いじめは社会問題にもなっており被害者にならないよういじめられる原因を知り対策をとることが大切です。
今回はいじめの定義、いじめの内容12例、いじめの原因5つ、いじめられやすい人の特徴8つ、有効な対策5つを紹介します。
いじめの定義
世の中からいじめというものが無くなる時が来るのでしょうか。
学生のうちからいじめられており、社会に出ても職場でのいじめがあり…中には家庭内のいじめがあることもあります。
どこに行ってもいじめから逃れられないような世の中で、うまく生活していくにはどうすればいいのでしょうか。
そもそもいじめとは何でしょうか。
いじめの定義について考えてみましょう。
文部科学省によると、
「個々の行為がいじめに当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。」
「いじめとは当該児童生徒が、一定の人間関係のあるものから、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているものとする。」
いじめにあたる内容12例
周りがいじめではない、と思っていても本人が苦しんでいればそれは立派ないじめであるということになります。
いじめは学校生活の中だけで起こるものではありません。
仲間や集団という人間関係があるところならどこででもありえることです。
いじめの内容にはどのようなものがあるのでしょうか。
人によっていじめであると感じる内容はそれぞれですが、主にいじめの内容として実際に起こっているものを12例ご紹介したいと思います。
①身体的ないじめ
身体的ないじめが、最も気づかれやすく加害者も認めているものということができるでしょう。
殴る、引っかく、押す、ぶつかる、物で叩く、蹴る、たばこを押し付ける、などの身体的な暴力を直接振るわれるいじめがあります。
これは喧嘩では?と思われるケースもありますが、喧嘩の場合は双方が傷つけられ、傷つけることになります。
しかし、いじめの場合はアンフェアーであり、反撃することが許されないのです。
抵抗すればさらに激しい暴力が振るわれる恐れがあるからです。
②無視
無視される、というのは悪質ないじめの一つではないでしょうか。
集団生活を行っている中で、一人の人に向けてこのいじめを行うことがあります。
実際、集団の中のどの人が実際の加害者なのかを特定することは非常に難しいでしょう。
また、直接的な暴力と違い、目に見えないいじめですから、誰かに相談することを恐れるかもしれません。
また反撃もしようがないといえるでしょう。
悪口を言われれば言い返せることもありますし、暴力を振るわれているときは大声で助けを求めることもあると思います。
しかし、「無視しないでよ!」と頑張って反撃しても「気付かなかった」と言われてしまえばそこまでです。
③性的ないじめ
性的ないじめも最近では行われているようです。
服を脱がせて嫌がらせをしたり、身体的な特徴に関する悪口を言うようないじめです。
社会に出ていればセクハラとして訴えることができますが、は子供だからこそなかなか表に見えないものなのです。
子供同士でやっていると、被害者にとっては相当なストレス、苦痛となっていても「若いっていいわねえ」と大人から言われてしまうこともあります。
ひどいショックを受けているのにもかかわらず、軽く見られてしまい泣き寝入りすることもあるでしょう。
④嫌なことの強要
嫌なことを強要する、といういじめの種類もあります。
例えば、万引きを強要する、親の金を盗ませる、誰かをいじめることを強要するということがあります。
いわゆる「パシリ」と呼ばれるものですね。
これは相手をいじめること自体よりも、加害者は万引きされた金品が目的だったり、強要することから得る優越感などを得ることを目的としていることがあります。
⑤陰口
5つめのいじめは陰口です。
元も陰湿で気づかれにくい、しかし精神的ストレスは尋常ではないいじめといえるでしょう。
本人には聞こえないようにいろんな悪口や悪い噂を流します。
それが他の人の口から聞いたり、わざと聞こえるようにすることがあるでしょう。
直接悪口を言われれば反論できますが、陰でこそこそと言われると反撃しにくく、一人でずっと悩み続けるしかないという子供たちも少なくありません。
⑥物質的ないじめ
6つめは物質的ないじめです。
持ち物を隠したり、捨てたり、壊したり、取り上げたりします。
大事にしているものに悪質な落書きをされることもあります。
これも目の前でされるわけではないので、加害者を特定することが難しいといえます。
ノートの中身などは、いじめられている本人が他の人には隠そうとすることがあります。
いじめられているという事実を周りに話すことができない子供たちは多くいます。
⑦ネットいじめ
ネット上でのいじめは、最近では最も主流のいじめとなってきています。
掲示板やSNS、LINEなどで悪口を言われたりします。
