日本人アスリート史上最高の身体能力を誇ると言われるハンマー投げ・金メダリストで中京大学教授の室伏広治さん。
この記事では、室伏広治さんの身長や体重、素晴らしい筋肉や身体能力、独自の筋トレの方法や考え方を紹介します。
室伏広治さんのプロフィール
本名:室伏広治(むろふし こうじ)
Koji Alexander Murofushi
出身地:静岡県沼津市
生年月日:1974年10月8日
身長:187cm
デビュー:1990年
出身高校:県立成田高等学校
最終学歴:中京大学大学院体育学研究科(博士号)
所属事務所:ミズノ株式会社
室伏広治さんは、アジアの鉄人と呼ばれた父の室伏重信さんと、オリンピックやり投げルーマニア元代表選手で母のセラフィナ・モーリッツさんとの間に誕生しました。
アスリート一家に生まれた室伏広治さんは、幼少期から類まれなる才能を発揮していたとされ、生後数ヶ月にして「懸垂」の動作を行うことができたとも言われています。
それまではテニス・水泳・野球・少林寺拳法などさまざまなスポーツに親しんでいた室伏さん
がハンマー投げを始めたのは高校1年の夏。
スタートは遅かったにもかかわらず、すぐさま日本の高校新記録・最高記録を樹立。
インターハイ連覇の快挙を成し遂げました。
1997年にミズノ株式会社に入社。
同年の世界陸上アテネ大会で10位(74m82)を記録。
翌年には父の重信さんが持つ日本記録(76m65)を更新し、関係者の間で大きな話題となりました。
2004年6月6日、第88回日本選手権で82m09を投げ、父の重信さんに並ぶ「大会10連覇」の偉業を達成。
8月22日のアテネオリンピックで82m91を投げ、世界2位(銀メダル)となるも、のちに1位の選手にドーピングが発覚。
繰り上げで優勝者(金メダリスト)となりました。
2014年6月7日、第98回日本選手権で73m93を投げ(当時40歳)同大会「20連覇」の偉業を達成。
今後二度と破られることがないであろうとまで言われるほどの記録であるとされています。
2016年6月24日、リオ五輪選考会を兼ねた大会の終了後、第一線からの引退を発表されました。
室伏広治さんの身長・体重・BMI・体脂肪率
室伏広治さんの身長・体重
室伏広治さんの身長は187cm。体重は99kgと公式プロフィールに記載されています。
プロのアスリートなので身長も体重も自己申告通りだと思われます。
室伏広治さんの標準体重と美容体重
室伏広治さんの身長からBMIにより標準体重と美容体重を算出すると、
美容体重(BMI 20):20×1.87×1.87 = 69.93 (kg)
BMI=体重(kg) ÷ {身長(m) X 身長(m)}
となります。
室伏広治さんのBMIを算出すると「28.3」となります。
BMI25.0以上は「肥満」に分類されますが、誰もが彼を見て「デブ」であると感じないことからも明らかなように、彼ほどの筋肉質な方には、BMIは指標として適さないと考えられています。
室伏広治さんの体脂肪率
室伏広治さんの体脂肪率ですが3%と言われています。
テレビの企画では1%以下との診断もあったようですね。
体にはほとんど脂肪がないと思っていいでしょう。
室伏広治さんの筋肉&身体能力が凄すぎる!
