すると、筋肉は「酸素が少ない!筋肉に大きな負荷がかかっている!」と勘違いを起こします。
通常よりも軽い負荷でトレーニングをしても筋肉を鍛えることができるのです。
加圧トレーニングのメリット3つ!
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加圧トレーニングがどのようなものかがわかったかと思います。
では、加圧トレーニングを行うメリットを紹介しましょう。
高重量による怪我の防止!
先ほども紹介しましたように、加圧トレーニングを行うことで、通常よりも軽い負荷でも筋肉に大きな負荷をかけることができます。
つまり、限界ギリギリの高重量でのトレーニングを行わなくても、筋肉を鍛えることができるという事です。
高重量を扱わなくてもいいという事は、怪我の防止につながるという事が言えるでしょう。
なぜ怪我の防止になるのか?
それは、高重量トレーニングというものは、筋肉に大きな負担がかかるのは当然のこと、関節などにも大きな負担がかかっているからなのです。
身体を鍛えるはずのトレーニングによって、肩や腰そして肘などを痛めてしまう人も少なくありません。
痛めたり怪我をする原因に、正しいフォームでできていないという事もありますが、高重量によって怪我をしてしまうことも多いのです。
軽い重量で行う事によって、怪我の危険性が低くなるという事がいえるでしょう。
例えばフォームが少し悪くても、軽い重量であれば関節などにかかる負担は少なくて済みます。
すると、高重量では痛めてしまっていたかもしれないものも、何とか痛めることなく出来てしまうという事もあるでしょう。
これはあくまでも例えですので、重量が軽くても正しいフォームで行う事を心掛けましょう。
筋トレの効果が出るのが早い!
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加圧トレーニングを行う事で、通常の筋トレよりも素早く筋肉に効かせることができると言われています。
筋トレを行って、パンプアップするまでの時間も短時間で済むという事です。
なぜ短時間で効果が出てくるのか?
それは加圧によって血液の流れを制限することにより、乳酸が溜まりやすくなります。
すると、成長ホルモンなどの筋肉を成長させるために必要なホルモンが多く分泌されることになるのです。
最初に「加圧トレーニングは筋肉を勘違いさせる筋トレ方法」という紹介をしました。
この「乳酸が溜まりやすくなる」というのが、筋肉が勘違いを起こす原因となるわけです。
勘違いを起こさせることで乳酸が早く溜まり、筋肉に必要なホルモンが早く分泌され、その結果筋トレの効果が早く現れるという事になります。
血液の流れが良くなる!
加圧トレーニングは、簡単に言ってしまえば血液の流れを止めているようなものです。
血液というものは常に流れ続けています。
心臓がポンプの役割を果たしており、体中に血液は流され運ばれているのです。
つま先から頭のてっぺんまで、体の隅々まで血液が運ばれていると言えます。
そんな血液ですので、加圧によって血液の流れを制限したからといって、血液の流れが止まるわけではありません。
加圧によって、一時的に制限されているだけですので、加圧を解けばまた再び血液は流れ出します。
普段流れている血液の流れよりも勢いよく流れていくことでしょう。
例えるなら「川の流れと同じ」という事が言えます。
川をせき止めると、流れるときにせき止めていた分、解放すると勢いよく水が流れていくことがわかるかと思います。
この原理と同じように、血液もせき止めていた分勢いよく流れ出すと言えるのです。
この勢いのある流れが血管の先、つまり毛細血管まで届き、肩こりなどにも効果的だと言われています。
肩こりの原因は血行不良とも言われていますので、血液の流れが良くなれば改善されるかもしれません。
加圧トレーニングによる素晴らしい効果5つ!
