社会人1年目は辛く辞めたいと感じる新入社員(新卒)は多く、辞めたい理由や対処法を知っておくことが大切です。
今回は新入社員(新卒)が辞めたい理由8つ&時期3つ、辞めない方が良い理由5つ、対処法4つ、辞め方を紹介します。
目次
新入社員(新卒)が辞めたい8つの理由
「よーし!働くぞ!!」と意欲と希望にあふれた新入社員が入ってくる春。
その数か月後に突然「退社したい」と言いだして周りの人を驚かす人もいます。
実際、最近では辞めたいと言い出す新入社員は増えています。
なぜ、入社したばかりなのに辞めたいと言い出すのでしょうか。
新入社員が仕事を辞めたいと言い出す理由は大きく分けて8つあります。
この理由がわかっていれば、新入社員の退職率を下げることができるかもしれません。
①想像していたのと違う
1つ目の理由は「イメージと違った」というものです。
入社する前は会社の社風や目標、業務内容や職場環境、給与などさまざまな魅力的に感じる部分があり、意気揚々としていたことでしょう。
しかし、実際に理想通りであることはまずありません。
入社してみたら「こんなはずではなかったのに…」と落ち込んでしまうことがあります。
イメージと現実のギャップに仕事への意欲をそがれてしまうのです。
ギャップが大きければ大きいほど、職場への嫌気がさして落胆してしまうことでしょう。
②人間関係が悪い
2つ目の理由は「人間関係が悪い」というものです。
入社したての頃は右も左もわからないため周りの人に助けてもらったり、感謝して過ごすことでしょう。
しかし、ある程度仕事にも職場環境にも慣れてくると人間関係が目に付くようになります。
特定の人に嫌われていたり、職場の全員を敵に回してしまうことさえあります。
パワハラやセクハラの被害者になることもあります。
逆に好かれすぎて、同期の人から恨みを買う場合もあります。
③労働時間に不満
3番目に挙げられる原因として労働時間に不満があるといえます。
それまでは学生で、好きに自分の時間を全部使えていたのに、社会人になった途端に仕事にほとんどの時間を奪われるようになります。
ましてや入社前は知らされていなかったのに、実務についた途端、残業に追われるようになったとなれば、もちろん労働時間に関する不満は募っていくことでしょう。
せっかく採用されたからと言って頑張って続ける新入社員もいますが、勤務時間と休日が最初に聞いた話とは全く違うということに違和感しか感じられないこともあるでしょう。
④ノルマがある
ノルマがきつくて仕事ができないという人もいます。
入社したばかりは右も左もわからない新人です。
十分な教育が施されないと、すぐに一人前の仕事ができるようにはならないでしょう。
それなのに無理なノルマを課せられていっぱいいっぱいになってしまう人がいます。
ノルマが課せられる仕事では、新入社員かそうでないかにかかわりなく、自分のノルマを達成するために一生懸命です。
無理なノルマを課せられることで、仕事への意欲を失ってしまい、自分への自信も失ってしまうかもしれません。
⑤給料が低すぎる
給料への不満が退職理由になることがあります。
こんなに働いているのにこれだけ?と感じ始めると、すべての業務内容への不満がわいてきます。
労働に見合った給与やボーナスが払われないことは、特に新入社員にとってモチベーションを下げる原因となることでしょう。
会社によっては新入社員は給与が明らかに少ない、ボーナスがもらえないというところもあります。
ですから事前に確認しておくことは必要です。
入ってから給与が原因ですぐに退職するというのも少し面倒ですからね。
⑥業務内容が違う
聞いていた話と業務内容が違うということも、新入社員がすぐに仕事を辞めたくなる原因となります。
会社説明会で話を聞いた時には自分のやりたい仕事が見つかって、意気揚々と入社したかもしれません。
しかし実際は、新入社員のころは雑用ばかりです。
最初のモチベーションが上がりすぎていたばっかりに、そのギャップを埋めることができず余計に落ち込んでしまうかもしれません。
仕事をしたくない、辞めたい、もう職場に行きたくない、という気持ちになることでしょう。
⑦夢ができた
他にやりたいことができた、夢があるという前向きな転職理由を持つ新入社員もいます。
