筋肉痛の独特な鈍痛は自然に治るものですが、実は筋肉痛を早く治す方法がいくつかあります。
今回は、筋肉痛と超回復の基礎知識、筋肉痛を早く治す方法3つと、超回復により効果的な睡眠の質を高める方法6選をまとめました。
目次
筋肉痛のメカニズムとは?
生きていく上では、様々な痛みを経験することになります。
腕の痛みや足の痛み、腰の痛みなど、様々です。
また、筋肉の痛みというのも当然経験しますよね。
皆さんも筋肉痛になったことは1度や2度はあるでしょう。
では、この筋肉痛はどのようにして起こるのでしょうか。
身近な痛みであるため、知りたいですよね。
そこで、その筋肉痛のメカニズムについて見ていきましょう。
筋線維が傷ついた場合に筋肉痛が起きる
まず、筋肉には筋線維というものがあります。
この筋線維が傷ついた場合、修復に入ります。
その修復の際に筋膜が刺激を受け、筋肉痛を感じるのです。
ということは、筋線維を傷つけなければ、基本的には筋肉痛を防げるということになりますね。
筋線維については、強度が弱いと傷がつきやすいです。
筋線維の強度については、きちんと筋トレをして筋肉を強化している部位に関しては強いですが、そうでない部位については弱いです。
そのため、筋トレを習慣づけている人であっても、筋肉痛になる可能性はあるということですね。
なぜ痛みが遅れてくるの?
たくさん運動をした翌日に、筋肉痛に気付くということはありませんか?
実は、筋肉痛の症状については、運動した直後から現れるのかというと、必ずしもそうではありません。
この点はよくある疑問の1つでしょう。
しっかりと鍛えてある筋肉については、毛細血管の巡りが良好です。
それに対し、鍛えていない筋肉については、毛細血管の巡りがイマイチです。
従って、鍛えていない筋肉の筋線維が傷ついた場合、毛細血管の巡りが悪いので、修復に入るのも遅く、筋膜が刺激を受けるまでに時間を要すると言われているのです。
筋肉痛の症状が後からくるのは、こういった理由があるからなんですね!
運動しなかったのに筋肉痛になるのはなぜか?
人によっては、意識して運動しなかったのにもかかわらず、筋肉痛の症状が現れたということもあると思います。
それは自律神経に問題がある場合です。
自律神経の問題があると、血流が悪化することがあります。
その状態というのは、たくさんの運動をした時と同じような状態なのです。
従って、運動していないのになぜか筋肉が痛い!と感じたら、その原因は自律神経の乱れにあるかもしれません。
自律神経が乱れる原因については、様々あります。
運動不足や睡眠不足、精神面におけるストレスなど、その他まだまだあります。
重要なことは、適切な生活習慣が続くよう心がけるということです。
筋肉痛のリスクが高まる動きとは?
運動にも色々と種類があります。
そのため、筋肉痛になるリスクの高い運動については、なるべく避けたいですよね。
そこで、筋肉痛になりやすい運動について紹介したいと思います。
階段を下りる運動
まず1つは、階段を下りるという運動です。
階段を上るならまだしも、下りることの何がいけないの?と思う人もいるでしょう。
確かに、階段を下りる運動によって、筋線維に大きな負荷がかかるとは思えませんよね。
しかし、階段を下りる際には、筋肉が伸びることになります。
このような筋肉の伸びを伴う運動を行うと、筋線維に負荷がかかってしまうのです。
そのため、その点を踏まえておくようにしましょう。
重量のあるものを下ろす運動
重量のあるものを下ろす運動をした際にも、階段を下りる時と同様に、筋肉が伸びることになります。
そのため、筋肉痛になるリスクが大きいと言えるでしょう。
リスクを小さくする方法としては、動きにあります。
あまり素早く下ろそうとするのではなく、スローを意識しましょう。
引越しの際などは、テンポよく動こうとしてしまいがちです。
重量のあるものを持ち運ぶ際には、身体へかかる負担というのを十分考慮しなくてはならないのです。
筋肉痛と超回復の関係とは?
筋肉というワードと、超回復というワードをセットで聞くことはありませんか?
