日本人は世界的に見ても働き過ぎと言われ病気や倒れる方も多く、そうなる前に適切な対策をとることが大切です。
今回は日本人の労働現場の問題点4つ、働き過ぎの基準3つ、うつ病の症状&対策、倒れる前の転職のすすめを紹介します。
日本人の労働現場の問題点4つ!
日本では、何千万人もの労働者がいます。
労働者によって国が成り立っていますので、労働環境の改善に努めることは、国の課題の1つでもあるでしょう。
現在、日本の労働環境については「問題山積み」とされています。
そこで、この章ではその問題をいくつか取り上げ、ご説明しましょう。
労働時間が長すぎる問題
ライフワークバランスを充実させるにあたり、労働時間というのは1つのポイントになります。
例えば、勤務開始が9時であり、休憩1時間程度をはさんで18時に退社した場合、労働時間という点では何の問題もありません。
労働基準法に沿った勤務時間と言えます。
問題になるのは、時間外労働(残業)についてです。
基本的に、労働基準法では、1ヵ月あたりの時間外労働の上限が45時間とされています。
例外はありますが、これを大きく上回るくらいに残業しているのであれば、自分の労働時間が適正な範囲内かどうか確認した方がいいでしょう。
また、問題なのは「自宅に持ち帰って引き続き仕事をする」ということについてです。
会社での勤務が終わっていても、引き続き家で労働をするということであれば、それは時間外労働と何ら変わりないのではないでしょうか。
休日が少なすぎる問題
人によっては、土日祝日休みという中で働いています。
ただ、そういう人ばかりではありません。
祝日が休みでなかったり、土日のどちらかしか休むことができなかったりと、色々です。
この休日日数については、各企業で設定することになりますが、当然ゼロにすることはできません。
原則として、週に一回の休日を設定しなくてはならないのです。
そのため、月に一回も休みがなかったということであれば、それは大問題です。
パワハラの問題
職場での人間関係については、良好であることが望ましいです。
ただ、そのような職場ばかりではありません。
上司が暴力をふるったりという悪質なパワハラが横行する職場もあるのです。
普通なら正当防衛を使うところですが、相手が上司ということだと萎縮してしまい、暴行されてもひたすら我慢するだけというケースもあります。
大変問題ですね。
モラハラの問題
パワハラが物理的攻撃なのに対し、モラハラは精神的攻撃と言えます。
ネチネチと悪口を言ったり、嫌がらせをするような行為についても、モラハラに該当します。
職場においてモラハラを受ける人というのは、実際とても多いです。
ただ、これについても、相手側が上司ということでひたすら我慢を続けるケースがあります。
やはり、上司というのは部下を評価する立場ですので、部下の方から強気な姿勢をとるというのは現実的に難しいわけですね。
働き過ぎの日本人の過労死の基準とは?
皆さんも、過労死という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。
ワードからわかる通り、過労で死んでしまうということですね。
【過労死と判断される例】
・過労で倒れ、そのまま亡くなってしまうケース
・過労によって心身ともに疲弊し、それが原因で自ら命を絶ってしまうケース
上記のケースは、日本ではとても多いですので、社会問題になっているくらいです。
そこで多くの人が気になるのは、「過労死ライン」ではないでしょうか。
過労死ラインは、月当たりの残業時間が「80時間」に達したときとされています。
これを超えて働き続けているような人は、一度自分の健康に目を向けるべきですし、何らかの対処が必要になってきます。
仕事命で働いている人もいるかもしれませんが、健康より大切なものはありませんよ。
働き過ぎの基準3つ!