なぜ入社する前に気づかなかったのかと思うかもしれませんが、人が何かに目覚めるのは突然の出来事です。
または、以前からやりたいこと、夢があったものの諦めて就職したがやはり諦めきれず、何ヶ月か働いた給料を自分の夢の達成のために使いたいと思うのかもしれません。
こんな前向きな理由なら周りも応援してくれることでしょう。
⑧社風が合わない
社風が合わないという理由もあります。
説明会の時はあまり違和感を感じなかったものの、いざ入社してみて自分がその環境に入ってみると「何かが違う」「自分の居場所がない」と感じる人もいます。
そのような場合は比較的早い段階で退職を考えることでしょう。
この先この会社で仕事を続けていくべきなのか、という違和感が日に日に大きくなり、一度気持ちをリセットさせる必要が出るかもしれません。
そのような場合は、一度退職したほうが仕事のモチベーションを上げることができるでしょう。
新入社員(新卒)が辞める場合の会社の損失2つ
新入社員が退社するということは、企業側にとってはかなりの損失を被ることになるということを忘れてはなりません。
なぜなら、新入社員が来ることで社員が増えて、より多くの仕事ができる体制になっていたからです。
人手が増え、新しい戦力ができた、と思っていたのに突然辞められては企業側も困ります。
また、人を雇うということは様々な費用が掛かっていることになります。
会社を辞めるときにその損失のことも考慮に入れておく必要があるでしょう。
時間的な損失
1つ目に考えてほしいものは時間的な損失です。
一人の新入社員を雇うために多くの時間が使われています。
求人活動や面接、試験など企業側の採用活動には非常に多くの時間がかかっており、そのために実際の仕事ができなくなっていることもあります。
入社前だけではなく、採用してから新入社員を育成するための時間もかかっています。
新人教育には一般社員の倍以上の時間を仕事にかけなければならないため、先輩たちや上司に負担がかかっていることを知っておくべきです。
経済的な損失
2つ目に経済的な損失があります。
人事担当者が新入社員の採用活動費や、採用後の教育のための経費、新入社員への給与の支払い、すべて経済的な損失となってしまいます。
一人の新入社員が辞めることによって数百万円単位のコストが無駄になっていることを忘れてはなりません。
また、一人の新入社員が辞めることで、採用を決定した人たちの精神的ストレスにつながったり、同僚のモチベーション低下にも影響を与えるということを覚えておきましょう。
新入社員(新卒)が辞めたいと思う時期3パターン
新入社員にとって社会はめまぐるしく動いています。
学生のころとは違い、多くの仕事を与えられ、多くの人間関係を築いていかなければならないのです。
また、会社という一つの組織の中で一番下の階級にいることになります。
それでもって新しい生活への期待や理想が大きいと、現実とのギャップゆえに激しく落ち込むことさえあるでしょう。
そんなこんなで新入社員の早期退社が目立っているようですが、その時期とはいったいどれくらいなのでしょうか。
①3ヶ月
まず、一番新入社員で辞める人が多いのが、入社後3ヶ月目です。
正社員として働き始めて3ヶ月過ぎた頃に仕事が合っていない、できない、将来に不安を感じる、現実は理想と違った…という感情を持ち始めます。
そして今すぐにでも仕事を辞めたい、と思うようになるのです。
もう長年社会人として勤めている人であればたった3か月で一体何をほざいているんだ、と思うかもしれません。
しかし、新入社員にとって3ヶ月は決して短くは無く、本人なりによく考えているのです。
②半年
次に、入社後半年でしごとを辞めたい…と考え始める人もいます。
半年もたつと仕事内容もほとんど理解できるようになり、人間関係も形成できてきた頃でしょう。
しかし、だからこそ人間関係や労働時間、給料への不満が出やすい時期でもあります。
慣れてきたからこその感じる、この仕事は合っていない、辞めたいという気持ちです。
半年頑張ってきてこれか…という気持ちから、将来への不安が沸々を湧いてくるのかもしれません。
③1年
辞めたいと感じるだけでは済まず、実際に辞める人が多いのが入社後1年です。