そこで気になるのが、これらのワードの関係性ですよね。
まず、筋トレなどの運動をすることで筋線維に傷がついた場合、その修復が行われるという点を先ほどご説明しました。
基本的に、修復が行われる前の筋肉と、修復が行われた後の筋肉は、状態が異なります。
修復後の筋肉の方が、強くたくましいものとなっているのです。
このように、修復によって筋肉が強化される過程を「超回復」というのです。
そのため、筋肉痛と超回復については、とても深く関係していることがわかりますね。
筋肉の強化を継続して目指す場合、筋肉痛のリスクがついて回るということは、踏まえておかなければなりません。
筋肉痛=超回復中!筋トレはNG
男らしいムキムキの身体を目指す人の場合、筋トレにかける時間を長くとりがちです。
では、筋肉痛になった状態で、さらに筋肉に負荷をかけるトレーニングはしてもいいのでしょうか。
結論から言うと、それはやめておきましょう。
なぜなら、筋肉痛による痛みが続いている間は、筋線維の修復が完了していない状態だと考えられます。
その状態で筋トレを続ければ、いわゆるオーバートレーニングになってしまうのです。
従って、効率的な筋肉の強化を見込むことはできないでしょう。
大切なことは、超回復の期間は筋肉をきちんと休めることです。
超回復が終わり、筋肉痛の痛みがひいた段階で、またトレーニングをしていきましょう!
筋肉痛が治る超回復にかかる期間とは?
超回復の最中においてトレーニングを控えるということであれば、気になるのは超回復にかかる時間ですよね。
短ければ、早い段階でトレーニングを再開することができますし、あまりに回復に時間がかかるようであれば、しばらくの休養が必要ということになります。
まず、知名度が高い上腕二頭筋については、超回復が完了するまでに36時間程度かかると考えられています。
また、上腕三頭筋や大胸筋に関しては、72時間程度かかると考えられています。
従って、筋肉の部位によって、超回復にかかる時間が違ってくるということですね。
負荷のかかるトレーニングを色々と行った場合、その後数日間は身体を休めた方がいいでしょう。
無理にトレーニングを続けても、先ほどご説明したオーバートレーニングになってしまうのです。
筋肉痛を早く治す方法3つ
筋肉痛の痛みというのは、悲鳴をあげるほどのものではないと思います。
しかし、ズキズキとした鈍痛は、決して気持ちのいいものではないですよね。
一刻も早く痛みが消えさってほしい!と思う人が多数でしょう。
そこで気になるのが、筋肉痛を治す方法ですよね。
効果的な方法が分かれば、後は実行あるのみでしょう。
ここでは、早い段階で筋肉痛を治すための方法についてご説明します!
痛みを感じる部位を冷やしてから温める
まず、1つ目の方法としてご紹介するのが、痛みを感じる部位を冷やすというものです。
いわゆるアイシングですね。
プロスポーツ選手などがアイシングをしている様子を、テレビで見たことがあるという人もいるでしょう。
そもそも、筋肉の痛みを感じるということは、その部分の筋肉が炎症を起こしている可能性が高いのです。
そのため、まずはアイシングをし、炎症を落ち着けるようにしましょう。
ただし、アイシングをして終わり、というのはあまり良くありません。
なぜなら、アイシング後の行動についても重要だからです。
スムーズな回復を見込むためには、筋肉を温めることが大事になります。
従って、炎症が落ち着いてきたと感じたら、お風呂に入るなどして筋肉を温めましょう。
そうすれば、痛みも早い段階でひいていく可能性があるのです!
