健康的に痩せられる上、今すぐ誰にでも始められると低糖質ダイエットが注目を集めています。
今回は低糖質ダイエットの基礎知識とメカニズム、手順と食品選びの基本方法、おススメの食品5つ、成功させるポイント4つを紹介します。
目次
「低糖質ダイエット」は食品選びが重要なダイエット方法
近年学会や各研究所でその効果が認められている「低糖質ダイエット」。
誰でも簡単に取り組めるダイエット方法の一つで、必要な準備は食品に関する知識だけというお手軽さが人気です。
しかしそれゆえに正しい知識が重要になるダイエットでもあります。
そう、低糖質だけでは体を壊してしまうのです。
健康的にダイエットをするために、低糖質かつ豊富な栄養素を含む食品をきちんと選び、摂取しなければなりません。
低糖質ダイエットの基礎知識とメカニズム
低糖質ダイエットは、短期間で効率的に痩せることができる優れた食事法です。
では一体、どのような仕組みで痩せることができるのでしょうか。
そのメカニズムを知るだけで、スムーズにダイエットに取り組むことができるでしょう。
低糖質ダイエットに必要な基礎知識と合わせてご紹介します。
低糖質ダイエットとは
低糖質ダイエットは、「糖質制限ダイエット」「炭水化物抜きダイエット」「ローカーボダイエット」と同じ意味です。
毎日の食事で糖質を低く抑えることで痩せる、食事制限ダイエットの一種です。
運動などで糖の消費量を増やすことができれば良いのですが、簡単にできることではありません。
そこで、そもそも摂取する糖質の量を減らしてダイエットをしようというのが「低糖質ダイエット」の考え方です。
糖質とは
糖質とは、人が活動するために必要なエネルギーのことです。
お米やパン、さらに小麦粉や野菜など、様々な食品に含まれています。
糖質と食物繊維を合わせて、炭水化物と呼んでいます。
炭水化物は五大栄養素のひとつなので、みなさんもよくご存知だと思います。
栄養表示で炭水化物と書いてあれば、糖質と食物繊維のことなんだと覚えておきましょう。
ちなみに糖質は、単糖類や二糖類、多糖類など構造によって分類することができます。
その中で単糖類と二糖類のことを合わせて「糖類」と呼びます。
つまり糖質=糖類ではないということです。
食品のラベルに「糖類0」と表記があっても、「糖質0という意味ではない」ということを覚えておきましょう。
人が太るメカニズム
人が太るメカニズムは、活動で消費する糖の量よりも摂取する糖の量が多いときだけです。
もちろん病気などで太る場合はありますが、基本的な太るメカニズムはこれだけです。
糖は生命活動や、組織の生成、代謝、運動エネルギーなど様々な場面で利用されています。
しかし摂取した糖をそれらの活動で使いきれなかった場合、余った糖は体脂肪として蓄積されてしまうのです。
他の様々な栄養素は摂取しすぎた場合、蓄積されずに排出されていくのが基本です。
しかし人のエネルギー源である糖は排出されず、緊急事態に備えて体内に蓄えられていきます。
人が太る原因はカロリーではありません。
現在では、人が太る原因は唯一「糖質の摂り過ぎだけ」ということが研究で判明しています。
低糖質ダイエットの方法と食品選びの基本
低糖質ダイエットは、そのやり方と食品選びが重要です。
正しいやり方と、どの食品を選べばいいのかを覚えれば、誰でも簡単に取り組むことができます。
「今までいろんなダイエットを試してきたけど効果がなかった」「リバウンドが心配」「食品の選び方が知りたい」という方は是非参考にしてみてください。
低糖質ダイエットの方法
低糖質ダイエットは1日の糖質摂取量を計算し、一定量に抑える食事法です。
例えばゆるい低糖質ダイエットであれば、1日の糖質量を150g程度に抑えて生活します。
きつめの低糖質ダイエットであれば、1日30~60gが目安となります。
始めの3日間は、朝食の糖質を抜くところから始めてみましょう。
ご飯やパンを食べていたなら、卵料理や納豆、味噌汁やグリーンスムージーなどに置き換えてみます。
慣れてきたら糖質量を1日150~200gに設定し、1週間程度過ごしてみましょう。
普段食べ過ぎていた人は、それだけで効果が実感できるかもしれません。
1日150~200gも問題がなければ、1日150g以下に抑えて1ヶ月ほど生活をしてみましょう。
ここまで過ごした方なら、1日30~60gに抑えることがどれだけ大変かわかるかと思います。
そしてすべて合わせて2ヶ月ほど低糖質で生活をし、一区切りとします。
そのあとはまた少しずつ糖質量を増やしていき、元の食生活に戻しましょう。
できれば以前と同じ量ではなく、すこし少な目を意識すると健康的です。
