社会人デビューし始めた頃から何かと問題視される「ゆとり世代」。円滑な業務のために彼らの特徴や扱い方を知ることが重要です。
今回はゆとり世代の年齢、特徴11、仕事で使えない理由4つ、あるある話7つ、長所3つを紹介します。
ゆとり世代とは?
「ゆとり世代」という言葉を聞いたことのない人などいるのでしょうか。
特に仕事場などでは、世代によって特徴やイメージがすでに確立されていることがあります。
ゆとり世代は「マイペース、仕事が出来ない」などのイメージを持たれやすいようです。
実際のところ、ゆとり世代とはいったい何なのでしょうか?
ゆとり世代とは、ゆとり教育を受けた世代のことを指しています。
このゆとり教育は2002年度から2010年度まで実施されていました。
ですから、この時期に学生だった方はゆとり世代ということになるのです。
しかし、どれほどの期間ゆとり教育に学生自体が被っていたのかによって、ゆとり度は変わってくるでしょう。
ゆとり世代が受けた教育とは?
ゆとり教育を受けていた世代が、ゆとり世代だということになりますが、「ゆとり教育」ってそもそも何なのでしょうか?
ゆとり教育とは、家で勉強したり塾に通うなどによって自主的に勉強しなければ、限りなく勉強時間が減らされた教育です。
この時期は、受験戦争が激しすぎたため、学校で勉強を強制するのではなく、自分の意志でどうするかを決めることが出来るようになりました。
そのため、授業時間が短くなったら、完全週休2日制が導入され、絶対評価を付けるようになりました。
そのため、学校で勉強しない分、お金がある家庭は塾に子供を通わせて、勉強させるようになりました。
そのため、子供によってかなり学力の差が広がる結果となりました。
ゆとり世代の年齢とは?
では、ゆとり世代の年齢とは、何歳を指すのでしょうか?
現在では新入社員にゆとり世代が多いといわれていますが、その年齢なのでしょうか?
確かにそうなんです。
2002年から2010年まで学生だった人たちということですから、29歳以下の方は確実にゆとり世代ということになるでしょう。
しかし、ゆとり世代の中には「脱ゆとり教育」というものもあったようで、ゆとり世代は何歳から何歳までの人たちだ、と一概に区別することは難しそうです。
ゆとり世代の11の特徴!
ゆとり世代がどんな特徴を持っているのか知っていると、コミュニケーションを図るのが簡単になるかもしれません。
なにかと上司世代の方々とは考えが異なっているため、仕事がうまくいかず、仕事でつかえないと判断されてしまう方も多いのです。
ゆとり世代の11の特徴を取り上げていきます。
身近なゆとり世代の人たちに当てはまってることでしょう。
上の世代から見ると考えられないような行動も多々あるため、この特徴をあらかじめ知っておくことは意外と大切かもしれませんよ。
①指示を待っている
まず一つ目の特徴は、指示を待っているというものです。
ゆとり世代は自ら考えて動くということはしません。
仕事の時に明らかになりやすい特徴といえますが、常に上司からの指示を待っています。
自主性はありません。
誰かから「○○をしてくれ!」と頼まれるのを待っているのです。
指示があればその通りに動いてくれます。
しかし、指示がなければただボーッとしてしまい、「使えないな」と思われてしまうのです。
若いうちは上司にとって使いやすいやつ、と思われるかもしれません。
しかし、上司の立場になったときや、何かのプロジェクトを任されたとき、指示待ち体勢の特徴が裏目に出てしまうことになるでしょう。
②プライベートを優先させる
2つ目の特徴は、仕事よりもプライベートを優先させるというものです。
残業をすることを非常に嫌がり、仕事の後に仕事に関わることは何一つしたくない、というのがゆとり世代の考えです。
ですから、残業よりも友達と飲みに行ったりすることを優先します。
仕事優先!の時代で生きてきた方にとっては、信じられない光景に思えるかもしれませんが、これがゆとり世代の特徴なのです。
③すぐに落ち込む
3つ目の特徴は、すぐに落ち込むというものです。
とにかく打たれ弱いのです。
ゆとり世代には根性というものが存在しません。
叩かれて伸びてきた「根性魂」の世代と同じ扱いをすると、そのまま沈没してしまい、なかなか伸びないでしょう。
ゆとり世代の良いところを生かしつつ、職場で活躍してもらうためには、ほめて伸ばす方法しかありません。
「飴と鞭」という言葉がありますが、これもゆとり世代には通用しません。
常に飴である必要があるのです。
非常にデリケートであるため、上司から一喝されるとそのまま仕事を辞めてしまうという可能性もなきにしもあらずなのです。
ですから、こうした点で仕事でつかえない、上司に気を遣わせる、といったイメージを持たれてしまうのもしょうがないでしょう。
④好き嫌いがはっきりしている
ゆとり世代は好き嫌いが非常にはっきりとしています。
人に関しても食べ物や仕事の種類に関しても、なんでも好き嫌いがはっきりしているので嫌いなものに関してははっきりと断ることが出来ます。