適切に栄養補給を行う
よりスムーズな超回復を促すという観点でも、重要になるのが栄養補給です。
そこで気になるのが、どのような栄養素の摂取が適しているのかということですよね。
具体的には、たんぱく質や炭水化物です。
そのため、豆乳を飲んだり、日本人の主食である米を積極的に食べるようにするといいでしょう。
たんぱく質に関しては、比較的多くの食材に含まれているため、摂取しやすいと言えますね。
また、ミネラルやビタミンの摂取も推奨されます。
従って、ミネラルウォーターを積極的に飲んだり、レモンやミカンなどの果物を食べるようにするといいでしょう。
ダイエットをしている人の場合、カロリー過多になってしまうことを恐れて、栄養の摂取を躊躇してしまうというケースがあります。
しかし、栄養を十分に摂取できなければ、筋肉のスムーズな強化というものは難しいため、その点は理解しておきましょう。
また、栄養不足によって体調を崩してしまったのでは元も子もありませんね。
きちんと睡眠をとる
人によって、生活リズムというのは様々です。
十分な睡眠がとれている人もいれば、毎日が忙しいせいであまり睡眠をとれていないという人もいます。
あまり睡眠をとれていなくとも特に問題ないのでは?と思う人もいるでしょう。
しかし、スムーズな超回復により、筋肉痛の緩和を図るということであれば、大事になるのは睡眠です。
睡眠中には、成長ホルモンが分泌されます。
この成長ホルモンが、超回復をより促してくれるというわけです。
ここで問題になるのが、睡眠時間です。
目安としては、6時間程度の睡眠は必要と言われています。
そのため、3時間や4時間程度の睡眠時間になってしまわないように努めましょう。
超回復をより促す「質の良い睡眠」に効果的な方法6選
睡眠時間とともに、睡眠の質というのもとても重要になります。
深い眠りであれば、成長ホルモンがより分泌されるのです。
その一方、浅い眠りであれば、成長ホルモンの分泌が抑制されてしまいます。
では、眠りが浅くなってしまうことを防ぐために、どのようなことを心がけておけばいいのでしょうか。
その点をいくつか挙げておきましょう。
自分に適した枕で寝るようにすること
枕が自分に合っていなかった場合、寝つきが悪くなる可能性があります。
また、眠りが浅くなってしまうことも懸念されるのです。
寝る直前に携帯電話やパソコンを使用しない
寝る前に携帯電話をいじったり、パソコンを使用したりしてしまうと、脳がより活動的になってしまいます。
そうなると、すぐに眠りにつくことが難しくなってしまうのです。
多くの人がいる所で寝ないこと
周りの音が大きかったりすると、眠りが浅くなってしまいます。
そのため、なるべく一人で寝るようにするといいでしょう。
ストレスを抱え込まないこと
誰しも、ストレスを感じることはあります。
しかし、ずっとストレスを抱え込んだままでいると、日々の眠りが浅くなってしまう可能性があります。
なぜなら、脳が興奮してしまうからです。
そのため、ストレスを解消できるよう努力することが大事です。
寝る前にカフェインを摂取しないこと
カフェインを飲むと、交感神経が刺激を受けることになります。
そうなると、短時間で深い眠りにつくのが極めて難しくなってしまうのです。
そのため、寝る前にカフェインを摂取するというのは控えましょう。
カフェインは、コーヒーなどに多く含まれています。
タバコを控えること
現代では、タバコを吸う人というのは減ってきています。
しかし、全体で見ると、依然として多くの人が喫煙をしているという現状です。
タバコには、ニコチンが含まれています。
このニコチンは、脳を覚醒させるものです。
そのため、睡眠が浅くなってしまうことが懸念されますね。
そもそも、タバコに含まれる有害物質というのは広く知られています。
従って、一般社会においても、禁煙を求める声というのが強くなっていますね。
まとめ
・筋肉痛になっている時は超回復中なので、筋トレをせずに休息をするべき。
・筋肉痛を早くなおす方法は「アイシングする」「栄養をきちんと摂る」「睡眠をきちんととる」の3つ。
これまで、筋肉痛のメカニズムや、超回復との関係、筋肉痛を治す方法などについて具体的に説明してきました。
筋肉を動かすことが原因で起こりうる症状が筋肉痛ですが、そのメカニズムについてはそれほど単純なものではないのです。
今回は、早い段階で筋肉痛を治すための方法をご紹介しましたが、即効と言えるほどのものではありません。
そのため、その点は踏まえておきましょう。
また、筋線維というのは、それほど頑丈ではありません。
従って、筋肉痛が起こったからと言って、健康面で大きな問題があるのでは?というような疑念を抱く必要はないでしょう。
ただし、あまりに違和感を感じる場合、医療機関での診察を受けることを推奨します。