我慢していた分一気に食べてしまうとリバウンドしますので、ゆっくりと戻していくことが大切です。
低糖質ダイエットの食品選び
低糖質ダイエットは、食品選びが最重要項目です。
おすすめの食品は後ほど解説し、ここでは食品の選び方をご紹介します。
まずは大まかに糖質が多く含まれている食品と、糖質が含まれていない食品を覚えましょう。
すべて覚えることは不可能なので、「これだけは絶対食べてはいけない食品」と「積極的に食べたい食品」を押さえましょう。
そして慣れるまでは、食品を選ぶときに栄養表示を毎回確認するようにしましょう。
「炭水化物」もしくは「糖質」のグラム数を確認し、1日の目安摂取量に合わせて食事を選んでいきます。
1日の目安摂取量を150gに設定している場合、ご飯を食べたいのであれば他の食品をすべて低糖質食品にする必要があります。
ご飯を我慢できるのであれば、1食10~30g程度の糖質を含んだ食品でも食べることができます。
そのあたりはご自身のやり方を見つけて、楽しみながらダイエットをしましょう。
低糖質ダイエットの注意点
低糖質ダイエットは、人のエネルギー源である糖質を制限するダイエットです。
効果の高いダイエット法ですが、その分リスクもあることを覚えておきましょう。
もちろん、正しいやり方で行えば危険なことは何もないので安心してください。
一つは急激な制限はしないことです。
今まで糖質を300~400g摂取していた人が、次の日から急に1日30gに抑えるというやり方は危険です。
体が慣れていないため低血糖を起こしてしまったり、強いストレスを感じてしまうこともあります。
二つ目は、タンパク質をしっかり摂ることです。
エネルギー源となる糖質を制限するので、その代わりのエネルギー源としてタンパク質を多めに摂取しましょう。
糖質とタンパク質の両方が不足すると、体調を壊してしまうことがあるので要注意です。
最後はやはり炭水化物を含む食材を避けることです。
炭水化物(糖質)は実に多くの食材に含まれているので、知らないところで食べてしまっていることがあります。
例えばトウモロコシ、餃子、カレーは糖質制限中に食べてはいけない食材です。
カレーはルウに糖質が多く含まれているので、ライス抜きのカレーもアウトです。
低糖質ダイエットにおすすめの食品5選
ここからはさらに具体的に、低糖質ダイエットにオススメの食品をご紹介します。
食品に迷ったら、この食品を選んでおけば間違いはありません。
大豆製品
低糖質・高タンパク質を代表する食品がこちらの「大豆製品」です。
大豆は納豆や豆腐、豆乳、味噌などいろいろな食品に利用されています。
満腹感はそこそこですが、上質なタンパク質をたくさん摂ることができます。
特に注目したいのが、大豆に含まれている「大豆イソフラボン」です。
大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きをし、ホルモンバランスの調整や美容に良いとされています。
大豆製品には食物繊維もたっぷり含まれているので、炭水化物抜きダイエットで不足しがちな栄養素を十分に補ってくれるでしょう。
肉類
低糖質ダイエット中、ご飯の代わりに主食となるのは肉類です。
鶏肉や豚肉、牛肉など、どれも豊富なタンパク質を含み、低糖質ダイエット中の栄養補助に欠かせません。
牛肉や豚肉を食べ過ぎると脂質の摂り過ぎとなってしまいますが、健康な人であれば問題ありません。
摂り過ぎた脂質は排出されますので、そこまで気にする必要はないでしょう。
もちろん、もともと高脂血症などと診断されている人は、脂質の摂り過ぎには注意しなければいけません。
そもそも何らかの病気を患っている場合や薬を服用している場合は、低糖質ダイエットをするにあたって必ずかかりつけの医師に相談してから行うようにしましょう。
肉類を主食にするにあたり注意しなければいけないのは脂質ではなく、「塩分」です。
お肉を焼くときは、塩コショウをするのが基本ですよね。
毎食塩分の多いお肉を食べていると、塩分の摂り過ぎになり肝臓など内臓に負担をかけてしまいます。
なるべく食材の味を楽しむよう塩分は控えめにして、食事を考えるようにしましょう。
魚介類
低糖質ダイエット中は、魚介類も立派な栄養源です。
豊富なタンパク質に加え、EPAやDHA、さらに不足しがちなビタミンなどを含みます。
魚介類は種類によって栄養が大きく異なるので、興味のある方は調べてみましょう。
どちらにしろ糖質はほとんど含まれていないので積極的に食べたい食品です。
注意点は、その調理法です。みりん干しや煮つけ、かば焼きなどは多くの糖質を含みますので注意が必要です。