ですので、会社の飲み会は参加するものが当たり前、という考えの上の世代にはあり得ないかもしれませんが、ゆとり世代は平気で断ります。
プライベートを優先させるというゆとり世代の特徴がありましたが、その特徴と相まって、仕事後に仕事仲間との付き合いをすることはほとんどないでしょう。
嫌なことがあってもこなしていく世代とはかなり異なっています。
仕事のために家族やプライベートを後において来た世代にとっては、理解しづらいかもしれません。
しかし、この特徴を理解しておくことで、飲み会や食事に断られたときに驚いてしまうことは避けられますね。
⑤チームプレイは苦手
ゆとり世代はチームプレイが苦手です。
集団で何かをするといった習慣はないからです。
学生時代も、「自分の勉強法を見つけて、自分の好きな友達と楽しくする」といった方法で過ごしてきたことでしょう。
ですから、みんなで一緒に一つのことをすることに、ゆとり世代は違和感を感じてしまうのです。
そのため、会社で新しいプロジェクトをでグループが形成されたときにも、そのグループの中で能力を発揮しながら、うまく立ち回っていくということは不可能に等しいといえます。
こうした点を上司が理解しておくことによって、グループ内で不必要ないざこざを防ぐことが出来るでしょう。
みんなで、というよりそのゆとり世代の社員にできることを一つ一つ指示してあげると、みんなのチームプレイに自然と貢献してくれるかもしれません。
⑥答えのない問題が苦手
ゆとり世代は答えのない問題を苦手とします。
インターネットがある世界で生きてきたため、なんでもインターネットに答えがあるとわかっています。
ですから、すぐに検索して答えを見つけ出そうとします。
そしてネットなら確実に答えにたどり着きます。
しかし、会社では答えのない質問を投げかけられることもあります。
ネットには載っていない、先が見えない質問です。
例えば、会社の成長に貢献するために自分にできることはなにか…といった質問は苦手なのです。
答えがない状態で、答えを自分の頭で0から考え始めるというのは非常に不得意です。
これを無理強いすると、「嫌いな人」「苦手な上司」というレッテルを張られる恐れもあります。
⑦職場の飲み会はいかない
ゆとり世代は、職場の飲み会にはいきません。
先ほどから何度も取り上げてはいますが、アフター5に会社の付き合いを取り入れません。
職場の飲み会よりもプライベートが最優先ですから、絶対に断るでしょう。
ただ、これは上司に対する反抗心でも、「嫌い」という感情をむき出しにしているわけでも、喧嘩をしたいわけでもありません。
ただ単に、仕事が終わったら仕事以外のことで自分の生活を充実させたい、と思っているのです。
⑧スピーディーなものを好む
8つ目の特徴は、スピードがあるものを好みます。
なんでも簡単に手に入るもの、分かりやすいもの、時間がかからないものを好みます。
ですから、結果が出るまで時間がかかる、めんどうな仕事は嫌います。
何かをしたらすぐに結果が出るものと考えています。
ですから、長期化するプロジェクトなどには、参加させない方がいいのかもしれません。
すぐに結果を求め、すぐに結果が分かることを当然だと思っている考え方に驚かないようにしましょう。
⑨貯金する
ゆとり世代は貯金する人が多いといえます。
何か大きなことをしたり、チャレンジすることよりもできるだけ損しないように生きようとしているため、あまり欲がありません。
生活を安定させるために貯金をしている人がたくさんいます。
しかし、お金があるからと言って誰かに振る舞うこともありません。
きっちりと割り勘にするのもゆとり世代の特徴です。
お金にきっちりしているのは非常に良いことですが、それで大きなものを購入したり、旅行に行ったり、他の人を助けるなどということはしません。
生活に安心感を見出そうとしているのが、ゆとり世代の特徴と言えるでしょう。
⑩物欲がない
貯金をするというところでもお話しましたが、ゆとり世代は物欲がありません。
昔の人は、スポーツカーにあこがれたり、新しい電子機器を購入したりなど新しい物、高級な物にすぐに目が向いていたかもしれません。
しかし、ゆとり世代は、お金を貯めるため、安定した生活をするため、必要以上の物を求めなくなっています。
無駄なものは一切買わないというスタイルの生活がゆとり世代の特徴でしょう。
⑪SNSでのコミュニケーション
ゆとり世代はSNSを通して多くの人とつながることによって、安心感を得ている世代でもあります。
流行に敏感であるため、使っている人たちが非常に多いといえるでしょう。
しかし、SNS、オンライン上でのコミュニケーションに長けてしまって、実際のコミュニケーションが苦手な場合もあります。
また、ゲームを通してコミュニケーションを行える時代です。
そのため生活のメインがゲームになっており、ゲーム内でのコミュニケーションを楽しんでいる人たちもいます。
昔の世代にとっては考えられないかもしれませんが、ゆとり世代では普通の事なのです。
ゆとり世代が仕事でつかえない理由4つ!
