最近のダイエットの流行「糖質制限ダイエット」はスリムになったという魅力的な口コミがある反面、危険性や批判的な意見があるのも事実です。
今回は糖質制限ダイエットの危険性5つ、批判的な口コミや医師の意見を紹介します。
糖質制限ダイエットとは?
糖質制限ダイエットというのは、文字通り糖質を制限してダイエットする方法のことを言います。
人間は糖質を摂取して生きていますし、毎日の食事には意識をしなくても糖質が含まれているものです。
糖質は摂取し過ぎると体重が増えてしまいます。
近年は、「それなら糖質を摂取しないようにダイエットすれば良いじゃない」と考える人が増えてきました。
それによって、近年は過度な糖質制限ダイエットをする方が増える傾向にあります。
しかし、過度なダイエットは身体にも心にも良くないのは当然です。
無理にダイエットをしたところで長続きしませんし、リバウンドしてしまう可能性も高くなってしまうでしょう。
まずは、健康的に痩せるということを最優先に考えていきたいですね。
糖質制限をしないと太る原因は?
そもそも、なぜ糖質を摂りすぎると太ってしまうのでしょうか。
まず人間の身体は、糖質を摂取すると血糖値が高くなります。
糖質は体内でブドウ糖に変わっていき、それが血液中のブドウ糖濃度を高めるという仕組みです。
血液中の糖質が多くなると、身体に備わる防衛本能としてインスリンを分泌します。
そのインスリンこそが、ブドウ糖を中性脂肪に変えてしまう原因の一つです。
糖質を摂取しすぎると脂肪細胞が蓄積され、結果的に体重の増加に繋がってしまいます。
だからこそ、糖質を多く摂取しがちな人は、太りやすくなると言われています。
そしてインスリンは体内の脂肪の代謝を抑制する働きがあり、ダイエットしてもなかなか痩せられなくなる可能性も考えられます。
一度インスリンを体内で分泌させてしまうと、運動してもなかなか痩せない身体になり、結果的に太った状態が続くのです。
糖質自体が害をもたらすということではありません。
しかし摂取し過ぎると様々な病気に罹りやすくなります。
ただ反対に、糖質が不足すると身体にさまざまな害が出るとも言われていますから、過度な糖質制限ダイエットも身体に良くないことも忘れてはいけません。
糖質制限ダイエットの危険性5つ
糖質制限ダイエットをすることでの危険性は多々あります。
まったく糖分を摂らないようにしてしまうと、目に見えて不健康になってくるでしょう。
ここでは、その危険性について、詳しくまとめていきます。
エネルギーが不足する
糖質は人間が活動するためのエネルギーになります。
よく「疲れたときは甘いものが良い」ということを聞くでしょう。
これは、糖質がエネルギーとしての役割も担っているためだと言えます。
疲労感や倦怠感を伴う
糖質を極端に制限すると、疲労感や倦怠感が襲ってきます。
身体が全体的にだるく感じ、何もしたくなくなってくるという方もいるでしょう。
糖質をある程度摂取しなければ、人間の回復能力は低下します。
それが疲労感や倦怠感に繋がっているのです。
体重と筋肉量が過度に減少する
無理に糖質制限ダイエットをすると、体重が逆に減り過ぎてしまうこともあります。
ちょうど良い身体を保てるくらいに糖質は必要です。
過度に制限することによって身体に無理な負担をかけてしまうことになりかねません。
体重が落ちてしまうと筋肉も減り、体力もなくなり、日常生活にも悪影響が出てきます。
集中力が低下する
これはよく言われることですが、糖質を取らないと集中力が低下します。
逆に「ブドウ糖を摂りいれたら集中できる」と聞いたことはありませんか?