肉類と同じで塩焼きをするときも、塩分の摂り過ぎには気を付けましょう。
揚げ物は衣に糖質が多く含まれているのでオススメしません。
さらに魚介類は肉類と異なり水分を多く含むため、「素揚げ」にも適していません。
確かに調理法は限られていますが、栄養価が高いのでオススメです。
チーズ
チーズは、低糖質ダイエットの強い味方です。
タンパク質やカルシウムなど、牛乳の約10倍の栄養価があります。
多くはありませんが、不足ちがちなビタミンも摂ることができます。
チーズは卵と同じように完全栄養食と言われることもありますが、ビタミンCと食物繊維、鉄分だけは不足しています。
それらと相性の良い葉物野菜(ほうれん草や小松菜など)と一緒に食べるのがオススメです。
卵
チーズと同じく、完全栄養食と呼ばれる「卵」。
工夫次第でいろいろな調理に使える、万能の食材です。
肉、チーズ、卵を食べるだけで、ビタミンC以外のすべての栄養をまかなうことができると言われています。
低糖質ダイエット中は積極的に食べていきましょう。
ひと昔前まで「卵は1日1個」と言われていました。
食べ過ぎるとコレステロール値が増加し、健康を損なうおそれがあるからです。
しかし現在では、卵の食べ過ぎとコレステロール値の増加に因果関係はほとんどないと判明しています。
厚生労働省発行の「食品摂取基準2010年版」(5年に1度発行)では、コレステロールの目安摂取量が定められていました。
しかし2015年版では医学的根拠がないとして、コレステロール値の目安摂取量が撤廃されています。
ちなみに2010年版の時点で「卵の摂取とコレステロールの増加に有意な関連は認められていない」とされています。
低糖質ダイエットを成功させるポイント4点
低糖質ダイエットは成功させるポイントやコツを知ることで、健康的にダイエットができます。
基本的なことばかりですが、ポイントをしっかりと抑えて成功率を上げましょう。
低糖質な食品を知る
低糖質ダイエットの基本ですが、低糖質な食品を知るところが第一歩となります。
ある程度は食品の栄養表示で確認することはできますが、知っているのと知らないのとでは効率が違ってきます。
すべての食品をひとつひとつ確認するのは、大変骨の折れる作業です。
食品選びで苦労してしまうと、継続するのが嫌になってしまうこともあります。
ある程度低糖質な食品を知っていると、食品選びがぐっと楽になるでしょう。
栄養バランスを考える
低糖質ダイエットをするにあたり、栄養に関する基礎的な知識は備えておきましょう。
食事制限ダイエットは、栄養バランスが命です。
低糖質ダイエットでは糖質を抑えて、タンパク質をしっかりと摂る必要があります。
肉類を摂っていれば自然と脂質は摂取できます。
魚も定期的に食べるようにしましょう。
ビタミンやミネラルは野菜からしっかりと摂るようにしてください。
タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルといった糖質以外の五大栄養素が不足しないよう、食事を考えることができればベストです。
生活習慣に気を付ける
ダイエット中は栄養バランスの乱れやストレスなどにより、体調を崩してしまいがちです。
できるだけ健康的な生活を送るよう、日々の生活習慣には気を付けましょう。
特に大事なのは、睡眠です。
最低でも6時間以上、できるだけ質の高い睡眠を心がけましょう。
睡眠の質やリズムが崩れると、自律神経やホルモンバランスが乱れる原因となります。
それらは内臓の消化器官に影響を及ぼし、代謝機能の低下にもつながります。
運動を取り入れる
必須ではありませんが、定期的な運動はストレスの発散にもなるためオススメです。
適度な運動は、エネルギーの代謝を促進させます。
糖質をカットして運動をすることで、効率よく脂肪を燃焼させることができます。
低糖質ダイエットではタンパク質をたくさん摂ることになるので、並行して筋力トレーニングを取り入れてもいいでしょう。
まとめ
・低糖質ダイエットするなら低糖質で豊富な栄養素を含む食品を選ぶ必要がある。
・急激に糖質を落として、急激に戻すとリバウンドするので、ゆっくりと量の調整をする。
低糖質ダイエットは、食べて痩せる「満腹ダイエット」と呼ばれることがあります。
空腹に対する我慢の必要もなく、知識があれば楽に痩せることが可能です。
低糖質ダイエットは学会でも注目されており、糖尿病治療やアトピー性皮膚炎、メタボリック症候群にも効果があるとされています。
「痩せるための食事制限」ではなく、「健康になるための食事制限」として、一度取り入れてみてはいかがでしょう?