筋トレには多くの種目があり効果も異なりますので、自分の鍛えたい筋肉にピッタリの筋トレをチョイスすることは非常に重要です。
今回は筋繊維の特徴、速筋繊維と遅筋繊維の特徴と割合、それぞれの筋繊維別の筋トレポイントとおススメ種目を紹介します。
筋繊維の特徴とは?
皆さんは、「筋繊維」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
筋肉に詳しい人々の中では、筋繊維の意味は常識中の常識かと思います。
しかし、筋トレに関心のない人にとっては、その意味について深く考えたことはないかもしれませんね。
そこで、ここでは筋繊維についてご説明しましょう。
筋繊維とは筋肉を構成している細胞のことを意味します。
そのため、人の体には筋繊維が膨大にあるということになります。
仮に、筋繊維がダメージを受け、大きく傷ついてしまうと、筋肉痛へとつながります。
そのため、多くの人が経験している筋肉痛については、筋繊維と深く関係していたのです。
また、筋トレをすることによって筋繊維が傷ついたとしても、傷ついた筋繊維は短期間で修復されます。
また、修復されることで、傷つく前よりも強くなるのです。
したがって、筋肉をつけていくにあたり、筋繊維の破壊と修復という過程はとても重要なものになるということですね!
こういった点については、ぜひ覚えておきましょう。
筋繊維は2種類!速筋繊維と遅筋繊維それぞれの特徴
一口に筋繊維と言っても、種類があることをご存知でしたか?
これから筋トレをしていくにあたって、筋繊維の種類について知っておくことはとても大事です。
そこで、ぜひ覚えていただきたいのが「速筋繊維」と「遅筋繊維」です。
ここでは、この2種類について具体的にご説明しましょう。
速筋繊維とは?
まず、速筋繊維とは、一瞬のうちに大きな力を出す筋肉のことです。
これだけ聞くと非常に魅力的な筋肉のように思えてしまいますが、大きな力を長時間持続させることはできません。
そのため、あくまでも一瞬ということです。
また、速筋については、白い筋肉であることから、「白筋」とも言われています。
遅筋繊維とは?
遅筋繊維については、性質上、速筋繊維とは相反します。
速筋繊維が一瞬だけ大きな力を出すのに対し、遅筋繊維は長い時間にわたって力を出し続けます。
ただし、速筋繊維ほど大きな力は出ないため、その点は踏まえておきましょう。
また、遅筋については、赤い筋肉であることから、「赤筋」と言われています。
速筋線維と遅筋線維の割合
先ほど、速筋繊維の特徴及び遅筋繊維の特徴についてご説明しましたね。
そこで、多くの人が気になるのが、人体における速筋繊維と遅筋繊維の割合ではないでしょうか。
この点については、「みんな同じ割合じゃないの?」と思う人もいるでしょう。
しかし、その認識は誤りです。
速筋繊維と遅筋繊維の割合は人によって違いがあります。
その理由については、先天的なものが大きいです。
筋トレをしていく中で、速筋繊維と遅筋繊維の割合が大幅に変わるということはありませんので、その点も踏まえておきましょう。
ただ、日本人に関しては、速筋が5割5分、遅筋が残りの4割5分程度であるケースがほとんどと考えられています。
速筋線維の筋トレのポイント3つ!
速筋には速筋の、遅筋には遅筋の強みというものがあります。
そのため、双方ともに鍛えていくという考え方がとても重要です。
しかし、鍛え方のポイントが分からなければ、適切に鍛えることはできませんね。
そこで、まずは速筋を鍛えるにあたってのポイントをご説明します。
ウエイトトレーニングを選択することが基本!
まず、速筋を鍛えるにあたっては、負荷の大きいトレーニングを選択する必要があります。
したがって、楽をしようとして負荷の軽い筋トレばかりしてしまうと、いつまで経っても速筋が強化されない可能性が高いです。
そこで、筋トレの種目についてですが、基本的にはウエイトトレーニングを選択するといいでしょう。
この類のトレーニングであれば、筋肉に強い負荷をかけることが可能です。
ここでは、種目についていくつか挙げておきましょう。
ウエイトトレーニング種目(バーベル)
・ベンチプレス
・ベントアームプルオーバー
・デッドリフト
・ベントオーバー
・バックプレス
・フレンチプレス
等々
ウエイトトレーニング種目(ダンベル)
・ダンベルフライ
・ダンベルベンチプレス
・ダンベルプルオーバー
・サイドレイズ
・フロントレイズ
・ダンベルカール
・サイドベンド
等々
多い回数が大事だという発想を捨てよ!
