早く筋肉をつけたいからと毎日筋トレするのは実は逆効果で、超回復を正しく知ることが大切です。
今回は筋トレは毎日するべきか、超回復のメカニズムやかかる時間と早めるコツ、筋トレのポイント、超回復しない原因を紹介します。
目次
筋トレは毎日してもいい?
筋トレを始めたばかりの人たちは、ただただ早く体を大きくしたくて、がむしゃらに毎日行っている人がいます。
しかし、本当に毎日筋トレしなければならないのでしょうか?
そんなはずありません!
なぜなら、筋トレは毎日やっては「いけない」ものだからです!
筋トレをする人たちが必ず知っておかなければならないのは、この筋トレの知識です。
筋トレをした後は筋肉が回復して、筋肉が強化されるメカニズムを知っておく必要があります。
それを知っていれば、どのようなスケジュールを立てればいいのかもわかってくるでしょう。
筋トレの「超回復」のメカニズム!
筋トレ用語で最も大事なのは「超回復」です。
超回復とは、破壊された筋繊維が回復して、さらに強い筋肉になることです。
もっと詳しく書けばこのような順序になります。
①筋トレをする
②筋繊維に大きな負荷がかかる
③筋力が低下する
④筋肉をもとの状態に戻そうとする
⑤同等の負荷に耐えられるように筋力アップ
この超回復によって、前よりも強い筋肉が出来上がっていくのです。
筋肉が全く前と同じ状態に回復してしまっては、筋肉が耐えられずにただ壊れるばかりになってしまいます。
前よりも強く回復するので「超」回復となります。
この超回復を妨げてしまうのが、毎日の筋トレなのです。
超回復する前にさらに筋肉に負荷を与えてしまうと、以前よりも弱くなっている筋肉をさらに壊して、もっと筋力を低下させてしまうことになります。
超回復の前に起こる「筋肉痛」の種類
超回復の時は筋肉痛が起こります。
筋トレをしたことのある方は誰もがご存知での痛みでしょう。
トレーニングではなくても、普段使わない筋肉を使ったときや、今まで以上に筋肉に負荷をかけるタイミングが生活の中であったときに筋肉痛が起こります。
この筋肉痛は、筋繊維が炎症を起こしている時に起こるといわれています。
ですから、どんなに長年筋トレをしている方でも、トレーニングの方法を変えたり負荷をさらに増やすときに筋肉痛が生じます。
即発性筋肉痛
筋肉痛の一つの種類は、運動直後または運動中に起こる即発性のものです。
これは、筋肉の中に疲労物質や老廃物質が溜まることによって、筋肉内が酸性に傾き、炎症を起こしてしまうのです。
血行が悪くなって、老廃物がたまったときも同じような痛みを引き起こします。
痛みは長続きはしません。
運動をやめたり、マッサージやストレッチを行うと、老廃物を流すことが出来るので痛みは軽減されるはずです。
この即発性筋肉痛はウォーミングアップが十分でなかったり、体が温まっていない状態で急に動かした際に起こり得るといわれています。
遅発性筋肉痛
2つめにご紹介するのは、遅発性筋肉痛です。
これは運動直後ではなく1~2日たった後に起こるものです。
筋肉繊維が炎症を起こして痛みを感じるようになります。
筋肉が引っ張られるときや、筋肉が収縮運動を起こすと強い負荷が筋繊維にかかり、摩擦によって傷つきます。
大体は72時間以内に回復するといわれています。
特に大胸筋、上腕二頭筋、太腿二頭筋などで起こるといわれています。
10日か2週間以上の筋肉痛が続くときはひどい炎症がおきているかもしれないので、怪我の危険があります。
超回復にかかる時間とは?
超回復とは、破壊された筋肉に必要な休息時間でしたね。
筋肉の成長に必要な栄養素をしっかり吸収して、力が増し加わって回復することを指していました。
しかし、この超回復にかかる時間は筋肉の場所によって異なります。
筋肉の部位によって特性が異なるからです。
人間には骨格筋だけでも400個あります。
筋肉のサイズや形状、位置や力の出し方はそれぞれです。
ですから、どれだけ筋肉を傷つけたか、どれだけ回復の力があるのかなどによって、超回復が完了するまでの期間は違います。
超回復にかかる時間部位別の一覧表!
では、超回復にかかる実際の時間は具体的にどれほどなのでしょうか?
部位ごとに一覧としたものをどうぞご覧ください。
部位 | 場所 | 時間 | |
大胸筋 | 胸 | 48 | 大きな筋肉 |
広背筋 | 背中 | 72 | |
太腿四頭筋 | 太腿 | 72 | |
太腿二頭筋 | 太もも裏 | 72 | |
大臀筋 | お尻 | 48 | |
上腕二頭筋 | 腕 | 48 | 腕とひざ下 |
上腕三頭筋 | 腕 | 48 | |
下腿三頭筋 | ふくらはぎ | 24 | |
腹筋 | 腹 | 24 |
超回復の時間を活かした効率的な筋トレ方法!
超回復の時間を活かして効率よく筋トレを行っていくにはどうすればいいのでしょうか?