ゆとり世代が仕事でつかえない、と言われてしまうのはなぜなのでしょうか?
その理由について4つの点を考慮してみましょう。
ゆとり世代に仕事を任せられない、といわれてしまうその真相とは??
仕事<プライベート
まず、1つ目の理由は、仕事よりプライベートを優先させてしまうことにあるでしょう。
仕事と遊びのスイッチはきっちり切り替えられる世代です。
ですから、遊んでいるときに仕事の電話が来ても、出ません。
私生活の中には仕事を取り込まないのです。
また、チームワークも苦手で、大勢の人の中で一緒に同じ仕事をしたり、自分の能力をアピールしたりすることはしません。
これは会社という一つの組織の中で同じ企業理念に従って仕事をしていくうえで一つの障害となることでしょう。
マイペース
マイペースなのは性格としては問題ないかもしれませんが、仕事においてはマイナスポイントとなってしまうこともあります。
会社の中では、常に出世を意識して仕事をしている先輩たちがたくさんいます。
しかし、ゆとり世代はそんなことは考えていません。
そもそも受験戦争が激しくなりすぎて、それを抑えるために勉強時間を短縮した世代です。
誰かと競ったりして自分の能力や価値を高めていく方法を知りません。
またその必要性も感じていません。
ですから出世するための努力や、同期をライバル視することもないでしょう。
独自のペースで仕事を行おうとするため、周りの人を巻き込んだりすることもあるでしょう。
コミュニケーションが苦手
ゆとり世代はコミュニケーションが苦手です。
SNSでのコミュニケーションは常に取っているため、バーチャルな付き合いは非常に上手で、インターネットを通したコミュニケーションでは活躍してくれるかもしれません。
しかし、リアルなコミュニケーション、お客様との会話や、社内の後輩先輩意識や、上司を敬う態度などを苦手とする世代です。
これらはそうではない世代にとって、本当に仕事が出来ないやつ、と思えても仕方がないでしょう。
このコミュニケーション能力の欠如は、組織の中でうまくやっていくために見逃せないデメリットです。
上の世代とのトラブル発症の元は、コミュニケ―ションでしょう。
やる気が見られない
さらに、ゆとり世代にやる気が見られない、と感じている上司も多くいます。
職場の中で出世競争に参加することもなく、何にも興味がないかのような態度でいるかもしれません。
確かに、出世したいと思っていないので、仕事一つ一つへのモチベーションも低いでしょう。
会社を第一に考えている世代とは、大きく異なります。
言った事だけはきちんとしてくれるゆとり世代は使いやすいかもしれませんが、反応が少ないゆとり世代の扱い方が分からなくなってしまうかもしれません。
ゆとり世代の「あるある」7話!
