身内に薄毛やハゲの人がいると不安になったり諦める人が多いですが、実はハゲになるかどうかの要因は他にもあります。
今回はハゲに関わる遺伝子2つ、誰から遺伝するのか、薄毛遺伝子の確認方法、遺伝以外のハゲの原因を紹介します。
目次
薄毛方程式とは?ハゲになるかは遺伝で決まる?
薄毛になるのも、ハゲになるのも遺伝が原因だ、とよく言われます。
おじいちゃんがハゲているから僕もハゲるかもしれない、お母さんが薄毛だから僕もきっと髪が薄いんだ、といった風に考える人は少なくありません。
しかし、本当に薄毛は遺伝ですべて決まってしまうのでしょうか?
実は遺伝のみで決まってしまうようなことはありません。
「薄毛方程式」というものがあり、それはこのような式で成り立っています。
薄毛=遺伝×生活習慣
つまり、薄毛は100%遺伝に依存しているわけではありません。
遺伝によって決められるのは「ハゲになるか、ならないか」ではなく、ハゲのなりやすさです。
ハゲない遺伝子の人は絶対ハゲない?
実は、ハゲない遺伝子を持っている人は、何をしてもハゲないというのが事実です。
先ほどご紹介した薄毛の方程式は、遺伝と生活習慣が掛け算になっていましたよね。
つまり、ハゲやすい遺伝子を持っている人は、ハゲやすい生活習慣を送ることによって、さらにハゲになる確率が高まります。
しかし逆に、ハゲになりやすい遺伝子を受け継いでいない人は、かけて0になるので、どれだけ生活習慣や食習慣が悪くてもハゲないのです。
どんなに悪いものを食べていても、男性ホルモンが過剰に分泌されても、ストレスが蓄積されてもハゲにはならないのです。
しかし、言うまでもなく髪の毛以外の部分で多くの体調不良が生じるのは目に見えていますね。
ハゲと遺伝と男性ホルモンの関係「ハミルトン博士の実験」
いったい、遺伝によってハゲになりやすい、なりにくいとはどういう意味なのでしょうか。
この遺伝子についてハミルトン博士が研究しました。
薄毛と男性ホルモンの研究をしているうちに、この遺伝とハゲの関係についても導き出したのです。
ハミルトン博士は、男性ホルモンが睾丸から分泌されるので、去勢するとどうなるのか、という研究をしていました。
彼の研究結果によると、思春期以前に去勢されると男性は薄毛にならず、すでに薄毛の男性が去勢をすると薄毛の進行が止まる、ということです。
この結果であれば薄毛のすべての原因は男性ホルモンにある、と思ってしまいますが、彼のさらなる研究を見ればそうではないことが分かります。
去勢後の男性にテストステロンを注射したのです。
去勢以前から薄毛だった男性はテストステロンが注入されたことによって薄毛が進行し始めましたが、去勢以前から薄毛ではなかった人は、やはり薄毛になりませんでした。
つまり、テストステロンの有無に関わりなく、遺伝的にハゲるリスクが高い人とリスクが全くない人にはっきり分かれるということが分かります。
ハゲに関わる遺伝子2つ
現在ハゲになる理由として2つの遺伝子が関係していることが分かっています。
それは、5αリダクターゼの活性の高さを決める遺伝子と、アンドロゲンレセプターノ感受性の高さを決める遺伝子です。
これらの二つの遺伝子が受け継がれているかどうかによって、ハゲるかハゲないかが異なります。
5αリダクターゼの活性の高さ
まずは5αリダクターゼの活性の高さを決める遺伝子とハゲの関係について考えてみましょう。
この5αリダクターゼの活性が高ければ高くなるほど、男性ホルモンの「ジヒドロテストステロン」が作られやすくなります。
そもそもジヒドロテストステロンは男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼが結びつくことによって作られるからです。
そのため5αリダクターゼの活性が強いと、他の人よりもより多くのジヒドロテストステロンが作られることになり、ハゲになる原因が増えていきます。
5αリダクターゼの活性力は遺伝によって決まるため、この点でハゲは遺伝によると考えられいるのかもしれません。
5αリダクターゼの活性が高い遺伝子が受け継がれていれば、ハゲになりやすい体質が遺伝しているということになります。
アンドロゲンレセプターの感受性の高さ
先ほどジヒドロテストステロンが作られることによってハゲになる、と説明しました。
しかしこのホルモンによってすぐにハゲるわけではなく、アンドロゲンレセプターが必要です。
ジヒドロテストステロンホルモンを感知する器官と連動しています。
ジヒドロテストステロンにアンドロゲンレセプターが反応することによって、髪の毛が成長しなくなるようです。
そのため、アンドロゲンレセプターがどれだけホルモンを感知するか、という感受性の高さが遺伝によって決まり、ハゲになりやすいかどうかが決まるのです。
親や祖父母から、感受性の高いアンドロゲンレセプターが遺伝した場合、ジヒドロテストステロンが作られるとすぐに感知して髪の成長を妨げようとするかもしれません。
薄毛遺伝子とは?
