むくみは単に太って見えるだけでなく、体に不調をきたしたり、放置すると重大な病気になる可能性もあります。
今回はむくみと肥満との違い、むくみの原因となっている病気や生活における悪習慣、解消法5つを紹介します。
むくみとは?
からだがむくむと、実際はそれほど太っていないのに、太ったとみられてしまう可能性があります。
体がだるくなったり、今まで切れていた服が着れなくなることもあるでしょう。
そもそもこのむくみとは何なのでしょうか?
むくみとは「浮腫」のことです。
これは医学的用語ですので、正しい言葉を知らないまま「むくみ」と呼んでいる人がほとんどです。
これは、血液中にある水分が、血管やリンパ管の外に染み出てしまい、皮膚の下にたまっている状態を指しています。
多くの場合、むくみは足や顔に生じやすいといわれています。
靴を履いたとき朝よりきついな、と感じられたことがあるでしょうか。
また、朝起きた時に、顔の大きさがいつもより大きく見えたことがおありでしょうか。
脚や顔は簡単にむくみやすく、そのことを気付いやすい場所でもあります。
むくみが起きると酸素や栄養がなかなか行き渡らなくなり、老廃物が体内に蓄積されてしまい、さらにむくみが悪化してしまうという負のスパイラルに陥ってしまいます。
慢性的なむくみは健康に悪く、病気の元となってしまいます。
早い段階でむくみを解消するために対応できるようにしましょう。
むくみと肥満の症状&原因の違い【解消法が異なるので見極めが必要】
体がむくむと、サイズが大きくなるために「太った」と感じる人が多いようですが、本当にそうでしょうか?
顔が丸くなったり、足が太くなったりする原因がむくみなのか、肥満なのかを識別することは非常に重要です。
何故なら原因によって解消法も異なるからです。
むくみと肥満の違いはたくさんあります。
まず、むくみが起きるときに増加する物質は水分ですが、肥満になるときに増加する物質は脂肪です。
むくみの場合は、本当は体外に排出されていくはずの水分が、皮膚の下にたまってしまい、体の中に必要以上の水分が蓄積されている事でおこります。
そのため体重が増えたり、太くなったりするのです。
さらに、むくみと肥満では原因が異なります。
ですから、どちらなのかが分かっていなければ気になる部分がどうすれば解消するのかという点についても知ることが出来ません。
例えば、むくみの原因には塩分の取り過ぎや血行不良などがあげられます。
反対に肥満の原因には糖質や脂質の取り過ぎ、運動不足などが挙げられます。
自分の今の生活習慣が、むくみか肥満のどちらかの原因となるものを作り出しているということはないでしょうか?
もし、むくみと肥満の違いが全く分からない、どっちなんだろう、と悩んでいるとしたら、どちらもの原因となりうる生活習慣を改善するところから始めると良いでしょう。
むくみの原因を詳しく紹介
むくみを引き起こす原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
むくみが生じた時にその原因がすぐにわかれば、それ以上ひどくなることは避けられますよね。
原因を知っておけば、むくみを予防することだってできます。
自分の生活習慣が、むくみを助長するものとなっていないか、チェックしてみてください。
もしそうなら、今すぐ改善して、体を健康的な状態に保てるように意識していきましょう。
病気
むくみの一つの原因は病気です。
この場合、早急に解消しなければ命の危険に至る可能性もあります。
病気なのかそうでないのかはっきりしない時は早めに病院に行ってプロの人たちに診断してもらってください。
特に、普段と同じ生活をしているのに、急にむくみが生じてびっくりした、とか、むくみが何日も続いていて治らない、という方は要注意です。
血管や内臓が病気になっている可能性が考えられますので、早めに診察を受けましょう。
詳しくどんな病気が考えられるのか、見てみましょう。
不肢静脈瘤
まず、むくみの原因として挙げられるのは不肢静脈瘤という病気です。
これは静脈にある血液が逆流してしまうのを防ぐために存在している静脈便が壊れてしまうことで発症します。
その結果、血液が正常に流れずに逆流してしまい足にたまってしまうのです。
この結果、血液の中の水分は正しく送られずに、血管の中から染み出て皮膚の下にたまっていくことになります。
心臓障害
次に考えられるむくみを生じさせる病気は、心臓障害です。
心臓は血液を送り出すためのポンプのような存在です。
このポンプの働きが正常に行われていないと血行が悪くなります。
体内の細胞に血液を通して栄養を与えることが出来なくなります。
さらに、血液が送り出されず帰ってくることもできないので、老廃物を排出することが難しくなり、水分が皮膚下にたまり出すことになるのです。
心臓障害はなかなか気づきにくく、発作を起こしてから気付くこともあります。
命に関わる異常へと発展してしまう前に、気づけるようにむくみには注意しましょう。
肝臓や腎臓の障害