これから後輩ができるという時期に差し掛かって、1年働いてよくわかった、もう辞めようとなるのです。
1年頑張って仕事を続けたからこその将来への不安や、達成感、仕事との相性のなさに気づくのでしょう。
1年がたつとそれだけ精神的にも成長します。
年も1歳とるわけですし、将来のことを真剣に考えるようになります。
本当にこのままここで仕事をしていていいのだろうか、という気持ちも大きくなることでしょう。
新入社員(新卒)が辞めたい気持ちを思いとどまったほうがいい理由5つ
新入社員が次から次へと仕事を辞めていく時代ですが、少なくとも3年間は勤めるように、という一般的な考え方があります。
社会人として成長し、仕事において一人前となり経験を積むのにちょうどよい期間かもしれません。
ですから、3年間たたないうちに退職するということは常識がない人、弱い人、何でもすぐにやめる人、仕事が続かない人、といった悪いレッテルを張られてしまいかねません。
さらに次のような理由から、新入社員の早期退社を止めることもあります。
①最初は仕事ができないのが当たり前だから
仕事を辞めたいという新入社員の中には、仕事ができないからという理由があります。
仕事がうまくいかないために自分はこの仕事に向いていない、この仕事はつまらないと感じるかもしれません。
しかし、新入社員のうちはできなくてが当たり前です。
新入社員は目の前の仕事に取り掛かり、仕事の基礎を埋めながら、先輩や上司から教育してもらう時期です。
まだ仕事の楽しさを感じられる時ではないのです。
②仕事が覚えられないうちに辞めてしまうことになるから
仕事ができる大人というのは、社会人として生きていくうえで必要なことです。
新入社員のうちにそうしたマナーを一通り身に着けることができるでしょう。
しかし仕事が覚えられないうちにやめてしまうなら、会社内の専門的な能力を身に着けられないだけでなく仕事の基本を知ることもできません。
出社時間の目安、メモの大切さ、整理整頓すること、発言する機会の活用の仕方などです。
学生の頃には気づかなかった、あらゆる良いスキルを新入社員だからこそ学ぶ機会がたくさんあります。
③人間関係の形成には時間がかかるから
人間関係でうまくいかず仕事を辞める人は多くいます。
確かに人間関係は大きなストレスの原因となります。
しかし、新入社員のうちに退社してしまうはもったいないような気もしませんか?
人間関係はそんな簡単に築かれるものではありません。
特に新入社員は失敗が多いため、周りの人が不安に思い良い関係を築けないかもしれません。
しかし時間がたつにつれて確実に仕事をこなせるようになり、社内に溶け込めるようになるのです。
④認められる喜びや充実感を経験できていないから
新入社員の間は任せられた仕事しかできなかったり、失敗してばっかりかもしれません。
そのたびに上司や先輩から怒られ、仕事のモチベーションが低下するかもしれません。
しかしそれは今だけです。
仕事を成功させるために前向きに考えてみましょう。
次失敗しないためにできること、仕事の仕方を工夫して効率を上げることなどを意識してみましょう。
そうすれば上司や先輩から認められる喜びや充実感を経験できるようになるでしょう。
⑤次の会社でも同じ悩みを感じるかもしれないから
新卒で入社したものの、不満やネガティブな気持ちから転職したとしましょう。
しかし、転職すれば悩みは解決するのでしょうか。
仕事がつらいので逃げるという方法をずっと続けていると、いつになっても成功できません。
人間関係や労働時間、給料、業務内容などはどの会社に行っても一つや二つ不満に思えることがあるでしょう。
逃げても逃げても同じ問題とまたぶつかるかもしれません。
もう一度自分の転職したい理由を考えてみましょう。
新入社員(新卒)での辞めたい気持ちの対処法
辞めたいと思ってすぐに辞めることもできますが、もう少し頑張ってみるのはいかがでしょうか。
仕事を辞めたいときに気持ちを前向きにする方法を考えてみましょう。
①リスクを考える
まず、辞めるリスクを考えましょう。
今の仕事を辞めることで気持ちが一気に楽になることでしょう。
しかし、その後はどうしますか?
