年収1000万は高給取りのイメージがつきものですが手取りや税金、生活レベルも様々で、職業によっては意外に夢ではありません。
今回は年収1000万円の割合、手取り、税金、11の職業、パターン別の生活レベルを紹介します。
目次
日本人の年収1000万円以上の割合は?
年収1000万円以上稼いでいる人たちってどれほどいるのでしょうか。
国税庁の調査によれば、日本人の給与所得者の平均給与は男性は521万円でした。
ですから、年収1000万円以上というのはかなりの高給取りということになりますね。
給与所得者のうち年収1000万円以上の人の割合は4.3%です。
もっと詳しく見ていくと、年収1000万~1500万の方が3.1%、年収1500万~2000万の方が0.6%、年収2000万~2500万の方が0.2%、年収2500万以上の人が0.2%です。
100人に4人の割合で年収1000万円以上の人がいるという計算になります。
男性に限っても100人に6人の割合です。
つまり、日本人の給与所得者の中で年収1000万円以上の人は、本当に少数であることがわかります。
年収1000万の人の手取りはいくら?
年収1000万円以上もらっている人も、手取りは少ないと聞きますが本当でしょうか。
年収1000万円以上なら手取りも1000万円以上なのでしょうか。
実際のところ年収1000万円の場合、手取りは700万~800万円ほどになるようです。
もちろん、家族構成や控除額などによって手取りの金額は異なります。
手取りは、年収から保険料、所得税、住民票を差し引いた額です。
つまり、年収が1000万円以上ということは、それだけ国に納めるお金も多くなるということになります。
しかし、そう考えても月に60万円以上を使える計算になりますから、やはりかなり裕福ですよね。
年収1000万の人の税金はいくら?
年収1000万の場合、国に納めるお金として300万円近く差し引かれていることが分かりましたましたが、税金額はどれほど引かれているのでしょうか。
手取り1000万円の場合は、年収を逆算すると1485万円となります。
年収が1000万の場合と手取りが1000万の場合は、税金の計算方法に大きな違いがあります。
まず、給与所得控除額は以下の方法で計算されます。
■1000万円までは「収入×10%+120万円」
■1000万以上1500万以下なら「収入×5%+170万円」
これを参考に計算してみましょう。
■年収1000万円の場合:年収1000万円×10%+120万円=220万円
■手取り1000万円の場合:年収1485万円×5%+170万円=244万円
さらに、住民税の基礎控除はそれぞれ33万円、所得税の基礎控除は38万円です。
これらを考えて課税対象額を計算してみましょう。
【住民税課税対象額】
■年収1000万円→605万円
■手取り1000万円→997万円
【所得税課税対象額】
■年収1000万円→600万円
■手取り1000万円→992万円
さらに住民税額と所得税額を計算してみましょう。
【住民税額】
■年収1000万円:所得割605万円×10%+均等割5000円-調整控除2500円=60.7万円
■手取り1000万円:所得割997万円×10%+均等割5000円-調整控除2500円=99.9万円
【所得税額】
■年収1000万円:課税対象額600万円×20%-42.8万円=77.2万円
■手取り1000万円:課税対象額992万円×33%-154万円=174万円
【税金合計額】
■年収1000万円→138万円
■手取り1000万円→274万円
配偶者がいる場合
年収1000万の場合の税金と手取り1000万の場合の税金を計算することができました。
しかし、配偶者がいる場合には配偶者控除があるため、また異なってきます。
配偶者控除の制度は、給与所得控除後の所得が900万・950万・1000万かによって異なります。
【住民税控除額】
給与所得控除後の所得が、
■900万円以下なら33万円
■950万円以下なら22万円
■1000万円以下なら11万円
【所得税控除額】
■給与所得控除後の所得が
■900万円以下なら38万円
■950万円以下なら26万円
■1000万円以下なら13万円
これをもとに先ほどの計算をやり直して税金を割り出してみましょう。
■年収1000万の場合→127万円
■手取り1000万の場合→274万円
年収が1000万の場合は10.9万円の差額が出る結果となりましたが、手取りが1000万の場合は差額0となりますね。
扶養控除がある場合
扶養控除がある場合はどうなるのでしょうか。
住民税控除 | 所得税控除 | |
15歳まで | 0円 | 0円 |
18歳まで | 33万円 | 38万円 |
19~22歳 | 45万円 | 63万円 |
23~69歳 | 33万円 | 38万円 |
70歳以上(同居) | 45万円 | 58万円 |
70歳以上(別居) | 38万円 | 48万円 |
