筋トレの効果を高めるためにはただ体を動かすのではなく、動きや運動の特徴を意識して行うことが大切です。
今回はアイソトニックトレーニングの基礎知識とアイソメトリックとの違い、種類と運動効果、やり方のポイントを紹介します。
目次
アイソトニックトレーニングとは?
「アイソトニック」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。
アイソトニックとは等張性収縮の事を表しています。
筋肉の長さを変化させながら、筋肉の収縮によって力を発揮することのできる筋収縮形態を指しています。
このアイソトニックにも2種類の働きがあります。
1つは等張性短縮運動です。
これは筋肉の起始と停止が近づいた運動の事を指しています。
もう一つは等張性伸長運動です。
これは先ほどの等張性短縮運動とは全く異なり、筋肉の起始と停止が遠ざかる運動を指しています。
つまり、同じ力を一定の量加え続けながら筋肉を縮める運動と、力加減は変化させずに筋肉を伸展させていく運動の二つが、等張性収縮運動であるということになります。
力の量を変化させない、ということがカギとなっています。
アイソトニックとアイソメトリックの違いとは?
アイソトニックと、よく聞くアイソメトリックスとはどのような違いがあるのでしょうか?
アイソトニックとは先ほども述べたように等張性収縮の事を指しています。
反対に、アイソメトリックとは等尺性収縮の事を指しています。
アイソメトリックは、筋肉の長さを変えずに筋肉を収縮させる収縮状態の事を指しています。
アイソトニックは筋肉の長さを変化させますがアイソメトリックでは変化させません。
ですから、姿勢の保持や長時間同じ状態を保たなければいけない時に必要となる筋肉運動です。
また、このアイソメトリックを鍛えるにはインナーマッスルが不可欠です。
このようにアイソメトリックはアイソトニックとは異なり、姿勢を変えないこと、関節の角度が一定に保たれていること、といった条件が満たされた中で力を発揮する筋収縮です。
アイソトニックトレーニングの種類は2つ
アイソトニックトレーニングとは等張性収縮運動の事を指しています。
筋肉の長さを変えながら一定の力を発揮する、その発揮の可動域を広げていくことが出来ます。
どんどん重い重量に対応できる筋肉の力をつけることが出来ます。
これには多くの筋力トレーニングやウエイトトレーニングが含まれています。
アイソトニックという言葉は知らなくても、自然とアイソトニックトレーニングを行っているということがほとんどです。
そんなアイソトニックトレーニングには2種類あります。
コンセントリック収縮とエキセントリック収縮です。
これは一番初めで述べたアイソトニックには短縮性と伸長性があるということで、トレーニング方法も異なってきます。
コンセントリック収縮
コンセントリック運動とは、筋肉が筋繊維の長さを変化させず力を発揮するときに起こる力の出し方をトレーニングするものです。
例えばダンベルカールなどがそのトレーニングに当てはまります。
ダンベルを持ち上げていくときには、上腕二頭筋が収縮しています。
この際に負荷をコントロールするために筋力を発揮することが出来ます。
このように筋肉が収縮して、筋繊維の長さは変わっていませんが大きな力を発揮できる運動がコンセントリック運動です。
ほかにも、ジャンプ動作もコンセントリック収縮運動の一つです。
膝をのばす動作では大腿四頭筋が収縮していることで発揮された力が影響しているはずです。
このように筋肉の収縮によって発揮される力をトレーニングすることが出来ます。
コンセントリック収縮のメリット
コンセントリック収縮運動をすることにはどんなメリットがあるのでしょうか?
よく筋トレではエキセントリック収縮が重宝されており、よりエネルギーが生み出しやすいといわれています。
しかし、実際は、エキセントリック収縮は弱点が起こりやすい運動であるともいえます。
なぜなら、筋肉に最もダメージを与えてしまう運動だからです。
その為筋肉痛の可能性を高めてしまいます。
筋肉に大きな負担がかかり長時間筋トレをすることさえ難しくなるかもしれません。
その点体への負荷が少ないコンセントリック収縮運動がおすすめかもしれません。
また、実践の場ではコンセントリック収縮が非常に重要です。
エキセントリック収縮と同じほど、コンセントリック収縮のフェーズを強調した運動は、パフォーマンス向上に役立ちます。
より多くのエネルギーを大事な場面で爆発させることが出来るでしょう。
コンセントリック収縮の注意点
コンセントリック収取運動を行うときに注意しなければならない点もあります。
コンセントリック収縮はあくまでも筋トレの補助という位置に定めておくということです。
実際のところ筋トレはエキセントリック収縮が主です。
これを軸として中心に置いておいて「コンセントリックトレーニング」をおこなうと、通常の筋トレ効果をアップさせることが出来るでしょう。
コンセントリックでは、筋肉の進展を意識しない為、一気にウエイトを落として怪我をする可能性もあるので注意しましょう。
エキセントリック収縮
エキセントリック収縮運動とはいったい何でしょうか?
