筋肉痛のあの嫌な痛みは放置しても自然に治るものですが、実は緩和効果がある栄養素や食事方法があります。
今回は筋肉痛の基礎知識と3つの原因、プロテインの有効性、効果が期待できる栄養素と食材・飲み物をそれぞれ紹介します。
筋肉痛とは?
人は、生活するにあたって色々なことを経験します。
例えば、ケガや病気です。
ある程度健康的な生活を送っているつもりでも、足をくじいてしまったり、風邪をひいてしまったりしますよね。
そのため、自分の健康状態には常に気を配っておくことが大事です。
また、ほとんどの人が一度は経験する症状として、筋肉痛による痛みが挙げられます。
筋肉痛については、筋肉の炎症によって感じる痛みです。
とても深刻に思う人もいるかもしれませんが、ささいなことでも筋肉痛になってしまうケースはあることから、それほど悩む必要はありません。
また、軽度の筋肉痛であれば、軽い鈍痛を感じる程度の症状にとどまります。
一方、やや重度の筋肉痛であれば、強い痛みを伴います。
また、筋肉関連のケガとして有名なものに、肉離れがありますよね。
筋膜などが損傷することを言いますが、肉離れも筋肉痛のうちに含まれるという見方があります。
筋肉痛が起きる原因3つ
例えば、骨折の場合、どういう理由で骨折をしたのかという点がわかりやすいですよね。
転んだ際に骨折するというケースもあるでしょうし、極度の疲労で骨折するというケースもあるでしょう。
原因がはっきりしていれば、対策をとることもできます。
しかし、筋肉痛については、知らないうちに鈍痛を感じるようになったというケースがありますよね。
そのため、原因がよくわからない場合があるのです。
そこで、ここでは筋肉痛の原因について取り上げ、説明しましょう。
運動不足
筋肉痛が発生しやすくなる原因として挙げられるものに、運動不足があります。
運動不足の人の筋線維はとても弱い状態にあることが予測されます。
そのような状態のときに、筋線維へ大きな負担がかかれば、当然筋肉痛になってしまうというわけです。
社会人の場合、運動量については職種にも左右されるため、難しい部分はあります。
しかし、休日などを利用して運動に取り組むことで、筋肉痛を未然に防ぐことができます。
強い筋肉の伸縮
普通に生活している会社員の人の場合、あまりにも強い筋肉の伸縮というのは基本的に起こり得ません。
しかし、アスリートとして活動している人等の場合、時に身体に大きな負荷をかけることもあります。
従って、強い筋肉の伸縮が起こるケースも多いです。
そこで懸念されるのが、肉離れのリスクです。
肉離れは、筋肉の伸縮が原因となって起こるものなのです。
そのため、過酷なトレーニングをしたり、全力で試合に臨むようなアスリートの方は注意が必要です。
年齢によるもの
高齢になってくると、身体の機能の衰えが懸念されます。
プロ野球やプロサッカーの世界でも、活躍している選手の中に高齢者というのは基本的にいませんよね。
「選手生命は短い」というフレーズを耳にする人も多いでしょう。
また、高齢になって懸念される症状の一つに、血行不良が挙げられます。
血行不良の症状が現れ、筋肉の痙攣などが見られるようになった状態というのは、様々なリスクが懸念されます。
そして、その1つが筋肉痛というわけです。
そのため、高齢になるに従って、筋肉痛が起こりやすくなると考えていいでしょう。
しかし、高齢者世代になっても、努力することで、身体的な衰えを遅らせることは可能です。
プロテインに筋肉痛緩和効果がある?
筋肉というワードを聞くと、プロテインを思い浮かべませんか?
筋肉の成長を手助けするアイテムとしても知られるのがプロテインであり、筋力アップを望むアスリートにとっては必需品になっていることでしょう。
また、プロテインにも色々と種類があり、粉末状のタイプや、サプリメントのタイプなどが販売されています。
そのため、自分に合ったものを選択できるという点が良いですよね!