実は薄毛が遺伝するとはっきり言える理由があります。
それは遺伝子の中に「デンセイホルモン受容遺伝子」という通称薄毛遺伝子があるからです。
この遺伝子はx染色体の中に含まれており、男性ホルモンと大きな関係があります。
このデンセイホルモン受容遺伝子を受け継いでいる場合、男性ホルモンが分泌されるときに起こる脱毛作用と大きくかかわって、ハゲをさらになりやすくさせるといわれています。
ハゲは誰から遺伝する?
いったい、ハゲは誰から遺伝するのでしょうか?
家族のだれがハゲているかをみれば自分が将来ハゲるかどうかを知ることが出来るでしょうか?
薄毛遺伝子はx染色体の中に含まれている、と先ほど述べましたね。
x染色体はほとんどの場合女性から遺伝するといわれています。
ですから、ハゲになりやすいかどうかの遺伝はほとんどの場合母親からの遺伝になります。
では、母親がハゲていなければセーフなのでしょうか?
そうではありません。
女性ホルモンは脱毛作用を防止する成分があるため、例え薄毛遺伝子を持っていても女性はハゲない可能性があります。
ですから、薄毛遺伝子を持っていても母親がハゲているとは限りません。
母親の頭皮や髪の状態からは、自分がその遺伝子を持っているかどうかを判断するのは難しいでしょう。
ハゲる遺伝子があるかどうかの確認方法2つ
母親から薄毛遺伝子は遺伝するということが分かりましたが、母親がハゲているかそうでないかで、自分がハゲるかどうかを知ることはできません。
では、どうすれば薄毛遺伝子を持っているかどうか確認できるのでしょうか?
2つの方法があります。
①病院でAGA遺伝子検査
一つは病院や専門機関に行って、SGA遺伝子検査を行うというものです。
期間は1カ月ほどかかります。
金額は約20000~30000円といわれています。
正確に遺伝子分析をしてもらうことが出来ます。
しかし、それなりの金額がかかり、髪の悩みで病院に行くのは恥ずかしいと思われる方にとっては病院や専門機関での検査は少しハードルが高いかもしれません。
そのような方には、次の方法をお勧めします。
②AGA遺伝子検査キットの購入
もう一つの方法は検査キットを購入し自分で検査するというものです。
AGA遺伝子検査キットは自分で購入すれば約13000~16000円かかります。
正確さは病院と変わりありませんが金額は半額になっています。
また、期間も2~3週間で早く結果を知ることが出来ます。
病院や専門機関にいって他の人に知られるのはいやだ、という方や、出来れば費用は安くしたい、といわれる方は、こっそりキットを購入して検査してみると良いでしょう。
ハゲが遺伝する確率とは?
ハゲる遺伝子が遺伝する確率はどれほどなのでしょうか?
薄毛になりやすい遺伝子の80%は母親から受け継がれるといわれています。
かなり高い確率ですよね。つまり、ハゲは遺伝します。
2005年にフランスの研究チームもハゲと薄毛の間に明確な関係があることを明らかにしています。
また、母親は女性ホルモンの影響で脱毛が起きていないかもしれませんが、母方の祖父母を見ると、ハゲの遺伝子を持っているかどうかが分かるかもしれません。
ただしハゲが直行で遺伝するとは限りません。
アンドロゲンレセプターノ感受性の高さが良いか悪いかを母方のどちらかから受け継いでいる可能性も十分考えられます。
しかし、100%遺伝してハゲるという訳ではなく、残りの20%は生活習慣にかかっています。
ですから、努力次第でハゲを予防することが出来るのです。
遺伝していれば必ずハゲるの?