むくみを引き超す病気の例として、腎臓や肝臓の障害が考えられます。
血管に水分を取り込み、排出するという浸透圧を調整しているのはアルブミンという成分です。
この成分は肝臓でタンパク質をもとにして肝臓で合成されています。
その後に腎臓でろ過されて血液中で働いています。
しかし、この大切なアルブミンが合成される肝臓や、ろ過されている腎臓が障害を起こしていると、アルブミンが正常に働くことが出来なくなります。
水分の調節が出来なくなり、血管の中を水分が送られたり排出されたりする動きが滞ってしまうのです。
その結果むくみが生じます。
この肝臓や腎臓といった内臓は非常に静かに悪化していきます。
手遅れになる前に障害を発見して治療を受けられるように、むくみを放っておくことが決してないようにしましょう。
一過性
むくみを引き起こすものがすべて、病気であるとは限りません。
逆に病気のせいでむくみが生じているということはごく稀です。
では、一過性のむくみはどんな原因なのでしょうか。
その原因を知っておかなければあらかじめ予防したり、解消するために対応することが出来ません。
むくみの原因となるものは、生活習慣の中のちょっとしたことが多いので、一過性のもので済みます。
しかし放っておくと慢性的なむくみへと変わり健康に害を及ぼします。
4つの原因をここで知って、今からその習慣をやめるように努力しましょう。
同じ姿勢
まず、同じ姿勢を長時間維持しているとむくみが生じやすくなります。
ずっと同じ姿勢でいると筋肉が使われなくなり血行不良になるからです。
筋肉が収縮することによって、血液やリンパ液は流れています。これはポンプの働きに似ています。
同じ姿勢、例えばずっと座ったままのオフィスワークだったり、長時間立って行う作業であったり、同じ姿勢をしなければいけない場面はたくさんあります。
その結果血液やリンパの流れが滞ってしまい、むくみが生じてしまいます。
筋力の低下
先ほどの同じ姿勢と同じメカニズムですが、筋力の低下によってむくみは生じやすくなります。
運動不足が続くと筋肉の力は低下していきます。
筋肉が衰えると、血液を送り出すためのポンプの機能も低下してしまいます。
余分な水分を体外へ排出することも難しくなり、血管から染み出ていってしまうのです。
また、心臓へ血液が送り返されなくなり、非常に危険状態になります。
筋肉を鍛えておくことに越したことはありません。
筋力の低下はむくみの大きな原因となりますので、できれば筋トレをおこなって、むくみの生じにくい体にしておくことをおすすめいたします。
冷え性
むくみが生じやすい人の特徴の一つは、「冷え性」です。
女性に冷え性の人が多くて、むくみを生じやすい人が多いですが、実は男性も冷え性で悩んでいる人がいるようです。
手先や足先が冷たく感じることがありますか?
それは冷え性です。
これは血行不良によって生じますのでむくみの原因となります。
足先の毛細血管まで血液がしっかり循環し、細胞に栄養がしっかりいきわたるようにしておく必要があります。
そうなっていないと、血液が滞ってしまい、うまく循環されずに皮膚の下に水分がたまっていく結果になります。
体を温めたりして冷え性を解消する努力を払うことをお勧めします。
塩分過多
生活習慣だけでなく、食生活もむくみの大きな原因を作り出します。
塩分を摂りすぎると、水分をため込みやすい体にします。
体内に過剰な塩分を取り込むと、水分を必要以上にため込んでしまい、本当は排出されなければいけない水分がたまっていってしまいます。
塩辛いものが好きという方は、注意が必要です。
また味付けの濃いものを好む人も注意が必要ですね。
薄味に慣れ、できるだけ体に良い食べ物を選ぶようにしましょう。
塩分過多は最近の食文化ではなりやすいですので、自分で摂取量を意識して調節できるようになりましょう。
むくみの原因となる悪習慣4つ
むくみの原因となる生活習慣をあなたが行っているということはないでしょうか?
毎日忙しい生活の中でそんなことを気にする暇はないかもしれませんが、できるだけむくみを引き起こさないような、習慣を心がけましょう。
お腹がすいたら何を食べますか?
自分で作りますか?それともコンビニかスーパーの総菜を買いに行きますか?
インスタント食品を好んで食べるでしょうか。
外食や売っている食品はカロリーが高く味付けが濃いものばかりですので注意が必要です。
アルコール摂取
例えば、アルコール摂取はむくみを引き起こす原因となりうる習慣の一つです。
これはアルコールが体内で起こす作用が大きく関係しています。
アルコールを摂取すると血管が膨張します。
そうすることで血管の中をより多くの水分が通ることが出来るようになります。
しかし、実は動脈の血管壁には小さな穴がたくさん開いていて、通る水分が多ければ多いほど、その微妙な大きさの穴から水分が漏れ出しやすくなるのです。
この結果、皮膚の下に大量の水分が貯まりむくみを引き起こすことになります。
アルコールを摂取するとトイレが近くなると思われませんか?
