働く人は誰しも年収・ボーナス・残業代が気になる所ですが意外に知らない人も多く、収入の内訳を把握することは重要です。
今回は年収の定義、残業代の落とし穴&請求できないケース、ボーナスの定義&残念な使い方3つを紹介します。
目次
年収の定義 【ボーナス&残業代は含まれる?】
年収とはいったい何でしょうか。
年収は1年間に得た総収入額を指しています。つまり、税金や社会保険料が差し引かれていない状態の総支給額です。
年収を把握するためには源泉徴収票を見るとよいでしょう。源泉徴収票には支払金額とともに、控除後の金額や保険料などの控除額が記載されています。
この中で年収が「支払金額」にあたります。
源泉徴収票は毎年12月から1月の間にわたされるはずですので、チェックしておきましょう。
年収にボーナスは含まれているのか?
年収にはボーナスが含まれています。年収は1年間の中の支払金額だからです。
企業の中にはボーナスが安いところもあります。しかし、その分毎月の手取り額を増やして年収を増やしている会社もあります。
そうすると、ボーナスが多いところでも、ボーナスが少ないところでも結局は年収が同じになります。
残業代は年収に含まれる?
年収は報酬の総額を指しているため、残業代も含まれており、それは年収の一部として課税の対象にも含まれています。
そこから税金や社会保険料が差し引かれますので、自分の手元に残って銀行に振り込まれるお金、つまり「手取り」とは異なります。
また、ボーナス以外にも手当なども年収に含まれています。
残業代の落とし穴2つ
年収に残業代が含まれているというのは恐ろしいことでもあります。
なぜでしょうか?その理由を2つの場合に分けて説明します。
転職時
1つ目は転職時です。
転職しても給与水準は落とさず、できれば年収をアップさせたい、と思うことでしょう。しかし、年収には残業代が含まれていることを思い出してください。
あなたが長く働けば働くほど残業代はもらえますが、それはあなたの価値が上がったことにはなりません。
また、年収が上がると思って転職した先は、残業だらけのブラック会社だったということも考えられるのです。
高い残業代はあなたの能力を評しているものではありません。そのような場合は転職しない方がましでしょう。
ローン時
年収に残業代が含まれているということは、ローンが組みやすい!と思われるかもしれません。しかし残業代をベースにローンを組むと後で痛い思いをすることになるかもしれません。
それは、残業時間が少なくなった時、年収が減りローンの返済が厳しくなるからです。
残業代がなければ生活できないことになり、なんのために働いているのかわからなくなることでしょう。転職したくても残業代を考慮しなければならなくなるのです。
残業代を請求できないケース4つ
中には、残業代が請求できない会社もあります。その場合は年収が少なくなるということです。
どんな場合に残業代は請求できないのでしょうか。
①事業場外労働
事業場外労働の際は請求できません。
例えば営業職など、取引先から取引先まで移動し、ほとんど会社にはいない従業員がいます。
その場合、会社として一定時間の労働時間を定めており、その時間は労働したものとみなす、としています。
ですから、もしその日に10時間近く外回りで営業活動を行ったとしても、会社側からしたら1日8時間労働に変わりはなく、2時間の残業代をもらうことはできません。
②裁量労働
裁量労働も残業代がもらえない労働の一種です。
労働時間が会社側に定められていると、成果が上がらない研究開発やシステム分析などを行う従業員がどれだけ長時間働いても、残業として扱ってもらうことができません。
これは、会社とその従業員との間で、「1日10時間労働したものとみなす」という労働協定が結ばれているからです。
どんな働きも、決議や同意などによって一度決められたものは覆らず残業代をもらうことはできません。
③あらかじめ規定が設けられている会社