薄毛遺伝子を持っていた、もしくは受け継いだとしても必ずハゲるという訳ではありません。
母親、もしくは母方の祖父がハゲているからと言って、自分が必ずハゲになる、とあきらめてしまう必要はありません。
遺伝するのは薄毛になりやすいという点です。
ハゲになると決まったわけではありません。
薄毛になりやすいのは事実ですが、毎日の正しいヘアケアや、規則正しい生活習慣、早めの治療を行っていれば、ハゲを予防することはできます。
ハゲを諦めてしまう理由3つ
ハゲはもう治らない、とあきらめてしまって、生活習慣まで悪い状態を続けている人は少なくありません。
しかし、その原因を解消すれば、ハゲにならずに済むかもしれません。
①ハゲ遺伝伝説を信じている
まず、一つ目の原因として、はげは100%遺伝するという伝説を信じているために、あきらめているのかもしれません。
しかし、遺伝したからと言って必ずしもハゲるわけではありません。
遺伝による薄毛も育毛剤やサプリメントなどを使って、改善することが出来ます。
また薄毛治療用のプロペシアなどの治療薬を使用することも可能です。
②育毛剤の効果が見られない
市販の育毛剤を使っても全く効果が見られない為に、遺伝ゆえのハゲはそもそも改善の見込みがない、と考えてあきらめてしまう人もいます。
しかし、実際のところ市販の育毛剤で毛がふさふさに生えるなんてことはありえません。
逆効果になる場合すらあるので注意しましょう。
③発毛サロンの効果が見られない
発毛サロンに通っているのになかなか髪の毛が生えてこなかったから、遺伝ゆえのハゲで髪の毛はもう期待できない、と考えている人もいます。
しかし、病院ではない発毛サロンに行っても、血行を促進させたりするだけで、根本的な治療は行えません。
AGAクリニックなどの専用の治療院で治療を受けるようにしましょう。
遺伝以外のハゲの原因5つ
遺伝以外にも、間違ったヘアケアや生活習慣によってハゲになることが考えられます。
ここでは、遺伝以外の5つの原因を紹介しておきます。
①髪を遊ばせている
まずは、髪を遊ばせすぎているということが原因になります。
パーマやカラーをしているとどうしても頭皮や髪にダメージを与えてしまいます。
そのため、頭皮ケアを怠ってしまうと、髪の毛が生えなくなり、ハゲになります。
②眼精疲労
さらに、パソコン、スマホ、ゲームばかりしていると眼精疲労に陥ります。
目を酷使することによって、血行不良が起き、頭皮にコリが生じ、ハゲにつながっていきます。
そのため、時々視線を遠くに向けたり、適度に運動を挟むなどして目を休めましょう。
③生活習慣の乱れ
アルコールの過剰摂取や喫煙はハゲの大きな原因となりえます。
酒を飲むとアルコール分解のために育毛に必要な栄養素が大量消費されます。
また成長ホルモンの分泌が阻害されます。
加えて、分解されなかったアセトアルデヒドはジヒドロテストステロンを増加させてしまうのです。
またタバコに含まれているニコチンは血管を収縮させるため、血流が悪くなり、必要な栄養が髪の毛まで届かなくなってしまうことでしょう。
④朝シャン
朝シャンを習慣化していると、皮脂を落とし過ぎて過剰な皮脂分泌が起きたり、シャンプーが毛穴に詰まってしまって抜け毛を引き起こします。
シャンプーを洗い流す時間が足りない為に、頭皮環境が荒れることも考えられます。
⑤食習慣の乱れ
脂っこいものばかり食べていると皮脂の量が増え、身体機能が低下し、血液の流れが悪くなります。
体に必要な栄養素ではありますが、過剰な摂取は必要ありません。
まとめ
・ハゲになる遺伝子は母親から受け継ぐ。
・生活習慣や食生活の乱れ、間違ったヘアケアなどが原因でハゲることも多い。
遺伝が100%ハゲの原因とはなっていません。
ですから、遺伝だからしょうがない、とあきらめるのではなく、ハゲのほかの原因を探して、生活習慣を改めるようにしましょう。
早めに予防すれば、ハゲをにならなくて済むかもしれません。