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加圧トレーニングを行う事で、先ほども紹介したようなメリットを得ることができます。
そしてさらには、素晴らしい効果を得ることもできるのです。
この素晴らしい加圧トレーニングの効果5つを紹介していきましょう。
筋力アップ効果
トレーニングを行うことで得られる効果で、「筋力アップ」は外せません。
というより、筋力アップがなければ筋トレをしている意味がありませんね。
しかし、ここで言う筋力アップ効果は、ただの筋トレの筋力アップとは違います。
加圧トレーニングを行うことによるさらなる筋力アップ効果が見込めます。
筋トレというのは、長く続けなくてはいけません。
一日二日筋トレを行ったからといってすぐに筋肉が付くわけではありませんね。
とすると、継続をしていくという事が非常に大切になってくることでしょう。
回復力アップ効果
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加圧トレーニングを行う事によって、「回復力がアップする」という事がいわれています。
回復力がアップするという事は単に疲れがとれるとかいう事ではありません。
もちろん、回復力がアップするので疲れなどの回復も早くなることでしょう。
それ以外に、「怪我の治りが早くなる」という事が言えるのです。
例えば、骨折や肉離れなどのけがをしてしまった時に、加圧トレーニングを行う事で怪我の治りが早くなるという事が言えます。
なぜ加圧トレーニングによって回復力がアップし、怪我の治りが早くなるのか?と思いますよね。
それは、加圧トレーニングを行う事によって分泌される、とあるホルモンが関係しているようです。
そのホルモンはというと、「成長ホルモン」になります。
加圧トレーニングを行う事によって成長ホルモンが大量に分泌されることになるのです。
すると、成長ホルモンの効果によって回復力がアップし、怪我の治りなどが早くなります。
これは研究の結果でも証明されているようです。
成長ホルモンの分泌が多くなることによって、人間の体の修復が早まり、怪我などの体の不調の回復が早くなると言えます。
ダイエット効果
加圧トレーニングには、「ダイエット効果」というものも期待できます。
トレーニングを行うわけですから、要するに運動を行っているわけです。
運動をするという事は、当然ダイエット効果があるという事になります。
だから加圧トレーニングにはダイエット効果がある!という事を言っているわけではありません。
加圧トレーニングを行う事によって、先ほど紹介した「成長ホルモン」が分泌されます。
これがダイエットにも効果があるのです。
成長ホルモンが多く分泌されると、太りにくい体になると言われています。
「ダイエット」と聞くと、単に体重を落とすことだけをイメージしがちですが、太りにくい体作りというのも立派なダイエットの一つになるという事です。
太りにくい体を作ることで、ダイエット効果が高くなります。
太りやすい体のままダイエットを行ったとしても、体重を落とすことは頑張ればできるでしょう。
しかし、リバウンドによって元に戻るか、元以上に太ってしまうことは目に見えています。
ですが、太りにくい体を作ることでリバウンドの危険性が低くなるのです。
成長ホルモンの分泌以外にも、筋肉がつきますので、筋肉がつくことによって代謝が良くなり、太りにくく痩せやすい体作りができるという事もあります。
血行促進効果
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加圧トレーニングのメリットでも紹介しましたが、「血液の流れが良くなる」という事がありましたね。
血液の流れが良くなるという事は「血行促進効果」があるという事になります。
似たような説明になりますが、加圧トレーニングは加圧によって血液の流れを制限します。
そして、トレーニングが終われば加圧を解き、血液が流れるようにします。
これを「除圧」というのですが、加圧と除圧を繰り返すことによって、血液の流れで血管に力が加わるのです。
すると、血管の弾力性が「蘇る」という結果を得ることができるようです。
血管の弾力性は、年齢とともに失われていくものになります。
血管の弾力性が失われていくとどうなるのか?というと、新陳代謝や血行が悪くなります。
これが、冷え性や肩こりといった原因になってくるのです。
ですから、加圧と除圧の繰り返しによって血管の弾力を取り戻すことで、血行促進させ、冷え性・肩こりの解消が可能となります。
美容効果
加圧トレーニングを行う事によって大量に分泌される「成長ホルモン」ですが、どのくらいの量が分泌されているのでしょうか?
