薄毛を諦めている方も多いですが、薄毛に効果的な治療薬は現在数多く存在し、その効果も認められるものになっています。
今回は薄毛のタイプごとの治療薬、使用する際の注意点3つ、正しい使い方のポイント4つを紹介します。
目次
薄毛に効果的な治療薬はある?
薄毛に悩む男性の多くは、生活習慣の改善により薄毛も改善するケースがほとんどです。
しかし、AGAなど脱毛症を原因とする薄毛は、適切な治療を行わなければ回復が見込めないものです。
そんな薄毛の治療薬はあるのでしょうか?
確かにあります。
最近では、皮膚科やクリニックで薄毛治療を行うときに薬を処方してもらうことが出来ます。
どんな薬が処方されるのか気になるのではないでしょうか?
薄毛の代表的な治療薬3種類
薄毛治療薬として使われる主な薬は3種類あります。
それは以下の3つです。
・プロペシア
・ザガーロ
・ミノキシジル
薄毛の治療用の薬はどれも同じ働きをする、という訳ではありません。
その症状や特徴別に処方される治療薬は違います。
では、これらも治療薬はどのような働きをするものなのでしょうか?
一つずつ確かめていきましょう。
①プロペシア
まずご紹介するのはプロペシアです。
プロペシアは薄毛治療に最もよく使われている治療薬です。
男性型脱毛症であるAGAに効果を発揮してくれます。
効果
プロペシアにはいったいどのような効果があるのでしょうか?
まず1つ目に男性ホルモンを抑制してくれます。
AGAは主に、男性ホルモンが5αリダクターゼと結合しジヒドロテストステロンに変わり、さらにその男性ホルモンが毛母細胞に悪い影響を与えることによって発症するものです。
しかし、プロペシアを服用していれば、テストステロンがジヒドロテストステロンに変化するのを抑制してくれます。
プロペシアは抜け毛を予防するための治療薬ですから、早めに服用を始めれば始めるほど効果は表れやすいといわれています。
しかし、20歳以下の人が飲むべき薬ではありません。
主に20歳以上50歳以下の男性に服用される治療薬です。
有効成分
プロペシアが薄毛の治療薬として効果を発揮する理由は「フィナステリド」という有効成分にあります。
プロペシアは日本が2005年から発売している薬ですが、プロペシアが有効成分の名前ではなく、ただの薬名です。
英語で言う脱毛を意味するアロペシアに似せた名前になっているといわれています。
この薬に配合されているフィナステリドという有効成分は、テストステロンと5αリダクターゼとの結合を抑制してくれます。
その結果AGAの治療薬として非常に有効なのです。
副作用
プロペシアには副作用はないのでしょうか?
プロペシアに副作用があるかないかは薬の添付文書を見れば確認することが出来ます。
しかし、購入する前にその副作用についてある程度知っておくこともできます。
プロペシアを服用することで起こり得る副作用は、肝機能障害です。
肝機能障害は、初期は何も異常が見当たらないので発見が遅れてしまうことが多々あります。
ですから早めに血液検査などを受けて確認することをお勧めします。
また、だるさや疲れやすさを感じたり、黄疸が出るようになってきたらすぐに病院に行きましょう。
副作用そのものがすべての人に生じるわけではありません。
プロペシアの抜け毛予防効果を実感さえできていれば、ある程度の副作用は甘んじて受け入れるという方もおられるでしょう。
しかし、最悪の事態を想定し、副作用について理解しておくことは大切です。
②ザガーロ
2つ目にご紹介するのはザガーロです。
ザガーロは、2015年に新たに厚生労働省が認可した、比較的新しいAGA治療薬と言えるでしょう。
ザガーロはイギリスに本社が置かれている会社が製造しているものです。
以前から前立せん肥大症の薬として用いられており、日本でも「アボルブカプセル」という名前で販売されていた薬です。
新たにAGA治療、薄毛治療として効果を発揮するものである、ということが発見されただけで、中身は何も変わりません。
効果
ザガーロはどのように薄毛に働きかけてくれるのでしょうか?