筋トレをこれから始めようという人の場合、できる限り回数をこなすことが大事だと考えてしまうケースがあります。
筋トレの種目や目的によっては、多い回数こなすことが1つのポイントになるケースもありますが、速筋を鍛えるということであれば話は別です。
基本的に、速筋を鍛える場合は回数よりも負荷を重視します。
例えば、30回の繰り返しで限界に達するような筋トレと、10回の繰り返しで限界に達するような筋トレがあったとすると、皆さんはどちらがより効果的だと思いますか?
速筋を強化する場合については、後者のトレーニングがより効果的となるのです。
したがって、この点を踏まえ、筋トレにおける負荷のかけ方を適切なものにしていきましょう。
エキセントリックを意識せよ!
皆さんは、コンセントリックとエキセントリックについてご存知でしょうか。
まず、コンセントリックとは、筋肉が力を出しつつ短縮することを意味しています。
それに対し、エキセントリックについては、筋肉が力を出しつつ伸びることを意味しています。
この現象を筋トレで例えてみましょう。
ヒジを曲げてダンベルを持ち上げた時にコンセントリックが起き、ヒジを伸ばすようにしてダンベルをおろしたときにエキセントリックが起きることになります。
筋肉を鍛えるにあたり、この双方の現象のどちらが大事かということを問われると、多くの人がコンセントリックの方を答えるのではないでしょうか。
しかし、速筋の強化を目的とするならば、エキセントリックの方が大事です。
こちらの方が、より筋トレ効果が大きいということになるのです。
また、コンセントリック重視の筋トレを行うよりも、エキセントリック重視の筋トレを行った方が筋肉痛のリスクは低くなります。
ここで問題になるのが、以上の点を踏まえたうえで、筋トレにどのような工夫を加えればいいのかということですね。
大事なことは、エキセントリックの動きをよりスローで行うということです。
ヒジを曲げてダンベルを持ち上げる動作よりも、ヒジを伸ばしてダンベルをおろす動作の方をよりスローで行うということになりますね!
遅筋繊維の筋トレのポイント2つ!
さて、次は遅筋を強化するにあたってのポイントについてです。
速筋については、高負荷が大事という点をご説明しましたね。
その一方、遅筋を強化するにあたっては、高負荷なトレーニングを選択する必要はありません。
その代わり、重視しなければならないことがあります。
それは、「時間」です。
負荷の小さいトレーニングをできるだけ長い時間行うことで、遅筋が鍛えられていくというわけです。
では、その点を踏まえた上で、どのようなトレーニングを行えばいいのでしょうか。
ここではその点について具体的にご説明します。
低負荷高回数の原則!
筋トレによって遅筋を鍛える場合、「低負荷高回数」を意識しましょう。
例えば、バーベルを上げたり下ろしたりという筋トレを行う場合、バーベルの重さについては相当に軽くした上で、高回数こなすことが大事です。
速筋の場合は「高負荷低回数」がポイントになるため、それとは全く逆ということになりますね。
また、高回数こなした後も、それほどの負担を感じないほどの負荷に設定することを強くオススメします。
有酸素運動によっても遅筋が強化される?
筋トレを選択する場合のポイントについては先ほどご説明した通りですが、ウエイトトレーニングを選択しなくても遅筋を強化することは可能です。
別の方法としては、有酸素運動が挙げられます。
具体的にいうと、ランニングやサイクリング、スイミングなどです。
これらの種目を継続する中で、遅筋を強化することができるというのはとても良いですよね!
サイクリング等であれば継続させやすいので、ぜひオススメしたいです。
まとめ
・筋肉には「速筋」と「遅筋」の2種類がある。
・日本人の筋肉は速筋が5割5分、遅筋が残りの4割5分の割合。
・速筋を鍛えたい場合は高強度低回数、遅筋を鍛えたい場合は低負荷高回数のトレーニングが基本。
今回は、筋繊維の意味や、速筋と遅筋の特徴、そして鍛え方のポイントなどについて具体的にご説明してきました。
速筋と遅筋をそれぞれ強化していくことは、これから日常生活を送るにあたって大いにプラスになります。
そのため、まずは鍛え方のポイントについて把握し、そのポイントを踏まえながら適切に筋トレを行ってみてはいかがでしょうか。
それぞれの筋肉を鍛えるにあたって有効な筋トレというのは膨大にあります。
自分のスタンスやタイプに合った筋トレを選択することで、なるべく継続させやすい筋トレメニューを作成することを強くオススメします。
また、能力の向上を意識しすぎて、筋肉を追い込みすぎると、早いうちに筋肉痛の症状が出てしまう可能性もあります。
そのため、筋トレの種類に応じて、取り組み方を変えていくというのも、非常に重要なポイントになるのです。