実は、通常のトレーニングの「約290倍」もの成長ホルモンが分泌されているという事がいわれています。
これほどまで多くの成長ホルモンが分泌されていますので、先ほど紹介した回復力アップ効果というものがある事はうなずけますね。
また、成長ホルモンには太りにくい体を作るのにも有効だと紹介しました。
しかし、これだけではありません。
なんと、肌の張りやツヤも取り戻す効果があると言われているのです。
つまり、加圧トレーニングを行う事によって大量の成長ホルモンを出すという事は、「美容効果」があるという事になります。
加圧トレーニングは危険もある!デメリット2つ
出典:http://kintorecamp.com/muscle-fatigue-recovery-prevention/
ここまで非常に多くの、「加圧トレーニングによるメリット・効果」というものを紹介してきました。
これだけを見てしまうと、「加圧トレーニングは良いことづくめで悪いことがない!」と思ってしまうことでしょう。
確かに良いことが多いのですが、その反面デメリットがあるのも事実です。
デメリットを知らずに加圧トレーニングを行うと、危険な目に会うこともあるでしょう。
ですので、加圧トレーニングのデメリットもしっかりと学んでおきましょう。
貧血状態になることも…。
加圧トレーニングは血液の流れを制限します。
これは再三にわたって紹介していますので、すでにお分かりだと思いますが、人によっては血液の流れを制限することによって「貧血状態」に陥る可能性があるようです。
特に血管のポンプ作用が弱い方は注意が必要です。
血管のポンプ作用が弱い方というのは、血液を送り出す力が弱いという事になります。
ただでさえ血液を送り出す力が弱いうえに、そこでさらに血液の流れを制限すると、血液が流れなくなるのは想像つくでしょう。
貧血というのはその字のごとく、血が貧しくなること、つまり血液の流れが足りなくなるという事です。
貧血による転倒などで怪我をすることもあります。
貧血になるときは前兆があると思いますので、「ヤバい!」と思ったら中断するように気を付けましょう。
静脈血栓やしびれの恐れあり
血液というものはスムーズに体を流れていくことが自然で正常な状態です。
それを加圧トレーニングでは、血液の流れを制限してしまいますので、言ってみれば「不自然な状態・異常な状態」を作り出しているという事になります。
ですから、長時間この異常な状態を続けると当然、体に悪影響も出てくることになります。
長時間でなくても、圧を過剰にかけ過ぎても悪影響です。
「静脈血栓やしびれ」といった症状が出てきてしまう恐れがあります。
過剰な圧をかけたり、無理して長時間の加圧トレーニングを行ったりという事にはくれぐれも気を付けましょう。
加圧トレーニングを安全に行う方法!
出典:http://www.inakablog.com/muscle222/
加圧トレーニングは一歩間違えると、とても危険なトレーニング方法になってしまいます。
とても効果やメリットの多いトレーニング方法なだけに、危険だからといって諦めてしまうのはもったいないでしょう。
では、加圧トレーニングを安全に行うためにはどうしたらいいのでしょうか?
その答えはいたってシンプルなものになります。
それは「専門のトレーナーについてもらう」という事です。
加圧トレーニングは特殊なトレーニングになりますので、専門の勉強をしたトレーナーがいます。
加圧トレーニングを取り扱っているジムやクリニックがありますので、そこへ行ってしっかりと専門家の指導のもとで行うのが安全な方法になるでしょう。
知識のない人が自己流の加圧トレーニングを行うと、過剰に圧をかけ過ぎたり、長時間のトレーニングを行ってしまいがちです。
危険と隣り合わせなトレーニングはおすすめできません。
加圧トレーニングのメリットもなくなり、デメリットしか残らないことにもなりかねません。
専門のトレーナーに教えてもらって行うのには、それなりの費用がかかるというデメリットもあります。
しかし、安全に効果を出すためには必要な出費です。
自己投資と考えてお金を費やしてもいいのではないでしょうか。
まとめ
・加圧トレーニングによる効果は「筋力アップ」「回復力アップ」「ダイエット」「血行促進」「美容」の5つ。
・加圧トレーニングのデメリットは「貧血状態になることもある」「静脈血栓やしびれの恐れがある」の2つ。
出典:http://prestige.smt.docomo.ne.jp/article/6668
いかがでしたか?
加圧トレーニングには非常に大きな効果やメリットがありましたね。
しかし、メリットや効果ばかりに目がいってデメリットに気づかないと危険な目にあってしまいます。
安全で、なおかつ効果的な加圧トレーニングを行うためにも、今回の記事を参考にしていただければ幸いです。