ザガーロもプロペシアと同じようにテストステロンと5αリダクターゼとの結合を抑制する働きがあります。
しかし、作用の違いがあります。
プロペシアは5αリダクターゼのⅠ型のみを阻害する働きがありますが、ザガーロには5αリダクターゼのⅠ型とⅡ型両方の働きを阻害してくれる働きがあります。
そのためジヒドロテストステロンの生成を強力に阻止できるのです。
有効成分
ザガーロの有効成分は「デュタステリド」というものです。
この成分は、先ほど効果のところでも述べたように、テストステロンがジヒドロテストステロンに変化するのを助ける5αリダクターゼのすべての働きを阻害する効果があります。
そのためフィナステリドでは不可能であった、薄毛や抜け毛の防止も可能になっています。
しかし毛根が失われてしまうと、いくらデュタステリドが働いても育毛効果は得られないため、早めの服用が肝要です。
副作用
ザガーロには副作用があるのでしょうか?
プロペシアと比較した副作用の強さなどは現在データがないため、正確に述べることが出来ません。
しかし、薄毛治療薬としては、勃起不全、リビドー減退、射精障害などの性機能が悪影響を受けるという副作用を持っています。
1年間ザガーロを服用した男性の16.7%が副作用を発症していますが、残りの9割は目立つ副作用を見られることなく、薄毛治療が行えているようです。
③ミノキシジル外用薬
ミノキシジルという薄毛治療薬もあります。
この薬はもともと高血圧の治療のために血管を拡張する薬としてしようされています。
しかし、この薬を服用していた患者に育毛効果が見られたことで、現在では薄毛治療薬としても使用されているものです。
ミノキシジルは、厚生労働省やFDAなど信頼のおける機関において、多くの国で認可を得ている治療薬です。
ですから、信頼して安心して服用することが出来るでしょう。
効果
ミノキシジルには、薄毛を治療するためのどんな効果があるのでしょうか?
以下ような順番で薄毛治療薬としての役割を果たしてくれます。
①血管が広がる
②血流が良くなる
③多くの育毛成分を毛乳頭に運ぶ
④運ばれた栄養素をもとに元気な髪が作られる
ミノキシジルには血管拡張作用があります。
血管の中にパンパンに血が詰まっているのも血管を広げることで解消できます。
血管が拡張すると血流が改善され、その流れる血にのって多くの有効成分、栄養素を髪を作る細胞まで届けることが出来るようになるのです。
有効成分
ミノキシジルは有効成分の名前そのものです。
ミノキシジルは、プロペシアやザガーロのようにAGAなどの脱毛症の原因を根本的に治療するものではありません。
しかし血管が拡張され血行が良くなることは、栄養素を十分に届けて、良い頭皮環境を整えることのためにも大切なことです。
副作用
ミノキシジルにはどのような副作用があるのでしょうか?
ミノキシジルの添付文書によると以下のような副作用が生じるかもしれない、と述べられています。
・頭皮の発疹
・かゆみ、かぶれ、ふけ・頭痛
・胸の痛み
・むくみ
・動機
・めまい
・不整脈
・多毛
内服薬はどうしても血流にのって全身をめぐるため、少なからず起こる副作用を防ぐことが出来ません。
しかし、それだけ効果が認められているということですから、持病のある方やすでに何らかの投薬を受けている方以外は心配する必要はありません。
円形脱毛症に効果のある治療薬2種類
AGAとは違う脱毛症、円形脱毛症を発症している方に効果的な治療薬はあるでしょうか?
①グリチロン錠
まず、円形脱毛症の治療薬として一般的によく用いられているのは、グリチロン錠です。
慢性肝炎、湿しん、皮膚炎、口内炎など粘膜の炎症や皮膚の炎症に効果をもたらす治療薬です。
肝臓の働きが活発になりますし、炎症やアレルギーを抑制することが出来るため、円形脱毛症の原因をなくすことができます。
②第2世代抗ヒスタミン剤
2つめの治療薬は第二世代抗ヒスタミン剤です。
これはアレルギー対策に使われる薬で、花粉症などの治療薬としてよく耳にするものです。
これも円形脱毛症に効果的な治療薬として使用されています。
副作用は少ない治療薬ですが、人によっては強い眠気を生じることがあるので注意が必要です。
脂漏性脱毛症に効果のある治療薬
脂漏性脱毛症になっている人にはどのような治療薬が使われるのでしょうか?