過労死しないまでも、過労で倒れてしまうケースは意外とあります。
そうならないために、自分の労働状況が問題ありか否かを判断する必要があります。
そこで、この章ではいくつかチェックポイントを示します。
どれかに当てはまるなら、改善のための方法を探っていく必要があるでしょう。
①忙しいせいで睡眠をとれていない
仕事上、忙しい時期があるのは仕方のないことですが、十分な睡眠がとれない日々が続くようであれば大問題です。
健康上、睡眠はとても大事であり、睡眠の質が翌日のパフォーマンスに影響を及ぼしますので、毎日きちんと睡眠をとることが望ましいです。
また、睡眠負債という言葉をご存知でしょうか。
睡眠が短い日々というのは、睡眠負債として積み重なっていくと言われています。
それが続くと、最終的に取り返しのつかない事態が発生する可能性もあるのです。
そのため、「睡眠」の優先順位を下にしていた人は、これを機に上に持っていきましょう。
②休みよりも仕事優先で動いてしまう
週一以上の休みが設定されていても、自ら意欲的に仕事を優先させてしまう人がいます。
休日出勤をしたり、自宅で黙々と仕事をするということは、確かに会社にとってはプラスかもしれません。
しかし、自分の健康という点から言えば、マイナスでしかないでしょう。
休める日にしっかりと体を休めておかないと、疲労がどんどん蓄積されていき、どこかのタイミングで厄介な症状が現れる可能性があります。
③体調が悪くても無理して仕事へ行ってしまう
誰だって体調が悪い時はありますよね。
苦痛や違和感を感じている場合は、病院へ行くなどして対応する必要もあります。
しかし、仕事第一主義の考えになってしまうと、体調が悪くても無理して出勤するというケースが考えられます。
すぐに病院へ行った方がいいくらいの症状を無視して仕事に行くようなことがあれば、本来のパフォーマンスを発揮できないどころか、職場で倒れる可能性もありますね。
また、そうなれば、結果として職場に迷惑をかけることになってしまいます。
働き過ぎで発症する「うつ病」の症状&対策!
過労でうつ病になる人は、とても多いです。
また、過労自殺のニュースが流れた時に多くの人が思うのは、「自殺するくらいなら仕事を辞めたらいいのに」ということではないでしょうか。
確かに、命を絶つくらいなら仕事を変えた方がいいという考え方は自然です。
しかし、過労によって多くの悩みが頭の中をめぐるようになると、冷静な判断が難しくなってくるのです。
「今仕事辞めたら収入が…」
「転職先なんて決まらないんじゃ…」
「家族を養っていけなくなる…」
「世間体が台無しに…」
そんなことばかりが思い浮かび、ズルズルと辛い職場で働き続けていくと、そのうち「うつ病」を発症する可能性があります。
そうなれば、正常な思考が難しくなり精神面の不安定さも重なって、自殺につながる可能性があるということです。
したがって、大事なのは「うつ病対策」ですね。
そこで、ここでは「考え方」によるうつ病対策法をご説明しましょう。
辛い労働環境で働く中で「少し頑張り過ぎているかなぁ」「仕事のことを考えると苦しいなぁ」と感じたら、そのタイミングで一度自分自身を見つめ直してみましょう。
・どうすれば今の状況を打開できるか
・何が自分にとって最善の選択か
こういったことをきちんと考えていくことで、選択すべき手段が見えてきます。
ポイントは、早い段階で「見つめ直し」をすることです。
精神的にどんどん追い込まれていき、うつ病を発症してからでは遅いですので、その点注意しましょう。
働き過ぎ&うつ病で倒れる前にできる対策の1つは「転職」!