室伏広治さんの身体を一目見て驚かされるのは、その圧倒的なまでに発達した全身の筋肉です。
腕周りや太ももの太さはまるで木の幹かと見紛うほどであり、専門のボディビルダーに近いレベルにまで達しています。
アスリートの方は競技に合わせて筋肉を作る必要があるため、見た目優先のボディビルダーほどの筋肥大は難しい(敢えてしない)はずです。
しかし、室伏広治さんはそのような常識をも覆す、文字通り「規格外」の身体能力の持ち主と言えるでしょう。
中でも背筋力の強さは常人離れしており、一般人男性のピーク時(25歳)で約124kgと言われているのに対し、室伏広治さんの背筋力は何と「389kg」(3倍以上)を記録しています。
驚異的な身体能力については、数多くの伝説が語り継がれており、業界内外の関係者はもちろん、父の重信さんからも体力的な素質について高く評価されています。
父・重信は広治の体力的な素質について、
「体力的な面では、スピードとジャンプ力があります。短距離選手に負けないようなスピードがあり、ジャンプでは立ち幅跳びで3メートル60ほどいっていました。その並外れたスピードとジャンプ力が、軽量ながらハンマーを飛ばせているんだと思いました。」
と評している。
実際、本人の証言からも、その驚異的な身体能力の一部が明かされています。
公式大会の記録でないものもあるため、自己申告となってしまいますが、人柄にも優れた人格者と評判の室伏さんの発言です。
一点の疑いの余地もない「真実」であることは間違いありません。
広治はコントロールテストのベスト記録について、
「バック投げは一般用の砲丸(7.26kg)で20m行くか行かないぐらいかな。立ち五段跳びは18m30で、両脚だと19mは跳びました。立ち幅跳びは3m60がベストです。握力はテレビ番組で計測したときに針が振り切れてしまったのでわからないですね。」
と語っている
その他にも、
「プロ野球始球式の手投げで131kg直球ストライク」
「素人フォームで100m走10秒台」
「(強すぎて)スポーツマンNo.1決定戦に事実上の出禁」
などの数多くの伝説や逸話が残されています。
高校時代、体力テストのハンドボール投げで65m以上を記録した。
野球部員でも40~45mを投げることができれば強肩と呼ばれていたため周囲を驚かせていたという。
1996年、東京ボブスレー・リュージュ連盟が行ったトライアウトに参加。
全種目(60m走、20m走、立ち五段跳び、ベンチプレス、スクワット)で満点を出して長野オリンピック日本代表候補に選出されるも、ハンマー投に集中することを決めたとして出場を断念している。
室伏広治さんの筋トレ・ダイエット方法
持ち前の身体能力の高さもさることながら、そのトレーニングのストイックさも驚異的です。
十種競技・元日本チャンピオンの武井壮選手からも「異常」と評されるほどのトレーニングを長時間に渡って行っているとされる室伏広治さん。
果たして彼は、どのようなトレーニングを行い、あれほどの見事な身体を作り上げることに成功したのでしょうか?
過去のトレーニング映像
動画を見てみると、バーベルに2個の鉄球をぶら下げて、それを担いでスクワットを行っていることが分かります。
なぜこのような一風変わったトレーニングを行っているのか?について、以前出演した番組の中で回答されていましたので、こちらの書き起こしをご覧ください。
室伏「え〜、トレーニングっていうのは、反復すると効果があるっていう風に思うじゃないですか、現に筋肉としては反復したほうが、つくかもしれないですけど」
「反復しないようにするにはどうしたらいいか、ってことで(バーベルに付いてるハンマーを)振ったりして、毎回こう違うパターンにしてる、自分が読めないようにする、で、慣れてしまったらもうトレーニングだと僕は言わないようにしてるぐらい」
私たちは「反復をすることで身につく」と教えられてきたため、室伏さんの理論を聞くと「?」となってしまいます。
しかし、彼の次の言葉で、本当に効果のある練習とは何か?ということを考えさせられるのではないでしょうか。
室伏「慣れたら練習じゃない、出来てるんですから、練習じゃないじゃないですか、だから慣れないほうがいいんですよ」
「慣れたときに怪我するじゃないですか、慣れた頃になんでも、怪我とかね〜」
感覚を駆使したトレーニング
2004年に開催されたアテネオリンピックで世界の頂点を極めた室伏広治さん。