まず、抗真菌剤がつかわれます。
頭皮に存在している常在菌の活動を抑えることで、脂漏性の皮膚を抑えることが出来ます。
これは外用薬なので、かゆみや赤みが出る、といった副作用を発症することがあります。
クリニック独自の薄毛治療薬もある
日本の厚生労働省に認可されている安全性が確立されている薬についてご紹介してきました。
しかし、薄毛治療を行っているクリニックによっては、独自の開発薬を用いているところもあります。
それはまだ、日本で治療薬としては認められていないかもしれません。
もし、聞いたことのない、そして考えられる副作用が大きな治療薬は、医師に詳細を聞いて納得できてから使用するようにしましょう。
薄毛治療薬を使用する際の注意点3つ
薄毛の症状にも種類がありますし、その種類に合わせた治療薬もさまざまです。
自分1人で適切な治療薬を選ぶことは困難です。
そのため、どうしても医者が勧めてくる薬を言われるがまま服用することになるでしょう。
しかし、その治療薬の効果や副作用をあらかじめ知っておいて服用するのは大切なことです。
では、治療薬を服用する際に意識しておくべき注意点はあるでしょうか?
肌が荒れていないか?
まず、肌が荒れていないか確認しましょう。
肌が敏感な方は特に外用薬は刺激が強く炎症を起こしやすいといえるでしょう。
場合によっては発疹や赤みといった副作用が生じる可能性もあります。
薄毛の治療は進んでも皮膚の状態が悪ければ自信を持って見せられる頭にはなりません。
本当に適切な治療薬を用いられるように、頭皮の状態に注意しておきましょう。
体質に合っているか?
さらに、体質にあっているかどうかも確認する必要があります。
特に、ミノキシジルなど血管を拡張させて血行促進させる作用のある治療薬は、血圧や脈拍に影響を与えます。
低血圧であったり、心臓に持病がある人は、思ったより大きな負担を体に与えることになるかもしれません。
薄毛は治療できているけれども不健康になった、という結果を招かないように注意しましょう。
日常生活に支障は出ないか?
その治療薬を服用することによって日常生活に支障が出る、ということはないでしょうか?
出来れば今まで通りの生活を送れるように、医師にお願いしてみましょう。
例えばかゆみが出るもの、頭痛やめまいが生じる薬などは学業や仕事に専念できなくなる可能性があります。
自分がそのような状況にはなりたくない、ということを医師に伝えて、適切な治療薬を処方してもらえるようにしましょう。
薄毛の治療薬を正しく使うポイント4つ
薄毛の治療薬はいろいろな種類があり、副作用もさまざまです。
薄毛を治療するだけでなく、皮膚の状態や健康状態にも気を使うべきでしょう。
次の4つの点を意識して治療薬を正しく用いましょう。
①病院で処方してもらおう
まず、自分で市販の治療薬を購入することはやめましょう。
どんな症状で、どんな薄毛の種類なのかを専門家に判断してもらう必要があります。
そうでなければ本当に正しい治療を行うことが出来ません。
②厚生労働省の認可がないものは使わない
厚生労働省の認可がないものは、外国で使用されているにしても日本人の体には危険な成分が含まれているかもしれません。
確かな効果と安全性が実証されていない治療薬をむやみに使用しないようにしましょう。
③容量用法を守ろう
治療薬の容量と用法をきちんと守りましょう。
薬に添付されている資料には必要な情報が記載されているはずです。
その通りに服用しましょう。
そうすればひどい副作用を避けることが出来ます。
④専門家の指導を聞こう
専門家の指導を聞くことは非常に重要です。
治療薬の効果を最大限実感するために、生活習慣やヘアケアの仕方なども教えてもらうと良いでしょう。
自分の独断で薄毛治療を行わないようにしましょう。
まとめ
・薄毛治療薬はあくまでも薬なので副作用が出ることがある。
・薄毛治療薬はきちんと医師に処方してもらい、自分の判断で購入したり飲む量を変えたりしない。
薄毛の治療法はたくさんあり、その薬の種類も豊富です。
薄毛の治療薬を処方してもらうには医師に相談しましょう。
早めに服用すればそれだけ早く効果を得ることが出来ます。