また、残業に関してあらかじめ規定が設けられている会社もあります。雇用契約を交わす際に、手当に残業代が含まれていることを説明されるかもしれません。
その場合、残業代はすでに払われているわけですから、どれだけ残業をしようと給料が増えるということはありません。その時間の残業代を請求することはできないのです。
ただし、一定時間分以上の残業時間が認められた場合は請求することができます。
④週に1回休日がある
週に1回休日がある場合は、土日に働いたとしてもそれは休日労働にはあたりません。
通常、休日労働では35パーセントの割増料金は支払われますが、せっかくの家族の休日を仕事に使っても、会社によってはいつもと同じ賃金が支払われることになります。
ただし、時間外労働であればもちろん残業代は支払われなければなりません。
残業代なしでは手取りが少ない場合の対処法5つ
残業しないとそもそも給料が少ないからどうしようもない!という方は給料を上げるために残業をひたすらこなしておられるかもしれません。
しかし、最近は残業に厳しくなっており、なかなか残業代がもらえないこともあるでしょう。
過労死が騒がれる時代ですからしょうがない気もします。しかし、残業がないと生活できない!という方はどうすればいいのでしょうか。対処法をご紹介します。
①頑張って残業代を稼ぐ
今は、そもそも基本給を少なく設定しており、残業代がないと給料が多くもらえないというケースは珍しくありません。
会社にとっても、従業員が欲しいと言うだけ、給料を払っていれば破産してしまうことになります。基本給が10万円で、あとは手当を増やすことで補てんしている会社もあるのです。
ですから、基本給が少なくどうしてもやっていけないのであれば、このまま同じ会社で働きたい場合はやはり残業をして手当をもらうしかないでしょう。
②転職する
サービス残業が多い会社は転職しても無駄です。残業代をしっかり出してくれる信頼できる会社に転職しましょう。工場などは比較的しっかり残業代を出してくれるでしょう。
また、給料が高くても休みがなければなんのために働いているのかわからなくなると思いますので、休みもしっかりもらえる会社がおすすめです。
転職活動中に、残業があるか、残業代は出るか、休日数などをしっかりチェックしておくとよいでしょう。
③副業で補う
今すぐ、手っ取り早くお金が必要なのであれば、副業を始めて補うようにしましょう。残業がない会社はある意味ホワイト企業で、労働環境が良いということです。
しかし、いくらホワイト企業でも給料が少なければやっていけなくなるでしょう。
今の会社を辞めたくはなくて、何とかやっていくつもりでいるのであれば、副業で稼ぎましょう。クラウドソーシングは手軽に始められるのでおすすめです。
未経験者でも月に数万稼ぐことができます。
④ホワイト企業であることを最優先する
先ほども述べましたが、残業がないということはホワイト企業である可能性が高いといえます。残業をやらされる会社の方が多いのです。
残業がないのであれば給料が安くてもいい、という方もおられると思います。居心地や環境がが良いことを重視するのであれば、給料に目をつむることができるでしょう。
給料以上に人間関係や社内の雰囲気は悪くもよくも健康に影響が大きいものです。自分に合った環境が整っているのであれば、やめてしまうのはもったいないと言えます。
ぜひその会社にとどまって、副業で補てんするのがおすすめです。
⑤出費を抑える
そして出費を押さえましょう。
収入を増やすのには限界があります。稼ぎが少なくて困っているのであれば、それだけ身の丈に合った生活をするとよいでしょう。
もちろん、十分な給料をもらっていたとしても、それをそれだけ使っていれば結局金欠になります。
新しい家を買うのはあきらめたり、スマホは格安シムに変えたり、できるだけ自炊するなど努力すれば、出費を抑えられそれだけお金が浮くでしょう。
ボーナスの定義 【年収における割合&査定項目も紹介】
ボーナスとは?