それは、部位ごとの超回復までの時間を把握してトレーニングのスケジュールを決めることです。
超回復が起こる前にトレーニングを行ってしまうと、修復期間にまた筋肉を破壊することになります。
そして、トレーニングの効果がすべて無駄になってしまいます。
ですから、超回復にかかる時間はしっかり休息を取るようにしましょう。
24時間で回復する筋肉は毎日行うようにしましょう。
2日以上かかる筋肉は2日おきに部位を変えながら行っていけば、時間も筋トレの部位も無駄なくスケジュールを立てることが出来るはずです。
超回復を早めるコツ3つ!
超回復の時間をできるだけ縮めるために何かできることがあるでしょうか?
確実に早く回復させるためにできることが3つあります。
①アイシング
1つ目の方法はアイシングです。
筋肉痛は筋繊維が破壊され、傷ついて炎症を起こしている状態です。
ですから、運動後にアイシングすることで、炎症を抑えてできるだけ早く回復するよう助けることが出来ます。
よく、プロアスリートが試合後にアイスパックを当てているのを見ますね。
筋肉や関節にアイシングを行いましょう。
一時的に血流を抑えて、筋肉痛を抑えることが出来ます。
15~20分間のアイシングがおすすめです。
②タンパク質
2つ目の方法はタンパク質をしっかり摂取するというものです。
筋肉を回復させるために必要な栄養素がタンパク質だからです。
肉、卵、魚、乳製品、大豆を食べるようにしましょう。
トレーニングによって傷ついた筋肉繊維を速やかに回復させるためのタンパク質です。
トレーニング直後と睡眠前、起床直後はタンパク質の吸収率が高まっているため、このタイミングでタンパク質をしっかり摂ることが大切です。
筋肉の回復をより早めることができます。
③血行を良くする
トレーニングによって、筋肉の中に乳酸が溜まります。
こうした老廃物の蓄積によって筋肉痛が生じたり、血流が悪くなることも考えられます。
ですから、血行を促進させましょう。
ストレッチやマッサージを丁寧に運動後に行うことがおすすめです。
血行が回復して、老廃物が排出されるようになれば、栄養素がスムーズに筋肉に届くようになります。
その結果効率よく、筋肉の回復を促すことが出来るのです。
超回復を意識した筋トレポイント3つ!
超回復の効果を意識して筋トレを行うことで、より効率よく筋肉を鍛えることが出来ます。
①筋トレの頻度は週2回
筋トレは週2回が最も良い頻度であるといえるでしょう。
筋トレのした後に超回復が終わるまでに最大72時間かかるからです。
より強い筋肉を作ろうとしてくれているのに、筋トレをさらにしてしまうと、細胞が傷ついてしまいます。
より強い筋肉を身につけるために必要な休息はしっかり取るようにしましょう。
ですから同じ部位は連続してではなく、週2回が最適な筋トレ頻度なのです。
けしてサボっているわけではないのです。
②回復期間なしでは逆効果
回復期間を待たずに翌日に筋トレを行うとどうなるのでしょうか?
筋肉はまだ超回復が出来ていません。
筋力低下している筋肉に、さらに負荷をかけることで、筋肉が強くなるどころか、ただ筋肉の細胞が傷つきます。
これを続けると、どんどん筋肉は弱くなっていきます。
ですから、筋トレ後に回復期間はしっかり休む必要があります。
筋肉を増強するための筋トレですから、この回復期間を守ることは必須です。
③週1回では意味なし
しかし、だからといって休み過ぎると効果がなくなってしまいます。
週一回のペースでの筋トレは全く効果がありません。
なぜなら回復期間を終えて、以前受けた負荷に耐えられるようになった筋肉もその負荷がかからないと、元の強さに戻ってしまうからです。
2~3日の回復期間があり、回復してさらに強くなった筋肉をさらに強い負荷をかけることで、どんどん超回復を繰り返さすことが出来ます。
これを6日も放っておくと元の筋肉の強さに戻り、何回行っても筋肉は一向に成長しません。
超回復しない原因3つ!
では、なかなか筋肉痛が消えず、超回復していないように感じるときはどうすればいいのでしょうか?
①トレーニング
まずは、トレーニング内容を振り返ってみましょう。
慣れていない筋トレ初心者の方は、自分のレベルをはるかに超えていないか確認してみましょう。
また、エキセントリックをするべきではない箇所で行っていないかどうかもチェックします。
ウォーミングアップとクールダウンはしっかりしましょう。
アイシングも行いましょう。
②アルコール摂取
休養時にアルコールを摂取していませんか?
アルコールを摂取すると毒素を解毒するために肝臓が働かなければなりません。
そうすると成長ホルモンの分泌が妨げられてしまうことがあります。
つまりアルコールの摂り過ぎは筋肉の回復に悪い影響を与えてしまうのです。
しかし、飲むな、と述べているわけではありません。
飲み過ぎないようにしましょう。
③ストレス
また、長期間ストレスを感じていると、コルチゾールというホルモンが分泌されるようになります。
そうすると、生活習慣が悪化したり、筋肉が分解されてしまいます。
不安状態や緊張状態が長く続くことを避けましょう。
まとめ
・超回復とは筋トレをした筋肉がトレーニング前より力が強くなること。
・超回復する期間は部位によって異なるが、24時間~72時間程度。
・超回復を考えるなら筋トレは週2回の頻度がベスト。
筋トレをする時は超回復を常に意識するようにしましょう。
週2~3回の頻度で筋トレを行っていくと良いでしょう。
休養は必ず必要です。
効率よく体を鍛えるために、超回復を計算したトレーニングスケジュールを立てるようにしましょう。