血液中のブドウ糖が一定だと、集中力も安定します。
逆に糖質が減ってくると、頭がぼーっとした感覚となり、集中力も低下してくると言われています。
運動能力が低下する
運動を担っているのはさまざまな栄養素なのですが、糖質もその一つに含まれています。
人間の血液中には糖質が一定量必要で、体内で上手に糖質を吸収することで運動能力も保てます。
ちょっと糖質を摂るだけで違ってくるので、色々とトライしてみると良いでしょう。
糖質制限ダイエットの批判まとめ 医師からの警告も
糖質制限ダイエットには、批判的意見も多く寄せられています。
批判されるのにはそれなりの理由があるため、ここではどのような意見があるのかをご紹介します。
・「糖質制限ダイエットは不健康に痩せてしまって、変にガリガリになる」/30代女性
・「痩せたくて糖質制限したけれど、実際はそんなに痩せなかった」/20代女性
・「糖質を摂らなくなってから、集中力がなくなった」/20代女性
・「仕事にも集中できなくなり、体力がなくなったと思う」/30代女性
・「間違った糖質制限は病気になる」/30代女性
ここでは、あくまで一般の方の意見をまとめましたが、医師の中からも「糖質制限ダイエットはおすすめできない」と言う意見が多く挙がっています。
上記の項目で糖質制限ダイエットの危険性を紹介したように、医学的にもあまりおすすめできない方法だと考えられるかもしれません。
糖質制限は、なぜ危険なのか。
糖尿病の世界的権威で、関西電力病院院長の清野裕医師が解説する。
「人間には一日170gの糖が必要とされています。そのうちの120~130gは脳で消費され、30gは全身に酸素などを運ぶ赤血球のエネルギー源として消費されます。
糖質は、生命を維持するために欠かせない栄養素なのです。
糖エネルギーが不足すると、それを補うために、体は自分の筋肉を分解してアミノ酸に変えていきます。
結果、筋肉量がどんどん減っていってしまうのです」
引用:専門家が警告 大ブームの「食事は炭水化物抜き」が一番危ない 糖質制限ダイエットで「寝たきり」が続出中!
「実は糖質制限ダイエットには、はっきりした科学的根拠やガイドラインがないのです。
だから、評判ばかりが独り歩きして、過剰なやり方が横行する。
若い人や糖尿病患者が、医師の指導のもとで一定期間やるのはいいでしょう。
しかし、65歳以上の高齢者は安易に手を出すべきではない。
寝たきりになる危険性が非常に高いからです。
実際、私の病院でも糖質制限で筋力が低下したと来院する高齢患者が増えています」
(前出・清野医師)
また、要注意なのは女性。
骨粗鬆症は圧倒的に女性に多く、60歳代で2人に1人、70歳以上で10人に7人が悩んでいます。
ダイエットは女性のほうが熱心だからでしょうか。
糖質制限を始めて骨粗鬆症を加速させてしまったという中高年女性の患者が、すでに何人か駆け込んできています。
筋力が低下したり、骨粗鬆症になってしまった高齢者は、ほんのちょっとの病気や怪我で入院すると、あっという間に寝たきりになってしまいます」
(愛し野内科クリニック院長で糖尿病専門医の岡本卓医師)
そもそも、ダイエットの基本は有酸素運動と無酸素運動で効率よく脂肪を落としていく方法です。
摂取しないダイエットよりも、しっかり摂取して運動するダイエットの方が、健康的に痩せられるということでしょう。
糖質の摂り過ぎも危険
もちろん、過度に糖分を摂り過ぎるというのも避けておく必要があります。
糖分を摂取しすぎると、さまざまな病気を引き起こしてしまいます。
糖分を摂り過ぎても病気になるし、摂らなさ過ぎても病気になる、という事でそのバランスがとても重要です。
そこは、毎日の食事でしっかりコントロールしていくのが一番安全で、健康にも良いのではないでしょうか。
事実、近年は若い女性に糖質制限ダイエットも広がっています。
しかし、これが広がり続ければ、不健康な痩せ方をしてしまう女性が多くなるでしょう。
もちろん、男性も無理なダイエットをしてしまっては身体に良くないです。
まとめ
・糖質制限ダイエットの危険性は「エネルギーが不足」「疲労感や倦怠感」「体重と筋肉量が過度に減少する」「集中力の低下」「運動能力の低下」の5つ。
・糖質の制限のしすぎも危険だが、摂りすぎも病気の原因になるので、適度に摂ることが重要。
糖質は、人間が生きていく上でとても重要な成分の一つです。
糖質制限ダイエットは確かに痩せられるかもしれませんが、それは決して良い痩せ方とは言えません。
場合によってはガリガリになってしまって、自分の目標よりも違った方向に進んでしまうことだってあります。
危険性を理解して、身体に良い健康的なダイエットに励みましょう。