アミノ酸を意識的に摂取することで、筋トレの効率アップや筋肉の発達促進だけでなく健康増進にも効果的です。
今回はアミノ酸と必須アミノ酸の種類、体や筋肉・筋トレへの効果、摂取のタイミングや最適な量、注意点を紹介します。
目次
アミノ酸とは?
アミノ酸は体になくてはならないもの、常に摂取しておかなければならない、筋肉には不可欠、といった言葉をお聞きになったことはあるでしょうか。
確かに、アミノ酸は筋肉の発達には欠かせません。
しかし、そもそもアミノ酸とは何でしょうか。
簡単にアミノ酸を説明すれば、アミノ酸はタンパク質を構成している最小単位の物質である、ということができます。
つまり、タンパク質の一部はアミノ酸です。
アミノ酸は化学式ではNH2とあらわすことが出来ます。
タンパク質を構成しているアミノ酸は実に20種類といわれています。
しかし実際にはアミノ酸と定義される成分は約500種類あるようです。
特にアミノ酸の中でも運動に最適といわれているものはBCAAと呼ばれています。
「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」というものです。
この3つは必須アミノ酸です。
筋タンパク質の35%を締めているものですから、筋トレ時にも、筋肉を増強させるために非常に大切な成分であるということが出来るでしょう。
必須アミノ酸とは?
必須アミノ酸という言葉をお聞きになたことはおありですか?
必須アミノ酸はアミノ酸の中でも、体の中で合成することのできないものを指しています。
人体に必要なアミノ酸は500種類のうち20~22種類といわれていますが、そのうちの8~10種類は体の中で作ることはできません。
ですので食事やサプリを使って外部から摂取する必要があります。
この必須アミノ酸が不足してしまうと体は不調をおこします。
ですから普段の食事の中で意識的に摂取する努力をしなければならないのです。
①BCAA
必須アミノ酸の中でも特に重要視されているアミノ酸が「BCAA]です。
筋肉や筋トレに強い興味がある方は誰でもご存知だと思いますが、BCAAには、筋肉組織の合成や維持、修復などに大きく関係している効能があります。
これらのBCAAは「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3つを含んでいます。
「バリン」と「ロイシン」の2つを一度に摂取することで同化作用が得られるため、単体よりもこの3つを一度に摂取するように勧められています。
このBCAAは、タンパク質不足によって引き起こされるあらゆる体の不調を治すことが出来ます。
頭痛やめまい、疲労などを訴える患者の治療薬として医療界でも使われています。
②トレオニン
トレオニンは動物性タンパク質にしか含まれていない必須アミノ酸です。
主に乳製品と卵に含まれているため、ベジタリアンの人には摂取が非常に難しい成分である、ということが出来ます。
主に動物の心臓や骨格筋、中枢神経系で見つけることが出来ます。
この必須アミノ酸は、体にとって必要な、コラーゲンとエラスチンを合成するという大切な働きがあります。
またタンパク質のバランスを保つためにも欠かせません。
③ヒスチジン
ヒスチジンという必須アミノ酸は、筋肉を成長させ、すべての細胞組織を回復するための働きをしているものです。
神経を保護するための細胞を作り維持してくれているため、このアミノ酸がなくなると、身体に多大な悪影響をもたらします。
くわえて、赤血球や白血球を作る働きもしています。
重金属や放射線物質など体に害のある物質を取り除く働きもあります。
④リジン
必須アミノ酸にはリジンというものもあります。
これは体が成長し発達していくために欠かせない必須アミノ酸です。
カルシウムの吸収率を高め、骨や筋肉の成長に貢献しています。
また、脂肪をエネルギーに変換するという働きも促進してくれます。
くわえて、体内の抗体、ホルモン、酵素、コラーゲンを生成するために必要なアミノ酸です。
心臓や血管の健康にも不可欠です。
さらに、新しい筋タンパク質の形成にも必要な重要な役割を持っているアミノ酸です。
⑤メチオニン
メチオニンという必須アミノ酸は、脂肪の分解と脂肪燃焼効果があるものです。
ですから筋トレダイエットを行うなら、この成分は是非摂取してほしいものです。
くわえて、消化の働きを助けたり、臓器から毒素を取り除く、といった効果もあります。
また、余分なコレステロールを燃焼させる働きもあります。
抗酸化作用もあり、健康、美容、ダイエット効果という嬉しい効果ばかりのアミノ酸です。
⑥フェニルアラニン
フェニルアラニンは、気持ちを持ちあげる働きがあるのでダイエットのモチベーションを高めるために役に立つかもしれません。
アドレナリンやドーパミンなどの成分を分泌させる働きもあります。
神経伝達物質でもあります。
このアミノ酸の摂取量によって、人間の幸福の度合いが変わってくるといわれるほど、精神状態に大きな影響を与えるものです。
アミノ酸とプロテイン、筋肉への効果の違いとは?