グループラインで仲間外れにされたり、自分のいないところでグループや裏サイトを作って陰口をたたかれたりします。
⑧噂を流す
ありもしない噂を悪口として広めることもあります。
その結果、いじめの被害者は集団の中で孤立することになります。
誰が噂を広めたのかを聞くことができません。
噂に関わった人たちは、それを本当のことだと思い込んでいる場合が多く、いじめとして対処するのは難しいといえるでしょう。
⑨笑いものにする
ばい菌扱い、身体的特徴を馬鹿にする、コンプレックスを刺激するあだ名をつける、といったいじめもあります。
本人が悩んでいることを対象に笑いものにして楽しむ人たちは本当に陰湿ですね。
いじめとして見られることはなく、少しひどいいじりだと思われて軽く流されてしまうことも。
適切な対処を大人にしてもらえないまま、ストレスを抱える子供たちもいます。
⑩暴言
10番目は暴言です。
これは直接暴力を振るわれるわけでもなく、陰口を言われるわけでもありません。
面と向かって暴力的な言葉を言われます。
もちろん受け流せる人もいるかもしれませんが、暴言の対象とされている時期が長ければ長いほどストレスが溜まり、精神的に追い詰められていくでしょう。
集団で暴言を浴びせられると、自分の存在価値や自信を失って、自ら命を絶つこともあるほどです。
⑪勉強の妨害
嫌なことを強要するいじめがありましたが、勉強を妨害する、つまりやりたいこと、やらなければならないことを妨害するいじめもあります。
体育実習など、体を使う授業での妨害行為を行う場合もあり、暴力につながることもあります。
⑫わざと間違った情報を与える
わざと間違った情報を与えて、仲間外れにするいじめもあります。
「次は〇〇教室に移動だよ!」
「○○先生が呼んでいたよ!」
などというウソの情報で、相手が恥をかくよう操作するのです。
いじめる原因5つ
なぜ子供たちはいじめを行うのでしょうか。
いじめは社会人になってからもあるものです。
なぜ世の中からいじめがなくならいのでしょうか。
その理由を考えることは、いじめを正当化することとは違います。
いじめを行う人を理解するということではなく、いじめが起きる原因や環境をそもそも作らないようにすることはできないか、考慮できるのではないでしょうか。
①自分と違うから
いじめをする人の最も多い原因は、自分と違うから、というものです。
人は生まれてから保育園や幼稚園に入り、小学生になり、中学生、高校生、大学に進学もしくは就職…といった同じような人生の歩み方をします。
つまり同じ時点に立っている人たちがたくさんいるわけです。
同じ教育を受け、同じ生活をしているのに、みんなと少しでも違うところがあるといじめたくなることがあるようです。
みんなが全く一緒の方が本来ありえないことです。
ですが、そのことをまだわかっていない児童たちは、太っている子、貧しい子、言うことが変わっている子などをいじめの対象としてしまうのです。
②ストレス解消
2つ目の原因はストレス解消の対象としてしまっているということです。
子供は学校や家庭環境のせいで大きなストレスを抱えて生活しています。
勉強がうまくいかない、家庭内のトラブルで心に闇を持っている…こうしたストレスをいじめによって解消しようとするのです。
③楽しい
いじめを楽しい、と感じてしまっている子供もいます。
学校や子供同士の生活が退屈でやる気が起きない、と感じる子にとって、いじめは刺激を唯一感じることのできるものになってしまっているのです。
熱中できることを他に見つけ出す必要があります。
④正義
「他の人と少しでも違っている人は、集団の輪を乱す人だから自分がそれを直す」
こうした間違った正義感がいじめの原因となっていることもあります。
自分が悪いことをしているという自覚は一切なく、逆に褒められるべきだ、とさえ思っているので、いじめは徐々にエスカレートしていきます。
⑤親の影響
親が暴言や罵声を浴びせる家庭で育ってきた子供にとって、そうした状態は別にいじめではなく普通のことと感じてしまうことがあります。
そのため相手に大きなストレスを与えているとは知らずに、いじめてしまうことがあります。
いじめられやすい人の特徴8つ
いじめられやすい人の特徴とは何でしょうか。
いじめられやすい特徴をできるだけなくすことで、いじめを避けることができるでしょうか。
8つの特徴をご紹介します。
①空気が読めない
空気が読めない人はいじめられやすい傾向にあります。
大人の世界になっても空気を読めるということは一つのスキルです。
空気が読めないのに目立とうとすると、周りの人に反感を買ってしまい、いじめの対象とされることがあります。
②ネガティブ
ネガティブ思考の人は暗く、周りの人にとっては近づきにくい存在になります。
また、他の人にとって不快なネガティブな行動や発言が「弱いからいじめても大丈夫」と思わせてしまうこともあります。