では、次にゆとり世代の「あるある」話を紹介していきたいと思います。
「これはうちの社員のことだ!」「あるある!こういうことしてる!」「これが嫌なんだよ!」と思われるかもしれません。
しかし、これはゆとり世代の特徴なのです。
①電話に出ない
まず一つ目は「電話に出ない」ことです。
ゆとり世代の特徴に「指示を待っている」というものがありましたね。
つまり、自ら動くことはまずないわけです。
ですから、電話がかかってきても、電話に出てくれ、といわれるまで出ません。
会社にかかってきた電話を取るのは新入社員の仕事、と思っている上の世代にとっては目を疑う光景かもしれません。
「新人は電話がかかってきたらすぐに出てくれ」とあらかじめ指示しておく必要があるでしょう。
そうすれば自分の仕事としてしっかり行ってくれるはずです。
②上司の誘いを断る
2つ目は「上司の誘いを平気で断る」というものです。
上司から飲みに誘われたら行くしかない、と考えている世代にとって、驚かずにはいられない状況です。
好き嫌いがはっきりしていますから、嫌いな上司とはまず一緒に食事をすることはないでしょう。
また、仕事の後に仕事の付き合いをすることを嫌いますから、プライベートを何よりも優先させようとします。
出世欲もないので、上司に取り入ろうとする必要もないため、平気で上司の誘いを断るのです。
③転職したがる
3つ目は、転職したがることです。
最近入社したばかりなのにすでに転職活動を行っている、ということもよくある話です。
終身雇用という考えはもっていません。
死ぬまで同じ会社で同じ仕事をしたいとは思っていないのです。
出世したいのであれば、その会社で粘り強く働き続ける必要がありますが、そのような欲がゆとり世代にはないため、簡単に転職を希望します。
④ストレスに弱い
ゆとり世代は打たれ弱いという特徴があります。
ですから、ストレスにも弱くすぐにへこんで、なかなか元に戻ってくれません。
職場でストレスのない場所などありません。
ですから、何かしらの息抜き方法を教えてあげる必要があるかもしれません。
そもそもストレスが多い場所で、上司に叱られ、同期との関係が悪くなったりすると簡単に仕事をやめたり、無断欠勤してしまうゆとり世代の人もいます。
常識が…という話になってきますが、弱いことを意識しておくと対処しやすくなるでしょう。
⑤すぐネットに頼る
ゆとり世代はすぐにネットに頼ります。
自分で考えるということをしません。
何か困ったらすぐにGoogleで検索をかけることでしょう。
なにかをゆとり世代の新人君に質問したら、スマホを取り出してすぐに検索しだした、という光景は良くあることでしょう。
⑥言われたことしかしない
指示待ちタイプですから、ゆとり世代は言われたことしかしません。
「こういったら、これもしておいてくれるはず」という考え方はゆとり世代に通用しません。
本当にこちらが言ったとおりに言われたことしかしないのです。
ですから、余計なことをして失敗するということはありません。
この場合、上司が支持をどれだけ的確に出すかのスキルが問われますね。
⑦チャレンジしない
ゆとり世代はチャレンジして失敗してしまうことを常に恐れています。
褒められると伸びますが、損したり、叱られたりすると長い間へこんでしまいます。
ですから、何かにチャレンジするということはまずないでしょう。
失敗しても得られるものがある、とは考えません。
これをすれば失敗する、仕事をして損をしては最悪だ、と考えるのです。
ですから、無駄なことは一切しません。
一言で言えばゆとり世代は消極的でしょう。
ゆとり世代の長所3つ!
これまでゆとり世代のあらゆる特徴を紹介してきました。
納得のいく点が多かったのではないでしょうか。
仕事につかえない、と思われてもしょうがないような特徴がいくつもありましたね。
しかし、ゆとり世代は本当に使えないのでしょうか?
その特徴を上手に生かせば、長所として会社に貢献してもらうこともできます。
①興味があることはとことん追求
ゆとり世代は、興味があることはとことん追求します。
自分の時間や関心事を優先させるため、その分野に関しては特化しているのです。
そのため自分ならではの能力、雰囲気などを出すことが出来ます。
それを周りの人たちが上手に組んであげることで、会社の仕事も楽しむことが出来るようになるでしょう。
②電子機器に強い
2つ目の長所はスマホやパソコンなど電子機器の知識が豊富なことです。
ゆとり世代より前の世代の方々は、そうした最新機器の使用方法が分からず、ついていけないこともあります。
こういった電子機器が苦手な世代がピンチの場では、ゆとり世代の知識が役に立つこともあるでしょう。
完璧に使いこなすほどの技術はなくても、簡単な操作を教えてもらえたり、何か不便が生じた時に簡単なことであれば直してもらうこともできるでしょう。
③自由な発想
ゆとり世代は自由な発想で何かを生み出すという能力もあります。
こうであるべきだ、という固定観念にとらわれた見方をしていないがための長所といえます。
何でこんなことをするの?と思われるようなことを平気でするのです。
しかし、その行動が時と場合によっては新しい良いものを生み出すヒントとなるかもしれません。
もちろん会社のルールに従う必要がありますが、ルールにとらわれない自由な発想は、会社のメリットになるかもしれません。
まとめ
・ゆとり世代はマイペースで仕事よりプライベートを大切にするので仕事ができないと思われることも多い。
・ゆとり世代長所もあるので、上手に生かせば会社に貢献してもらうことも十分可能。
ゆとり世代はマイペースで、自分の世界を大事にしています。
誰かと競争したり、新しい何かに挑戦するよりも、自分の好き嫌いを大事にして、安定を求めています。
その一つ一つの特徴を理解してあげることで、人間関係がスムーズにいくようになるでしょう。
世代ごとの違いをお互いが理解し、譲り合い、快適な仕事の場所となるように、すべての人が努力できるでしょう。