よく筋トレの際に摂取するべきものとして挙げられるのは「プロテイン」です。
では、アミノ酸とプロテインは何が違うのでしょうか?
プロテインはタンパク質のことです。
アミノ酸はタンパク質を構成している成分でしたね。
あまり変わりがないように感じるかもしれませんが、筋肉に及ぼす影響は大きな違いがあります。
筋肉を付けることを目的としたとき、タンパク質をそのまま摂取するよりも、アミノ酸を直接摂取したほうが、筋肉肥大に効果が高く、吸収率が速いといわれているからです。
アミノ酸の体への効果3つ
アミノ酸は筋肉を肥大させ、筋トレ効果を高めるために非常に効果のある成分ですが、他にもアミノ酸の効果があるのでしょうか?
ここでは生活に影響を与える3つの効果について詳しく説明したいと思います。
①疲労回復
アミノ酸の一つの効果は疲労回復効果です。
激しい運動をすれば筋肉が破壊されてしまい、乳酸がたまり、体は疲労します。
しかし、アミノ酸を外から摂取することにより、筋肉の疲労を最小限に抑えることが出来るのです。
アミノ酸と聞くと、運動中の疲労回復というイメージを持たれることが多いでしょう。
ですが、日常生活の中で疲れが取れなくなったという悩みをお持ちの方もアミノ酸を意識的に摂取するのがおすすめです。
これにより疲れが緩和されるということが良くあります。
②免疫力アップ
アミノ酸のさらなる効果は免疫力アップです。
運動でアミノ酸が消費されると、日常の生活のを送るうえで必要なアミノ酸まで消費されることになってしまいます。
そのため免疫力が低下してしまいます。
しかし、その分アミノ酸を外から摂取して補うことにより、免疫力を正常な状態に保たせることが出来ますし、アップさせることもできます。
特に肝臓は体内の老廃物を排出するための機能、解毒機能により、疲労しやすい部分でもあります。
この肝臓機能を上げてくれるのがアミノ酸の役目です。
③安眠効果
アミノ酸には、脳をリラックスさせる効果もあります。
そのため疲れすぎて、もしくは不安やイライラでなかなか寝れないというときに、ぐっすり眠れるように精神を落ち着かせてくれます。
また、脳の興奮を抑えてくれるために働く神経伝達物質はアミノ酸ですから、このアミノ酸を摂取することによって、睡眠を促し、安眠効果を期待できます。
アミノ酸と筋肉の関係&筋トレへの効果
筋トレにおけるアミノ酸が最も気になるのではないでしょうか。
アミノ酸と筋肉はどのような関係があるのでしょうか?