それはアルコールによる抗利尿ホルモンの抑制作用によって生じるものです。
たくさんトイレに行ってそれだけたくさんの水分が体から排出されれば、必然的にもっと多くの水分を体が欲する結果になります。
尿などで体外から水分排出され、血管の外にも排出され、どんどん皮膚の下に水分がたまっているのに、血管の中の水分は少なく脱水状態になる、というとても恐ろしい状況が生じます。
アルコールの摂取はむくみを引き起こす本当に大きな原因となります。
ですので、付き合いが悪いといわれることを心配するのではなく、自分の体を心配してアルコールを摂取する機会を減らすようにしましょう。
塩分
一過性のむくみを引き起こす原因の一つとして塩分過多についてご紹介しました。
実は今から30年ほど前には1日に摂取する塩分の量は10g以下でした。
しかし、2010年に男性は9g未満、女性は7.5g未満へと急激に厳しくなりました。
そしてその目標数値は年々減ってきています。
しかし、実際のところ男性も女性もその目標塩分摂取量を超えて塩分を摂取しているのです。
こんなにも塩分の摂り過ぎについて厳しく言われているのに改善されないのはなぜでしょうか。
実は、塩分を摂り過ぎると高血圧になるからです。
高血圧の状態は持続すると動脈硬化につながります。
この動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞などの命を脅かす恐ろしい病気につながります。
これらの病気になったとき、むくみが生じるといわれています。
このむくみは最初に塩分を摂り過ぎたところから始まっています。
細胞の中に過剰にリンパ液が流れ込むことでむくみが生じるようです。
この作用を引き起こしているのは塩分です。
きつい服
体を締め付けることはむくみの大きな原因となります。
体の表面を血液やリンパは流れています。
ですから、体を締め付けるきつい服を身に着けると、その血液やリンパの流れを滞らせてしまうのです。
血液の循環を妨げてしまうと、本当は流れていって排出されるはずの水分がたまってしまいます。
行き場のなくなった水分は皮膚にたまり、それがむくみとなるのです。
また、リンパ管は血管よりも弱く容易につぶれてしまいます。
リンパの流れが悪くなりリンパが血管を流れるようになるとさらにむくみがひどくなります。
きつい服を着ることはやめましょう。
特に最近では締め付けタイプのスキニーパンツなども販売されています。
かっこよく見せること気を取られ過ぎてに、必要以上に体を痛めつけないようにしてくださいね。
体を冷やす
体を冷やすことは、冷え性を誘発させ、血行を悪くします。
血液の流れが悪いと、血液の中を流れていた水分が必要以上にたまってしまいむくみを引き起こします。
体中の血液のめぐりが悪いことはむくみの大きな原因です。
冬は何をしなくても体が冷えてしまいますので、できるだけ温めようと努力しますし、野菜など旬のものは体を温めるものばかりなので少し安心です。
しかし逆に暑い夏は体を冷やすものばかり食べたり、クーラーのきいた涼しい部屋で長時間過ごしたり、シャワーだけで済ましたりするなど、体を冷やす習慣を日常的に行ってしまいやすくなります。
これらの習慣がむくみに直接結びつきますので、暑い時期でもできるだけ体を冷やさないようにしましょう。
むくみの解消法5つ
健康にもあまり良くなく、慢性的なものは病気につながりかねないむくみ。
できるだけ早く解消してすっきりした体でいたいですよね。
ではむくみを解消する方法にはどのようなものがあるでしょうか?
①運動する
適度な運動は、むくみを解消するのに役立ちます。
その理由は、運動をすることによってリンパの流れが促進されるからです。
体の中の老廃物を流したり、水分を排出したりするのに、リンパの流れは大きく貢献しています。
このリンパは筋肉の収縮によって流れているため、運動をすることによって促進させることが出来ます。
しかし、むくみを解消させるために、やみくもに運動するべきではありません。
むくみを解消するためには全身の筋肉をまんべんなく動かす全身運動、しかも有酸素運動がおすすめです。
例えば、ウォーキング、ランニング、サイクリングなどですね。
これらの運動は体に必要以上の負荷をかけず、足をメインに使いながら全身の筋肉に刺激を与えることが出来るため非常におすすめです。
しかし、実際のところ毎日忙しいのにこんな長時間使う有酸素運動など行っていられない、という方もおられることでしょう。
それなら、むくみを解消させるために筋トレを日常に取り入れてみることをお勧めします。
足や顔、手などむくみやすい部分のリンパの流れを滞らせてしまう筋肉を重点的に鍛えてみましょう。
特に下半身を鍛えることはお勧めです。
②お風呂につかる
むくみの原因の一つに冷えがありましたね。
つまり体を冷やすことはむくみの原因となるということです。
では、反対にむくみを解消するにはどうすればよいでしょうか?