ボーナスは、よく聞く言葉ですが、実は誰でももらえるわけではありません。定期的にお給料がもらえる労働者に対し、定期的な給料とは別に与えられる特別な給料です。
ですので、個人経営者やフリーランスとして働く人はもらえません。また、弁護士やテレビ局勤務、美容師もボーナスが出ないのだとか。
また近年は、不況や経営悪化で正社員であってもボーナスなし、といった会社も少なくありません。ただし、ボーナスがないからダメな会社、というわけではありません。
ボーナス無しでも年収が良かったり、他の手当てが充実してたりするなど、ボーナスだけが会社の良し悪しを示す基準ではないことを覚えておきましょう。
年収におけるボーナスの割合
年収の中でボーナスがどの程度の割合なのかにについて知っておけば、毎月の月給をある程度知ることができます。
国税庁の発表したデータでは、大体年収の15パーセントはボーナスとなっているようで、ほとんどの場合、月給の数か月分です。中には月給4か月分を支払う会社もあるようです。
1例として毎月30万円が月給として支払われている会社員は、ボーナスが2か月分の月給だった場合、60万が支払われることになります。
ボーナスのタイプ
ボーナス額は会社によって色々な形態があります。
個人の頑張りや業績、成長や利益に関係なく、額が固定されていることもあります。毎年必ず払われるという安心感が大きいタイプです。
また、毎月の給与に連動して額が変わるというタイプもあります。これが日本の企業で一番なじみがあるものです。
そして一番ボーナスらしいのが利益分配方式です。各自の能力や成果によって賞与額が決められます。
ボーナスの査定項目3つ
初めてボーナスを受け取るときには、ドキドキワクワクしたことでしょう。
しかし、会社によって、ボーナス額を定めるために査定が行われています。この査定評価によってボーナスの金額も変わるのです。
①能力
もっとも支給金額に影響がある査定項目は、能力です。
面接の際に優秀な人材かどうかをチェックしていますが、実際に仕事を行ってみてからやっとその人の持っている能力や欠点に気づくことができます。
適性に合っていなければ、能力を発揮することができないでしょう。その能力は努力だけではなく、成果を生み出した実績によってボーナス査定の評価へとつながります。
実際売り上げが伸びたりすると、必ず査定は高くなるはずです。
②勤務態度
2つ目の査定項目は勤務態度です。これは頑張れば頑張るほど上がります。
勤務態度の評価は上司が行いますので、上司との関係は良いものにしておくとよいでしょう。上司との関係が悪いと目的意識を疑われることになります。
特に遅刻や欠勤はしないように注意しましょう。時間を守り、会社の規則を守るのは社会人として当たり前のことです。
③勤続年数
3つ目の査定項目は勤続年数です。
どれだけ長く一生懸命会社のために働いているかが評価されます。これは能力の有無よりも、今までどれだけ貢献したのかが評価されることになります。
このボーナス査定項目は成果があってもなくても、勤続年数が長ければ長いほど評価され、ボーナスの支給額も増えます。
ボーナスの支給日
ボーナスの支給日は基本的に夏と冬の年2回です。
例えば年2回のボーナスで4か月分の月給が支払われる場合、30万が月給のサラリーマンであれば1年で120万もらえることになります。ですので、ボーナスの支給額は馬鹿になりません。
公務員のボーナス支給日は6月30日と12月10日です。
民間企業は自由に設定できるようになっています。ただし、ほとんどの場合公務員と同じ時期に支給されることになっています。
ボーナスの残念な使い方3つ
ボーナスが支給されると「何に使おう」と考えるのではないでしょうか。
ボーナスは上手に使えば将来のためのお金、または自分のための投資などにもなります。しかし一気に大金を手にしたことで残念な使い道をしてしまうこともよくあります。
①補てん
1つ目は、過去の支払いや生活の支払いの補てんにボーナスを使うというものです。
クレジットで行ったショッピングやキャッシング、ローンや未払いなどをボーナスで清算できるようにしているかもしれません。
ボーナス1回で返せるならまだ問題ないのですが、それでも返せない状況になっているのであれば、崖っぷちの家計といえるでしょう。
②無計画浪費
欲しくなったものを欲しいままに購入している、そんな無計画浪費タイプは非常に危険です。
ボーナスを使い分けることができるように、ボーナスが振り込まれる前に計画しておくようにしましょう。
比率は自分の理想通りでよいので事前に決めておくのが必要です。
③無関心放置
せっかくボーナスが振り込まれているのに、無関心で放置してしまうのはやめましょう。通常の給料と混ざり合ってしまいます。
ボーナスはモチベーションアップにもつながりますので、有効活用するよう次回から意識しましょう。
まとめ
・残業代に頼っていると景気が悪くなって残業ができなくなった時に様々な面で困ることになるので、残業代に頼らないことが重要。
・ボーナスを残念な使い方をするのはもったいないので、計画的に使うことが重要。
ボーナスも残業代も年収に振み込まれています。
だからこその落とし穴もいくつかあります。
年収、残業代、ボーナスそれぞれに不満があるときは転職や副業も考えてもいいでしょう。
ですが、自分が働いている会社の良いところを探して、できるだけ転職せずに今の会社に貢献できるように頑張ることも悪いことではありません。
今の働き方をじっくり考え、年収と理想の生活が見合っているか比較することをおすすめします。