翌2005年の1年間は、ほとんど試合に出ることもなく、新たなトレーニング方法を模索・開発する時期に充てていたことが後に報じられています。
誰も考えたことの無い方法で結果を出すことが面白かったんです。
例えば現状のトレーニング理論では反復することがいいとされているけど、逆に、反復しないとか。
重さもより軽い重さで負荷をかけるとか。
100年以上もオリンピックでハンマー投げが行なわれてますけど、既存のトレーニングが本当に正しいかどうかはわからない。
重いものを繰り返し上げれば強くなるわけではないことは、確信しています」
引用:<ロンドンで唯一無二の境地へ> 室伏広治 「自分だけのオリジナルを」(4/5) – その他スポーツ – Number Web – ナンバー
ファンダメンタルトレーニング
2005年の約1年間を新たなトレーニング方法の開発に充てた室伏広治さん。
赤ん坊の動作からヒントを得て「ファンクショナルトレーニング(体の基礎的な動作を重視するもの)」を編み出すことに成功しました。
「医者は動いている身体を診断は出来ない。
ハリや整体を受けても、普段の動きが間違っていればその場しのぎの治療になる。
それでは、本当のリカバリーにならない。
動きの中から客観的に診断をして、体のバランスや姿勢を考えた治療、トレーニング方法を考えていく。
身についてしまった動きの悪い癖を取り除き、いい動きに変えていく。
いわば、脳の回路を作り変える作業なんです」
引用:<ロンドンで唯一無二の境地へ> 室伏広治 「自分だけのオリジナルを」(4/5) – その他スポーツ – Number Web – ナンバー
自身の著書「超える力」の中でも、ファンクショナルトレーニングについて、素人の私たちに対しても分かりやすい解説をしてくださっています。
こうしたウォーミングアップを行うことで、身体の土台(ファンダメンタル)が強化され、いわゆる身体の安定性(スタビリティ)が高まり、筋肉などの動きがスムーズになる。
身体が正常に機能して動くなかで筋力(ストレングス)強化を加え、使えている筋肉と使えていない筋肉を確認し、どのように稼働させるかというフィジカルトレーニングをおこなっていくのである。
理学療法士のロバート・オオハシさんの指導を受けて「赤ちゃんトレーニング(ファンクショナルトレーニング)」を着想されたそうです。
最もバランスよく体幹をつかっているのが、赤ちゃんで特に「寝返り」をする動作がヒントになっているという。
赤ちゃんのころは、寝返り運動で効果的に体幹を使っていたのが、しだいに衰えてくる。
実際には、ゴムチューブを体に巻きつけて、赤ちゃんが寝返りするような運動をする。
これが、体幹部分に結構負荷がかかるのだそうです。
食事の反復にも気をつけている!?
アミノ酸スポーツ栄養の第一人者である大谷勝(博士)との対談を行った際、食事について語った室伏広治さん。
世界一流のアスリートとして、日々の食事にも気を配っている様子がうかがえる発言が飛び出していました。
室伏: そうですね、トレーニングもあれからものすごくハードなものになってきて、食事は肉を多めにするなど、たんぱく源の摂取にも気をつけています。
肉を食べると、回復力が全然違いますね。
投てきは、ハンマーの重量分(約7kg)の負荷がかかってダメージもあるわけで、次の練習につなげるためにも、そのまま放っておいたらきつくてしょうがないですね。
その辺を考えながら練習していきたいと思っています。
まとめ
・室伏広治は常識を覆す、文字通り「規格外」の身体能力の持ち主。
・室伏広治は十種競技・元日本チャンピオンの武井壮から「異常」と評されるほどのトレーニングを長時間に渡って行っていた。
以上、室伏広治さんの筋肉に関する情報をまとめました。
2016年6月24日の日本選手権をもって、現役引退を表明した室伏さん。
今後は「日本のスポーツ界の発展に貢献してゆく」考えを持たれていることが、日刊スポーツによって伝えられています。
21度目の優勝はならず「体力の限界。1つの区切りにしたい」とした。
体を動かすことは続けるが、世界大会でメダルを争う真剣勝負に終止符。
後進の育成とともに20年東京五輪に向けて、日本スポーツ界の発展に貢献していく考えだ。
日本のオリンピック・ハンマー投げ種目のみならず、オリンピック全体、ひいてはスポーツ界全体に多大な影響を与え、貢献し続けてきた室伏広治さん。
2020年に開催が予定されている東京オリンピックに向けて、彼の引退後の生活は一段と忙しさを増していくことと思われます。