そのプロテインが、筋肉痛に効くのでは?という説があります。
では、この説は果たして本当なのでしょうか。その点について見ていきます。
痛みに対しての直接的な効果は見込めない
確かに、プロテインを適切に摂取しながらトレーニングを続ければ、順調に筋肉を成長させることができるでしょう。
そのため、筋肉痛を治してくれるのでは?というイメージを持つ人が出てくるのも無理はないかもしれません。
しかし、基本的にプロテインには、筋肉痛の痛みを瞬時に打ち消すような効果のある成分は含まれていません。
従って、プロテインは痛み止めの代わりにはならないのです。
筋肉痛によるあまりにも強い痛みを感じたのであれば、プロテインを飲んで治そうなどとは思わず、適切にケアすることが大事です。
間接的な効果は期待できる?
プロテインを飲んでも、筋肉痛に対する直接的な効果は期待できません。
しかし、間接的な効果という点では、期待できるかもしれません。
なぜなら、プロテインは筋肉組織の回復を早めるのに役立つアイテムだからです。
従って、筋肉組織の回復をより積極的に促す目的でプロテインを飲むことで、結果として通常よりも早く筋肉痛の痛みが治まる、というケースはありえるというわけですね。
その点では、「プロテイン=筋肉痛に効果あり」という見方はできるのかもしれません。
食事で筋肉痛の緩和が可能 効果的な栄養素とおすすめ食材
筋肉痛については、鈍痛というのが1つの特徴ですよね。
あの鈍痛は、とても嫌な痛みであり、精神的にもダメージになるでしょう。
そのため、早く痛みが治まってほしい!というのが本音だと思います。
そこで考えられるのが、食事によって痛みの緩和を早めるというものです。
幅広い食べ物が存在するようになった現代では、筋肉痛に効くようなものも存在するかもしれませんね。
そこで、ここでは筋肉痛を治すにあたって役立つ食べ物をご紹介しましょう。
タンパク質を含む食べ物
先ほど、プロテインと筋肉痛との関係についてご説明しました。
そのプロテインに含まれている栄養素こそ、タンパク質です。
従って、タンパク質を多く含む食べ物を積極的に食べることは、筋肉痛に良いと言えますね。
そこで、タンパク質の多い食べ物を紹介します。(グラム数は可食部100グラムあたりのタンパク質量)
・牛すじ 28.4ミリグラム
・牛レバー 19.6ミリグラム
・豚ヒレ肉 22.8ミリグラム
・豚バラ肉 14.3ミリグラム
・鶏の手羽先 17.5ミリグラム
・鶏レバー 18.9ミリグラム
このように、牛肉だけでなく、豚肉や鶏肉にも豊富にタンパク質が含まれていることがわかりますね。
ただし、同じ肉でも、どの部位なのかによってタンパク質の含有量が変わってくることから、その点は踏まえておきましょう。
炭水化物を多く含む食べ物
筋肉には、グリコーゲンと言われる糖質が蓄積されています。
しかし、筋トレなどを行うことによって、そのグリコーゲンが減少してしまうのです。
減少したのであれば、新たに体内に取り入れていかなければなりません。
そこでキーになるのが、炭水化物です。
なぜなら、炭水化物はいわゆる糖質だからです。
そこで、炭水化物を多く含む食べ物を紹介しましょう。(グラム数は100グラムあたりの炭水化物量)
・餅 50.3ミリグラム
・ホットケーキ 45.4ミリグラム
・精白米 37.1ミリグラム
・赤飯 42.4ミリグラム
・焼いも(さつまいも) 39.0ミリグラム
米や餅、パンなどに炭水化物が多く含まれていることは、とても有名です。
しかし、さつまいもにこれほどまでの炭水化物が含まれているというのは、驚きですよね。
炭水化物については、摂りすぎ注意とも言われているため、その点は気にしておかなければなりません。
しかし、多少なりとも摂取が必要な栄養素であることは事実でしょう。
ビタミンB群を多く含む食べ物
人間に欠かせない栄養素の1つとして、ビタミンB群が挙げられます。
特に、疲労回復という点で大きな効果を見込めるのは、ビタミンB1です。
そのため、筋肉痛に効くという見方もできるでしょう。
そこで、このビタミンB1を多く含む食材を紹介します。(グラム数は100グラムあたりのビタミンB1量)
・ベーコン 0.47ミリグラム
・イクラ 0.42ミリグラム