①筋肉の維持
アミノ酸を摂取しておけば、筋トレをしなくても筋肉の維持が可能になります。
アミノ酸は筋肉のサイズを維持し成長させる効果があります。
そのため筋トレをしなくてもアミノ酸を摂取しておくことで、筋肉がたるんでしまうことを防げます。
②筋トレのパフォーマンス向上
アミノ酸は筋トレのパフォーマンスを向上させる効果もあります。
アミノ酸を摂取すると最大酸素摂取量を高めることが出来ます。
そのため筋トレを行う持久力が上がり、より大きな力をずっと使いながら、筋トレを行うことが出来ます。
③筋肉の分解を抑える
アミノ酸には筋肉の分解を抑えるという効果があります。
筋トレ中は体脂肪が減少していきますが、同時に筋肉も分解される働きが生じます。
生命維持を最優先にするため、エネルギーを作り出すためにタンパク質である筋肉を分解しようとするのです。
しかし、アミノ酸を摂取すればそれがエネルギー源として使われるため、筋肉の分解を抑えることが出来ます。
④持久力を高める
アミノ酸を摂取することにより、筋トレの持久力はもちろん、メンタルや集中力面での持久力を高めることもできます。
血液中にはトリプトファンというアミノ酸があり、BCAAと同時に働くことにより、集中力がアップします。
⑤筋肉痛の抑制
筋トレをしているとどうしても筋肉痛が生じます。
これが心地よく感じればよいのですが、痛みを伴うこともあります。
しかし、アミノ酸を摂取して、筋肉痛を抑えることが出来ます。
タンパク質が合成されるのをサポートしてくれるため、運動中の筋肉が受けるダメージを軽くできるでしょう。
アミノ酸摂取のおすすめタイミング
アミノ酸の効果を最大限実感するためには、どのタイミングで摂取すればよいのでしょうか。
①トレーニング開始30分前
トレーニングの開始30分前にアミノ酸を摂取することにより、運動中にしっかり吸収されて疲労を取ることが出来ます。
また、エネルギーを持続的に使うため、持久力を高めることが出来ます。
体内のエネルギーを使い切ってしまう前にアミノ酸を吸収できるので、アミノ酸の筋トレ効果をより実感しやすくなることでしょう。
運動中にもこまめに摂取することをおすすめします。
②トレーニング直後
トレーニングの筋肉修復、疲労回復効果を狙うために、トレーニング直後にアミノ酸を取ることをおすすめします。
トレーニング終了後にアミノ酸を摂取すると最も効果的です。
その時間がゴールデンタイムと呼ばれる回復期だからです。
筋トレで壊れている筋肉を早く修復し、より強い筋肉づくりに成功します。
体力向上、ダイエット、筋力アップの効果にもアミノ酸は効果的です。
③日常的に
スポーツをする時に限らず、日常的にアミノ酸を摂取することが出来ます。
起床時や就寝時にアミノ酸を摂取することが効果的です。
寝ている間もエネルギーは消費されていますし、起床時には空腹状態になっているはずです。
起床時はすぐにアミノ酸を摂取して、枯渇した状態を長時間続けないよう注意しましょう。
就寝の1時間から30分前にアミノ酸を摂取すると良いでしょう。
アミノ酸の適切な摂取量
アミノ酸はどれほどの量を摂取すれば効果的なのでしょうか?
1回で2000mg摂取するとすると、2時間程度効果が持続します。
そのため、筋トレのパフォーマン氏向上や、集中力の持続効果を期待するのであれば、この2000mgを目安に摂取することをお勧めします。
アミノ酸摂取の注意点
アミノ酸は過剰摂取してもよいのでしょうか?
アミノ酸の副作用はありませんが、過剰摂取すると肝臓や腎臓に負担をかけてしまう可能性があります。
アミノ酸に含まれている窒素は、代謝される必要があるからです。
ですから、アミノ酸の極端な摂り過ぎは、せっかくのアミノ酸効果をつぶしてしまうことになります。
アミノ酸の摂取方法 筋トレ前は内臓に負担が軽い方法がおすすめ
アミノ酸は日常的に取り入れることもできますし、運動直後やトレーニング前に摂取することが出来ます。
そうすることで体内では合成できないアミノ酸を効率よく摂取して、体調改善効果を期待できます。
先ほども述べたように、筋トレの効果を実感するためには1度に2000mgのアミノ酸を摂取することをおすすめします。
食事でアミノ酸を摂取するのであれば、牛乳をコップ2杯分、牛肉を70g、卵2個に相当します。
これらの食材をトレーニング前に食べると負担になるかもしれないので、サプリやドリンク剤からの摂取がおすすめす。
まとめ
・アミノ酸の中で特に重要なのがBCAAを代表とする必須アミノ酸。
・アミノ酸を過剰摂取すると肝臓や腎臓に負担をかけてしまう可能性がある。
アミノ酸には様々な効果があります。
効率よく筋肉をつけるために正しい摂取方法と量を守る必要があるでしょう。
アミノ酸を上手に取り入れて筋トレの効果をあげ、健康を維持しましょう。