エキセントリック収縮運動の事をよく知ったうえで運動すると、筋肉の強化や肥大の上で非常に効果的な運動となります。
しかしまだエキセントリック運動のすばらしさを理解できておらず活用していない人は少なくないようです。
エキセントリック収縮はネガティブ動作ともいいます。
筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する状態のことで、主に伸展運動に当たります。
収縮した筋肉を伸ばすときに筋肉にブレーキが働きます。
その状態で力を発揮しながら筋肉を伸ばしていく動作がエキセントリック収縮といいます。
コンセントリックの逆バージョンで、ゆっくりとした運動を行います。
エキセントリック収縮運動の時にしっかりブレーキの力を出して、効果を高めているのに、早くウエイトを下ろしてしまうのはNGです。
力が抜けた状態になり筋肉に負荷がかかっていない状況になります。
エキセントリック収縮には3秒が適当であるといわれています。
筋肉肥大のためのエキセントリック運動にはゆっくりと動作を行うことを心がけると良いでしょう。
エキセントリック収縮のメリット
エキセントリック収縮を活用した運動を行うメリットは何があるのでしょうか?
エキセントリック収縮では、最初から速筋を活用することが出来ます。
そのため、より素早くより大きな筋肉の力を発揮できるようになります。
つまりパワーアップ効果があるのです。
さらにエキセントリック収縮のほうがコンセントリックに比べて1・75倍の重量に耐えることが出来ます。
その為より大きなストレスを筋肉にかけることが出来ます。
つまりより効率よく筋肉を鍛えるトレーニングとなるのです。
エキセントリック収縮の注意点
エキセントリック収縮トレーニングの注意点はありますか?はい、あります。
エキセントリック収縮はオーバートレーニングとなりやすいため、気をつけなければなりません。
少しの動作でも筋肉に大きな刺激を与えることのできる運動ですし、多くの負荷に耐えることが出来ます。
ですから油断して休養をしっかりとらずにトレーニングに熱中してしまうと、筋肉が損傷したままトレーニングをすることになり、トレーニング効果が薄まってしまいます。
アイソトニックトレーニングの運動効果
アイソトニックトレーニングを行うことで「機能的な能力が高まる」という効果を得ることが出来ます。
アイソトニックトレーニングは筋肉の収縮運動と伸展運動の両方を行い筋肉を鍛えることが出来ます。
しかし、筋肉を肥大させること、強化することだけではなく、様々な運動機能を向上させる効果もあるのです。
日常生活やスポーツの中で役立つ、スムーズな動きが出来る体になります。
ですから多くのプロアスリートたちは、アイソトニックトレーニングを普段のトレーニングや練習に組み込み、スポーツ競技でのパフォーマンスを向上させているようです。
例えばサッカー選手であればドリブルの機能を向上させるために、下半身やバランス能力を向上させることが必要だ、と気づいたとします。
その為のアイソトニックトレーニングを行えば、下半身の伸展収縮運動がスムーズになり機能向上効果が期待できます。
アイソトニックトレーニングは大掛かりな道具はいらないため、トレーニングジムや自宅で簡単に行うことが出来ます。
専用の器具がなくても自重で負荷をかけてトレーニングを行うことが出来るでしょう。
ぜひ普段のトレーニングにアイソトニックを組み込んで、生活上の運動機能向上を狙いましょう。
アイソトニックトレーニングのやり方のポイント
アイソトニックトレーニングは、筋肉を収縮させること伸展させることで行うことが出来ます。
つまり筋トレです。
筋トレを行うときに筋肉が収縮する瞬間と伸展する瞬間の意識を強くするようにしましょう。
収縮は1秒間、伸展は3秒間かけるようにすると、より効果的なアイソトニックトレーニングとなることでしょう。
まとめ
・アイソトニックトレーニングは筋トレをしていることで自然と行っている。
・アイソトニックトレーニングのやり方のポイントは収縮は1秒間、伸展は3秒間かけるようにすること。
アイソトニックトレーニングという言葉を今まで耳にしたことのなかった方も、ぜひチャレンジすることをお勧めします!
とはいってもすでに筋トレを行っているなら、それがアイソトニックトレーニングです。
ここでアイソトニックという言葉の意味を理解できたことと思います。
これまで以上に筋肉の動きに集中してトレーニングを行うことが出来るでしょう。
筋肉を効果的に刺激してより効率よく筋力アップを狙いましょう!