・豚ヒレ肉 0.98ミリグラム
・生タラコ 0.71ミリグラム
・グリンピース 0.33ミリグラム
イクラの場合、比較的高価な食材として挙げられることから、常に冷蔵庫に常備しておくというのは難しいかもしれません。
しかし、タラコやベーコンであれば安価なため、気軽に買うことができますよね。
また、肉類でビタミンB1を摂るのも良いですが、野菜類で摂るというのも良いでしょう。
野菜なら比較的低カロリーですよね。
ビタミンCを多く含む食べ物
ビタミンCについても、摂取すべき栄養素の1つです。
テレビ番組などでもよく体に良いと紹介されていますよね。
ビタミンCの場合、ビタミンB1と同様に、疲労回復の効果が期待できます。
そこで、ビタミンCを多く含む食べ物を紹介しましょう。(グラム数は100グラムあたりのビタミンC量)
・ピーマン 76ミリグラム
・明太子 76ミリグラム
・ブロッコリー 54ミリグラム
・モロヘイヤ 65ミリグラム
・パセリ 120ミリグラム
・ボンレスハム 49ミリグラム
ビタミンCと言えば、レモンというイメージがあると思います。
しかし、上記の項目を見て分かる通り、レモンにこだわらずとも、他の食べ物でビタミンCを摂取することができるのです。
そのため、栄養バランスについてよく考え、適切に食べ物を選ぶことをオススメします。
食事以外でも筋肉痛を緩和できる おすすめの飲み物
先ほど、筋肉痛にオススメできる食べ物についてご紹介しました。
しかし、食べ物ではなく、飲み物によって効果を期待したい!という人もいると思います。
確かに食べ物だと、たくさん食べた場合に、少し体が重く感じるという点や、眠くなってしまうという点が懸念されます。
それに対し、飲み物であれば、基本的にその点の心配をする必要がないですよね。
そこで、ここでは筋肉痛に良いとされる飲み物についてご紹介します。
黒酢を飲んでみよう
そもそも、疲労の原因としては、筋肉への乳酸の蓄積が挙げられます。
この乳酸については、筋肉を動かすことによって蓄積していくことから、基本的に避けることはできません。
そこで、オススメしたい飲み物として挙げられるものが、黒酢です。
なぜなら、黒酢にはクエン酸が含まれているからです。
クエン酸を体内に取り入れることによって、乳酸の蓄積が抑制されるのです。
また、黒酢というと、あまり美味しくないと思っている人がいるかもしれません。
確かに、フレッシュジュースなどとは全く違ったイメージがありますよね。
しかし、現代では、比較的飲みやすい黒酢関連の飲み物が販売されています。
豆乳を飲んでみよう
先ほど、筋肉痛とプロテインの関係についてご説明しました。
タンパク質がよく働いてくれるんですよね。
そこで、オススメしたい飲み物として挙げられるのが、豆乳です。
豆乳には、筋肉の成長という点で効果的なタンパク質が含まれています。
そのため、筋肉痛の痛みを緩和するという点でも、大いに期待できると思います。
また、豆乳についても、黒酢と同様に、比較的飲みやすい商品というのが既に存在しています。
そのため、是非そういった商品を購入し、日々の食生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
・筋肉組織の回復をより積極的に促す目的でプロテインを飲むことで、結果として通常よりも早く筋肉痛の痛みが治まる場合はある。
・筋肉痛を早く治したいならプロテインだけでなく食事からも栄養を考えて摂ると良い。
これまで、筋肉痛の原因についてや、筋肉痛とプロテインとの関係、効果的な食事などについて説明してきました。
確かに筋肉痛の症状というのは厄介ですが、食生活に工夫を凝らしていくことで、早めに症状を緩和させることはできるのです。
そのため、筋肉痛になる度に痛み止めを飲むなどという行為は、控えた方がいいでしょう。
薬を頻繁に飲むことは、ある程度のリスクが懸念されるからです。
また、食生活を送るにあたって重要なことは、摂取カロリーです。
栄養素の効果を得ようという気持ちが強くなりすぎて、あまりにもたくさんのものを食べ、摂取カロリーが高くなることは問題です。
食べた分は、やはり運動しなくてはなりません。
筋肉痛の緩和に効果のある適切な量を守って食事をしてくださいね。