ずさんな職場環境というのは、自分一人でなかなか変えられるものではありません。
企業体質として問題がある場合はなおさらです。
そのため、自分が所属している職場の就業システムを変えるということではなく、自らが新しい環境に移動するという手段も考えておく必要があります。
つまり、「転職」です。
転職というと勇気がいると思いますし、「採用してくれないのでは?」ということも懸念も抱くでしょう。
しかし、現代は何千何万という企業がありますので、自分を評価してくれるところがきっと見つかりますよ。
ただ、環境が劣悪な企業に再度就職してしまった場合、何のために転職したのかということになってしまいますね。
そのため、事前にきちんと企業分析を行う必要があります。
そこで、転職に失敗しないためのポイントをいくつか取り上げ、ご説明しましょう。
企業概要に目を向ける
企業概要には、その企業がいつ設立され、どの程度の従業員数がいるのか等が色々と記載されています。
転職先を考える上で、その企業の歴史や規模を知ることはとても重要ですので、企業概要にはぜひ目を向けておきましょう。
基本的に、歴史が浅く少人数のベンチャー系と、歴史が長く大人数の企業とでは、環境が全く違います。
また、安定感の違いもうかがえます。
例えば、設立してから数年しかたっていない企業であり、親会社などの関連会社が存在しないのであれば、安定性という点で疑問が残りますよね。
100年以上の歴史を誇る大企業と比べると、倒産のリスクがやや高い企業ということになります。
逆に、歴史がある企業は年功序列など古い体質が残っている場合もあります。
しかし職場環境が劣悪かというと、ベンチャー企業よりも可能性は低いと言えます。
福利厚生に目を向ける
環境という意味では、福利厚生が大きなポイントになってきます。
いわゆる待遇面ですね。
・年間どのくらい休みがあるのか
・住宅補助はあるか
・交通費は出るか
・従業員向けのサービスはあるか
・社内サークルはあるか
・社内イベントはあるか
・社員旅行はあるか
こういった点が、福利厚生のページからわかってきます。
その企業での居心地の良さを示す項目でもあると思いますので、じっくりと見ておくことをおすすめします。
年間休日はもちろんですが、住宅補助や交通費などの点も、経済的な面に関わる重要なポイントですので、確認しておいた方がいいですね。
また、会社の雰囲気についても、何となく察することができるのではないでしょうか。
評判を徹底的にリサーチする
その企業に所属している人が、どういった気持ちで働いていたのかについては、とても参考になる情報です。
そこで気になるのは、そのような評判をどこで知ることができるかという点でしょう。
有名どころとしては、「転職会議」や「Vorkers」が挙げられます。
いずれにしても、匿名性の高い情報ということは理解して利用しましょう。
つまり、その評判が本当かどうかわからないということです。
ただ、その企業に関する書き込みをいくつも見る中で、マイナスなことばかりが目立つようであれば、採用試験を受けるかどうかについて慎重になった方がいいと思います。
面接時に疑問点を全て解消しておく
インターネットを通して表面的な情報は入手できると思いますが、疑問点のすべてを解消することは難しいはずです。
その場合は、その企業の人間に直接聞くのが手っ取り早いです。
面接選考においては、質問をされるだけでなく、こちらから質問ができる時間も設けられています。
多くのケースでは、「最後に何か質問がありますか?」という感じで聞かれますね。
その時に、疑問だった点を明らかにするために色々聞いてみましょう。
「質問が多いと選考に響くのでは?」という人もいるかもしれませんね。
確かに、あまりに長々と質問を続ければ印象が悪くなるかもしれませんが、常識的な範囲内であれば問題はないでしょう。
肝心なことを聞き忘れたばっかりに、その後の重要な選択を誤ってしまった場合、後悔しか残りませんよね。
事前に質問リストを頭の中に入れておくことをおすすめします。
まとめ
・過労死ラインは、月当たりの残業時間が「80時間」を超えるかどうか。
・働きすぎで鬱になってしまったら、転職を考えるのも一つの手。
今回は、労働環境の問題や、過労の問題、うつ病対策などについてご説明してきました。
日本国民には勤労の義務があり、お金を得るためにも継続的に働く必要があります。
ただ残念なことに、全ての企業が良好な労働環境というわけではありません。
配属になった部署が、とんでもなくひどい労働環境だったというケースもあります。
ただ、そのような時でも、仕方ないと諦めるのでなく、対処法を探っていきましょう。
労働基準監督署に相談するというのも一つの手ですし、転職をするというのもアリでしょう。
労働環境によって職場を離れるのは残念ではありますが、現実問題として一つの選択肢として考慮した方が自分の体のためです。
過労で倒れたり、うつ病を発症してからでは遅いということですね。