それには体を温める必要があります。
ですから、むくみを取るにはお風呂をシャワーだけで済ませてしまうのではなく、しっかり湯船につかってリラックスできる時間を取ることが大切です。
体を温めると代謝が上がって血行も促進されます。
お風呂の温度は38~40度ほどにして、体全体を湯船にしっかりと浸かりましょう。
体全身がポカポカしてきて温まっていることを実感してください。
入浴剤を入れるよりも自然のものを使って入浴すると体がより温まりやすくなります。
例えばレモンやミカンの皮がおすすめです。
ただし、先ほど体全体を湯船に浸かるように、と書きましたが注意点もあります。
ずっとそのまま使っていると心臓に負担がかかる可能性があります。
全身が温まる方法として半身浴法を取るのもお勧めです。
家族がたくさんいる場合は、お風呂にゆっくり浸かることのメリットを伝えて、納得してもらうようにしましょう。
③リンパマッサージ
むくみを解消するのにとても効果的な方法はリンパマッサージです。
ゆっくりとリンパに沿ってマッサージを行うことでむくみを解消することが出来ます。
老廃物がたまっていると血行が悪くなり、水分が溜まり、むくみとなるからです。
マッサージを繰り返し、毎日同じ時間帯に続けて行えば徐々にむくみを解消し、すっきりとした顔や下半身になっていくことでしょう。
体が冷えやすい方は特にむくみを感じやすいといえます。
リンパマッサージを行うと全体に血液が流れて体がポカポカしてくるはずです。
じつはリンパマッサージが特に効果的なのはふくらはぎや太ももなどの下半身です。
むくみが生じているときは体の代謝機能が落ちているということになります。
下半身を生活の中でそれほど動かさない時は特にそういえます。
老廃物が排出されず溜まっている状態ですので、意識的に流していく必要があります。
リンパマッサージを行うときは、あまりに強い力で行わないようにしましょう。
リンパの流れを流すようにやさしくマッサージします。
マッサージクリームなどを使うともっと効果的ですね。
④着圧靴下
着圧靴下を履くことで、むくみを解消する方法もあります。
着圧靴下にはたくさんの働きがあります。
例えば、足の血液の循環を良くしたり、リンパの流れを促進させたり、老廃物を排出するための手助けをしてくれます。
これらの作用は靴下に段階的な着圧機能を備えることによって成り立っています。
足首からふくらはぎ、そしてふくらはぎから太ももにかけて徐々に圧力は少なくなっていきます。
このような段階的な着圧がリンパの流れをよくしてくれます。
しかし、あまりにも圧力の高いものは、むくみの原因ともなります。
締め付けるものはリンパや血管などもつぶしてしまうからです。
着圧靴下を使うときは、自分のサイズに合ったもので気持ちよく感じる程度の圧力のものを選びましょう。
肌トラブルが生じたり、気分が悪くなったらすぐに使用を中止してください。
⑤メリロート入りサプリメント
むくみを解消するために、体に取り入れることのできるものがあります。
それはメリロートサプリメントです。
メリロートという成分についてお聞きになったことはあるでしょうか?
これは美容やむくみに非常に効果的であると話題になっています。
メリロートとは薬用ハーブの一種で血液の流れを改善し、冷え性を解消してくれます。
そうすることでむくみの原因となるものを解消できますので、むくみ自体をなくすことが出来るのです。
サプリであれば飲むだけでよいので時間も力も必要なく続けやすいでしょう。
またむくみを解消し、予防することが出来るので、なかなか生活習慣を改善したり、運動することが難しいという方はサプリを試してみるのもお勧めです。
まとめ
・「むくみ」の原因は肥満とは異なり、塩分の取り過ぎや血行不良、病気など様々。
・「むくみ」は運動やマッサージ、着圧ソックスを履くなどで解消することができる。
男性は女性よりも筋肉が多く、むくみを生じさせるイメージは少ないですが、男性に全く生じないわけでもありません。
実際立ちっぱなし、座りっぱなしの仕事をしている人の中には、慢性的なむくみに悩まされている方もいます。
むくみの原因と解消法を知っておけば、その悩みから解放されますね。
むくんでいると実際よりも太って見えますし、体にも良くないですので早めに解消するようにしていきましょう。
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