この表に示されている控除額を参考に、扶養家族がいる場合の税金額を計算してみましょう。
例:専業主婦・高校生の息子・中学生の娘
【住民税】
■年収1000万円:所得割539万円×10%+均等割5000円-調整控除2500円=54.1万円
■手取り1000万円:所得割964万円×10%+均等割5000円-調整控除2500円=96.6万円
【所得税】
■年収1000万円:課税対象額524万円×20%ー42.8万円=62万円
■手取り1000万円:課税対象額954万円×33%-154万円=161万円
【合計税金額】
■年収1000万円→116万円
■手取り1000万円→258万円
中学生以下なら扶養控除はありませんが、児童手当で月額1万円が付与されます。
年収1000万稼げる職業11選
年収1000万円以上稼げる職業に憧れている人は少なくないでしょう。
年収1000万円以上を稼ぐ人と聞くと、芸能人や政治家などそれなりの資格やスキルを必要とする職業を思い浮かべることでしょう。
しかし、実は誰もが年収1000万を稼ぐことはできます。
不可能な数字ではないのです。
もちろん受験資格や学歴や経験を必要とするものもあります。
1000万を稼ぐことのできる主な職業を11種類ご紹介したいと思います。
①不動産鑑定士
まず、1つ目にご紹介するのは不動産鑑定士です。
不動産のプロと呼ばれている人たちですね。
この人たちは資格を必要としていますが、受験資格は何もありません。
誰もが挑戦できるのです。
不動産鑑定士たちは不動産の価格を鑑定評価する人たちですが、主な収入は公的鑑定評価によるもので、平均900万円前後の報酬を得ることができます。
不動産の売買が無くなることはないため、安定の職業といえるでしょう。
②宅地建物取引士
2つ目の職業は、宅地建物取引士と呼ばれている職業です。
この職業は取引を公正に成立させるために絶対に必要です。
宅地建物取引士の仕事はこの資格がある人でなければなりません。
不動産や住宅メーカーや、建築会社、金融機関などあらゆる企業からニーズがある職業です。
この資格を持っているだけで、、毎月5000円~5万円の手当がつきます。
平均年収は約600万円になります。
しかし、そうした宅地建物取引士の仕事は受験資格に資格がないため、比較的どんな人でも取り組める職業といえるでしょう。
③ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーの仕事は、老後のライフプランの手助けをする職業です。
住宅ローン、年金、生命保険、社会保険などあらゆるお金の管理にかかわります。
ですから幅広い知識を必要とする仕事です。
企業に就職した場合は、長く働けば働くほど年収が高くなります。
約400万円~2000万円まで本当に幅広い年収になります。
平均して一時間6000円程度の相談料をとるので、年収1000万を超えるファイナンシャルプランナーは多いといえるでしょう。
④MR
医薬情報担当者と呼ばれているMRも、年収1000万円以上いく職業です。
製薬会社に所属することで医薬品を売り込んだり、正確な情報を医師や看護師に正しく説明するという役割があります。
反対に問題や改善点についても説明する必要があります。
営業職に当たるものですが、扱っているものが専門的な知識を必要とする者のため、一般的な営業マンよりも給料が高くなるのです。
平均年収は約1000万円程度になります。
しかしそれに加えて、年に2~3回の賞与があったり、家族手当や住宅手当がある企業もあるため、年収1000万円以上は普通の職業といえるでしょう。
⑤セールスコピーライター
視覚や学歴が必要のない仕事の中で最も稼ぎのいい仕事といわれているのが、セールスコピーライターです。
セールスレターやブログ、メールマガジン、チラシなどのセールス文句を書くライターという職業です。
執筆した記事により、商品の売り上げが伸びれば伸びるほど報酬が多くなります。
個人や企業と契約して仕事を得ています。
例えば、報酬が売り上げの20%だったとして、仮に売り上げが10万円上がったとすると、一つの契約で2万円、50社と契約することで100万円になりますね。
⑥アフェリエイト
アフェリエイトも、ホームページやブログなどを活用して、商品などの売り上げを上げるものです。
そして、その売り上げが上がった分、報酬を高くすることができます。
そのブログを通し商品の売り上げが上がれば、日商100万円も夢ではない生活になります。
現に、アフェリエイターとして、学歴や経歴を持たずに年収1000万円を達成している人は少なくありません。
高収入を得るまでには最短でも数か月かかるようですが、その準備期間があったとしてもかなり成功率の高い仕事だといえるでしょう。
⑦個人投資家
個人投資家という仕事もあります。
株式、FX、不動産、債券、金、先物といった種類の投資先があります。
投資金を元に事業を行い利益が生まれたときに、その一部を報酬金として得ることができます。