生活していくためにはお金を稼がなければなりません。
スキルを向上させるために学校に通うか、新しい仕事を探すかどうか行動する必要があります。
新しい仕事に就くのであれば、履歴書を準備し、面接を受け内定を受けるまで緊張が走ります。
一回採用された今の職場を辞めてまでそうすることに意義はあるのでしょうか。
考えてみましょう。
②ストレス発散させる
ストレスが溜まっているゆえに、仕事を辞めたいという気持ちになっているのではないでしょうか。
確かに働いているとどうしても会社の中で嫌なことが起こります。
しかしあなたの人生それだけですか?
自分の好きなことをしてストレス発散させる機会を持ちましょう。
カラオケやボウリング、温泉や読書、飲み会に行くことなど、あなたなりの楽しみ方をしてみましょう。
③目標を持つ
目標を持つことは正しい判断を下すのに役立ちます。
貯金するという大きな長期的な目標でもいいですし、無遅刻無欠勤など今すぐ努力できることでもいいでしょう。
愚痴を言わないこと、同期よりも仕事を頑張ることなど、小さな努力でも構いません。
どんなに小さな目標でも、一つずつ達成していくことで自分に自信がつくようになるでしょう。
④辞めてもいい
そして最後の対処法、それは辞めることです。
辞めたいと思っているのにそこで働き続けるには本当に力がいります。
精神的に無理して、体調を壊してまで働き続ける必要はありません。
自分の人生は自分で決めることができますから、仕事を辞めてもいいのです。
新入社員(新卒)の辞め方の手順5つ
新入社員で仕事を辞めたいと考えている皆さん。
いったいどうすれば辞められるんだ?と思っているでしょうか。
5つの手順をご説明します。
手順1:期限を決める
まずはいつまでに会社を辞めるのかを決めましょう。
一か月後でもいいですし、もう半年頑張ってからと決めてもいいでしょう。
その期限内に会社を辞めたいという意思を伝えたり、手続きを進めましょう。
手順2:辞めたい理由を考える
辞める理由を考えてください。
ネガティブなものは心の中にしまっといて、はっきりと上司に伝えられるものを考えましょう。
それを次の転職先での面接でも使うことができます。
手順3:相談する
先輩でも家族でも上司でも構いません。
辞めたいと思っていることを相談しましょう。
誰かに話すことでより良い解決策が見つかるかもしれませんし、退職後の進め方を教えてもらえるかもしれません。
手順4:転職先を探す
転職先を探しましょう。
転職支援サイトや友人や知人の紹介を当ってみましょう。
転職先が決まっていれば退職後も安心して過ごすことができます。
手順5:上司に退職を伝える
上司に退職することを伝えましょう。
正直言いたくないかもしれませんが、無断欠勤を続けるよりもはっきりと口頭で伝える方がよいでしょう。
それが社会人としてのマナーです。
まとめ
・新入社員が辞めたとしても時間や経済的な損失は大きい。
・よく考えても辞めたいのであれば、体調を崩してまで続けることはないが、辞める時は社会人としてのマナーを守って辞めるべき。
新入社員だからこそ、すぐに仕事を辞めたくなるでしょう。
辞める前に一度止まって理由を考えてみましょう。
もう少し今の職場で頑張れるでしょうか。
しかし無理をする必要はありません。
よい時期を見計らって最低限の社会人としてのマナーを示しつつ転職しましょう。