ネガティブであることを悟られないようにする方がよいでしょう。
③周りと同じことができない
周りと違うことをする人はいじめられやすい人です。
運動音痴だったり、笑いのツボが周りと違うなど、他の人と違う行動をいつもしてしまっているかもしれません。
もちろん自分を捨ててまで周りに合わせる必要はありませんが、周りを見る習慣もつけましょう。
④仕事や勉強ができない・遊びがうまくない
仕事や勉強ができない人や遊びができない人はいじめられるかもしれません。
仕事や勉強ができなければ無能者扱いされ、遊びができなければ周りの雰囲気を乱す人間とみられてしまいます。
完璧に何でもこなせるわけではありませんが、努力をする習慣を身につけましょう。
⑤被害妄想
被害妄想が激しい人は、それが原因で孤立してしまうことがあります。
これは精神疾患によるものからきているのかもしれません。
ですから、改善できるように医療機関にかかることが最善の道です。
自分一人では解決できないことも多いため、信頼できる人に聞いてみましょう。
⑥世渡り下手
世渡り下手な人もいじめられやすい傾向にあります。
グループができている中に入っていくのが難しくて、暗い表情をしていると世の中うまくやってはいけません。
逆に一人でも堂々としている人はいじめられにくいといえます。
自分を強く持ち、必要な人間関係だけ維持する人は社会に出ても成功できます。
⑦長いものに巻かれるのが苦手
良好な人間関係を保つことは、世の中うまくやっていくために欠かせません。
なんでも付き合いを断っているといじめられてしまうかもしれません。
たまには友達や周りの人からの誘いに乗りましょう。
苦手意識がある人とも関わってみると、意外と仲良くなれるかもしれません。
⑧気が弱い
弱弱しく見えて、なんでも受け入れる人、言い返せなさそうな人はいじめられやすい傾向にあります。
積極的に自分から友達を作ったり、悪い印象を払拭するような行動をとるようにするとよいかもしれません。
いじめに有効な対策5つ
いじめられた時どう対応すればいいのでしょうか。
いじめはいじめる側が100パーセント悪いものですが、それだけを思っていても何も解決しません。
いじめられている被害者側でも解決するためにできる対策がいくつかあります。
①おどおどしない
おどおどしている弱弱しい人はいじめのターゲットにされてしまいがちです。
普段からびくびくしないようにしましょう。
歩くときは目線をあげて、会話をするときは目を合わせるようにしましょう。
挨拶や感謝の言葉を大きな声で言う習慣をつけましょう。
大き目な声と落ち着いた声を常に意識するようにしましょう。
普段からおどおどしていなければ、周りの見る目も必ず変わってきます。
②ダサい格好をしない
身なりに無頓着な人は「ダサい人」認定されていじめられる可能性が大きくなります。
周りの人と違うことが髪型やファッションなら、そこを改善してみるのはいかがでしょうか。
ファッション誌を参考にしたり、アパレル店員に意見を聞くことができます。
外見を魅力的なものにしていくことは、いじめられにくい自分を作る最善の方法です。
ただしやり過ぎると逆に目立ってしまい、いじめがエスカレートする場合もあるので注意しましょう。
③夢中になれる強みを持つ
得意分野を持ちましょう。
勉強や仕事、趣味などなんでもいいので強みになるものを作りましょう。
好きなことに夢中になっていれば、自然と自分に自信や余裕というものが身についてきます。
周囲の嫌がらせにくよくよ悩むよりも、趣味に没頭してイキイキできるようになるかもしれません。
④体験談から学ぶ
いじめを受けていたものの、克服して良い人間関係を築けているという、いじめを克服した人の体験談から学ぶのもおすすめです。
いじめを克服した人の意見からいじめへの対応の仕方を学ぶことができるでしょう。
インターネットで一度調べてみるのはいかがですか。
⑤誰かに相談する
いじめられる側になったとき、いじめられていることを誰かに知られるのが怖い、と思ってもまずは相談しましょう。
一人で悩み続けていても解決はしません。
そもそも一人で解決できるのなら、いじめは世の中から消えているはずです。
しかし、現に社会問題となっています。
自分一人で抱え込まずに、すぐに相談するようにしましょう。
いじめがエスカレートしていく前に相談することがおすすめです。
まとめ
・いじめられやすい人の傾向があるので、当てはまらないように気を付けるのも大事。
・趣味を作って好きなことに夢中になれば、いじめに悩まなくなる可能性もある。
いじめはなかなかなくならない社会的に深刻な問題の一つです。
いじめの原因には様々なものがありますが、それを放置しておいていい理由は一つもありません。
いじめられやすい人の特徴をできるだけなくして、いじめられたらすぐに周りに助けを求めるようにしましょう。