しかし、逆に企業が倒産した時にはその投資金額はすべて損することになります。
ですから企業の力を分析する力が必要になります。
もし成功すれば資金を上手に運用して増やしていき、年収1000万円以上は簡単に稼げるようになるでしょう。
⑧在宅プログラマー
WEBシステムやアプリを開発する人たちのことをプログラマーと呼びます。
この職業は平均収入は400万~500万円程度です。
しかし、扱う言語の種類の多さや仕事量によって、年収が1000万を超える人たちも少なくありません。
最も平均年収が高い言語は「Pyton」です。
また、これから需要が高まると予測されているiosアプリの開発などにかかわると、年収はどんどん増えていくことでしょう。
しかし、こうしたスキルや知識を身に着けるには努力が欠かせませんね。
⑨漁師
漁師も高収入が狙える職業であることをご存知でしょうか。
大型漁船で世界各地を一年近くかけて巡ることで、収入のほとんどを貯蓄に充てることができる職業でもあります。
ほとんどの場合、平均月収30万円~35万円ですが、経験を積んだ漁師たちは年収1000万円を超えるようにあんります。
個人で漁師としてやっていくためには船の操縦免許が必要ですが、それ以外の場合は学歴や年齢制限など一切なく、漁師として見習いから始めることができます。
見習い期間でも年収500万を稼いでいる人もいるほどです。
⑩レンタル・シェアビジネス
お試しで使いたいもの、期間限定で使ってみたいものなどをレンタルする、またはシェアする、という新しい形のサービスです。
カーシェアリング、自転車シェアリングなどがそうしたビジネス業に当てはまります。
レンタルビジネスによって成功する人の中には年収1000万円以上を稼いでいる人は少なくありません。
借りることの需要が高まるように、日用品やサービスなどに目ざとくある必要があります。
⑪マッチング営業
最後にご紹介するのはマッチングサービスです。
企業の紹介依頼に基づいて、知り合いを紹介するだけです。
例えば賃貸マンションや事務所、飲食店でのイベント、新しいサービスを導入するための企業の紹介などを手助けします。
実際にマッチングした場合には、お祝い金として報酬金を獲得することができます。
特別な資格は必要なく、副業として活用している人はどんどん増加しているようです。
年収1000万の人の生活レベルとは? 【生活パターン別に紹介】
年収1000万円の人たちの生活はさぞ豪華なんだろう…と想像しますよね。
しかし、実際はそうでもないのが現実なのです。
住む所、家族構成によって生活スタイルは変化しますよね。
見てみましょう。
①大都市圏住民
東京や大阪など大都市圏に住んでいる、年収1000万の人たちはどんな生活をしているのでしょうか。
実は、年収1000万円程度では、大都市圏ではそれほど高額所得とは言えないのが現実なのです。
大手会社に就職して10年頑張れば、年収1000万に届くと言われているからです。
都会に住む人たちは、衣料品や装飾品は水準の高いものを身に着ける必要がありますし、住宅費や教育費なども高くついてしまうのです。
例え年収1000万だったとしても、生活水準はそれほど豪華ではなくなるようです。
②地方在住
地方在住の場合は年収1000万だと、かなり高給取りですね。
しかし、地方在住の場合は役員クラスにならなければ難しいでしょう。
もし、その地位をずっと維持できるとすれば、住宅費と食費があまりかからない田舎で暮らすには多すぎる収入となり、かなり贅沢ができそうです。
③単身者
単身者であれば、毎月30万円~40万円の貯蓄ができるでしょう。
10年ほどで家を一軒買えるほど貯まるかもしれません。
しかし、大都市圏で住もうとすれば、月30万円が生活費で飛んでいきます。
少し交通の便が良い所で便利のいい生活するには、収入のほとんどが消えると考えてもいいでしょう。
④DINKS世帯
夫婦ともにフルタイムで働いている場合は、つつましく生活すれば毎年400万円近く貯蓄できるようになるでしょう。
単身者と同じように10年後には一軒家を購入できるでしょう。
⑤ファミリー世帯
ファミリー世帯の場合は、あまり控除額が高くないのもありますし、家族が増えれば広い家が必要で、食費や教育費もたくさんかかります。
ファミリー世帯はもっとも貯蓄しにくく、年収1000万でも余裕のある生活ができないのが現実です。
まとめ
・年収1000万円の場合、手取りは700万~800万円ほどになる。
・年収1000万円と言っても都心で住むか、地方で住むかなど条件によって生活の余裕に差がかなり出る。
実際のところ、年収1000万は誰でも稼げるのです。
しかし、どんな生活をするのかによって貯蓄できるお金やぜいたくできる範囲も変わってきます。
ですから、稼ぐお金が多ければ多いほどぜいたくで幸せな生活ができる、というわけではないのですね。
あなたは年収何万円がちょうどいいと思われますか?
求めている生活レベルになるかどうかはあなた次第ですよ。